一条らんこ
いちじょうらんこ
「みっなさん こんにちは〜 日曜日の天使・ランランこと一条らんこですっ!」
CV:矢作紗友里
概要
ノーブル学園の生徒で、情報番組「サンデーGOGO」のレギュラーリポーターを務めるアイドル。
芸能界のトップスター(曰く「テレビで輝くトップアイドル」)を目指しており、それを邪魔する者には露骨に敵対心を燃やす、上昇志向の塊のような娘。
特に、同じノーブル学園の生徒で現役モデルの天ノ川きららに対しては対抗心を露わにしている。
テレビカメラを向けられていない時はどや顔が基本の表情である!(あれ?違ったっけ?)
テレビに映ってるときは愛想よくしながら、陰で……というかカメラが回っている時でも、自分が目立つために他人を押しのける姿勢を持っている。
こう書くと嫌われそうなキャラ付けであるが、後述する行動や活躍によりどこか憎めないキャラでもある。
ノーブル学園の3年生
一条らんこはノーブル学園の3年生。どんなに姿や表情が愛くるしくルックスがロリータでも中学3年生である。
プリンセスプリキュアチームの1年生の春野はるか、天ノ川きらら、2年生の海藤みなみたちにとっては同じ学校での先輩にあたる。
3年生にしては身長がかなり小さめなうえに、きららが1年生にしては身長が高めなので、二人が並ぶと身長差がものすごい(頭一つ分くらい違う)。
アイドルとファッションモデルが同じ画面に並ぶということはある意味で公開処刑を意味するが・・・。
しかし、カメラに撮られて全国放送で映ることはらんこにとっては相当な屈辱……と思わせておいて、むしろ彼女は自分の幼児体型を武器にしているっぽいので、逆に美味しいと思っているのかもしれない。
活躍
マーブルドーナツ三番勝負
初登場は12話。新作マーブルドーナツにつられて番組にゲスト出演したきららと「マーブルドーナツ三番勝負」で対決する。番組のレギュラーとはいえ、他人を押しのけてまでも目立とうとするらんこの態度に頭にきたきららも本気になり、1勝1敗の後、ゆるキャラマラソン勝負で決着をつけることに。
きららは「ドーナツプリンセス」、らんこは「根性ドーナツくん」と、自分がデザインしたキャラクターの着ぐるみを着てマラソン対決をするが、着ぐるみの重さで消耗したらんこはゴール寸前で倒れてしまい、きららが勝利する。
(この間、らんこは「きららの靴に画鋲を入れる」など、この手の性悪ライバルキャラにはありがちな姑息かつ卑劣な妨害策を一切行わず、フェアに戦っていた)
だが勝敗が決したのにも気づかず、意識朦朧のまま「芸能界のトップになるためにはこんなところで止まっていられない」という執念で立ち上がりゴールし、直後にやり遂げた表情で倒れた。
- その際、根性ドーナツくんの名前を、観客たちは各々好き勝手な名前(春野はるかはガッツドーナツくん、七瀬ゆいは気合ドーナツくん、プロデューサーは天晴れドーナツくん、そしてマーブルドーナツ男性店員はドーナツ野郎)で応援するため、らんこは「根性ドーナツくんよぉー!」と半ギレしながらゴールテープを切っている。正解の「根性ドーナツくん」と言っていたのは海藤みなみさんだけだった……ただ、真剣な表情で正解を言っているのに周りとの温度差でギャグっぽい絵面に……。
そしてフラフラになってもゴールインしたらんこの姿は、周囲の観客のみならず、同じような夢を持つきららでさえも感動させた。
しかし、そんな「暑苦しい夢」を嫌うシャットにより、ゼツボーグを誕生させられてしまう。
誕生したゼツボーグは、何故かアイドルではなく根性ドーナツくんがモチーフとなっており、はるか達からは「えっ!?」と突っ込まれている。だが、このゼツボーグがなかなか侮れない強さで、高速で回転してトゥインクルのキックを弾く、柔らかいドーナツ生地で出来た体でフローラのパンチを撥ね返す、更にはマーメイドが生成した氷の柱にはまりながらも、体から高熱を発して氷を溶かそうとする等々、見た目からは想像もつかないくらい手強い相手だった。
そのような強敵を前に、トゥインクルはらんこの夢を守る為に戦い、ゼツボーグを倒してらんこを救い出した。
後日、はるか達が寮のテレビで先日収録した番組を見ている所に現れ、きららにリベンジを宣言をしているが、きららはらんこの暑苦しさにすっかり参っていた。
ちなみに、ゼツボーグを生み出すまでの過程で、敵幹部に少しでも歯向ったのはらんこが初である。
あたしの歌を聞けえぇ~!!!
