概要
集英社の少女漫画雑誌「りぼん」に連載されていた亜月亮原作の漫画作品。
いじめられっ子といじめっ子の2つの人格を持つ近藤学園に通う中学2年生・河合ありさと転校生の八代暁名の2人の出会いをきっかけに物語が進行する。
登場人物
主要キャラクター
近藤学園中等部2年C組に通う14歳の少女。本作の主人公。
かつてはあらゆる転校先で下僕を作ってきたガキ大将気質で超ド級のいじめっ子・アリサだったが、ある出来事で頭を打って以来は気弱ないじめられっ子・ありさの人格になっていた。
しかし、中学2年生になって暁名との再会がきっかけでアリサの人格が復活し、2つの人格が交互に現れる多重人格状態となった(ありさでいる時に衝撃的な事態に遭遇するとアリサに変わり、暁名の飼い犬のトト丸に触れるとありさに変わる)。
アリサに切り替われば性格だけでなく身体能力や歌唱力まで上がるなどハイスペックになる。
島根県出身の少年。本作のヒーローポジション。小3の頃にアリサに下僕扱いされ、謎の手紙に導かれ復讐のため、ありさのクラスに転校してきた。
アリサと過ごしていた頃は泣き虫な性格で、アリサから「泣き虫(ナキムシ)」に因んで、764号下僕ナンバーをつけられていた(ちなみにアリサにとっても暁名はお気に入りの下僕だった)が、現在は強気な性格かつ、どんな分野でもかつてはまるで敵うことのなかったアリサを超え、その様を見せつけ敗北感を与えたいという復讐心を糧に、努力を重ねて文武両道で料理だろうと何でも出来る少年へと成長し、百太とも剣道でほぼ互角にやり合っていた。
女装した際にはエリカをして「エリカよりキレイかも」といわしめるレベルの美人と化している。
ありさのクラスメイトの少年。もう1人のヒーロー且つ物語のキーパーソン。女性的な美貌と柔和な物腰で、女子からは王子のようだと憧れの眼差しを向けられ、校内にはファンクラブまで存在するほど。
いじめられているありさをよく助けており、彼女から恋心を寄せられているが…?
一方暁名に対してはある理由から「僕は最初から君のことなんか大嫌いなんだからね」と本人に堂々と言い放つレベルで敵意を向けている。
番外編『猪神家の一族』では姉の麻貴と弟の美紀貴が登場している。
ありさの兄。中学3年生。いじめられている妹を気にかけており、殺人レベルの味音痴である妹の代わりに家庭では料理もこなす。妹と顔立ちがよく似ており、熱烈な愛犬家でトト丸がお気に入り。実はありさの二重人格に関してはだいたいこいつのせい。
暁名の飼い犬。可愛い小犬だが、太眉毛を書くと劇中作品『ドラゴン拳白書』の主人公・ケンタロウを思わせる戦闘力を発揮する。プリンを自分で開けてスプーンを使って食べるなど器用な面も。
アリサの下僕たち
アリサが転校先で作っていた下僕。語呂合わせで下僕ナンバーをつけられている。このため出会った順は関係ない。
暁名を始めとする下僕達は謎の手紙に導かれ、アリサを追って転校してきているが、何故かほぼ全員アリサと同クラスの2年C組に転入してきている。
菊池百太
熊本県出身の少年。熊本弁と武士を思わせる長髪を束ねた髪型が特徴。
小2の頃は剣道道場のボスだったが、アリサにあっさり負かされてボスの座を奪われプライドを壊された挙げ句、冷え性のために剣道着の下に履いていた愛用の母親手製・桃のアップリケつき股引をからかわれ、股引だけの姿で逆さ吊りにされたことを恨んでいる。下僕ナンバーは名前と股引に因んで、100号。
アリサに戦いを挑んでいる最中にトト丸に木刀を白刃取りされ、以降はトト丸を師匠と崇めるようになり暁名とも打ち解けたらしく友人としてつるむようになる。
ジュリィ(本名:駄沢金次)
埼玉県出身の少年。ビジュアル系歌手で、本名など素性が明かされていないミステリアスな美形として女性から人気を集めている。プライベートでも派手な衣装を身にまとい、口調は詩的でくどい。また、制服は特注のものを着用。
かつては分厚い眼鏡をかけた地味でダサイ、際立って低身長な少年で、クラス中から馬鹿にされパシリにされていたが、アリサの下僕となって彼女専用のパシリにされていた。下僕ナンバーは当時の身長からそのまま取った、106号。
ダサイと馬鹿にしてきたアリサを見返すためにアーティストとしての地位を築いたが、身長は男子平均よりかなり低く、厚底のシークレットシューズで背丈をごまかしていたが、アリサによってそれらをファン達に暴露されてしまうも、ナオミを始めとするファン達に励まされて立ち直り、そのおかげでファンにも失望されることなくアイドルは続けられているものの、ナオミと絡むことが増え、困惑している状態。(ナオミがいなければアイドルを続けられていないのは事実のため頭が上がらないのだと思われる)。
宮沢エリカ
京都府出身の少女。名門お嬢様学校出身のロングヘアが特徴的な美少女で、茶道を嗜むお金持ちの家の令嬢。
上品な風に装っているが本性はかなりのナルシスト。その美しさから男子達を統べていた小学生の頃、下僕たちを統べるアリサとはなにかと対立し、ついには殴り合い掴み合いの大喧嘩になったが、本性を剥き出しに荒々しい京都弁で罵り言葉を吐くその暴力的な姿から取り巻きの男子達に逃げられ、全てはアリサのせいだと憎んでいる。下僕ナンバーは「やな女」に数字をあてた、870号。
