概要
塩塚博作曲のJR東日本各線で使用される発車メロディ。「SH」は塩塚のイニシャル「Shiozuka Hiroshi」に由来する。
1993年の作曲当時は名無しだったが、1999年に携帯電話の着メロとして商品化が決まった際に曲名を決めることになり、塩塚曰く「当時は逆立ちしても名前が思いつかなかった」ため当時採用駅数が多かった順に番号で命名したという。
これ以降塩塚は自ら作曲した発車メロディに曲名を付けるようになり、以後はJR東日本の発車メロディでも「ムーンストーン」など曲名が付けられている。
東京駅では大半の路線がこのSHシリーズを使用しているため、知名度は高い傾向にある。
1990年代半ばごろに使用駅を増やしていったが、2000年頃よりテイチクなど他メーカーの汎用メロディの採用駅数が増えたため使用駅数が頭打ちになり、さらに2010年代に入るとご当地メロディの採用例が増え、SHシリーズを使用する駅が減少傾向にある。このため、知名度のわりに若干不憫な扱いを受けているようにも見える。
曲一覧
- JR-SH1:近郊地域25番。新橋駅や松本駅などで使用されている。中央快速線での使用例が多い。音色音高が異なるバージョン(JR-SH-1-3/近郊地域26番)もある。
- 塩塚によるとSH1とSH2はSHシリーズでも最後に作った曲で、万人向けのオーソドックスな曲として制作したという。
- JR-SH2:近郊地域23番。有楽町駅山手線ホームや中央総武線各駅停車の多くの駅などで採用されている。かつては郡山駅でも採用されていた。
- JR-SH2-3:近郊地域24番。23番の音色音髙バージョン違い。五反田駅、横浜駅東海道線ホーム、多数の中央総武線各駅停車などに採用されている。
- 中央総武線の場合、上下別に23番と24番を同時に採用している駅が多い。
- JR-SH3:近郊地域29/30(-1)番。ジャズ・フュージョン系の近代的な曲で、29番が根岸線の一部駅、30番が渋谷駅などで使用されている。使用駅は少ないが、30番が東京駅山手線ホームでお馴染みの曲だったため知名度は高い。
- JR-SH4:根岸線の一部駅を中心に使用されている。根岸線の場合、上述のSH3とセットで採用されている。こちらは音色音髙バージョンは採用されていない。
- JR-SH5:近郊地域21番と、音色や音高が異なる22番(-1)。南武線や熱海駅などで使用される。こちらも東京駅(京浜東北線・総武快速線ホーム)で使われていたことで有名な曲である。
- 塩塚によるとバッハの楽曲を意識したらしい。
- JR-SH6:37番。かつてはそこそこ使用駅があったのだが、ご当地化や放送更新により急激に数を減らし現在は御茶ノ水駅と茅ヶ崎駅元ライナーホームでのみ使用される極めてレアな曲になってしまった。これより大きい番号の発車メロディは2022年現在使用駅数が少なく、レア曲として扱われる。
- JR-SH7:近郊地域35番。本庄駅と茅ヶ崎駅元ライナーホームでのみ使用されているメロディ。
- かつては八王子駅八高線ホームでも使用されていた。
- JR-SH8:近郊地域27/28番。桶川駅、塩山駅、勝浦駅(28番)の3駅でのみ使用されている。
- 27番はご当地化前の恵比寿駅でも使用されていた。
- JR-SH9:御茶ノ水駅でのみ使用されているメロディ。サルサ風のシンコペーションが特徴的であり別名「お茶の水サルサ」と呼ばれる。
- 塩塚によると今まで御茶ノ水駅でしか使用されていないのに非常に人気の高い曲らしい。
JR-SHRシリーズ
2023年から成田線我孫子支線を中心に千葉支社で採用されている新たなSHシリーズ。こちらも全9曲各々2バージョンが制作、SHシリーズと違い全18バージョンがどこかの駅に採用された。
学生時代から塩塚氏の駅メロのファンであったJR東日本社員達の働きかけによって生まれたシリーズであり、塩塚氏自身の作風は勿論、駆け込み乗車をとりわけ忌避するようになったりと会社側の姿勢もまた変化したこともあってか、SHシリーズに比べるとどこかゆったりした曲調のものが多いのが特徴。