概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』のエピソードの一つ。TC44巻収録。
あらすじ
とある夕食時。晩御飯をたくさん残してしまったのび太を見かねたパパは、「食べ物を粗末にしないように」と自分が幼少の頃に戦争で食べる物が無く飢えに苦しんでいた頃の話を始めるが、戦後かつ食べ物が豊富の頃に産まれたのび太にその話は馬の耳に念仏だった。
そんなパパに同情したドラえもんは、「一度腹ぺこの辛さを味わってみてもいいだろう」と1粒飲むとその分食事が取れなくなる「ヤセール」を出してのび太に勧めるが、ボクシングのテレビ中継で夢中になっていたためドラえもんはヤセールを置いてその場を後にする。テレビを見終えたのび太はヤセールの存在に気づいて服薬するが、説明を聞いていなかったため10粒ほど飲んでしまう。
翌朝、寝坊して朝食も取らずに学校へ出かけてしまうのび太。その様子を見たドラえもんは「お昼の給食は美味しいぞ」と胸を躍らせる。数時間後、ドラえもんは帰ってきたのび太に「給食は美味しかったか」と聞くが、本人は給食の前にトイレに行った際に鍵が壊れて閉じ込められ食べ損なったと言う。ママも外出中でおやつも無く、仕方なくのび太はお小遣いをはたいて食べ物を買いに行くがどこも休業中であった。
そんな中、のび太はジャイアンから将棋の相手をするよう頼まれ快く引き受ける。調子に乗って勝ち続け、日が傾き始めた頃にその場を後にしようとするもジャイアンから「勝ち逃げする気か」と帰らせてもらえず、わざと負けようとするも延々と勝ってしまう状況になってしまった。
ようやく解放され帰宅したのび太だったが、既に食事を終えて片付けた後でママからも「どうせ残すから」と構ってもらえない。異変に気付いたドラえもんは「ヤセールを3粒以上飲んだのでは?」と尋ねるとのび太は「10粒近く」と答え、「このままだと3日間何も食べられない」と聞かされたのび太は「死んじゃう」「人殺し」と喚き始める。
仕方なく2人はタイムマシンを使って薬の効果が切れた4日後の昼に向かい、そこでのび太は台所に用意されていたラーメンを持ち出してようやく食事にありつく事ができたが、その時間帯ののび太に盗み食いの冤罪がかけられママからこっぴどく叱られてしまい、その様子をびくつきながらうかがうのび太だった。
余談
- 水田わさび版アニメ『腹ペコのび太の3日間』ではジャイアンから解放され帰宅する途中ののび太の動向が描かれ、迎えに来たドラえもんの鼻を見て幻覚で噛り付くシーンが加えられている。
- ドラえもんがひみつ道具を使ってのび太に食べ物の大切さを教えようとするストーリーには、他にTC19巻「ありがたみわかり機」がある。