概要
手塚治虫のSF漫画『鉄腕アトム』に登場するロボット。史上初の「自分の意志で人を傷つけることのできるロボット」であり、たった1話しか登場しなかったにもかかわらずプルートゥや青騎士と並ぶアトムのライバルとしても有名である。
原作及び第1期のアトラス
CV:光枝明彦
筒状の胴体に手足と首が生えたような形状のロボット。頭からは稲妻状の光線を放つ。
かつて迫害された民族出身のラム博士が、家族を家畜のように殴り殺した白人や黄色人種に対する復讐のために作り上げたメカで、人間の命令以外でも自分の判断で他人を傷つけることのできる回路『オメガ因子』を持っている。
性能実験のためにロボッティング(今で言うロボコンのようなもの)に出場して規則を無視したラフプレイを行い、審判を殴り倒したためアトムに破壊されるが、ラム博士の手で更に改造されて生まれ変わる。アトムへの憎悪の心に狩られたラム博士に命じられて富士山を噴火させるために爆弾実験を行うも、それを止めるために現れたアトムと激戦を繰り広げ、再び破壊されてしまう。しかし今度はラム博士の罠によってアトムは捕えられ、修理されたアトラスはアトムそっくりのマスクを被って弟メカと共に日本中の銀行で強盗を行い、アトムの評判を落とすよう命じられる。
しかしこれで調子に乗ったアトラスはついにラム博士の命令を無視し、「今まで散々俺達を奴隷扱いしたな」とラム博士をリンチにかける。その後牢屋を脱走したアトムとの戦闘に破れたアトラスは電磁ネットに叩きつけられて爆発四散するが、ラム博士もこと切れていた。お茶の水博士は「素晴らしい科学者だったのに、その知能を復讐なんかに使わなければ・・・」と彼の死を悔やんだ。
第2期のアトラス
全編を通じたライバルとして登場。赤銅色の肌に金色の髪を持つ、原作とは全く異なる姿で描かれた。
天馬博士の作ったアトムの設計図を丸パクリしてワルプル・ギス男爵(原作で青騎士編に登場するブルグ伯爵にクリソツ)が作り上げたメカで、アトムにとっては弟にあたる。
オメガ因子の影響で常識というものがなく、命令されたことすらロクにやらないロボットだったが、ギス伯爵の作ったメイドロボ・リビアン(CV:横沢けい子)を母親というか姉貴分というかまあそんな風に慕っており、ギス伯爵がリビアンを破壊したことによって自我に目覚める。その後重傷を負い、自らを筋骨隆々とした大人の姿に作り変えてしまう。
大人に変貌した後にはエネルギーを吸い取る能力を持つ剣「ゼロブレード」を手に、作り直したリビアンと共に移動要塞「クリスタル」に乗って幾度となくアトムに戦いを挑む。紙幣とレシートの区別すらつかなかった幼少期とは異なり、タキオンによる通信を自力で開発する、細胞縮小機を発明するなど知能は恐ろしく高い。
終盤では大洪水を起こしたり隕石破壊兵器を奪取したりと、標的をアトムから「ロボットを道具としか見ていない人類そのもの」へと変え(原作の青騎士ポジション)、大規模なテロ活動を行っていたが、最後は「自分の意志で人間の命令を無視する」というオメガ因子の作用により、リビアンと共にアトムへの借りを返すために宇宙へと散って行った。
漫画版ではアトムの七つの威力に加えショーモナイ能力が組み込まれており、それによって自滅する。
第3期のアトラス
CV:檜山修之
『ASTROBOY鉄腕アトム』に登場。pixivで最も人気なのがこちら。
顔は原作版のアトラスに似ているが、胴体は赤い装甲に覆われ、原作よりもはるかに人間に近い外見をしている。
天馬博士が徳川財閥の総帥から「息子の徳川ダイチを生き返らせてほしい」と依頼を受けて開発したスーパーロボットで、ダイチの記憶を移植して作られた。
原作及び2作目とは違い、本作のアトラスにはオメガ因子が組み込まれていない。しかし人間だったころの記憶が存在するため、原作でスカンク草井が言っていた通り「良い事も悪い事もできる」完全なロボットである。そのため人間と同じく、命令を無視したり他人を傷つけたりすることもできる。
物語序盤でアトムとの戦いに敗れ消滅したかに見えたが、中盤でオメガ因子を組み込まれる。そして最終章では青騎士と共にロボタニア建国へと協力する。
pixivでは終盤で絡んでいたエプシロンとのコンビイラストも多い。