作品概要
昭和ライダーとしては1974年公開の五人ライダー対キングダーク以来となる劇場オリジナル作品であり、ライダー映画初のビスタサイズ上映となった。
当初は単独の長編作品として企画されたが、大人の事情で東映まんがまつりの中篇作品となった。
総監督に原作者の石ノ森章太郎が担当していたり、TV本編に先駆けて初お披露目となった強化スカイライダーなど、見所が多い。ただし、歴代ライダーの活躍度は当時の子供世代の間の人気が反映されたか、個々で差があり、必殺技を披露せずに終わったライダーもいる。
あらすじ
はるか宇宙の彼方からやってきたコンピューター生命体銀河王は、新エネルギー「Σエネルギー」に目を付け、Σエネルギーの研究を行っていた宇宙ステーション「天海」に配下の怪人サドンダスを送りこんだ!
Σエネルギー研究の責任者だった羅門博士は、死の間際にΣエネルギーの方程式を愛犬エレンに記憶させ、地球に脱出させた。
これを追う銀河王は、同じくΣエネルギーを狙うネオショッカーの魔神提督と結託し、地球での行動を開始した!
一方、ネオショッカーの動きを察知したスカイライダーは、栄光の七人ライダーと共に、富士山麗のネオショッカー大要塞に向かい、銀河王・ネオショッカー連合軍と対峙する!
余談
企画段階では、歴代ライダーに加え、スカイライダーの番組としての起爆剤として検討されていた仮面ライダーV9という仮称を持つ新ライダーの登場が検討されたが、番組の視聴率改善に伴い、没となっている。尚、没となったV9の設定は、次回作の仮面ライダースーパー1の企画時に基本設定の大基として使われた。
また、この作品で登場したネオショッカー戦車は、TV本編27話にも一部が省略された形でだが、登場している。また、映画冒頭に原作者の石ノ森章太郎がちゃっかりとカメオ出演している。
ちなみに、この作品とTV本編での歴代ライダーの客演回で使用されていた歴代のライダーマシンは放映中に発売されていた玩具のCMの撮影用として新造されたものをそのまま流用して登場させたもの。ただし、各ライダーのオリジナルシリーズでのマシンのベース車両が250ccの排気量を持ち、見栄えもする車格を持つのに対し、この時に新造された歴代ライダーマシンはバイクスタントのしやすさ、歴代全てのマシンを新造するという手間と予算の都合の兼ね合いか、スクーターに相当する125cc相当の排気量の小型車がベース車両であった。
当然、従来通りのスケールの車格を持つスカイターボに比べ、見劣りするのは否めず、ディテールが簡略化された車両もあった。シンプルな構造の歴代サイクロン号では特に顕著であった。ベース車両がオリジナルより小型のオートバイである事もあり、決して見栄えがいいとは言えない出来であったが、作品世界を盛り上げることには成功している。この時に小型車でマシンを新造した事は公開当時からファンに不評だった上、その後の撮影時にも不都合があったのか、後年に歴代ライダーマシンが新造される時は、オリジナル同様のスケールか、当時より多少大きいスケールの車両がベース車両に使用されるようになったという教訓を残したという。
企画時の想定
この作品は元々、「9人ライダー対銀河大要塞」というタイトルで企画が進められ、新ヒーローたる「仮面ライダーV9」のお披露目を兼ねていたと伝えられている。ネオショッカー首領の正体に言及もされる予定など、意欲作の長編として用意されていたという。V9が没になったため、登場シーンは歴代ライダーに振り分けられるなど、物語のプロットを変更する変遷を経て、完成を見たという。
V9はマフラーや触角といったライダーの特徴こそ備えていたが、鼻と口がはっきりした仮面ライダーとしては異端なデザインをしていた(ここら辺は昭和後期のウルトラマンに近い)
このV9こそ、昭和ライダー9番目の戦士仮面ライダースーパー1の原型となったライダーであり、吊り目や肩を走るライン、VというキーワードにV9の名残がうかがえる(ローマ数字で5はVと表記するが、スーパー1の必殺武器はファイブハンドである他、ライダーズクレストはVの字となっている)。
関連タグ
MOVIE大戦MEGAMAX:銀河王やサドンダスのリメイクキャラが登場していたりと、この作品のオマージュが多い。
昭和ライダー劇場版
五人ライダー対キングダーク←8人ライダー対銀河王→劇場版仮面ライダースーパー1