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CV:中尾隆聖


概要編集

エーデルローズ財団理事長で、プリズムスター養成の名門校であるエーデルローズの総帥である法月仁の実父。

財団は養成校であるエーデルローズの他、男子校の華京院学園や女子校のル・セリアナ女学院など複数の教育機関を傘下に置いている。

元・プリズムショー協会の会長であり、現在は事故のケガにより現役のプリズムスターを引退している氷室聖に会長の座を託している。


プリズムスター達を見守り最大限の援助を行う人格者であったが、自らの過去に行った「過ち」が原因となる形で、息子の仁に歪んだ道へと進ませてしまう事になり、『レインボーライブ』、ひいては『KING OF PRISM』に巻き起こる若きプリズムスター達への波乱に繋がってしまう事になった。


人物編集

基本的に真面目で温厚な人物で、教育者として才能を開花させる機会に恵まれない子供たちに学ぶ機会を広く提供したいと言う信念を持っている。

その為、プリズムスターであった母親の氷室マリアを亡くし天涯孤独の身となった聖を引き取って彼が天才的プリズムスターへと至る切っ掛けを作り、半ば育児放棄に近い状態で育った速水ヒロの才能も見出して特待生待遇で華京院学園に入学させたりもしている。


しかし、息子の仁は、「格」ばかりを重んじる妻・法月愛の影響やプリズムショー協会会長である聖に対する現役時代からの強い敵愾心に起因する形で、自身とは対照的と言える得点至上主義を追求する余り、画一的で些細なミスも許さない閉塞感の強い教育方針を敷いていた。

無論、仁の考えの全てが間違いとまでは言えなかったのだが、「煌めき」という理想を追い求める皇にとって、自身の理想を理解しない愛の影響を色濃く受けた仁の方針は認められず、結果的に聖の方ばかりに期待を寄せていく結果となり、逆に仁との親子の確執は深まる一方となってしまった。


劇中の様相編集

レインボーライブ』の終盤では、仁の奸計によって天羽ジュネとのスキャンダルを報じられ辞任した聖の後任として、プリズムショー協会の会長へ再就任する。


その後、仁が重ねていたエーデルローズからプリズムクイーンを輩出する為に手段を選ばずプリズムクイーンカップの出場者選考に介入したり審判に賄賂を贈るなどの悪行を黒川冷(DJ.Coo)の告発によって知らされた結果、勘当を言い渡してエーデルローズ総帥を解任すると共にプリズムショー界から追放した。


最終盤のプリズムクイーンカップで優勝してプリズムクイーンに輝いたのはエーデルローズ女子部の蓮城寺べるとなった。

しかし、主人公で最終演技者の彩瀬なるが世界からプリズムの「煌めき」が急速に失われて思うようにプリズムジャンプが飛べない中でも諦めず懸命に演技を続けて観客の共感を呼びプリズムの煌めきを蘇らせた経過を振り返り、「本当の勝者は彩瀬なるさんだったのかも知れない」と評している。


を患っていた事からKING OF PRISMの時点では既に故人となっているが、エーデルローズ男子寮には皇の肖像画が飾られている。


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明かされる聖との関係と家庭環境

前プリズムショー協会会長の氷室聖は仁の失脚によって後任のエーデルローズ総帥となったが、この2人は異母兄弟である。具体的には正妻との息子が仁で、皇と元プリズムスターの氷室マリアとの間に生まれたのが聖と言う事になる。

この関係は、『レインボーライブ』の時点では女児アニメの設定としては重過ぎる為か、裏設定として扱われていなかったが、ストーリーが『KING OF PRISM』へと移行してからは、改めて公式設定へ引き上げられる事になった。


かつて皇は、互いの家格と財産を補い合うような形で両家の令嬢である愛と結婚したが、「格」にしか興味の無かった彼女は妻として皇に心を開こうとしないばかりか、彼の理想とする「煌めき」にも理解を示さなかった。

息子である仁が産まれてからもそれは全く変わらないスタンスだった様で(むしろ、後継者が生まれた時点で更に距離を置かれてしまったのかもしれない)、そんな愛との冷え切った夫婦関係は、皇にとって精神的な苦痛となる一方となっていた。

そんな中、皇はプリズムスターとして活躍する氷室マリアと運命の出会いを果たす事になり、自分の信じる理想である「煌めき」に理解を示してくれた彼女とどんどん惹かれ合った結果、遂に二人は「過ち」を犯してしまう事になった。


その後、マリアは皇との間に聖を産む事になるが、法月家に迷惑を掛けない為に自分一人で聖を育てていく事になる。

しかし、不幸にも持病によってマリアはそれから数年で病没してしまう事になり、天涯孤独となった聖が自身とマリアの間に生まれた子であった事を知った皇は、聖を放っておく事が出来ず、愛や仁に真相を明かした上で法月家で引き取る事になる。

