概要
この状況になった人は基本的に一般人と同じ扱いになるとされる。
具体的には
一般的に芸能事務所との契約を行わないことをさす。また、スポーツなどに関しては所属している団体を退職したりクビになるなどの行為を含む。
ただしフリーでの活動の続行を本人が公言している場合を除く。
理由
芸能界から足を洗う理由は複数あり、これは本人の意思によるものとそうではないものに分けられる。
本人の意思
例えば芸能活動以外の活動、例えば結婚や介護等の家庭の事情や学業や副業等が多忙となり、芸能活動との両立が困難となった場合があげられる。
女性の場合、本人や配偶者の意向で専業主婦となるため引退する場合も多いが、育児が一段落ついたのち復帰するケースもある。
また、本人の能力の問題や金銭的な問題など、個人的な理由においてこの選択がなされる場合が存在する。
「自分が想定していたようには売れなかった」「やってみたら芸能界に自分は不向きと思った」「やりきって既にモチベーションがなくなった」という理由も少なくなく、グループで活動している場合は「このグループ以外での活動が考えられない」と解散や休止とともに引退を選ぶメンバーもいる。
他の職業に転職したい、実家の家業を継ぐ、業界外の事業を立ち上げるという希望により引退する者も少なくない。
事務所スタッフやライブ会場運営、後進の指導などの裏方に転身する場合やテレビ局のアナウンサーに転身する場合もある。
本人の意思によらないもの
この場合は大きく分けて3種類存在する。また、実際にはこれらであっても、本人の意思に見せかける場合が存在する。
この場合一般人からは見えないところにあるため不可解な状況が発生する場合が存在する。
事務所などとの軋轢
芸能人は基本的に芸能事務所等の団体に所属しており、そこから仕事を受けているが、所属者がルールを守らなかったり仕事の方針で意見の相違があった、あるいは業界の意向に従わない場合、所属者側では契約を行わない、という選択が存在する。そして状況が知れ渡っている場合、他の事務所への移籍もままならない状況となり、引退を余儀なくされる場合が存在する。
ややこしい場合は本人と団体の意思に齟齬が生じた場合で、この場合はどちらが原因となるかははっきりしていない。
未成年の場合は保護者も契約に関わるため、本人はもめていなくても保護者と事務所が折り合わず契約を更改せず引退に至る場合もある。
不祥事
芸能人が何らかの問題を起こし、団体などから契約を解除される事例。例えば不倫などといった異性との問題、薬物、性犯罪や暴行、賭博などの諸犯罪、暴力団などとの不適切な関係、未成年の飲酒喫煙などにより実質的に芸能界を追放される場合が存在する。
特に近年薬物、窃盗、性犯罪に関しては対処が厳しいことが多く、一発で契約解除の上芸能界追放となったケースも多い。性犯罪に関してはことに2000年代以降は世間の流れや法改正もあり厳しい対応が主流になっている。
酒による不祥事も、度重なった場合は契約解除による引退となる場合もある。これはアルコール依存症の治療が長期間かかり、不祥事の禊が済む期間も長いため復帰の見通しが長期間立たないことも大きい。
不倫に関しては「相手が未成年だった」などの犯罪性がない場合はしばらく干す程度の処分に止める場合も少なくないが、「同じ事務所の先輩の配偶者に手をつけた」「度重なる注意や同様の前科にもかかわらず再びやらかした」と言った、業界内にかける迷惑が大きい場合は即時解雇にいたることもある。
これも表向きは団体等に火の粉が降りかからないようにするため本人の意思で契約しない、ということにする場合が存在する。
「契約違反」「自覚と責任に欠けていた」という表現で解雇発表されることもあるが、この場合は「事務所公認以外の私的SNSアカウント作成で暴言や素行不良が明るみに出た」「仕事上支障の出る相手との交際」「契約違反の副業」と言ったケースがある。解雇という形でなくても、この様な問題が起きた時に自主的な申し出という形で引退を表明することも多い。
体調の悪化
本人は芸能活動をしたい意欲があっても、持病や加齢による不調でなどで仕事がままならない状態になり引退する者も少なくない。
特に音楽系や声優系だと慢性的な不調や加齢により思うように発声ができなくなり引退するケースもある。
音楽系では、ヘルニアや職業性ジストニアなどの職業病により引退することがある。
中には末期の病のため引退する者もいる。
精神疾患や認知症などで本人が自分の意思を表明できなくなった場合、フェードアウト的に事実上引退したり、家族により引退が公表される場合もある。近年は高齢化社会の影響か、大御所芸能人が認知症や難病をカミングアウトか或いは終活に専念する為に事実上引退するケースが多い。
活動の場の喪失
特定の活動をしている場合、活動の場が限られる場合がある。しかしその活動の場がなくなったため引退に追い込まれる場合が存在する。ただしこの場合は活動の続行を訴えたり、活動できる場所を探す、ということが考えられるため、あまりこの事例はないと思われる。
復帰
これらの状態から復帰する場合が存在する。例えば家庭の事情など、引退に至る原因が解決した場合や、新しい契約先が見つかった場合などが存在する。近年では、元子役が引退後にアイドルグループのメンバーとして復帰するパターンも目立っている。
またスーパー戦隊や仮面ライダーを始め特撮ヒーローでは引退した俳優陣がアニバーサリー作品収録の為に一時復帰する事もあり、結婚を機に引退したいとうあいこが爆竜戦隊アバレンジャー20周年記念作品許されざるアバレの収録の為に一時復帰した例がある。