次回予告
夢なのかもしれない、それは失った時が戻らぬ以上
だが、世界は今日も新たな命を産んでいく
だから、今を知る者達が本当に戦わねばならない者とは?
次回、機動戦士ガンダムSEED DESTINY『最後の力』
明日を信じて、飛べ!フリーダム!
あらすじ
メサイア攻防戦は、敵味方が入り乱れる大混戦となっていた。
メサイアではネオ・ジェネシス再発射のためのエネルギーチャージが行われている。標的はオーブ連合首長国。
アークエンジェルはスレッジハマーと、キラ・ヤマトの乗るストライクフリーダムガンダムはレイのレジェンドガンダムと、アスラン・ザラのインフィニットジャスティスガンダムはシン・アスカのデスティニーガンダムと交戦していた。
ネオ・ジェネシスの発射が近いことを焦るアスラン。レジェンドのビームライフルを回避しながら、キラはアークエンジェルとアスランに先に行くように言う。ジャスティスのビームシールドならば陽電子リフレクターを突破することができる。キラはスーパードラグーンで牽制し、デスティニーに被弾させる。
エターナルを心配するマリューだったが、ラクス・クラインはエターナルよりもオーブを守ることを優先させる。
戦場にいたディアッカ・エルスマンとイザーク・ジュールもオーブ軍に対する攻撃を行っていたが、突如イザークはエターナルがザフトの戦艦であることを根拠に援護を行う、事実上の離反を決断した。
アスランを行かせまいとレイがレジェンドで追跡するが、ストライクフリーダムのスーパードラグーンが援護する。その時、何かを感じたレイはスーパードラグーンを回避した。
SEEDを発現したキラはデスティニーとビームの打ち合いをする。レイはシンにミネルバと共にアスランを追うよう命令する。突然のことにシンは戸惑うが、今度こそアスランを討ってすべてを終わらせろというレイにシンは了承する。
一方キラもまた、何かを感じていた。キラはレジェンドにかつて世界を終わらせようとした敵、ラウ・ル・クルーゼの面影を見る。
キラとレイの激しいドラグーンによる攻防戦が巻き起こる。ジャスティスはムウ・ラ・フラガのアカツキガンダムと共にメサイアを防衛するザフト軍を迎撃する。
アークエンジェルはゴットフリートでナスカ級を一撃で撃破した。しかし後方からミネルバが接近しミサイルで攻撃してくる。ルナマリア・ホークの乗るインパルスガンダムも。
アスランはインパルスを止めに入る。ジャスティスの姿を見たルナマリアはアスランとの記憶、そして妹のメイリン・ホークの記憶が浮かぶが、アスランを妹の仇としてビームライフルをジャスティスに発砲する。アスランはルナマリアを説得するも、ルナマリアは攻撃をやめない。やむを得ずグリフォンビームブレイドでビームサーベルをもって接近してきたインパルスの片腕を切断した。しかし負けじとインパルスもバルカンで反撃する。今度はビームブーメランでインパルスの片足を切り落とした。
そこへデスティニーに乗ったシンが駆け付ける。デスティニーは、アロンダイトを構え、ビームシールドを展開しジャスティスに特攻。アスランもビームサーベルで応戦する。シンもSEEDを発現しスラスターを全開にしてジャスティスを押し出した。
一方、キラとレイの戦いはビームサーベルでの一騎打ちとなっていた。レイは自らをラウ・ル・クルーゼと名乗り、キラの動揺を図る。キラの心にはメンデルコロニーでのクルーゼとのやり取りが思い浮かんだ。
フリーダムはレジェンドの攻撃を受けてしまう。フリーダムも反撃でカリドゥスビーム砲を発射するが、レジェンドのビームシールドで防がれてしまった。
レイもまた、過去を思い出していた。デュランダルからクルーゼはもういなくなってしまったこと、自身もまたクルーゼであると、クルーゼが飲んでいた薬を渡されていた。それが君の運命という言葉と共に。
デスティニーとジャスティスの戦いは白兵戦へと突入していた。だがついにアロンダイトを壊されてしまう。唖然とするシン。
