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田中実(DEATHNOTE)

たなかみのる

田中実とは、ジャンプスクエア2020年3月号に掲載された『DEATHNOTE』の番外編『aキラ編』(短編集に収録)の主人公である。
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ああ 計画通りデスノートを売る


概要編集

ジャンプスクエア2020年3月号に掲載された大場つぐみ原作の漫画作品『DEATH NOTE』の読み切り番外編aキラ編』の主人公


東京都在住の少年で、2017年時は中学生3年、2年後の2019年時は高校生2年となる。デスノートのキャラには珍しく、ポピュラーな名前である(ちなみに田中実という名前が「日本で一番多い名前」である)。


作中での活躍・行動編集

オークション計画考案まで編集

2017年に、中学校の教師達から「知能テストが3年連続全国1位の日本一頭のいい中学生」の評判を聞いたリュークは、その中学生である彼の元で訪れる。そして、以前Cキラが使っていたデスノートの新たな所有者となった。それからデスノートの存在とその能力を知り、キラである夜神月(話では個人名は言えないとして伏せられた……が、実がキラの行動を知ってその頭脳を称賛した際、リュークは『あいつは勉強も全国一位だったからな』と述べているので『キラが活動した時代の全国模試一位』を探せばそれがキラであると推測できてしまう。ちなみにラストシーンでもリュークのノートに書かれた名前に夜神月と乗っているので、その名前を持つ人物がキラであると示唆する描写となっている)の行動を詳しくリュークから聞き出し、知ることが出来た。


そして、現代に合った自分なりのノートを使った計画を数時間で考え、リュークから「リュークを知覚できる人間が他にも居ること」と「ノートの所有権を持つ人間に死神が14kmまで憑けること」を確認した後、一旦ノートの所有権を放棄し計画を2年後の2019年に実行することを決める。


その計画は、「デスノートをネットオークションにかけ、売る」こと。

つまりは最初にして最後の『金融犯罪者』としてのキラとして動いたのである。

※ただしニアも述べた見解の通り、そもそも人間界に「デスノートを売買する罪」が存在しないため、厳密には犯罪ですらないため公の法で裁くことはできず、元SPKメンバーも法的根拠がないままノートの強奪を狙ったことでニアにやんわりと諌められている。

所有権の放棄後、リュークに頼んでノートに関する記憶を消してもらい(ノートに何も書いていないことから所有権放棄だけで記憶は消えないので、リュークに消してもらっている)、2年後にデスノートに関する記憶を全て思いだし、リュークを14km圏内に位置するさくらTVに出向かせ、TV局の紙とペンを使ったメッセージを放送中のニュース番組に映す方法でオークションを始めた。


オークション開始~終了まで編集

初めは「キラの力を競りにかけ売ります」として、Twitterにて「#kiranochikara」というタグを付けた、アメリカ$(ドル)で金額を提示させるツイートを出す方法を指示した。この出来事は世間や日本警察アメリカFBI、当代のLであるニアの耳にも届いた。


ニアは、デスノートをオークション(auction)にかけている者をauctionの頭文字を取って「aキラ」と名付け、「罪には問えないが、頭が良いaキラと会ってみたい」という個人的動機から捜査を開始するが、リュークが見える数少ない人間への対策も怠っていなかった実の綿密な計画により手詰まりとなる。元SPKメンバーと日本警察も法的根拠はないとはいえノートを放置もできないことから、ニアの助言もあって売買成立後に落札者からノートを押さえる方針を余儀なくされ、オークション中は静観ということになる。


オークションは、1日足らずで300万$(掲載当時の為替で3億円)以上の値が付き、残り1週間前には過去にキラ確保の為の番組に出演した松田桃太がニュース番組に独断で登場し、世間での真実味が増したことでその翌日には3000億$(30兆円)の値が付いた。