幸い、一番ショックを受けるだろうと思っていた仁の方は、全てを受け入れた上で聖を弟と認めて良好な関係を築いていたのだが、そんな仁がプリズムキングの座を得て、それに憧れを持った聖もプリズムスターを目指した結果、少しずつ関係に亀裂が生じ始める。


無論、聖がプリズムスターを始めた時点で二人の仲がいきなり拗れた訳では無く、その原因を作ってしまったのはむしろ自身や愛の方にあった。

かつて心から惹かれて愛し合った仲であるマリアとの子である上にプリズムキングに輝いた仁をも超えるプリズムスターとしての天才的な才能を発揮した聖の姿を見た皇は、より彼を一層父親として期待を寄せる事になり、更にはこれまで「煌めき」に理解を示さなかった妻の愛までもが、聖のプリズムジャンプによって魅了される事になり、ある意味でこの時に愛は夫の信じる理想である「煌めき」の素晴らしさに理解を示す事になったと言える。

だが、同時にこれは仁の心に大きな衝撃を与えてしまう物でもあった。父親である自身のみでなく、煌めきに理解を示さない愛までもが聖に魅了された事実は、プリズムキングにまで至っても愛から認められる事の無かった仁にとってあまりにも辛過ぎる現実であり、更に聖をプリズムスターとしての唯一無二のライバルと見なす黒川冷からも歯牙にもかけられていない事実も重なった結果、「誰も自分を見てくれず、聖の事ばかりしか見ようとしない」と追いつめられた仁は精神の均衡を崩してしまう事になり、それまでと一転して聖に激しい憎悪を燃やす事になってしまう。そして、聖が驚異の4連続ジャンプにも成功した事実を聞かされた仁は、遂に奸計によって聖の選手生命を絶ってしまう。

その後、仁は繰り上がりという形でプリズムキングの座を死守する事になったが、仁の行いに気付いたのか、皇は仁を自身の後継者として認めなくなり、彼をエーデルローズ総帥の役職へと追い込んだ後、新たに天羽ジュネというプリズムスターを誕生させた聖を自身の後継者としてプリズムスター協会会長の役職へと就かせる。


だが、聖の方が完全に被害者であり、加害者である仁の行動が当然許される事ではない反面、結局その決定は何の解決策にもなっておらず、本来ならば家庭を持つ父親として、何より過去に「過ち」を犯してしまった責任として、弟として愛していたはずの聖を憎むようになってしまった仁とは、たとえより拗れる可能性があってたとしても、何が何でも「話し合い」をしなければならなかった。

しかし、おそらくは自らの過去の「過ち」に対する仁への負い目に加え、プリズムスターとしての輝かしい栄光が待っていたはずの聖の将来を潰された事への「怒り」が先走ってしまったと思われる皇は、「仁が何故その様な事をするようになってしまったのか」という最も重大な点に目を向けられず、仁が心の奥底に抱えていた「孤独」と向き合うどころか気付く事も出来ないまま、かえって聖を贔屓する方針を取ってしまう。

無論、それは仁の中に眠る聖に対する敵愾心や憎悪といった火に油を注ぐだけにしかならないばかりか、エーデルローズ学園の総帥の座を利用する形でヒロや蓮城寺べるといった生徒達を権力で支配する様になる等、更なる被害の拡大化へと発展。そして、それについても皇は「若者達の未来を踏み躙って憂さを晴らしているだけ」と、軽率とも言える判断をしてしまい、ロクに話し合おうともしないまま、「勘当」という形で彼を切り捨ててしまう道を選んでしまった。


「エーデルローズ財団の会長」としての皇の決定は極めて妥当な判断であったかもしれない。だが、「若きプリズムスター達を導く指導者」としてはなるやヒロ、べる達を救済するに至った反面、「仁と聖の父親」としては常に悪手ばかりを打ち続ける事となってしまったのは紛れもない事実であった。

おそらくそれが原因で姿を消した仁とは勘当の宣言時に今生の別れとなり、和解はおろか話し合う事も無いまま、病に侵されていたとは言え皇は仁を完全に見捨てたままこの世から去ってしまう顛末を迎えてしまった。

残されてプリズムスター界に復帰した仁は自らの立ち上げたシュワルツローズでエーデルローズごと聖を潰す事だけが生きる理由となってしまう事になり、聖の方は仁と和解したくとも「どうして仁が自分を憎む様になってしまったのかが理解出来ない」という根本的な問題を抱え、かつての人の人柄を知る数少ない一人であるヒロも二人の間に起こった確執については何も知らず、愛に至ってはどんどん孤独に陥っていく仁に興味さえ示そうともしない。

皇がこの世を去った今、仁と聖はこのままどちらかが倒れるまでぶつかるしか無いのか?

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