概要
『絶園のテンペスト』に登場する一族。ヒロインの鎖部葉風を始めとするはじまりの魔法使いの一族であり、モブや外伝キャラを除いた主要登場人物が11人(うち1名は故人)しかいない本作の中でも血縁者4名、養子縁組1名、最終的な嫁入り1名と過半数を占める一族である。
日本のとある片田舎の山の中に居を構えており、理を司る「はじまりの樹」を信仰し、文明を捧げることで魔法を使用することが出来る。鎖部一族は生来この魔法を使用でき、葉風など高位の魔法使いであれば、自身の魔力を文明=工業製品にエンチャントすることで、民間人(作中では不破真広、滝川吉野、エヴァンジェリン山本の3名が使用)にも疑似的に魔法を使わせる魔具に変えることが出来る。ただし使い捨てであり3回使用すると壊れる。
当主たる左門が「はじまりの樹」に守護される姫=葉風を危険視していた為、本編開始より3年前に彼女を樽に詰めて無人島に島流しにした所から物語は始まる。
左門率いる主流派は「はじまりの樹」を危険視し対抗として破壊を司る「絶園の樹」の復活を目論み、富士山一帯で活動を続けていた。しかし、主人公である不破真広が葉風のボトルメールを拾い、もう1人の主人公滝川吉野が真広の渇望する「復讐」を知った事から、計画は破綻を来す。
独自に絶園の樹によるバイオテロ黒鉄病の存在を追っていた早河巧とその相棒のエヴァンジェリン山本は吉野との情報交換により軍隊を率いて富士山へ総攻撃を開始、夏村の奮戦である程度は無効化されるものの、吉野と真広により「時間の檻」を超えて葉風が富士山に到達したことで計画はご破算となる。最終的に二つの大樹は復活して食い合いを始め、黒鉄病は一応の終息を見るも、実質的に人類は完全体となった「はじまりの樹」による支配下に置かれることになってしまった。
左門ほかは(防衛軍の壊滅の責任を取られて左遷された)早河一派と和解し、以降は二つの大樹の真なる目的について調査を行うこととなる。
最終的に大樹が消え去ったことに伴い地球上の魔法は全て消滅したため、鎖部一族は「魔法使い」から一介の「ド田舎に住んでるやたらケンカが強い人たち」になってしまい、左門一派は早河のツテで「樹」消滅後の世界の後始末を行っている。
主なメンバー
いずれも該当項目参照。
魔法使いではないが天才的な柔術の達人。
立ち位置としては左門以下、夏村・哲馬以上の権限を有していた為、左門一派には属さず葉風が協力者として真広に存在を教えた。
第2部以降は絶園の魔法使い羽村めぐむの師匠となって彼を鍛える。
原作終了後に結婚。入籍の有無は不明で、一応仕事上は旧姓を使用。
- 双子の老婆
葉風派の村のおばば。恋バナ好き。
- 佐奈、ヒロユキ、ミキ
鎖部の里に住む子供達。葉風を姉のように慕っている。
はじまりの魔法
はじまりの樹は「文明」を供物として魔法の力を授ける。はじまりの樹は秩序を司る樹なので、魔法には攻撃魔法が無い。したがってはじまりの魔法とは
の3つのいずれかしかない。そのため、攻撃に際してはバリアを張りながら高速移動で体当たりという戦法が基本であり、バリアを変形させることでバリアで貫く、バリアを展開して跳ね飛ばす、バリアと建物の壁などを利用して押し潰すなども可能。葉風曰く「生身でバリアを張った高速移動が直撃したら粉々になってもおかしくない」とのこと(初登場時の真広が山本に対して放った飛び蹴りなどはバリアを張っていない生身の蹴りである)。
供物は使用されている文明水準が高ければ高いほど効果的なので、殺傷に特化した武器・兵器を供物にした場合は威力が上がる。最も葉風は元の魔力量が桁違いなのでただの空き缶で山を貫通などという事も出来たが。
はじまりの樹は「理」を司る魔法のため、殺人に手を染めた場合、半年間はたとえ魔具を使用しても一切魔法は使えなくなる。左門一派が葉風を直接殺害せず島流しにしたのもこれが原因。
アニメ版でははじまりの魔法は水色、絶園の魔法は赤やピンクで描かれている。