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SCP-374-JP

ひみつけっしゃきゃっちあんどりりーす

SCP-374-JPとは、怪奇創作サイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(怪異)の一つ。
目次 [非表示]

「何て悪質なオブジェクトだ。また俺の休みがなくなった!」




概要編集


アイテム番号:SCP-374-JP

オブジェクトクラス:Euclid


SCP財団日本支部が管理するSCPオブジェクトの一つ。

通称「秘密結社キャッチ&リリース」。


これが何かというと、財団日本支部のとあるサイトで定期的に発生している異常現象である。

簡単に説明すると、異常存在による、財団関係者をターゲットとした連続誘拐事件

これだけ聞かされると穏やかではないが、その実態はいろんな意味で非常に奇妙なものである。


事件には一定のパターンがある。

まず、サイト内のどこか(食堂、受付、会議室のいずれか)に封筒(SCP-374-JP-A)が出現する。

SCP-374-JP-Aには「秘密結社キャッチ&リリース」と署名されており、中にはターゲットの名前や犯行予定日時、そして「3時間預からせていただきます」とのコメントなどが記載された便箋が入れられている。

そして予告された日時になると、SCP-374-JP-Bと指定される人型実体が出現し、該当人物を何処かへ連れ去ってしまう。

しかし予告されていた通り、誘拐されてからおよそ3時間が経過するとターゲットは解放される。基本的にターゲットは無傷であり、これまでの実験などによって少なくともSCP-374-JP-Bが意図的にターゲットを傷付けるつもりはない模様。

ただ誘拐し、その後解放するのみである。


連れ去られたターゲットはどうなるかというと、どこかしらに存在する建築物の一室と思しき場所に一時的に監禁される。

この部屋は住もうと思えば普通に住めるくらいには機能的に充実しており、監視役(?)のSCP-374-JP-Bに対して何らかの要求を出すと、彼らが可能な範囲内で要求に応えてくれる。ただし、危険な行動に出ようとするとSCP-374-JP-Bの異常性によって阻止されてしまう。

誘拐されたら解放されるまで大人しく待つしかないらしい。なお、彼らが用意してくれた物品を持ち帰ることはできない。


ちなみに、当該サイトに3日間以上滞在した場合、正規の財団職員ではなくとも誘拐のターゲットとして指定される可能性がある。

また、誘拐が実行されるのはSCP-374-JP-Aが出現した日から1~2日後の午前9時、ターゲットは「その日がシフト上では休日となっている人物」に限定されることが確認されている。シフト変更でターゲットを出勤扱いにすると、それに合わせてSCP-374-JPのターゲットも変更される。

当該サイトではこの性質を利用し、Dクラス職員がターゲットになるまでシフト調整を繰り返し、Dクラス職員が対象となった後は放置を決め込むことで実質的にコントロールしている(何らかの実験を行う場合は例外)。


SCP-374-JP-B編集

誘拐事件の実行犯である人型実体。

明らかな外見的異常として、頭部が丸ごとブラックバスになっている点が挙げられる(魚の腹が首の断面に貼り付いているだけ)。

また、水に濡れた黒い背広を羽織っており、体格や身長などは個体によって様々……かと思いきや、映像記録などから誘拐するターゲットの肉体情報を何らかの手段でコピーし、淡水を素材に実体として投影していることが確認された。なお、言葉を発することはできないが、少なくともトランプで遊べるくらいの知能は有している。


バイタル的には暴徒鎮圧用のゴム弾で狙撃されただけであっさり死亡してしまうほど脆弱で、死亡すると頭部だったブラックバスの死骸をその場に残して消失する。しかし、何体殺害しても次から次に別の個体が出現し、最終的には数の暴力によって力尽くにでもターゲットの誘拐を試みる。

また、ただひたすらに誘拐を目指すのではなく、妨害してくるものを無力化してからターゲットの誘拐に取り掛かったり、何手にも別れて波状攻撃を仕掛けたりと優先順位をしっかり付けて戦術的に行動してくる。

