食欲を満たした状態については →満腹
概要
2018年10月1日から2019年3月30日にかけて放送されたNHK連続テレビ小説。
インスタントラーメンの発明者安藤百福夫婦をモデルにしているが、あくまでモデルであり、激動の時代を生き抜いた夫婦の物語として再構成している。
主題歌はDREAMS COME TRUEの「あなたとトゥラッタッタ♪」。
語りは芦田愛菜。
登場人物
大阪出身。貧しいながらも愛情をいっぱい受けて育った三人姉妹の末っ子。
- 立花萬平(たちばなまんぺい)/ 演 : 長谷川博己
福子の将来の夫となる青年。
両親を早くに亡くし各地を転々としてきた。
発想力と行動力に富み、25歳で会社を設立する。「人の役に立つ」ことを生き甲斐にする誠実さの一方、理不尽や不条理には徹底抗戦する頑固さも隠している。
軍需物資を横流しした罪で憲兵隊に捕まったが、後に加地谷がその罪を擦り付けたと判明し、釈放された。
波乱万丈の運勢を背負っており、福子と周囲の人々に支えられて徐々に頭角を現していく。
福子の家族
- 今井鈴(いまいすず)/ 演 : 松坂慶子
福子ら三姉妹の母。夫に先立たれたあと娘達を育てる。
心配性で娘達の考えや行動に細かく口を挟む。
「私は、武士の、娘です!」が口癖で、奔放な夫に振り回された経験ゆえに安定路線を重視する。
福子と萬平の長男。母が祖先の名前から源義経、萬平が尊敬する発明家平賀源内からあやかった命名をしようと揉め、福子がその間をとって源と名付けた。少年期はイタズラ好き。父が失業しラーメンを作っているのを学校でいじめられた。大学で学生運動に失敗しまんぷく食品に就職。
福子の長女で源の妹。福子が自分の名前と合わせて「幸福」となることから幸と名付けた。少女期は源と同様の理由でいじめられていた。大学生となり万博で知りあった外国人レオナルドと親密な関係になり鈴、福子から熱愛疑惑を持たれている。
- 今井咲(いまいさき)/ 演 : 内田有紀
三姉妹の長女。優しくしっかり者の姉。
亡くなった父に代わり、貴金属店で働き、家計を支える。
母・鈴から特に可愛がられ、心の拠り所にされていた。
昭和13年、真一と結婚するが、結核に感染し開始2週目で死去。
以降は稀に夢枕に立って家族に助言を送ったりする。
- 香田克子(こうだかつこ)/ 演 : 松下奈緒
三姉妹の次女。奔放で気風のいい姉。
周囲の反対を押し切り画家の忠彦と結婚し、4人の子供に恵まれている。
- 小野塚真一(おのづか しんいち)/ 演 : 大谷亮平
咲の夫。口数が少ないが誰よりも咲を大切にしている。
咲亡き後の昭和17年の夏、召集令状が届き、出征。(終戦後に北支から帰還)
- 香田忠彦(こうだ ただひこ)/ 演 : 要潤
克子の夫。画家。
福子と萬平の結婚式の前に出征。(終戦後に南方から帰還)
手榴弾の爆発を目にした後遺症で色弱を患うも、家族に支えられて徐々に画家としても成長していく。
- 香田タカ(こうだ たか)/ 演 : 岸井ゆきの
香田家の四兄弟の長女。
しっかり者の頑張り屋で、父・忠彦の描く絵が好き。
製塩所を立ち上げた際には、土日限定で職人の世話で忙しいしい鈴の補助に入り、作業員たちのアイドルとして人気者となった。
神部茂とはのちに恋仲に発展し、父の抵抗に遭いながらも晴れて夫婦となった。
萬平の仕事仲間
- 加地谷圭介(かじたにけいすけ)/ 演 : 片岡愛之助
萬平の会社の共同経営者。
萬平が発明に専念できるよう、財務経理の一切を請け負っていた。
戦中に陸軍から兵器製造の催促を受けるようになって、徐々に萬平と折り合いが悪くなっていき……
- 世良勝夫(せら かつお)/ 演 : 桐谷健太
萬平が出会った幻灯機職人の息子。
萬平の才能に圧倒され、職人から商人へと転身し、戦後は証券会社を立ち上げた。
上昇志向が強いうえ儲け話に目がない業突張りで、上前を内緒で撥ねたり旗色が悪くなるとトンズラするなど、自分勝手な言動が目立つ。
それでも萬平に対してそれなりの敬意は抱いており、協力は惜しまない。
- 神部茂(かんべ しげる)/ 演 : 瀬戸康史
終戦直後の香田家に泥棒に入った帰還兵の青年。大坂帝大卒で理知に明るい。
天涯孤独となり、空腹に耐えかねて香田家に忍び込むも、鈴に見つかり未遂に終わる。
親身になってくれた萬平と福子に大恩を感じ、萬平の手足として走り回るようになる。
のちに香田家で家庭教師を請け負った縁でタカと結ばれ、萬平とも親類となった。
そのほか
- 牧 善之介(まき ぜんのすけ/ 演 : 浜野謙太
お金持ちの歯医者。
何故かいつも白馬の「蘭丸」に乗って現れる。
余談
本作の大ヒットにより、「まんぷく食品」のモデルとなった日清食品の商品の売上がアップしたが、これが思わぬ悲劇を産む事になってしまった。
「カップヌードル 味噌」販売一時休止
本作の最終話の翌日である4月1日に発売された「カップヌードル 味噌」(通算では4代目にあたる。ミニサイズが好調なことから、レギュラーサイズとしても発売された)が当初の計画を大幅に上回る売り上げにより、ブランド全体として十分な商品の供給量を確保できない状況となり、主力商品の安定供給をはかるべく、一時的に販売休止に追い込まれた。
その後、商品を安定供給できるめどが立ったことを理由に同年8月26日より全国で販売再開となった。
「カップヌードル 新元号記念パッケージ」ラインナップ縮小
一方、5月の新元号「令和」に向けて「新元号記念パッケージ」をレギュラー・シーフード・カレー(中身自体は通常商品と全く同じ)で発売する予定だったが、これも煽りを受けて、レギュラーのみの発売に変更。即ちシーフード・カレーの「新元号記念パッケージ」は幻となってしまったのである。
特に「新元号を記念したシーフード・カレーの限定パッケージ販売中止」に関しては、一度しかない「令和という新元号記念」を楽しみにしていたのに水を差された消費者も多かったため「おのれNHK」「(企業CMを流せないNHKがとった)ドラマを隠れ蓑にした脱法行為」などと結果的に「遠回しに商品の宣伝に加担した」とみなされ、本作の評価とは裏腹にNHKそのものは一部の人々から恨まれる形となってしまった。