食べ物の恨み
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たべもののうらみ
食べ物を他者に先に食われたりした際に恨みを抱くこと。
「食い物の恨み」とも。せっかく楽しみにしていた好きな食べ物を、他者に先に食べられてしまい、怒りを爆発させるような状態。
また、例えばショートケーキを食べている際に苺を最後の楽しみに残しておいた時などに、他者に「嫌いだから残している物」だと思い込まれ、親切心で横取りされるというパターンもある。
故事にも「羊斟の恨み」という言葉がある。端的に言うと部下の一人に羊肉のスープを食べさせなかった結果、恨みを買って戦争に負けたという逸話であり、食べ物の恨みは昔から恐ろしいものだと言うことがわかる。
創作物でも、他者が食べ物を勝手に食べて喧嘩に発展するというエピソードがよく描かれるが、何故か「冷蔵庫の中にあったプリンを勝手に食べて喧嘩する話」がお約束のパターンになっている→(プリン戦争)。
ここまでは笑い話で済むケースの話をしているが、震災で避難所生活をしている時に配給される食事を配偶者が分けずに食べ尽くしてしまったケースでガチの離婚になった案件もある。また、避難所に届けられたカップラーメンが人数に足りないという理由で、避難者から不満が出るのを恐れて全量廃棄する決断した事例もある。
フランス革命の発端なども食べ物に絡む民衆の不満であったと伝えられている。食べ物の恨みは時には時代を動かしたのである。
マリー・アントワネット 池田勇人...それぞれ「パンがないなら、お菓子を食べればいいじゃない」、「貧乏人は麦を食え」と言い放って恨みを買ったことで知られている人物(実際のところは各記事を参照)。
戦艦ポチョムキン...第一次ロシア革命に取材した作品。腐った肉に不満を爆発させた乗員が反乱を起こしたのは史実である。