22話では1シーンだけながら登場。ノーブル学園に出現したディスピアがトワ王女の絶望を使って生み出した茨の塔に興味津々だったが、ディスピアの力によって、その場に居合わせた七瀬ゆいや白金さん、生徒会役員たち共々動きを止められている。
その後はきららが表紙を飾っている雑誌に名前が小さく載っていたり、台詞のないモブキャラ扱いでの登場が続いていたが、43話で久しぶりに台詞ありで登場。
自分の夢をモチーフにしたファッションを披露するノーブル学園主催のドリームファッションショーにて、当然自作のアイドル衣装で出演。自分の出番になったとたん進行役のみなみの手からマイクを奪い取り、自作の歌を歌おうとして強制退場させられる。コンサートではありません。
出落ちで退場かと思いきや、ファッションショーのクライマックスでみんなの注目を浴びたきららの出番がカーテンコールとともに終了するや否や、ショーの後説として舞台で某銀河系アイドルのモノマネ芸・・・・もとい歌を披露していた。
観客のほとんどがきららが主役のステージという共通認識だったろうに、それを前座扱いにして自分が目立とうとする度胸はある意味すごい。
もう充分にわかりましたから・・・。らんこパイセンマジパネェっす!
しかし実際はこの時に客席は白けずにかなり盛り上がってたので、なんのかんの言ってもらんこは場を沸かせる実力は相当なものではあるようだ。
彼女もまたノーブル学園できららの先輩をやってるだけの猛者なわけである。
この43話でも派手な行動が目立ったが、実は大道具作りという地味な裏方仕事もしっかりこなしている。
らんこ像設立計画
そんならんこも3年生なので卒業を控えている身。そうしたら第44話でみなみが決済印を押している書類の中になんと「一条らんこ卒業記念像設立の令」なるものが。無論却下されているわけだが、その文面を見るに、幾度となくらんこ像の設立要請をしても超無慈悲な生徒会長(おそらくみなみを含めた在学中の歴代生徒会長だと思われる)に悉く却下され続け、夏には「きらら打倒記念ブロンズ像」の設立要請をしてもみなみから「そもそも打倒していない」とばっさりと却下されている。遂にはしつこすぎるということでプリンターを貸してもらえなくなったがそれでも手書きでまた書類提出を繰り返す……という涙無くしては見れないヒストリーが垣間見れる。文面にもあったが、まさしく「根性」からくる執念だろう。
さすがにこのような銅像ではないとは思うが…。
しかしこれは、この書類が写っているシーンを録画して一時停止して検証するくらいの暇人でないとわからないことなので、本作のメインターゲットである小さなお友達は誰一人として知ったことではないことだろう……。ならばこそ大きいお友達はちょっとくらいは彼女の(無駄な)努力を記憶の隅のに留めておいてもよろしいのではないのでしょうか。
ちなみに、書類に描かれていたイメージ図を見る限り、らんこは銅像の頭に純金の王冠を乗せるつもりだったらしく、銅像設立にかかる費用のことなど全く考えていないことが窺える(恐らくそれも却下され続けている大きな理由の一つなのだろうが…)。
意外と芸達者
45話では女子寮で開かれたクリスマスパーティーで傘回しの芸を披露。
途中からアヒルのオモチャやラグビーボールを投げられて驚くが、それでも器用に回し続け、はるかは素直に感心していた(隣に居たきららはちょっと呆れ気味だったが)。
しかし、その直後にゆいがパフやアロマと一緒に披露した腹話術が自分以上にウケていたため、後ろの方で悔しがっていた。
続く46話ではウサギをモチーフにした可愛らしいコートを着て登場。
はるか達が庭に積もった雪でホープキングダム城を作っている傍らで、一人で自分よりも大きな根性ドーナツくんの雪像を作っていた(高さだけでもらんこの2倍以上ある)。
この雪像がまた完成度が高く、前回に引き続き意外な器用さを見せた。
最終決戦で
最終決戦に突入し、決戦の舞台がノーブル学園となった48話に登場。
