概要
初登場は『ドラゴンクエストⅨ』。口から毒々しい緑色の息や粘液を撒き散らしているおぞましい姿のモンスター。
命名は、おそらくパンデミック(世界的な感染の流行を表す用語)から。奇しくも『ドラゴンクエストⅨ』が発売された2009年は、新型インフルエンザのそれが起きた年でもあった。
大昔に「封印のほこら」の壷に閉じ込められたが、封印が解けてしまい、近辺の町「ベクセリア」に病気をまきちらす。人々は高熱や咳を引き起こす病に苦しめられ、犠牲者も出てしまった。
戦闘では2回行動し、「ボミオス」「ルカナン」で素早さと守備力を下げ、「あまいいき」で眠らせ、「猛毒攻撃」でどく状態にしてくる。デバフもりもりでまさに病魔の名にふさわしいラインナップ。
実は病魔をもたらす存在ではなく「名をうばわれし王」を封印する為にガナン帝国が生み出した魔物。
病気もウイルスによる感染ではなく、呪いのようなものらしい。
同系統のモンスター
- エビルフレイム
凄まじい熱気を帯びた地獄の業火を吐く悪霊。
必ず2回行動し、「やけつくいき」でマヒさせ、「しゃくねつのほのお」で全体を攻撃する。
また、こいつが歩いた場所は草木は枯れ、川の水は干上がってしまうという。ルディアノ城関連のクエストにも登場する。
- マッドブリザード
炎ですら一瞬で凍らせる吹雪の化身。吹雪の中で凍え死んだ者の魂を主食としている。
「ラリホーマ」で眠らせた後、「ザラキ」や「かがやくいき」を連発する悪夢のコンボを仕掛ける。
ある意味、『ドラゴンクエストⅡ』のブリザードを彷彿とさせるモンスター。
ボスモンスター
- チョルルカ
『星のドラゴンクエスト』のシーズン2より登場したボス。メタリックな外見をしている。凄まじい悪臭を放つ。
- フーラズーラ
※ストーリーのネタバレ注意!
『ドラゴンクエストⅩ』のVer.7.0に登場した魔物。体色は黒。
アマラーク王国を長年襲撃し続けている謎のモンスターであり、人を積極的に捕食。家畜などには見向きもしない。
一度の襲撃で1、2人食うと姿を消すため、アマラーク王国の兵士は民の身代わりになってこいつに食われることが最大の名誉とされている。
普通の攻撃は一切効かないが、創生の力を込めた攻撃であれば倒すことができると判明する。
その正体はジア・クト念晶体の生き残りであるジア・ガルネが、守護天使バトラエルを取り込んで得た創生の力を用いて生み出し続けている怪物。
人間を捕食しているのは、本体であるガルネに定期的に創生の力を供給するため。
ある魔物を守るために生み出され、ひとつの町を苦しめてきた災厄という点は、奇しくも色違いであるパンデルムと類似している。
- アズ・フーラズーラ
CV:伊原正明
『ドラゴンクエストⅩ』のVer.7.0に登場したボス。体色は白。通常のフーラズーラより一回り以上大きい。
また、通常種と異なり「タスケテ」という言葉を発し、苦悶の表情を浮かべて消えていった。
このことから、彼らの正体はかつて侵略者の襲撃を受けた人間の成れの果てではないか?と考察されていた…が、実際はジア・ガルネに取り込まれた守護天使バトラエルがフーラーズーラ化したもの。
主人公たちに倒されたことで核である天使の意識だけが残り、小さなアズ・フーラズーラとして生き残っていた。
ちなみにポルテからはトラちゃんというあだ名を付けられた(バトラエルから)。本人は戸惑いつつも満更でもなかった様子。
なお、前述の「タスケテ」の台詞は恐らく、何万年もの間自身の力を奪われアマラークの住民を殺され続けていたバトラエル自身の悲痛な叫びだった…と思われる。
余談
パンデミックを巻き起こす魔物というセンシティブな設定のためか、パンデルム絡みのエピソードは外伝ソシャゲ類ではぼかされたりカットされたりすることが多い。(『ドラゴンクエストウォーク』など)
仮に移植やリメイクされる場合どう扱われるか注目である。
ちなみに、パンデルムの封印されている「封印のほこら」は、赤と青の光を鏡に反射させて奥の扉を開くという仕掛けがあるのだが、単に石像を調べればいいだけなので謎解きともいえない肩透かしな代物。
当初は何らかの凝った仕掛けを作る予定だったものが、初心者プレイヤーを考慮して没になったのかもしれない。
そのリベンジなのか、『ドラゴンクエストⅩ』のサブコンテンツ「夜の神殿に眠れ」では、この遺跡と同じように赤と青の光を使う仕掛けがあり、こちらでは道中の鏡の角度を変えて扉まで導く必要がある。