第二の超重戦車
E-100(Entwicklungsfahrzeug 100)は、第二次世界大戦期のドイツで戦車の規格共通化計画・通称E計画(E-Serie)に基づき開発されていた、車重100トン級の超重戦車。
最終的な推定車重は140トンに達し、超兵器と呼ぶに相応しい戦車となるはずだった。
搭載の想定された主砲の口径は驚天動地の15 cm。
同時期に連携開発されていたポルシェ製超重戦車マウスの12.8 cmですらあらゆる連合軍戦車を一方的に撃破できるところにこれなので、もうオーバースペックとしかいいようがない。
E-100 | マウス |
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ただ、1944年末に総統が超重戦車の開発停止を命じたことで開発の優先順位が下げられ、試作車の組立ては遅延。結局、試作車が完成する前にドイツは降伏し、工場はアメリカ軍に接収された。
この時、車体はエンジン・サスペンションが無い状態でほぼ完成しており、砲塔はマウスの物を流用する予定となっていた。
アメリカ軍はこの戦車に興味を持ち、可能な限り組立てを行うように指示。しかし、組立て後のE-100は走行には至らず、興味を失ったアメリカ軍はE-100をイギリス軍に引き渡した。
そして、そのイギリス軍においては1945年6月にイギリスに持ち帰った後の記録が無い。
詳細は不明だが、どうやらスクラップにしてしまったらしい。ああ、もったいない...。
登場作品
ゲーム
初代PS「コンバットチョロQ」でのみ登場。
マウスのインパクトが強いゲームだが、E-100もバトルアリーナのボスクラスで5番目に交戦するボスタンクとして登場。一見するとマウスの強化型のようだが、なんと3両と同時に戦うことになる。
フィールドは真っ暗で視界が悪く、特殊装備の暗視装置がないと目の前にマウス級の巨大な戦車がいきなり3両現れ、驚いているうちに体当たりを食らうなんてことも。
最初のうちは外壁を周回しているだけだがしばらくすると連携した攻撃でプレイヤーを追い詰め、1両撃破されるごとに生き残っているE-100の速度が上昇する。
ボスクラスにはこれ以降もプレイヤーを拡大縮小してくるヤツや無数の小型戦車爆弾を撃ち出してくるヤツ、果てはビットを射出してオールレンジ攻撃してくるヤツもいるが、複数機が同時に襲い掛かってくるのはこいつだけである。
ドイツ重戦車「E 100」として登場。マウス砲塔ではなく、専用に設計されるも史実では製作されなかった砲塔を搭載する。
同格トップクラスの耐久値・重装甲に加えて砲の単発火力も高く、特大の車重による体当たりも凶悪な威力を発揮する。
使いこなせれば強いのは確かだが、World of TanksのTier10には驚異的な性能を有する車輌が多く、自慢の装甲があっさり撃ちぬかれることもしばしば。
なお、E-100の車体を利用して設計、あるいは計画されていた駆逐戦車・自走砲も登場する。
2015年にドイツ重戦車として実装。マウス砲塔を搭載、搭載砲もマウスに準じた12.8cm砲となっている。
トーナメント報酬のため所持プレイヤーが非常に少なく、希少価値が高い。
小説
- 凶鳥フッケバイン
SFホラー小説...なのだが、作者が仮想戦記界隈で有名な佐藤大輔となっており、戦闘描写が異様なまでに細かい。
クンメルスドルフ陸軍兵器試験場にて極秘裏に17cm砲を搭載、実戦投入に合わせて鋳造の展望塔が設けられた状態の1両のみ完成したという設定で登場し、大戦末期のドイツ領内に墜落したUFO回収作戦に参加。
同じくUFOの回収に現れた旅団規模のT-34戦車部隊と交戦し、主役でもないのにソ連軍相手に大暴れした。
最終的には物量に押されて撤退したところで故障、放棄された。