CV：伊藤健太郎（同作では爆熱丸の愛馬・炎天號やザコソルジャーの一部を担当）
概要
嵐の騎士トールギスに『闇の魔導士デスサイズ』という名で使えていた魔道士。エネルギー体の様な姿をしており、劇中においてデスサイズはほとんどこの姿で活動していた。
その正体はプロフェッサーガーベラと同じく、ダークアクシズ最高幹部の一人。さらに言えば、トールギスを唆したラクロア王国壊滅の元凶の一人である。
武具にはコウモリの翼を象ったマント「スティールデスクローク」と大鎌とハルバードの特徴を併せ持った錨状の大剣「スティールデスシザーズ」を装備している。
他のダークアクシズの幹部と話す際やトールギスの部下として行動する際は慇懃無礼な丁寧語で話す。幹部の一人であるプロフェッサーガーベラとは馬が合うが、目的のためなら仲間すら裏切る狡猾な性格であるがゆえに騎馬王丸からは快く思われてない。
正体及び目的
〜ネタバレ注意〜
「私は、親衛隊に入ったその日から、リリを愛していたのだ……！」
彼の本当の名前は『氷刃の騎士ディード』
ラクロア王国の元・親衛隊にしてゼロのかつての親友で、デスサイズとは彼が第二位精霊「闇のスティールドラゴン」の封印を解き融合した姿。
ディードはラクロア親衛隊の一員となった時から、彼は騎士と王族と言う立場を超えてリリ姫に恋愛感情を抱いていた。しかし身分以前に種族の高い壁が彼の前に立ちはだかっていた。
そしてティードは、人間となってリリと結ばれるために侵略にやって来たダークアクシズと手を組み(二体のドラゴンをそろえ精霊王スペリオルドラゴンを顕現させそれが可能となる力を得られると言われていた)、国と仲間たちを売り飛ばして最高幹部の一人と言う地位を獲得。
その後、自身は魔導士の姿を取った上でトールギスの配下になり、表向きはトールギスがラクロアを支配する中で、石化したリリ姫を自身の手元に置き執着的な愛情を注ぎながら裏で暗躍、ガンダムフォースが異次元の旅を始めミノフス境界に漂流していたところで本格的に動き出す。
想い人への歪んだ愛に焦がれ続けた邪竜の騎士の末路
リリ姫の石化を解除させリリ姫への思いを成就させるため、白バグバグとフェザードラゴンの奪取を目論み、トールギスと魔剣エピオンを利用してS.D.G.を自分の下へおびき寄せる。
一度はフェザードラゴンを捕らえ、スパイとしてリリ姫（黒）をS.D.G.に潜り込ませるも、偽のリリが改心して任務を放棄し、さらに真実を知ったトールギスの決死の攻撃によってフェザーが開放、ゼロとの合体を許してしまい、その融合形態であるゼロカスタムと壮絶な空中戦を繰り広げる。最後はスティールがフェザーに同調して融合不全を起こし、それに動揺して特攻を仕掛けるもゼロカスタムのインフィニティウインズにより体を貫かれ、リリ姫の名を呟きながら谷へ墜落していった。
「リ…リリィっ……！」
余談
評価
作中のようにデスサイズは想い人たるリリ姫に歪んだ愛情を抱き、ラクロア滅亡の片棒を担ぎ、ゼロやリリ姫、トールギスなどのラクロア関係者に悲劇をももたらした事から救済と同情の余地のない外道と見なす者もいれば、彼もまた叶わぬ愛情を持ったが故に運命を狂わされた悲劇の悪役と見る者もおり、前者はゼロがリリ姫に対して「奴は、許すこともできない馬鹿者です…！」と悲痛な思いを馳せながら彼の裏切りと悪行を語り、後者はリリ姫は「スペリオルドラゴンに纏わる伝承が彼の運命を狂わし、その身を滅ぼした」と彼が悪堕ちする原因を憶測し、その最期を悲しんでいる。
コミックボンボンで連載された漫画版では、ゼロがデスサイズとの決着の際、「眠れ、戦友よ！緑あふれるラクロアの大地へっ！！」と悪へと堕ちた戦友(ディード)に対するせめてもの手向けを交えた会釈ともとれるセリフを発している。
モチーフ
モデルは『新機動戦記ガンダムW』に登場したガンダムデスサイズヘル（およびそれを元にしたSD作品『鎧闘神戦記』の冥闘神デスサイズと思われる）だが、武器の形からガンダムグリープも含まれている。
元ネタでは特に“主人公勢を裏切って敵方に付く”とか“何らかの理由で主人公と対立、激突する”とかそういった展開は無かった（むしろそんな感じだったのは劇場版でのアルトロンである）にもかかわらず、本作では完全な悪役として描写されたかなり珍しいケースだが、企画段階では“あくまでダークアクシズへ寝返った振りをしている正義の戦士”という設定だったようで、設定画においても敵の時と味方の時とで仮面の上げ下げで善悪の表現が為されていた。
ちなみに、他のSDガンダム系シリーズにおいて原典だと主役および味方側だったのにその作品の中では悪役扱いされたMSと言えば『ナイトガンダム物語』の幻魔皇帝アサルトバスター、最近の例だと『SDガンダムワールドヒーローズ』の窮奇ストライクフリーダムガンダムが該当する。
中の人
本作でデスサイズの声を担当した伊藤氏は他にも炎天號をはじめ、ザコソルジャーや列車ロボット兄、S.D.G.隊員ジムなどの多数のモブキャラを演じているが、デスサイズを演じるにあたって同氏は「まさかガンダムをやるとは思ってなかった」と語っていたそうな。
関連タグ
翼の騎士ゼロ リリジマーナ・ミヤ・ド・ラクロア 嵐の騎士トールギス
ガンダムデスサイズヘル・・・モチーフ
ガンダムグリープ・・・隠しモチーフ
ブラックドラゴン・・・翼にもなるマントとドラゴンの要素を持った黒いガンダム繋がりの悪役
騎士アトミックガンダム・・・ある事が遠因で悪に堕ち幹部格の立場まで登り詰めた騎士ガンダム繋がり
砕牙頑駄無・・・同じく敵勢力に味方したデスサイズヘルモチーフの武者ガンダムだが、こちらは「悪堕ちした理由がやむを得ない事情」「最終的に主人公達の味方になる」というデスサイズと真逆の道を歩んでいる
オルフェ・ラム・タオ・・・メインヒロインとの結婚を目論むオマージュキャラ
愛ほど歪んだ呪いはないよ・・・ある意味、彼もこの呪いに罹っていたといえる
