「───────わしらの船は商いする為のもんじゃき、頭のおまんがこんなこっちゃ困るぜよ」
概要
ネーミングモチーフは陸奥宗光(陸奥陽之助)、もしくは坂本龍馬最後の佩刀の銘『陸奥守吉行』。
常にポーカーフェイスで冷静沈着な長髪の女性。
青の野良着の上に紫の道中合羽を羽織り、編み笠を被っている。また、真紅のマフラーを巻いている。
株式会社快援隊商事の女隊士で、本社の社長である坂本辰馬の副官にして快臨丸の副艦長。
坂本の放浪癖や女遊び(大抵は相手にされていないのだが)に手を焼いており、船団になかなか帰ってこない彼に代わり、実質的な組織の運営を行っている。その為、快援隊隊士の多くからは坂本を差しおいて艦長のような扱いをされてしまっている。
原作では坂本と同じくなかなか出番が回ってこない人物だが、かっこいい女性キャラクターとして人気が高い。
登場の際は主に坂本への冷静なツッコミ(と折檻)、たまにロボットネタでまさかの展開を起こすこともある。普段は努めてクールな彼女だが、坂本のボケに耐えかねキレてしまうことも。
初登場以来長らく出番が無かったが、年賀状回に次いで蓮蓬篇にて再登場を果たす。また、快援隊篇では坂本と陸奥の出会い、快援隊創設に関する過去が描かれた。
その後、烙陽決戦篇にも登場し、坂本と共に活躍を見せている。
人物
坂本曰く『はちきん』(土佐弁で「男勝りな女性」のこと)。頼りになる右腕。彼と同じく土佐弁で話す。
クールで真面目な性格であると同時に、行動力溢れる情熱的な女性。かなりの毒舌家でもあり、快援隊内では“カミソリ副官”とも呼ばれている。
大義を重んじ、商いで国を護ろうという坂本の志に共感しており、隊士一同共にそれに沿った行動を執ると誓っている。
坂本については深く理解しており、彼の生き方に反する行いはしないと誓っている。
その一方、彼に容赦無く銃口を向けたり他惑星の巨大生物に彼の股間を重点的に狙うよう言ったり、彼を足蹴にしたまま上空の快臨丸から地上へ落下衝突(着地)したり、彼の股間を重点的に連蹴りしたりなど、かなりぞんざいな扱いをしている。・・・・が、坂本を信頼しているが故の容赦の無さとも取れない事はない。
快援隊内ではかなり尊敬されている人物で、彼女を「陸奥様」と呼ぶ者も多い。
過去
14歳の頃は火~金のシフトで宇宙海賊・千鳥の第二師団副団長(バイト)をしており、「金剛石姫」の異名を持っていた。本当は普通の女子らしく過ごしたかった(この点については、彼女は現在でも若干ズレた感性を持っている模様)が、千鳥の総督であった父親に無理やり副団長をやらされていた模様。
千鳥の奴隷船に一奴隷として捕らえられた坂本や、懐を開いた彼と親交を深めた奴隷達と接し、次第に興味を惹かれていった。最終的に坂本を筆頭に奴隷達に反乱を起こされ、千鳥は坂本によって艦船ごと買い取られた(というより奪われた)。
ちなみに、この時に彼女と同じくゲロイン化している。年齢こそ同じだが、作中の時間軸においては先に嘔吐したことになる。
余談
- アニメ銀魂のOPとEDには、坂本と共にほぼ皆勤している。
- アニメでは坂本と彼女をメインとするオリジナル回がある。
- 年賀状回では、坂本の年賀葉書が銀時に破られる事を見越して彼女からも一枚送っており、さらに快援隊一同からもたくさん送っている。「破っても無駄じゃき」との事。なお、原作者である空知氏のもとに、快援隊の出番を期待するあるファンからのイラスト葉書が何枚も送られたという酷似した例もある。
- 本人曰く、彼女の土佐弁は、長年側にいた為なのか坂本のがうつったらしい。
- 彼女のファンの間では、よく“むっちゃん”という愛称で呼ばれることも。
- 「外国にガイドとして連れていくなら」ランキングでは、1位にランクイン。「嫁にするなら誰?」ランキングでもトップスリーに入る。
- 上述の通り坂本から仕事の大半を任されており、この点はかつての坂本龍馬が海援隊において事務処理などを一手に任せていた長岡謙吉との共通点も思わせる。
- 人気投票での順位は、第一回目は15位、第二回目は30位、第三回目は35位、そして第四回目は21位。少ない出番のわりには、読者からの人気は高い。
関連イラスト
少女時代
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以下、ネタバレ注意
その素性
実は宇宙最強の傭兵部族「夜兎」の血族である。
彼女の素性が判明した際は、「うちのメインヒロインの立場はァァァアア!?」と坂田銀時に驚かれた。千鳥の第二師団団長は「それほどの腕と才覚があれば提督(父親)など足元にも及ばん大海賊になるのも夢ではなかったろうに」と語っている。
彼女の両親についての描写は少なく、彼女自身が夜兎族である為、少なくともどちらか片親が夜兎の血を引いているのは確実であるが、両親共に夜兎の血族である可能性も片親が異種族である可能性も考えられている。これについてはファンの間で様々な推測がされているものの、原作でも明確な描写は無く、どれも推測の域を出ない。現状、父親が権謀術数の末に先代の宇宙海賊千鳥総督に上り詰めたとある程度の人物像が描かれているものの、母親については特に触れられていない。
烙陽決戦篇にて
坂本の指示の下、壊滅の危機に陥った鬼兵隊を救うべく仲間達と共に第三勢力として戦場に介入。彼女が率いた部隊は彼女以外が地球人で構成されているにもかかわらず春雨の包囲網を潜り抜けるほどの驚異的な戦闘力を発揮し、報告を受けた朧はこれを、“恐らく一人は歴戦の夜兎”と推測した。
本篇では、坂本と共に今まで殆ど描写がなかった戦闘シーンが描かれており、快臨丸に侵入していた三凶星の一人・范堺の奇襲から咄嗟に坂本を庇い重傷を負ったり、徳川喜喜に快援隊の関係性について訥々と語るなど、彼や快援隊との絆にも踏み込んだ描写がなされている。
回想にて幼少期の姿も描かれており、千鳥総督であった亡き父親の旧知の間柄にあたる人物が神晃こと星海坊主であった事が明かされた(父親は彼を娘の師として迎え入れようとしていたが、陸奥は星海坊主との対話を通じてこれを辞退している)。知る者も少ないであろう星海坊主の本名や、夜兎の故郷・徨安についての大まかな顛末(その真相自体は、星海坊主自身より聞くこととなるが)も、陸奥は事前に父親経由で知っていたようである。
このように古くから親交を深めていた彼との関係が、春雨の襲撃から河上万斉ら鬼兵隊の一部隊士を救出へと導いた大きな要因となっている。