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CV:江原正士


概要編集

田中芳樹作の小説『銀河英雄伝説』の同盟側登場人物。自由惑星同盟軍大将。


初登場は、第8次イゼルローン要塞攻防戦直前に惑星ハイネセンで行われた、ヤン・ウェンリー大将に対する「査問会」の参加者の一人としてであり、当時は後方勤務本部長の職にあった。

またヨブ・トリューニヒトに与する一派の軍人でもあった。


統合作戦本部長就任後編集

宇宙暦799年(新帝国暦1年)、「バーラトの和約」に基づき、帝国に身柄を拘束された統合作戦本部長・ドーソン大将に代わって統合参謀本部長に任じられた。

当時の同盟軍はヤン・ウェンリー元帥率いる「イゼルローン駐留艦隊」が解体され、他の艦隊も壊滅状況にあり、残された部隊は少数の艦船によるパトロール艦隊によることから、ロックウェルの戦略眼・戦術手腕は不明である。


「バーラトの和約」成立から半年後、同盟政府は帝国高等弁務官・ヘルムート・レンネンカンプ上級大将の圧力に屈してヤン・ウェンリー退役元帥を逮捕、ロックウェルは同盟最高評議会議長・ジョアン・レベロの命に従いヤンの逮捕に動き、ヤン艦隊の幕僚たちがヤン奪還のため武装蜂起を起こさないよう備えた。

その予測通り、ワルター・フォン・シェーンコップ退役中将率いる「薔薇の騎士連隊(ローゼンリッター連隊)」がヤン奪還に動いた。シェーンコップはみずからが囮となってロックウェルの裏をかくと、ライナー・ブルームハルト中佐ら主力に高等弁務官府に潜入させ、レンネンカンプの拉致を成功させた。

ヤン一党の惑星ハイネセン脱出時、ロックウェルは後方勤務本部長代理・アレックス・キャゼルヌ中将に「代理」を外すことで慰留しようとしたが、「ふん!!」の一言で拒否されている。

その直後、虜囚となったレンネンカンプは自殺、皇帝・ラインハルト・フォン・ローエングラムは「バーラトの和約」を破棄、同盟領への侵攻を決定する。


これに対し、同盟軍は前宇宙艦隊司令長官・アレクサンドル・ビュコック元帥が現役復帰し、廃棄予定の艦船や新造艦をかき集めてマル・アデッタ星域で帝国軍を迎え撃った。総参謀長・チュン・ウー・チェン大将やラルフ・カールセン中将ら各級指揮官の奮闘むなしく、艦隊は全滅、ビュコックらも戦死した。

ただし、宇宙艦隊の行動に関してはロックウェルらは一切関与しておらず、この時期何をしていたかは不明。


最期編集

同盟軍を破った帝国軍は首都・ハイネセンに迫った。レベロは帝国軍侵攻直前まで仕事に没頭していたが、彼の執務室に銃を携えたロックウェルの一派が現れた。


「あなたを信用できない。帝国がヤン・ウェンリーの首を要求したら売ったように、自分の首を要求してきたら売るつもりだろう。だからこの行為はあくまでも自衛的な手段である。」


と主張するも、それが見え透いた自己保身の結果であることを見抜いていたレベロは、


「心配は無用だ。帝国が君たちの首を要求するはずがない。なぜなら君たちはヤン・ウェンリーではない。だがよろしい、私を討って君たちの安全を買いたまえ。」


これらの会話の後、レベロを殺害したロックウェルはラインハルトと謁見、オットー・フォン・ブラウンシュバイク公爵のもとでラインハルトと戦ったアーダルベルト・フォン・ファーレンハイト上級大将が許されて重用されていることを訴えたが、ファーレンハイトはブラウンシュバイクが滅亡するまで彼を見捨てることはなかったことから、ふたりの怒りを買うこととなった。

ラインハルトは「下水の汚泥」ロックウェルらの処刑をファーレンハイトに命じ、マル・アデッタで潔く散った「山の聖水」ビュコックらの冥福を改めて祈った。


余談だが、レベロ暗殺を使嗾したのはレンネンカンプの首席補佐官ウド・デイター・フンメルである。「ラインハルト陛下のお手を煩わせることを恐れた」と供述しているが、レンネンカンプが失策の上で自裁したことから責任を取らされることを恐れて行ったと思われる。

もちろんラインハルトがそのような行為を許すはずもなく、レンネンカンプの軽挙を戒めなかったことを追及されたうえで更迭された。


関連タグ編集

自由惑星同盟 ヨブ・トリューニヒト ジョアン・レベロ

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