「姓は山本 名はエヴァンジェリン 人呼んでフロイライン山本 推参なり!」
概要
CV:水樹奈々
自称「親しい者からはフロイライン山本と呼ばれている無職の28歳」 の謎多き女性。
だいぶ前からこの名乗りを定着させているので正確な年齢は不明であり、いわゆる裏世界では名前を聞いただけで恐れられるエージェント的存在。
劇中でも初対面時(10年程度前)の早河から「28歳なわけないだろ(逆サバだろ)」と突っ込まれており、実際、原作ではかなり童顔に描かれている。
明るい性格で人懐っこい。気配りの出来る一面もあるが、いざという時には冷徹に仕事をこなせる。海外旅行に行って浮かれたりするなど、年相応の女性らしい一面を見せることも多い。演じた水樹奈々曰く「Sっ気満点の変態」。
1フレーズ聞いただけでシェイクスピア作品の原作を言い当てたり、各国の神話や伝承にやたら詳しかったりと、意外とインテリの様子。
左利きであるが、ペンと箸は右手で使っており、画力もなかなかのもの。
作中における人間関係
早河巧とは友人であり、6年ほど前に彼の祖父・梶倉隆吾からの依頼で知り合い、それぞれの立場から対等な形で相互に協力を開始、魔法について調査。共同して仕事を行っている。
隆吾は孫である早河に彼女を嫁がせたがっていたようだ。
冒頭にて黒鉄病と魔法使いの因果関係にメスを入れるべく「ふわまひろ」について捜査を行い、滝川吉野に情報を吐くように銃を突き付けて迫るも、唐突に現れた不破真広に叩きのめされてKOされてしまう。
その後に目を覚まして吉野に再び接触し、彼を再び問い詰めるも逆に武器を掠め取られて追い詰められ、和解する。
以降は政府や国防軍に協力させる形で吉野と情報を交換し、鎖部葉風復活に協力する。
葉風生還後は「樹」との戦いに備え、鎖部一族や「絶園の魔法使い」羽村めぐむと協力する。
このように作中の各陣営を繋ぎとめる役を担っているため、原作者の城平京曰く「主人公ではないが、物語の中心人物は彼女」とのこと。
能力
普段は拳銃やショットガンを複数持ち歩いており(アニメではサブマシンガンも使用)、魔法による異変を探るため真広を狙っていた。
鎖部夏村をも上回る身体能力と戦闘センスを持つが、魔法に関しての知識は疎く、そこを付かれて作中では
- 最初の真広戦では、顔面を蹴っ飛ばされた挙句に顔を掴まれて石畳が割れるほどの勢いで後頭部を地面に叩きつけられ完敗
- 続く吉野追撃戦でも、魔法で武器を奪われて脅迫され敗北
- 富士山での夏村戦ではトリッキーな戦術で吉野から教わった防御魔法と超音速の突撃を活用することで槍と釵を利用し彼を圧倒するも隙を突かれて肋骨を叩き折られ、地面に倒れ伏す
…と3連敗してしまっている。
(こんな感じで3度もその胸を地に付けている)
彼女の名誉のために言っておくが、純粋な武の力に置いては潤一郎に次ぐ作中最強クラスであり、武器の使用なども考えた戦闘力では他に並ぶ者は無い。実際、最終決戦時には拳銃を持った男を素手で制圧している。
また、10巻のモノローグから判断するに剣術の心得もある様子。
衣装
普段は黒スーツが基本ではあるのだが、物語開始時が雪が降るような天気だったことを考えれば異様に短いスカートや「下にワイシャツ着てないんじゃないか」と疑りたくなる(8巻でワイシャツ姿を披露)ほどに開けすぎな胸元など、比較的高い露出度の衣装を着用している。富士山編で夏村へ戦いを挑む際には長い鉢巻を締めていた。
普段はかなり高い底のブーツを着用しており、元が大柄なのでかなりの上背に見える(原作においては吉野と会話するときに大きく猫背になるシーンもあった)。
私服はVネックのセーターを披露しており、最終決戦前日にはグリーンのドレス姿を見せた。