美貌で男を惑わすことに自信を持っていたが、自分の美貌に惹かれない暁名に惚れ込むようになるが、結局最終回では目の前で暁名にも失恋したが、5年後には本編中で度々いがみ合っていた百太と交際している様子。
風祭真吾
栃木県出身の少年。小学生の頃にクラス内で補助輪をつけなければ自転車に乗れないのは自分だけだったため、そのことをアリサにひどくからかわれていた。下僕ナンバーは「四輪」を意味し、40000号(4つのゼロはタイヤを表す)。
アリサを見返すためにローディ姿で登場し、チキンレースを挑んだが、まともに相手にされず、あっさりと暴力で返り討ちにされた。登場から僅か数ページで倒されているので出オチ同然の扱いである。
しかし、自転車とヘルメット、ゴーグル姿はどことなく無免ライダーと酷似している。
牧瀬陵
岡山県の小学校でアリサのクラスに教育実習に来ていた男性理科教師。謎の手紙に導かれ復讐のため、ありさのクラスの副担任に就いた(登場する中で教師の下僕は彼のみ)。
眼鏡をかけ長めの髪を束ねており、女子生徒からは美形だと持て囃されるが、実は伊世同様の強烈な愛犬家にしてマッドサイエンティストであり残念なイケメンである。たくさんの子犬を飼っている。かつて実験に使うため何十匹もの犬を飼育していたが、その犬達をアリサと伊世によって逃され、アリサを恨んでいる。下僕達の中では唯一、ひらがなの方のありさに倒された人物。
下僕ナンバーは、『101匹わんちゃん』に因んで、101号。
回想シーンでは「パートナー」の登場人物・東条光臣博士と共演していた。
錦琴若
青森県出身の少年。謎の手紙に導かれてありさのクラスに転校してきたのは他の下僕達と同じだが、自身は復讐ではなくアリサへの求愛のために転校してきたため、下僕達の中で唯一アリサに敵意を持っていない。このため彼女が抱える二重人格の事情をすぐに理解した。
小学生の頃からかなりの肥満体型で、アリサに憧れてつきまとっていたものの、「強い男」でなければ彼氏にしないとあしらわれたため、強さを求めて相撲の中学生部門でナンバーワンの座を勝ち取ったが、再会したアリサから、「強かろーがブサイクな男はキライ」とやはり拒絶されるものの、厚い脂肪のおかげでアリサから暴力を受けても(脂肪で覆われているたので)あまり効かずめげない。ありさの手作りケーキを食べて体調不良になって激しく痩せた時はとてつもない美少年に変身するが、すぐにリバウンドして元に戻った。
下僕ナンバーは、小学生当時の体重から97号。
赤兜コウジ
島根県出身の少年で、暁名とも元同級生であったため知人。特撮戦隊オタクで、劇中作品『天誅戦隊ニンジャー5』の大ファン。下僕ナンバーはそのタイトルから取って、005号。
主人公・ケンタロウが愛のために単身で敵の根城に乗り込み戦う『ドラゴン拳白書』のファンであるアリサから、「集団で一人の敵を相手にする戦隊物は卑怯なだけ」と馬鹿にされた挙げ句、大切にしていたレアフィギュアをうっかり壊され、アリサを恨んでいる。
今までどの下僕もアリサに敵わなかったのは個別に立ち向かったためだと分析し、下僕達で構成した「復讐戦隊リベンジャー7」なる戦隊を結成するが、結局返り討ちにされた。
番外編のみ登場の下僕たち
佐藤栄作
高知県出身の少年。高知弁とリーゼントヘアの古典的なヤンキースタイルが特徴。竹刀で勝負を挑んできたが、トト丸(と体が入れ替わっていた伊世)に返り討ちにされた。
下僕ナンバーは、苗字の「さとう」に数字をあてた、310号。
ケン大杉
ロサンゼルス出身の少年。謎の手紙に導かれてありさの学校へ転校してきたが、運動会でアリサと競うため、A組に転入してきた。ところどころひらがな部分がカタカナになった独特な話し方をする。
ちなみに彼は結果的にではあるが曲がりなりにも運動会の二人三脚でアリサに勝利し、(ただし、優勝したのは地道に得点を稼いだF組)下僕の中で唯一彼女への復讐を達成した。
下僕ナンバーは、ケイン・コスギの誕生日から取った、1011号。
その他のクラスメイト
松田
当初はありさをいじめていた少女。アリサに屋上から強制的にバンジージャンプをさせられて成敗されて以来、彼女を恐れていじめをやめ、嫌がらせこそしなくなったものの乱暴な物言いは変わらず、「その潔い悪役っぷりけっこう好き」とアリサに評され、下僕の一員扱いされている。ナオミのためにジュリィのサインを貰ってきてほしいと頼む等、次第にありさとも打ち解けていき良き友人になった。エリカとは性格が悪い者同士、仲が悪い。
ナオミ
松田らと一緒にありさをいじめていた少女だが、松田同様にアリサに成敗されて以来はいじめをやめ、ジュリィファンの女の子達からありさを庇う等、次第にありさと打ち解けていき良き友人になっている。
少女漫画らしくほっそり華奢に描かれた他の少女キャラたちとは一線を画す、一人だけ妙に体格が太く遠近感が狂うほど巨大な顔で豪腕の持ち主。「ゴリラ四方固め」を得意技だが、アリサには通用しなかった。
ジュリィの大ファンであり、以前からファンレターや花束を贈り続け、ジュリィが芸能活動を行う上での糧になっていた。彼が身長を暴かれた時には「身長なんか低くたってジュリィは素敵よ!誰よりも輝いている私達のアイドルよ!」と励ましの言葉をかけ、彼を軽々とお姫様だっこした。
そして本編終了後の5年後には無事に彼への気持ちは成就した様子。
関連タグ
北斗の拳:劇中劇の元ネタ。