概要
GUND(ガンド)とは、アド・ステラの時代に発明された、宇宙への適応を視野に入れた身体拡張技術を指す。アニメ前日譚『PROLOGUE』では「宇宙環境で生じる身体機能障害の補助を目的とした医療技術」と説明されている。
解説
太陽系内で発見された鉱物由来の元素・パーメットは情報を伝達、共有する性質を利用しており、これを人体に流入させて、高精度の挙動を実現していると思われる。開発・研究元はヴァナディース機関。
「人体のサイボーグ化」と称しても差し支えのない技術であり、その到達点として“過酷な宇宙環境を克服する身体の獲得”や“生命圏の拡大”を掲げている。
疾患の根本的な解決手段としても有用で、義肢や義体、義眼、機械化された脊髄や心臓、骨、血管などが実用化されてきた様子が描写されている。
GUNDは、インプラント・アプリやワクチンといった宇宙環境による障害を防ぐのが難しかった高価な技術に比べ、安価であるらしい。
しかし、PROLOGUE時点ではGUNDで右腕を義手にしていたエルノラ・サマヤは突如GUNDが停止し、その都度に一度腕を外して乾電池状のバッテリーを入れ直すなど、本編から21年前の時点では、機器の不安定さや動作時間の制限が描写されていた。
劇中ではヴァナディース機関のカルド・ナボ博士が左目を、エルノラ・サマヤ/プロスペラが右腕をGUNDにしている。また、ペトラ・イッタも学園襲撃時に建物の瓦礫の下敷きになり、足を株式会社ガンダム製のGUND義足に置き換えている。
「ヴァナディース事変」によってヴァナディース機関が襲撃されスタッフが虐殺された影響で、以降のこの技術は事実上世間からは忘却された存在となっていて、『水星の魔女』本編では、GUNDの名前がミオリネ・レンブランから口に出されても、地球寮の面々は困惑した顔を浮かべていた。
劇中には、ペイル・テクノロジーズのニューゲン、カル、ネボラ、ゴルネリの首部分が機械化された箇所ではないかと言われていたが、最終話で私服姿が描かれた際にはこの箇所がなかったため、機械ではなく社服の一部であったと推測される。
フォルドの夜明けのオルコットの義手については、GUNDなのかそうでないのかは劇中で説明がない。
再興の道
ミオリネ・レンブランがGUND-ARMの安全な運用を掲げてGUND-ARM Inc.を立ち上げ、社員となる地球寮の面々から「兵器開発」の方針に難色を示された事で、会社設立に関与したペイル社が擁する「魔女」であるベルメリア・ウィンストンに接触。
GUND-ARMやGUNDフォーマットの大元となったGUNDの理念に触れ、本来のGUNDが目指していた「GUND医療」を社の主軸として採用した。
その後の研究開発により、全盛期には及ばないながらも実用に耐え得る義足の製造に成功しており、医療技術としての復権の兆しが徐々に見え始めている。
GUNDを施術された人々
関連項目
機動戦士ガンダム水星の魔女 / 機動戦士ガンダム水星の魔女PROLOGUE
ヴァナディース機関:本技術の開発元
- GUNDフォーマット:本技術を軍事転用したGUND-ARMの基幹システム。
- GUND-ARM:本技術を軍事転用したシステム、GUNDフォーマットを搭載されたモビルスーツの名称。
ネクストAC:AC4・ACfAより。コジマ粒子と並んでネクストACの根幹を支えている制御システムであるアレゴリー・マニュピレイト・システム(AMS)は、元々は高性能な義肢の開発など医療目的で開発されたが軍事目的に転用された人と機械をつなぐ技術つながり。しかし、こちらはGUNDと異なりAMS適正と呼ばれる先天的な才能がなければ操縦できないどころか最悪脳神経に損傷を受け、仮にあったにしても優劣による差が存在する。言い換えればGUNDの下位互換とも言え、同時にAMSからAMS適正というハードルを克服したのがGUNDとも言える。
余談
ガンド、とは古ノルド語で、魔術の特定の要素を指す。(こちらのスペルはgandr)
転じて巫女の予言、魔女の使う魔法の意味もある。
ガンダムパイロットのことを魔女と呼んでいるのは、もしかして……?
このあたりは、ニコニコ大百科の同項目に詳しく書かれている