キラとレイは激しい勝負の中で語らっていた。その近くでデスティニーがビームブーメランを放つもジャスティスにはじかれる。
そしてキラは決断し、ビームライフルでレジェンドのドラグーンを破壊。「その命は君のものだ」とつげ、ハイマットフルバーストを発射。レジェンドは直撃し大破した。
アークエンジェルはミネルバの執拗な追撃を受けていた。ムウがムラサメの小隊を引き連れて防衛する。
武装がいくつか破壊され、頭に血が上ったシンはビームランチャーを放つも防がれる。アスランは「過去にとらわれたまま戦うのはやめろ!そんなことをしても何も戻りはしない!なのに未来まで殺す気かお前は!」と叫ぶ。シンの脳裏に様々な記憶がよぎる。ステラ・ルーシェとの恋、妹のマユとの絆、そして仲間たち、「戦うべき時には戦うべきだ」という過去の自分、「敵って誰だよ」というアスラン、「それは弱さだ。何も守れない」とうレイ。
それでもシンは怒りに駆られるまま光の翼を展開。パルマフィオキーナでジャスティスに迫る。だがそこに中破したルナマリアのインパルスが割って入った。
シンの目にはインパルスがフリーダムに見えていた。
シン「うわああああ!!ステラああああ!!マユうううううう!」
錯乱して突撃するシンにジャスティスはシールドでパルマフィオキーナを受け止める。
アスラン「この、馬鹿野郎!」
ジャスティスはデスティニーを跳ね飛ばすと、両手のビームサーベルを振り下ろす。デスティニーは両手で受け止めるがパワーが耐え切れず、デスティニーの両腕は吹き飛んだ。さらにとどめとして脚部のビームブレイドでデスティニーの右足を切り飛ばす。武装を失い、大破したデスティニーは月面に叩きつけられた。
アカツキはザクやグフを次々と単独で撃破。アークエンジェルはゴットフリートを発射しミネルバのトリスタンを破壊。続いて対艦ミサイルを討つもミネルバのCIWSで撃ち落とされる。
そしてアークエンジェルはミネルバの真上にバレルロールし、バリアントでカタパルトと主砲を破壊。さらに遅れてやってきたジャスティスのファトゥム01がミネルバのメインスラスターをぶち抜いた。
航行不能となったミネルバは月面に胴体着陸する。
メサイアではレクイエムの発射準備に取り掛かっていた。デュランダルはデスティニーとレジェンドが倒された事に内心驚いている。
エターナルはキラの要請でミーティアを射出。ミーティアとドッキングしたフリーダムはメサイアに接近する。大破したレジェンドの内部ではレイが目を覚まし、メサイア内部へ向かう。
そしてついにネオ・ジェネシスが発射された。イザークはエターナルに、キラはマリューにネオ・ジェネシスが発射されたことを通告し、両艦は回避するがネオ・ジェネシスは味方のザフト艦隊を巻き添えに吹き飛ばした。
続いてレクイエムの発射準備に入る。オーブではカガリ・ユラ・アスハが一人祈りをささげていた。
レクイエム発射口が開かれたと同時にジャスティスとアカツキが陽電子リフレクターを突破して突入。ジャスティスのファトゥム01、アカツキのドラグーンが発射口で放たれ、レクイエムは暴発した。
月面。破壊されたデスティニーの中で意識を失っていたシンの前に、魂となったステラが現れる。
シン「どうしたの、ステラ?駄目だよ、君はこんなところへ来ちゃ…」
ステラ「大丈夫。だからちょっとだけ逢いに来た」
シン「ちょっとだけ?ちょっとだけなのか?」
ステラ「うん、今はね」
シン「今は?」
ステラ「でも、また明日」
シン「明日?」
ステラ「うん、明日!ステラ、昨日をもらったの!」
シン「ん?」
ステラ「だから分かるの。嬉しいの!」
シン「え?」
ステラ「だから、明日!」
シン「ステラ……」
ステラ「明日ね、明日!」
暴発を起こしたレクイエムの中からジャスティスとアカツキが脱出した。レクイエムの破壊にデュランダルは驚愕する。
気が付いた時、シンはルナマリアの膝の上にいた。シンが意識を取り戻したことに涙を流すルナマリア。シンの前にレクイエムが爆発する様子が映る。
