ここでは『艦隊これくしょん』に登場する大和型について扱う。
史実での大和型については「大和型戦艦」を参照のこと。
概要
言わずと知れた超弩級戦艦『大和型』をモチーフとした戦艦姉妹。2014年12月現在、大型艦建造を用いることでどちらも入手が可能。絵師はしずまよしのり氏が担当している。
性能
長門型と比較しても一線を画する火力と装甲を誇り、連撃装備として主砲を2個積むだけでも同航戦のダメージキャップを上回ってしまう圧倒的な砲撃戦能力を誇る。
2017年3月のアップデートで火力キャップが緩和されたため、その大火力を持て余す事は少なくなった(深海棲艦・演習相手側も緩和されているので、大和型にとっては装甲の優位性が低くなり不利になったとも取れる)。
夜戦においてはダメージキャップの上限が上昇するため、雷装値が0であることなど知った事かとばかりに火力だけで夜戦火力の向上を実現してしまう、昼夜問わず最高クラスの破壊力の持ち主である。
初期装備も、46cm三連装砲(しかも改まで考慮に入れると2個である)、高性能副砲である15.5cm三連装副砲、これまた高性能水上偵察機である零式水上観測機、と豪華なラインナップになっているなど、まさに艦隊戦の花型に相応しい性能・装備を備えている。
一度動けば燃料弾薬を壮絶に消費するところまで再現されており(下記参照)、史実同様の「大和ホテル」・「武蔵御殿」化を危ぶむ声もある(※ただし現実の大和型はここまで極端な燃費ではない。むしろホテル・御殿化させるためのゲームバランス上の措置と見るべきか)。
燃費はまだ艦隊に駆逐艦等を編入することで軽減できるが、かすり傷でも三桁の鋼材を修理に要求、高耐久の裏返しである長い入渠時間は、常用するには辛いものがある。
…まあ、本艦型を運用するほどのレベルの提督であれば備えは十分かもしれないが、基本的にはここぞというときの決戦戦力として運用されることが多い。逆に言うと、イベント海域終盤などでは長門型以下の下位の戦艦を使い長引くよりも、大和型の高性能を以て速やかに突破したほうが最終的な消耗を抑えられるという場合もある。
修理のリスクが発生しない演習においては簡単に調達できる燃料・弾薬以外のリスクが発生しないため、演習でレベリングを行う提督が非常に多いことから「演習番長」の異名を持つ。
ただ、艦これにおいては史実ほど耐久・装甲に優位性はない。何たって、このゲームにおいてはダメージ計算式の関係上4inch砲や12㎝砲でも46cm砲弾にも耐え得る装甲があっさり貫徹できてしまうのだ。
速吸(彼女は補給艦である)の艦攻にワンパンされてしまう事もあれば、夜戦で神風型・睦月型に手痛い一撃を食らわせられる事も。
素のステータスが段違いな深海棲艦側の戦艦棲姫・空母棲姫・駆逐古姫等になってくれば尚更このようなケースは増え、大和型といえどもワンパン大破が現実的にあり得る。特に新火力キャップに到達している陸上型深海棲艦の場合、高い耐久・装甲が仇になってしまう事も。
そして艦これのダメージ計算の仕様上、ダメージが0になる場合でも命中判定となった場合は1割ほどのダメージを受けてしまう。
この為、pt小鬼群や駆逐イ級のような火力が極端に低い敵の攻撃でも、幾度も攻撃されてかなり大きなダメージを負ってしまうなんて事がしょっちゅう起きる。1-1で大和型が小破して帰ってきた…なんてのも日常茶飯事である。
世界最強の戦艦も、油断や慢心は禁物なのである。
そしてなんと大和型には他の戦艦にはあるフィット補正がない(46cm三連装砲を運用するデメリットがないだけ)という検証結果が判明しており、他の戦艦と比べて火力に優れる一方で命中率に劣る。
低速である事も相まって一概に大和型が「最強」とは言えず、期間限定イベント海域においても大和型がついに出撃することなくイベントを終えてしまう提督も少なくはない。
艤装
シルエットは長門型に近く、腰の煙突基部から艦首を2つに割ったような装甲が体を回りこんで両側に展開。その装甲の根本にz軸回転可能な46cm主砲を1門ずつ装備し、装甲の先端上部と外側面に15.5cm副砲を装備する。3門目の46cm砲は取り付け位置が二人とも違っており、大和は煙突後方に固定装備し、武蔵は腰のアタッチメントに手持ち型を装備している。
改装を行うと1944年に行われた対空強化改装後の姿となり、外側面の副砲2門がシールド付きの12.7cm連装高角砲6門に変更される。加えて大和には、主砲上部に25mm三連装機銃が追加される。
どれぐらい食べるのか
1戦当たりの消費燃料・弾薬量を比較してみよう。
艦種・艦名 | 消費燃料 | 消費弾薬 |
---|---|---|
潜水艦(代表:伊58改) | 2 | 5 |
駆逐艦(代表:初春改) | 3 | 4 |
軽巡洋艦(代表:五十鈴改) | 5 | 6 |
重巡洋艦(代表:鳥海改) | 8 | 14 |
正規空母 赤城改 | 15 | 15 |
正規空母 加賀改 | 16 | 16 |
戦艦 榛名改(金剛型) | 18 | 24 |
戦艦 陸奥改(長門型) | 20 | 26 |
戦艦 Bismarck drei(ビスマルク級) | 22 | 31 |
戦艦 Italia(ヴィットリオ・ヴェネト級) | 28 | 34 |
潜水艦イオナ(コラボ艦艇) | 30 | 30 |
重巡洋艦タカオ(コラボ艦艇) | 35 | 40 |
戦艦 アイオワ改(アイオワ級) | 40 | 55 |
戦艦ハルナ(コラボ艦艇) | 40 | 55 |
戦艦 大和(大和型) | 50 | 60 |
おわかりいただけただろうか。 おかわりはいただけるだろうか?
