概要
釈迦と同時代のインドの思想家アジタ・ケーサカンバリンが説いた唯物論および快楽至上主義の説を奉じるインド哲学上の学派。
4要素の離合集散で世界を説明する地・水・火・風の四元素説を唱えた。これは霊魂の存在を完全に否定するものであり、ヴェーダに示される正統バラモン教におけるアートマン(真我)を否定するものでもあった。
当時インドで重視されていた業(カルマ)の報いについても、霊魂の行くべき道を示した業のはたらきや善悪の行為の報いを完全に否定し、来世を認めず、道徳も宗教も不必要なものであると断じて無神論の立場に立ち、人間には生得的な目的が備わっていたり、守らなくてはならない規範があるという従来の伝統的な共同体倫理を否定した。