キラは単身フリーダムでメサイアに総攻撃を仕掛けていた。前段一斉掃射しデュランダルのいる指令室も炎に飲み込まれつつある。
シンはルナマリアに抱き着き、号泣した。ルナマリアもシンを抱きしめ返す。
月面のミネルバではタリア・グラディスがアーサー・トラインに全乗員の退艦を命令した。タリアはクルーたちのことをアーサーに任せ、どこかへ行く。
キラはデュランダルと対面していた。銃口を向けるキラにこちらも銃を向けるデュランダル。そのころレイは指令室に直行し、タリアもシャトルに乗りメサイアへと向かっていた。
デュランダルは今ここで自分を討てば世界は混迷の闇に戻るという。キラはそうならない道を選ぶこともできるというが、デュランダルは否定する。いつか人は忘れ、繰り返すだけだと。
「もう二度とこんなことはしない、こんな世界にはしないと一体だれが言える」…キラにもラクスにもいうことはできない。
「それでも世界は変わっていける」「だから明日が欲しい。どんなに苦しくても変わらない世界は嫌なんだ!」と言い返すキラ。その言葉に、立ち聞きしていたレイは驚く。
傲慢だというデュランダルに、傲慢なのはあなただと言うキラ。自分はただ一人の人間だと銃の引き金に指を置く。
「だが君の言う世界と私の示す世界、皆が望むのはどちらだろうね?今ここで私を撃って、再び混迷する世界を、君はどうする」
覚悟はあるというキラ。その時、指令室に隠れていたレイとタリアは銃を構えた。
「僕は戦う!」
銃声が響く。それは背後からデュランダルを撃った、レイのものだった。
タリアはデュランダルの元へ駆け寄る。撃ったのは君かといつもの口調で言うデュランダルに、撃ったのはレイと答える。
レイは「ごめんなさい…」と泣きながら謝る。デュランダルは納得したように「そうか」とつぶやいた。
指令室が崩壊を始めた。キラは3人を助け出そうとするが、タリアから銃を向けられ逃げるように言われる。この人の魂は自分が連れて行くと。
そしてマリューに自分には子供、男の子がいること、あってあげてほしいと最後の言葉を伝える。了解したキラは指令室から脱出する。
これが自分たちの運命だったというタリアはレイを近くに呼び寄せる。
メサイアはついに崩壊を始めた。レイの功績を労うタリアにレイは「お母さん」とつぶやく。
崩壊するメサイアからフリーダムは脱出した。メサイアは月面に墜落し爆散した。
キラが、シンが、アスランが、ルナマリアが、それを見ていた。
宇宙空間には、この戦いで撃墜されたモビルスーツや艦隊の残骸があった。
月面には、デスティニーとインパルスの残骸も…。
エンドロール後、エターナルからフリーダムが発進し宇宙へと飛び去って行った。
FINAL PLUS 選ばれた未来
メサイア攻防戦後、プラントとオーブは停戦協定を締結した。
ルナマリアと共にアスランに回収されたシンは、彼等と共に久方ぶりに家族の慰霊碑の元へ訪れる。
自らの力の象徴であったデスティニーを破壊され、力の誘惑によって自身を縛ろうとしていたデュランダルが倒れた後、ようやくその呪縛から開放されたシンは、自分自身を見つめなおす事が出来る様になり、自分が本当に望んでいたのは何であったのかを思い出す。
そして、その場でキラと対面し和解。その後は本当に平和な世界を作るべく新たな戦いの道を歩み始めた。
戦後、キラはラクスと共にプラントへ渡り、白服(部隊長)待遇でザフトに迎え入れられ仲間達と共に新たな戦いへと歩き出した。シンはルナマリア、メイリン、そしてアスランと共にオーブ軍に出向している。
HDリマスター版では
総集編であるPHASE-41「リフレイン」が削られたため、このエピソードが第49話、「選ばれた未来」が第50話(最終話)となっている。
TV版との相違点は、シンがアスランに敗れる所まで描かれている点で、キラとデュランダルが対峙するそれ以降のシーンが「選ばれた未来」に持ち越されている。