解説
- 1943年に戦車の各種構成品を共通化して生産性を高め、また重量ごとに戦車の標準化を行おうというE計画(EとはEntwicklungstypen=開発タイプの事)にもとづき、兵器局からアドラー製作所に開発指示が行われたのが始まり。
- ポルシェ社が行っていたマウス計画と連携して開発が進められた。
- 主砲口径はなんと15cm。マウスの12.8cmですら当時の連合軍の全ての戦車を射程距離外から撃破できるのだから明らかにオーバースペックである。
- しかし1944年末にヒトラーが超重戦車の開発停止を命じたために開発の優先順位は下げられ、試作車輌は3人のアドラー製作所作業員によってパーダーボルン近郊ハウステンベックのヘンシェル社工場にて組立てが続けられた。
- しかし試作車両が完成する前にドイツは降伏。工場はアメリカ軍に接収された。 この時試作車はエンジン、サスペンションは未装着だったが車体はほぼ完成しており、砲塔はマウスの物を流用する予定だったので未製作だった。
- アメリカ軍はこの戦車に興味を持ち、可能な限り組立てを行うように指示を行い、その管理下にて作業を続行させた。 しかし組立て後の E-100 は走行には至らず、興味を失ったアメリカ軍は E-100をイギリス軍に引き渡した。
- そのイギリス軍も1945年6月にイギリスに持ち帰ったもののその後の記録が残されていない。 どうやらスクラップにしてしまったらしい。 ああ、もったいない・・・
性能
全車長 | 10.27m |
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車体長 | 10.27m |
車体幅 | 4.48m |
車高 | 3.29m |
重量 | 140t |
サスペンション | 皿バネ型(外装式) |
最高速度 | 40km/h |
行動距離 | 120km |
主砲(弾数) | 38口径15cm KwK44戦車砲 |
副砲(弾数) | 36.5口径7.5cm KwK44戦車砲 |
機銃(弾数) | 7.92mm MG34機関銃 |
装甲(砲塔) | 前面220~240mm 側後面200mm 上面60mm |
装甲(車体) | 前面200mm 側面100mm+装甲スカート60mm 後面60mm |
搭載エンジン(馬力) | 水冷V型12気筒 マイバッハ HL234ガソリンエンジン(800hp) |
乗員 | 5名 |
※数値は予定値 速度や行動距離は走行していないため完全に予想値である。
サブカルチャーでの出演
ゲームでの登場
初代PS「コンバットチョロQ」にのみ登場。
マウスのインパクトが強いゲームだが、E-100も登場している。
バトルアリーナのボスクラスで5番目に交戦するボスタンク。一見するとマウスの強化型のようだが、なんと3両と同時に戦うことになる。しかもフィールド自体が真っ暗で視界が悪く、特殊装備の暗視装置がないと目の前にマウス級の巨大な戦車がいきなり3両現れて驚いているうちに体当たりを食らうなんてこともある。
最初のうちは外壁を周回しているだけだが、しばらくすると連携した攻撃でプレイヤーを追い詰める。
1両撃破するごとに生き残っているE-100の速度が上昇する。
ボスクラスにはこれ以降もプレイヤーを拡大縮小してくるヤツや無数の小型戦車爆弾を撃ち出してくるヤツ、果てはビットを射出してオールレンジ攻撃してくるヤツもいるが、複数機が同時に襲い掛かってくるのはこいつだけである。
ドイツTier10重戦車として実装されている。
耐久値は2番目に高い2700であり、主砲も高い攻撃力を誇る。
が、World of TanksのTier10というのはE-100以外にも各国に計画止まりに終わったバケモノ戦車や戦後世代の戦車がウヨウヨいるため、自慢の装甲もあっさり撃ちぬかれることもしばしば。
使いこなせれば強いのは確かである。
また、本車の車体を利用して設計、計画されていた駆逐戦車、自走砲も登場する。
小説での登場
- 凶鳥フッケバイン
SFホラー小説。
クンメルスドルフ陸軍兵器試験場で極秘裏に1両だけ完成させられたという設定で登場し、大戦末期のドイツ領内に墜落したUFO回収作戦に参加。
同じくUFOの回収に現れた旅団規模のT-34戦車部隊と交戦し、主役でもないのにソ連軍相手に大暴れした(ジャンルはSFホラー小説なのだが、作者が仮想戦記界隈で有名な佐藤大輔だったために戦闘描写が目茶苦茶丁寧に記述されている)。……が、最終的に物量に押されて撤退したところを故障して放棄された。
本作では17cm砲を主砲としており、実戦投入に合わせて鋳造の展望塔を設けている。
pixiv内では
なぜだか上記のゲームに登場する派生型のイラストの方が多いようだ。
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