地球上最悪の暴力装置となり得るデスノートが国レベルの争いに至ることを読んでおり、実際にそこまで発展したことを確認した実は、番組で「Twitterではなく国の政治の代弁者がメディアを通し、いくらで買うか正式に発表してください」「入札する各国首脳は金額だけを言い余計なことは言うな」と痛快な指示を重ね、最終的にデスノートをアメリカに10兆$(1000兆円)で売ると発表。落札代金の受け渡しの方法は、「日本のヨツバ銀行に普通口座を持ち、東京都内に戸籍を持つ2019年5月24日までで60歳以下の人に等分し、2019年5月27日までに振り込む」。1000兆円を100万人で山分けした場合でも、「1人10億円」の取り分を入手できる算段であった。


三日後には所有権を捨ててaキラであったことすら忘れる実を、何十万人もいるであろう口座の持ち主から特定するのは不可能であり、ニアはLになってから初めて自身が敗北したと認めた。


オークション後編集

オークション後は、アメリカからヨツバ銀行に10兆$の送金があり、顧客が押し寄せる事態となった。アメリカが支払ったことを確認した実は、リュークにノートをアメリカ大統領の元まで持っていかせ、ノートの所有権を捨てどんなことがあっても二度と目の前に現れないことをリュークに約束させた。


しかし、リュークは実からアメリカ大統領に手渡す間に死神大王に呼び出され叱責を受けると共に、「人間界でデスノートの売買をした者は死ぬ」という新しいルールを加えさせられていた。リュークが持ってきたノートに触れた大統領は「実際に受け取らなければ買ったことにはしないが、払った金は取り戻せない」「仮に自分がノートを受け取り死んだとしても、アメリカ政府はノートを得られる」とリュークに告げられるも、大統領は「表向きはアメリカがノートを買ったことになっているのだから、ノート自体がなくても『買った』という事実で他国を牽制できる」という理由から、受け取りを拒み生き長らえた。(リュークは当初命惜しさと解釈したが、「確かに得たことを公表する」ことと上記の「政治的判断」+「どのみち使えない事情」を説明され感心していた)


だが、売主である実のほうは、リュークが「人間も死神も約束を破るのはダメ」「どんなことがあっても二度と目の前に現れない」という約束を律儀に守ったことから、自分の企てを忘れ新ルールについても知らないまま、振り込みの1ヵ月後ヨツバ銀行で金を受け取った瞬間に心臓麻痺死亡し、「所有者が死んだらノートを渡した死神はその人物の名前を書く」という掟通りリュークのノートに名を記されることになった。


「計画は完璧だったのにな…」


後述されているが、「何一つ悪事を働いていないのに後出しのルールで理不尽に死ぬ事になってしまった不運なキラ」と言える。


人物編集

容姿編集

癖のある髪型をしており、主に自宅では白いジャージを着用している。この髪型は中学生時から変わっていない。


知能編集

IQ測定テストで3年連続全国1位を取る高い知能(中学3年時の結果はなんと182であった)を持ち、通っていた中学校の教師達からは「日本一頭のいい中学生」と称された。ただし学業に興味がなく、英語のテストでは赤点を取っていることに加え、デスノートの表紙裏に英語で記されているルールの説明も和訳なしでは読めていなかった。


また、本人にその自覚はなく、単純に「『IQテスト』や『脳トレ』等の番組にハマり、スマホでも『IQテスト』等ばかりして暇を潰しているからなだけ」と考えており、少しなぞなぞやクイズが得意なだけと考えていた。しかしそこに目を付けたリュークは、デスノートの存在を明かし、ノートを使わせようと考えたのである。


オークションの計画も用意周到で確実に成功するようにされており、ニアも「とても頭がいい」と分析しており、捜査すらさせず目的を達成したことからニアも「Lになってから初めて負けた」と敗北を認めている

