ラクスはプラントの様子を見てくることを決断。道を探すにも手がかりは必要であることもキラに告げ、驚きラクスの身を案じて反対するキラを優しく諭す。バルトフェルドと搭乗したシャトルが撃墜されかける危機に陥ってしまうものの、キラが駆るフリーダムが飛来。ミサイルを撃ち落とし、多くのバビとガズウートも撃破、管制塔に接近して風圧でガラスをヒビ割れさせた。

やっぱり心配だから一緒に行くと主張するが、ラクスにマリューやカガリらはどうするのかと指摘される。それでも譲歩しないキラにラクスとバルトフェルドは「私なら大丈夫ですわ。必ず帰ってきます。あなたの元へ。だから」「ここまで来て我が儘言うな。俺がちゃんと守る。お前の代わりに命懸けでな」「信じて任せろ」と説得し、最終的に「分かりました。お願いします」と折れた。

「ほんとに気を付けて! ラクス、絶対……」

通信は途切れてしまったが、宇宙に上がっていくシャトルをキラは切なげに見つめ続けた。

DESTINY PLANとストライクフリーダム

ダコスタがメンデルから持ち帰って来たノートによってDESTINY PLANを知ったラクス、バルトフェルドだが、メンデルを見張っていたジンに尾行されていた。危機をターミナルからの連絡で知ったキラはストライクルージュを借り、駆けつけた。久し振りの逢瀬と互いの無事に喜び抱き合う2人。

ラクスは新しい剣としてストライクフリーダムを託すのだった。暗い表情のラクスとは対照的に、シンとの戦いでフリーダムを失い無力を感じていたキラは「ありがとう。これで僕はまた、ちゃんと戦える。僕の戦いを」と感謝を述べてラクスの両手を手を取る。

「待ってて、すぐに戻るから。そして帰ろう、みんなのところへ」

「はい」

ミーアの死

ラクスがオーブ攻防戦後に表舞台に立ったことでミーアは議長から身を隠すよう命じられたのだった。自分の立場の危うさに不安を駆られ、また、『ラクス・クライン』であったことへの充実感が忘れられず、本物を闇に葬り、成り代わろうとしたミーア。

しかし、「自分は自分以外の何者にもなれはしないこと」「『夢』を他者に利用されてはならないこと」を説かれ、涙する。

しかし、直後に監視役だったサラの凶弾からラクスを庇い、息を引き取るミーア。

彼女の付けていた記録を読んだラクスは、先の対戦の後、自分が表舞台から逃げたことが彼女を死に追いやってしまったとキラの腕の中で後悔の涙を流す。これが、彼女がオーブとプラントの戦いの後にプラントへと戻る決意をした1つの要因になっている。

共にプラントへ

キラもラクスと共にプラントへと身を置くことに。

キラはザフトの白服を身にまとい、ラクスは議員の1人となる。

アスラン「ラクスを困らせたり泣かせたり、それこそ害を為そうとする者なんかがいたりしたら、キラは完全に怒るからな! そうなったらもう、手に負えないから覚悟しろよ!」（DESTINY後のドラマCD「OMAKE quarters」Vol.3より）

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

C.E.75、ラクスは世界平和監視機構コンパスの初代総裁に、そしてキラはコンパス所属のMSパイロットとしてライジングフリーダムガンダムを駆って戦争の根絶と平和な世界の構築を目指していた。

そんな中、新興国家・ファウンデーションからブルーコスモスの本拠地に対する共同作戦を提案されたコンパスの面々はファウンデーションへと赴く。

オルフェ「その血塗られた手で彼女の手を取るつもりか？」

グリフィン「闇に堕ちろ、キラ・ヤマト」

SEEDシリーズ完結編となる今作では二人に最大の試練が訪れる描写がある。

ただ平和を望み、寄り添い合って生きたいキラとラクス。しかし、運命がそれを許さない。

果たして二人は運命を乗り越えて自由を掴み、願いを叶えられるのだろうか…？

【CAUTION】以下、映画のネタバレ注意！！

本来ラクスが結ばれるべき相手は、キラでも元の婚約者のアスランでもなく、オルフェ・ラム・タオであり、ラクスはオルフェたちブラックナイトスコードと同じくコーディネイターを超える超越種「アコード」であることが判明した。

「デスティニープランに従い貴女は自分と結ばれるべきだ」と主張するオルフェに対して、ラクスは戸惑う。

一方、キラたちは機体と母艦を失いながらも、秘密裏に行動していたアスランとメイリンの救援で窮地を脱しオーブに生還した。

その後、黒幕の正体とその目的を知り、その場に居合わせた者達はラクス救出のために動き出す。

だが……キラは「ラクスが(こんな自分に愛想を尽かして)裏切った」と思い込んでしまうほど、心は既に折れてしまっていた。

そんな姿を見かねたアスランに殴られ、これまでの溜まっていた不満などが爆発したキラは、普段なら言わない暴言まで吐き出しながら反撃するも、元々軍人として訓練を受けていたアスランにボコボコにされる。