それまで最高だった長門型の2倍強というとんでもないコストであることが。さらに言えば、年末年始のイベント海域で資材をごっそり持って行った霧の艦艇たちよりもコストは重い。
霧の艦が使えた頃は弾着観測射撃も徹甲弾による火力補正もなく、低速であった為当時の最深部海域・5-3で不利を被る等、超重力砲(艦これでは最大3体への複数攻撃)を使えるハルナと比べほとんど優位性がなかった。実在した船の擬人化である艦娘と、実在した船と同じ形をしているだけに過ぎない架空の兵器との違いが大きく出ていると言えるだろう。
弾着観測射撃がある現在の環境ならば必ずしもそうとは言えない(霧の艦は人類との大海戦時の戦訓から艦載機を廃止している為、搭載数が一律で0である)ものの、随伴に徹甲弾が有効な高装甲目標がいない場合には不要な観測機の代わりに三式弾や電探を載せられるハルナの方が優位であり、大和型の立場を脅かす存在には違いない(もっとも、アニメが完結した今、ハルナを使う機会がこれから先もあるとは思えないが……)。
大和型を動かすという事は駆逐艦15人を動かすという事や、大食艦の赤城を3人同時に動かすという事と同等以上。動かすだけで駆逐艦建造(最小)コストにおつりが来る。ひえー!!。
もし大和型が大破した場合、その修復に必要な鋼材と燃料の消費量は……
鋼材 約1100以上
燃料 約600以上
…ぶっちゃけ、修理資材だけで重巡洋艦が三隻作れるほどのコストが発生する。
もっと平たく言うと、大破1回の修理で半日分の燃料と1日分の鋼材が吹っ飛ぶ。
(正確には燃料は自然回復量の10時間分以上、鋼材は自然回復量の18.5時間分以上)
そりゃ赤城さんもこんな顔になりますわ。
姉妹揃えて運用すると資源がマッハで消費してしまうのは間違いないだろう。
ケッコンカッコカリで消費資材が低減されるが、15%の割合減少であるため大和型が最も減少資材量が大きい。しかしそれでもまだ長門を大きく上回るため、大和型にとってケッコンカッコカリの恩恵は大きいが他の艦娘のアドバンテージをひっくり返すほどではない。
なにしろ元が倍以上であるため、15%低減したところで、長門型から見ても70%増の燃費なのである・・・
ただし費用対効果を考えると必ずしも無駄飯食いということもできない。一部の地上施設姫に対する与ダメージ量は三式弾なしで三式弾装備の金剛改二に匹敵すると言えばその威力がお分かりいただけるだろうか。素の夜戦火力は木曾改二を凌ぎ大井改二・北上改二に次ぐ。
また装甲も長門型以下では中破以上不可避の攻撃(たとえば“テレサ艦載機”)を受けても小破どまりであることが多い。そのために「ボス戦までに大破撤退させられる確率」は大幅に下がり、仮に中破まで追い込まれていても取り巻き程度の掃討なら問題なく行ってくれるため、撃破までのトータルの消費資源は長門型以下を運用する場合と大差はなく、試行回数に至っては格段に下回ることが多い。
実際積極的に大和型を運用しているがゆえに資材不足という提督はあまりいないようである。
(むしろ逆の声が多い)
ちなみに姉妹艦だが、上着とスカートのデザインくらしか共通性がない。
艦娘
大和
優雅で大和撫子然とした一番艦。だが子供っぽいところも多く、見た目に反しては性格は歳相応。妹いわく恥ずかしがり屋らしい。
武蔵
姉とは対照的に豪快で野生的な二番艦。性格も男前で、線の細い姉をフォローしたり、イジったりしている。
余談
しずま氏によると、二人のデザインはそれぞれの艦内神社の祭神である天照大神と須佐之男尊をモチーフにデザインしているとのこと。
戦艦娘
関連タグ
大和(艦隊これくしょん)/大和/戦艦大和 武蔵(艦隊これくしょん)/武蔵/戦艦武蔵
信濃/信濃(艦隊これくしょん) 111号艦……いずれも本作未実装の大和型(未成)。