そのため結果的に財団がこれまでに誘拐事件の阻止に成功したことは無い。


犯行予告の時間になると、ターゲットの近くの地面などが材質に関係なく水面のように波打ちだし、そこから出現する。強化ガラス製の部屋だろうと金網の籠の中だろうと、終いには飛行中のヘリコプターの中や走行中のスクーターの真後ろにまで出現しており、出現を阻止することはできない。

しかも彼らに触れられると、それだけで人間はたちまち昏睡して抵抗できなくなってしまう。たとえ障害物で阻もうとしたり、防護服で体を覆ったりしていても、それらをすり抜けて触れてくるため、彼らの魔の手(?)から逃れることはやはり不可能。

また、ターゲットの誘拐を直接的に妨害しようとする人物に対しても、同じく自身の特性によって意識を失わせ、その隙にターゲットを誘拐してしまう。彼らに触れられると最低5分間は昏睡してしまう上、最悪の場合は集団で現れるため、対処のしようがない。


なお、上述した通りSCP-374-JP-Bは誘拐したターゲットを含めて怪我人や死亡者を出すつもりは無い模様。

前述したように触れられた人物はそのまま昏睡してしまうが、逆に言えば最悪でも昏睡させる「だけ」である。

スクーターやヘリコプターを運転中のターゲットを昏倒させた際は鮮やかな手際で操縦を奪取、速やかに停止、着陸させてから誘拐する。

SCP-374-JP-Bに直接殴りかかろうとしたり、誘拐された先の部屋を破壊しようとしたりしても、昏睡させて無力化する場合はあれど対象を殺害してまで止めようとはしない。

また、ターゲットの体内に時限爆弾を仕込んで誘拐させるという過激な実験も行われたが、爆弾を摘出・解体された状態でターゲットの解放と共に返却された。

自分たちの関与しない外的要因による死者も出さないつもりらしい。



犯行動機編集

しかし、なんだって彼らはこのような誘拐事件を度々引き起こすのだろう?

ある日、彼らに誘拐されたエージェントはその目的について尋ねてみた。


するとSCP-374-JP-Bは一旦部屋を出てゆき、70分後に戻って来た。そしてエージェントに、いつもは予告状として贈られてくる便箋を手渡してきた。

解放された後でエージェントがその封筒を開封してみると、手書きの文字で以下のように書かれていた。






                   しゅみです

                      秘密結社キャッチ&リリース







余談編集

予想の斜め上を行く衝撃的なオチに「なんだそりゃ!?」と声を荒げる人もいるかもしれないが、よく考えていただきたい。


食べるわけでも飼育するわけでも、ましてや売り捌くわけでもなく、ただ自分が楽しむためだけに魚を釣り上げ、そのまま川や海に逃がしてしまう人間と、何が違う。


そう、これは遊漁に対する魚視点からの皮肉が存分に込められたSCPなのだ。


たぶん。


加えて一応の注意事項

良く行っている人は知っているだろうが実際に遊漁を行う際は、そのまま放す時も魚拓を行う際もくれぐれも「魚を素手で触る」事など無きよう

魚達の皮膚は非常に熱に弱く、ちょっとしたことで傷んでしまう、人間で言うなら100℃近い手に鷲掴みにされ、大火傷を負っているも同然のダメージを受けるのだ。


想像してほしい、仮にSCP-374-JP-Bのタッチの温度が100℃近い熱量だったら、それは果たして「無傷での誘拐」と言えるだろうか?

人はまだ治療を受ける事もできるだろうが、魚は火傷によって遊泳能力を著しく損ない、そのまま死んでしまうことすらあり得るのだ


遊漁という人魚双方に差し当たっての益がない事をやるのであれば、せめてお互い時間以外の損失は産まないよう最大限の努力は怠らないようにしよう


関連タグ編集

SCP_Foundation

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