そして、殴り倒されたキラは涙を流しながら本音を漏らす。

キラ「ラクスに……会いたい」

キラ「ラクス……ただ隣で笑っていて欲しいだけなのに……僕にはもう、どうしたらいいのか分からない！」

アスランとマリューから、ラクスは誰かに平和をプレゼントされることを望んでいたのではなくて、そこに向かって共に歩む相手を望んでいたんじゃないのかと諭され、アスランに「不安なら会って聞いてみろよ」と言われて顔を上げた。

「行こう、キラ。ラクスを助けよう、俺たちで。言葉にしないと伝えられないこともあるから」とアスランから差し出された手を掴み再び立ち上がる。

一方、運命を受け入れろというオルフェに対して、ラクスは「自分が愛しているのはあくまでキラ」だと言って拒絶する。

ラクス「必要だから愛するのではありません！愛しているから必要なのです！」

オルフェは「キラは死んだ」とラクスに嘯くが、ラクスはキラの生存を信じていた。

苛立ったオルフェに危うく暴行されかけてしまうが、

「力で人を従えても心はけっして従えることはできません。何をされても私の中からキラを消すことはできません」と言い切るラクス。

結局、オルフェは手を出すことは出来ずその場を去った。

そのままアルテミス要塞に監禁され続けるラクスだが、キラが仲間と共に救出にやってくる。

だが、イングリット・トラドールに拘束されてしまう。

「歌えなくなったこの人を、それでもあなたは愛してるって言えるの！？」と詰問するイングリットに対して、

キラ「ああ！その目が見えなくなっても、声が失われても、ラクスはラクスだ。僕はその全てを愛している！」

躊躇わず笑顔で言い切ったキラに感極まったラクスはイングリッドの拘束を振り切ろうと動き、前に倒れようとしてるラクスをキラは抱きとめてイングリットから距離をとる。

「なんて無茶を！」と心配するキラにラクスは笑顔で告げた。

ラクス「愛しています！わたくしも！」

2人が愛の言葉を交わしたのはこれが初めてである。

アルテミスを脱出後はラクスをアスラン達に託したキラは、ストライクフリーダムガンダム弐式に乗って戦場へ向かう。一方、ミレニアムに保護されたラクスは演説を終えると、キラの力となるべくプラウドディフェンダーに乗り込んでキラの元へ急行する。

そんな彼の前には、エルドアの戦いで自身を倒したシュラが駆るブラックナイトスコードシヴァとオルフェとイングリットが駆るブラックナイトスコードカルラが立ちふさがっていた。

キラ「だけど、僕にも武器がある！」

オルフェ「何だそれは？」

キラ「ラクスの愛だ！」

ラクスの愛を胸に戦うもMSの性能や相性、戦力の差は大きく、武装の大半を失い、機体はオーバーヒートを起こし、ついにフェイズシフトもダウン。

絶体絶命の中、ラクスが乗るプラウドディフェンダーが到着し、ストライクフリーダムガンダム弐式とドッキング、マイティーストライクフリーダムガンダムへと強化させる。

ラクス「私の意思はあなたと共にあります。幾久しく、よろしくお願いします」

小説版では「彼女と一緒なら、どこへでも行ける。たとえこの世の果てまでも。」とキラの心情が綴られている。

キラ「行くよ」ラクス「はい」

2人で力を合わせてカルラを撃破した後、オーブの海岸に降り立ち(パイロットスーツを脱ぎ捨てており、全裸になっている）、二人は口づけを交わす。

こうして、未来への希望を感じさせながら二人の物語は幕を閉じた。

余談

最後二人はミレニアムに戻らずに地球に降りていたが、その後にラジオで監督が「ラクスがアコードって判ったらアイツ大変だよ。殺されかけるよ。とっと地球帰っちゃったのは生死不明にしようと思って」と話されているため、どうやらそういった事情から仲間たちの元ではなく、地球へ向かったようだ。
この後二人は、とりあえず引退とかはないだろうけど（何を引退？）、少しだけ休ませてあげたいなとは思いました。ただ多分またフリーダムはアカツキ島地下で修理と改修を受けるだろうし、孤児院とは別にあるアスハの別荘とかで二人で静かに羽を休ませていそう。（福田監督のXより引用）
「あの後歌でも歌って復帰するんじゃないですかね。歌で平和活動とチャリティーとかね。差別の問題とかは解決しやすいんじゃないですかね」（3月17日の舞台挨拶）

今回の一件を通して互いの愛をより強固なものとし、仲間との信頼と絆も深めた二人はこの先どんな試練が訪れたとしてもそれを乗り越えて共に生き抜いていく事だろう。

ラクス生誕舞台挨拶で「キラとラクスは同じ第一世代なので子どもができる」ことが確定。おめでとうございます。

小説版ではあらゆる意味でキラを生み出したユーレンと、ラクスを創ったアウラはライバルであったこと、アコードの中でもラクスは最高傑作であったことが判明した。