概要
コロニー・メンデルでの戦いで、キラ・ヤマトはラウ・ル・クルーゼから自身の出生とその出自ゆえに双子の姉のカガリ・ユラ・アスハと共に当時はブルーコスモスの最大の標的だったことを暴露される。
クルーゼにこの世にいてはいけない存在だと否定されたこと、キラ・ヤマトという存在自体が間違っていると言われたことで、キラは自分という存在に強く疑問を抱き、そこに追い討ちを掛けるように憧れだった少女「フレイ・アルスター」と戦場で再会するも彼女を救えなかったため、エターナルに戻った直後、キラは心労から倒れてしまう。
そんなキラを救ったのが、ラクス・クラインであった。
ラクス「キラ…」
キラ「大丈夫…。僕、もう泣かないって決めたから…」
アフリカ砂漠でザフトと戦っていた頃、フレイの温もりに縋ってしまった過ちを時の繰り返してはいけない。それによってもう誰かを傷つけたくないと思い込んでいるキラは、もう泣かないと決めたと言う。
しかし、ラクスはそんなキラを優しく包み込むように、こう言った。
ラクス「泣いて、良いのですよ」
キラ「っ!!」
ラクス「だから、人は泣けるのですから」
何も聞かなくても、ラクスにはキラが倒れた理由が分かっていたのだろう。カガリの持っていた写真、目を背けたキラの様子から。
キラも感情を持つ一人の人間だ。だから、泣けるのだとラクスは言う。泣きたい時は泣けば良いと。
そうして、キラは声を上げて泣き出した…。
ラクス「キラには、悲しい夢が多過ぎます。でも、ここにいるあなたが、全てですわ」
ラクスの前では、何も取り繕う必要は無い。隠す必要も無い。
ラクスは何を見ても、何を知っても、必ずそこにいてくれる。常にそこにいて、ありのままのキラを受け入れてくれる。
間違った存在と言われ、この世にいてはいけない存在だと否定されても、ラクスだけはありのままのキラという存在を認め、肯定してくれる。一人の人間として。
だからキラは、今は赤子のように声を出して泣くことが出来たのだ。
関連タグ
ラクス・クライン:言った側
キラ・ヤマト:言われた側