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概要

別名を「天父神(sky father)」といい、「地母神earth mother)」と対なる概念である。

神話上で子供を設けている男神は珍しくないが、「父なる神」はその父性そのものが抽象性・象徴性を帯びている。

そのため、直接の子孫でない神や人間にとっても「父」である、とされる。

地面から直接生まれたわけでもない我々が「母なる地球」という語を使うような塩梅である。

諸宗教における父なる神

インド・ヨーロッパ語族の諸言語で語られた神話には「父なる天(神)」を意味する名前を持つ神々がいる、という特徴を共有している。

ギリシャ神話ゼウスローマ神話ユピテルインド神話ディアウスディアウス・ピター)が該当する。

北欧神話テュールも元は上記の天父神の系譜に連なる神であったとされるが、後に軍神の特徴のみが残り、「父性」を含む要素はオーディンに引き継がれた。

オーディンは「アルファズル(万物の父)」の異名を持つ。

この他、ヨーロッパではケルト神話ダグザも「偉大なる父」と呼ばれている。


「父なる神」類型は印欧語族に顕著であるが、他地域にも見られる。メソポタミア神話エルは「神々の父」であった。

「エル」はセム語族、そのうちの一つヘブライ語でも「神」そのものを意味しており、その父性はYHVHにも引き継がれた。

ヤハウェは性別を持たない唯一神であるため、その父性の抽象性が際立つことになった。

聖書において被造物である天使人類、とくにイスラエルの民は「神の子」と呼ばれている。

しかし、同じアブラハムの宗教であるイスラム教聖典『クルアーン』5章18節においては神の父性そのものが否定された。

イエス・キリストが(神性を持つ者としての)神の子である事だけを否定するのではなく、象徴的表現としての「神の子」も退け、自分たちをそう呼ぶユダヤ教徒とキリスト教徒が批判されている。

芸術表現における父なる神

西洋キリスト教美術において父なる神はしばしば髭を生やした老人の姿で描かれている。ミケランジェロ・ブオナローティの『アダムの創造』はその代表例の一つである。

あくまで比喩的なものであるが、あまりにも多様化された結果、陳腐化しており、「聖書の神」の姿として非信仰的な文脈でも用いられている。


西洋以外のキリスト教、正教会の地域にも「老人の姿をした父なる神」というモチーフは伝来したが、1667年の「モスクワ公会(モスクワ教会会議)」において否定された。

その後のロシアでも、ヴィクトル・ヴァスネツォフの『父なる神』(1907年)のような老人の姿をした父なる神の絵画が描かれたが、これは公式なイコンではなく、宗教を題材とした世俗の絵画という扱いである。

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