加えて現在確認されているキラの中でも社会的影響は極めて負の方向には働かず、寧ろ日本に特需を齎している。

悪を滅するという信念とそれによって救われる者がいた事自体は認めるが、その邪魔をする者には卑劣と残忍の極みを以て排除する原初のキラや、本質は模倣犯に過ぎず、そもそも人を殺しているとすら思えていなかったCキラ(ニア曰く「月関連の"キラ"と比較するのも烏滸がましい、火口たちと変わらないクズ」「キラを倒すべき敵と感じたL、実際に戦争を止め犯罪も7割減らしてみせた月にも失礼」と言うことで「"C"heapキラ」、ニアに「お前には関わりたくない、この人殺し」とただ一言罵倒されただけで罪悪感に押しつぶされて絶望・発狂し自分のノートに名前を書いて死亡した。)等、キラの系譜を持つ犯罪者に依然として否定の意志を見せるニアが潔く敗北を認めたのも、「法自体には何も触れていない」「"殺人"ノートを殺人に使用せず"使った"」など最もユニークでユーモアのあるデスノート所有者にしてアンチヒーローな側面を評価したと思われる。




性格編集

慎重且つ用心深い。自分自身はネットを使わず、リュークをTV局に送り込む点にも表れている。

また約束を重んじる性格で、「人間も死神も約束を破るのはダメ。でなきゃ組めない」と発言している。これはリュークが信用に値する存在か確かめる意味合いもあったと考えられる。


セキュリティが強化された現在において、月のように使用・行動することはできないどころか、そもそも殺人をさせられたくなかった実はノートの存在を疎んじて、「死神の機嫌を損ねる事も、他に使うであろう人間の元に渡る事もなく、ノートを穏便に処分する方法」を考案している。


さらに一部の隙もないオークションの進行に加えて、全世界を騒がせて得た莫大な金を、足がつくこともなければ、自分が記憶を失った後に自分で怪しむこともなく使える手段まで思いを至らせた末に唯一の解決手段である「山分け」に至るなど、物事には完璧かつ綿密な計画を立てる完璧主義者である点がうかがえる。


尤もキラという前例が居たことで、ノートや死神の信憑性が増し、好奇心からノートを試すこともなく同じ轍を踏まずに済んだとも言える。



もし実に新ルールが通知されていたら?編集


もしも実がリュークから新しいルールを教わっていたなら当然10億の受け取りを拒否するはず。

保身を考えて10億を諦めた場合は制約なく使えるはずの10億円に手をつけない人物がいるという証拠になり、自分以外の誰かに受け取らせた場合その協力した誰かが実の口座を操作したという証拠を残すことになる。(しかも、その「誰か」はデスノートに関わっていないので記憶を消せない)

加えて実は「ルール」により、少なくとも10億円そのものに手をつけることができない(※新ルール「売主は金を受け取った時に心臓麻痺で死ぬ」)ため使うにしても「誰か」を経由する形でしかものを購入することが出来ない。

すなわち、どうやっても不自然な金の流れという証拠を残してしまうことになる。

それを日本の警察や国税局、そしてニアが見逃す可能性は低く、もしもこの売買に関するルールがニアに知られた場合、そこから実の身元が特定されてしまうのは時間の問題だったと考えられる。


とはいえ、実がしたことは「キラの力=デスノートを売った」だけで、キラのように殺人は行わなかった。

彼は「キラ」と評されながらも殺人犯どころか犯罪者ですらなく、たとえ強引に逮捕できてもノートの存在を世間に明かすわけにもいかないことから有罪どころか裁判すら不可能で、彼の恩恵を得ることができた数十万人のヨツバ銀行口座を持っていた都民を中心として日本に特需を齎した、という過程に過ぎないがアンチヒーロー的な側面もある。

加えて実自身がノートを手放したところで元凶たるリュークが残っていれば人間界への混乱は避けられず、この計画は「地球上で最もおいそれと使うことができない国家=アメリカに渡す」という解決策も含めたものであることから、むしろ死神の悪質な道楽による人間界への被害を最小限に留める(これは失敗に終わったが)効果も留意する必要があるだろう。


つまり情状酌量や犯罪性は月とは段違いであり、身元がバレても彼を擁護する団体も出てくる可能性は低くなく、扱いには非常に困ったであろうことは想像に難くない。ニアもこの点について理解していた(そもそも最初から罰する意図もなかった)ため、正体探しが不可能になった時点で手を引いた。


関連イラスト編集

Minoru Tanaka, 田中実 🍎The Last Apple


関連タグ編集

DEATHNOTE aキラ編

キラ aキラ 中学生 高校生

リューク デスノート オークション

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