また、絶園の魔法使い編でのトレーニング時には長い髪をポニーテールにまとめ、タンクトップ一丁になっていた。
原作終了後の10巻ではライダースーツ姿を見せた。
また、初期はサラサラのストレートヘアだったのだが、絶園の魔法使い編以降はパーマをかけ始めており、6巻当たりになるとかなりのくせ毛になっている。原作漫画における絶園の魔法使い編では首から十字架型のネックレスを提げているがアニメではオミット。
アニメ版
原作よりも老けg…もとい厚化s…じゃなかった円熟した容姿となり、豊満な胸元やムチムチの太腿がドアップになるアングルも多い。(葉風も同様)
しかもその恰好で前転したりジャンプしたりとド派手なアクションを行う。
首元に黒のチョーカーが追加されている他、靴無しでは真広や吉野とほぼ同じ背丈で原作よりやや小柄。
吉野との戦闘では原作では使っていなかったガス弾なども使用しており、突き飛ばされて八百屋に突っ込んで意味深なアングルでキュウリを咥えたり、学校に逃げ込んだ吉野を炙りだすために「寂しい大人の女はね、いろんな道具とお友達なのよ!」「返してくれるかしら。子供には手に余る、大人のおもちゃ」などと意味深なセリフを呟いたり、最終決戦前夜にはビキニ姿を見せて星村を悩殺したりと、原作以上にコメディリリーフ&お色気担当の一面を露わにしていた。
だが、序盤の戦闘では真広に顔を掴まれた時に泣いてしまったり、ロクに状況確認もせず遮蔽物の無い屋上に出て吉野にホールドアップされるという凡ミスを犯したり、屋上から転落して危うく死にかけこの世の終わりのような顔芸を見せるなどのヘタレた場面が追加された上、原作最大の見せ場だった富士山編の夏村戦が「矛を合わせた次のカットでは惨敗」などと大幅にカットされ、「設定だけ強い人」と取られてもおかしくない扱いになってしまっている。
更に劇中唯一の白星であるモブ調査隊の制圧もアニメでは過程が全カットされている。
ファンからの扱い
ただでさえ本作は名前の付いた登場人物が両手の指と少しで足りるほどしかいない上に、物語開始時点では愛花は既に墓の下、メインヒロインの葉風も幽閉されているため、富士山編までは主人公たちと作中で実際に顔を合わせている女性キャラが彼女しかいなかった。そのため、序盤ではその狙い澄ましたような『あざとさ』と怒涛の連戦連敗ぶり故に男性を中心としたファンが多く登場した(単行本2巻のあとがきでも「読者からは人気の~」と書かれていた始末)。
アニメ版では上述したとおり水樹奈々女史の熱演によりミステリアスな雰囲気に拍車がかかっており、原作未読の視聴者からも「出てくるたびにボコボコにされる気の毒な人」というある意味同情票のような人気を獲得することになる。
ファンからの愛称は「無職さん」「28歳」など。
Pixivでの扱い
基本的にアニメ版のキャラデザで描かれることが多く、原作ver.は稀。ヒロイン三人の中ではぶっちぎりで投稿数が少ない。
備考
フロイラインとは未婚女性に対する敬称(英語でいう所の『ミス』)なのだが……最終回後を描いた番外編では、とある男性キャラと結婚したことが判明した。
もっとも、結婚後も現役で「元フロイライン山本」と名乗ってあちこち飛び回っている。
作画の彩崎廉によると、没設定では金髪になる予定であったらしい。
なお、本作に登場する女性キャラの中で唯一、名前に植物関係の単語が入っていない(9.5巻で指摘されている)ので、もしかしたら本名(日本名)は別にあるのかもしれない。
【他】⇒鎖部「葉」風、不破愛「花」、北千里「桜」子、「林」美「森」
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参考文献
『絶園のテンペスト8.5 Collaboration Guide Book』(2013年)スクウェア・エニックス