曖昧さ回避
- アニメーション映画『機動警察パトレイバー2theMovie』に登場するレイバーとは違ったカテゴリーのロボット。※メイン画像 この項で解説
- A・E・ヴァン・ヴォークトの古典SF小説『宇宙船ビーグル号の冒険』に登場する、緋色をした多脚多腕の強力な宇宙生物。1.の名称の元ネタでもある。※この項で解説
- ゲーム『サガフロンティア』レッド編に登場する隠しボスであるコウモリ男のようなモンスター。
- ゲーム『カルドセプト』に登場する火属性の蛸のようなクリーチャー。
- pixivユーザー架雅深氏によるオリジナルキャラクター。下半身がムカデの人外少女「マテリアル・イクストル」。
- pixivユーザー踊る猫耳氏による現代創作物「魑魅魍魎に黙秘権は無い」のガジェット「羊のイクストル」。
1.の概要
機体解説
アメリカ陸軍が市街地での掃討戦を想定して開発した四脚歩行型の無人攻撃兵器。劇中ではプログラムによって半自律的に行動するものは基本的に「レイバー」とは呼ばれず、このイクストルも映像やノベライズ中ではあくまで「ロボット」とされている。
その性質から、現実に実用化されているオートマトンと呼ばれる無人兵器に近い。
通常は有線コントロールで、コントロールケーブルが切断された場合には識別信号に反応しないものを無条件で攻撃するよう設計されている。
胴体下部に3銃身20mmガトリング機関砲、全周回転式の頭部には12.7mm対人機銃を装備しており、機関砲程度の火器に耐える装甲を持つ。機体下部には対人攻撃にも使用可能なサンプル採集アーム、膝上部分には姿勢制御用の火薬打出し式ダンパーといった他の多脚レイバーに見られない特異な機構も装備されている。
長帽状の捜索レーダー、20mm径の多銃身機関砲、射程距離内の無差別掃討機能といった特徴が米海軍の艦載近接防御火器(CIWS)「MK-15ファランクス」に類似していたため、本国では「歩行式バルカンファランクス」と陰口を叩かれていたらしい。
小隊支援用の重火器システムとして期待されたが、「大きさの割に火力が貧弱」「主兵装の取り付け位置から射界にも制限が多い」などの問題を抱え、有線操縦方式特有の運用性の悪さもあって採用が見送られたという曰くつきの機体であり、レイバーシステム揺籃期に生み出された珍品かつ駄作機である。
劇中ではテロリストたちが拠点とする埋立地へ通じる海底トンネルの防衛用に配置していたものとして3機登場。
物語終盤にトンネルへ突入した元特車二課第二小隊と対決することになるが、射界の狭い「たかが20mm」でも、狭く見通しの悪い一本道の海底トンネルでは、この時リアクティブアーマーを装備していたとはいえ元々はFRP(繊維強化プラスチック)装甲程度のイングラム(及び日本の警察用レイバー)にとっては、「(太田曰く)一発撃つ間に百発撃ってくる」20mmガトリング砲は恐るべき怪物であり、その頑強さもあって苦戦を強いられることになる。
余談
その非合理的なデザインから押井守と親交のある宮崎駿からは「給水タンクみたいなロボット」と呼ばれたほどだが、そもそもが「駄作機」という演出意図に沿ったものであったため、押井はシリーズに登場したメカニックの中では唯一好きな機体であると語っている。
ちなみに「狭い一方通行の通路で斉射してくる機関銃の弾幕を如何に攻略するか」という劇中における第二小隊との攻防戦は映画『レマゲン鉄橋』にインスパイアされたものとのこと。
関連タグ
2.の概要
解説
『宇宙船ビーグル号の冒険』第三話「Discord in Scarlet」に登場する宇宙生物「Ixtl」。
その姿は緋色で4本腕4本足と描写される。
巨大宇宙船の乗組員をさらい、船内に潜伏して犠牲者に卵を産み付ける。
…と、あらすじだけ聞くと、某有名映画と似ているが、
「ビーグル号」のほうが遙かに古く、実際アメリカでの裁判で、ヴォークト側が勝訴している。
(正確には映画会社側が和解金を支払う形での和解)
ただ作品内での描写は、映画の宇宙生物より、高度な知性を持つ知的生物である面が強調され、実際の印象はかなり異なる。
能力についても、犠牲者も壁も傷付けず、合金製の隔壁をすり抜ける等、後発映画の宇宙生物を凌駕している。
なお、体内に卵を持っているのだが、人称代名詞は「彼」、原著でも his である。
成体は「彼」1体しか登場しない為、タツノオトシゴのように、オスが卵を預かっているのか、単性生殖なのかは不明。
創作での扱い
第16話「翼を持った少女!」に登場する宇宙獣士・ガウバーのモチーフであると明言されている。なお1.のロボットと同じく出渕裕氏がデザイン担当。