ディスピアが襲来しノーブル学園を乗っ取り、緊迫する状況で「なんかの撮影!?聞いてないわ」と叫んだり、きららに対して「何の撮影か教えなさい」と問い詰めたりする。何かの撮影だったら飛び入りでカメラに映ろうとしていたのだろうか、さすがチャンスにどん欲な芸n・・・アイドル根性である。
この回では今迄に登場したノーブル学園の生徒が一斉に登場したが、その中でもかなり目立つポジションに収まっていた。さすがである。
「敵の本格的侵攻」「危険な場所に向かう主人公たちを止めようとする周囲の人々」「プリキュアの正体が一般に知られる」という、プリキュア終盤の定番ともいえる展開が続いた48話において、一人一風変わったリアクションをすることでアクセントをつける役割を担ったと言える。
ディスピアおよびクローズの作戦によりノーブル学園の生徒たととともに絶望の檻に閉ざされるが、アロマが「絶望なんてキャラじゃない」と必死に呼びかけ、それがフラグとなって自力で檻から脱出。「あやうくトップアイドルになり損ねるところだったわ」と瞬時にいつものペースを取り戻している。
翌49話では学園の生徒たちを守りながら戦うプリキュアが劣勢に押されるのを見て、応援するどころか「わたしのアイドルになる夢はどうなんのよ!?」とクレームをつけるというなかなかの身勝手ぶりも見せていたが、ゆいから今までにプリキュアたちがいかに頑張ってきたかを聞かされた後は思うところがあったようで、最後には他の学園のみんなと同様に、プリキュアに守られるのではなく自らの意思でディスピアの絶望に立ち向かうことを決意し、ゆいのディスピアへの宣戦布告に同調している。
最終的にはらんこからもクリスタルプリンセスロッドの欠片から「希望の鍵」の一つが生み出され、プリキュアたちをグランプリンセスへと導く大役を担う一人となった。
夢はトップアイドル?
らんこの夢はテレビで輝くトップアイドル……なのだが、初登場した12話での振る舞いはどちらかというと女子お笑い芸人のそれに近かった。
彼女の心を覗いたことで夢がアイドルであることを知ったシャットは「えっ!?」と意外な様子を見せて「コメディアン?」とわざわざ確認したが、らんこはすぐさま「アイドルよ!」と反論している。でも、幼児体型でトップアイドル志望な女の子といったら、某スクールアイドルのアイドルオタクに大変よく似通っている。また、あのイラドルとして有名な方を思い出すという人も少なからずいたようだ。あの髪型だし。
なお、はるか達も、らんこの夢を聞いた時に「えっ!?」とリアクションした。
はるか達は一条らんこという人物を今日出会うまで知らなかったので、芸能関係の人らしいとは理解していてもアイドルとはとても見えなかったのだろう。
共演したきららにさえ、「自分のことを知っていて当然」という態度でらんこは自己紹介をろくにしていなかった。
余談
一条"ら"んこ
12話のエンディングクレジットでの表記が
どうしても『一条らんこ』に……、
どうしても『一条"ら"んこ』に見えない……。見えない……。
(※『う』じゃないからねっ!)
クレジットに使用されているフォント(金文体)の形状と背景画像とが奇跡的に噛み合って錯覚を起こしたものであり、あくまで意図しない偶然なのだが、ある意味ではらんこの芸人魂が炸裂し、お笑いの神が舞い降りた瞬間であった!(……あっ、アイドルだっけ……?)
余談だが46話の登場をもって「一条らんこ」のクレジットはEDで使用されてる4色全制覇を達成した。
プリキュアカオス回
らんこのキャラの濃さもさることながら、彼女が初登場した12話はレギュラーキャラたちもボケたおすギャグ回となっている。あげくに全編を通して『水曜どうでしょう』のパロディがふんだんに含まれているというカオスな状況となっていた(『どうでしょう』ネタについては「根性ドーナツくん」の記事参照)。
プリキュアシリーズでは、年に数回「公式が病気」なカオス回が出てくるのは恒例行事ではあるのだが、今回の場合、前話である11話がクローズとの決戦、そして彼の消滅という超シリアスな流れだったため、落差がものすごい。Pixivではクローズ追悼の会というタグまでできていたのに、わずか一週間でその空気は吹き飛んでしまった。
(もっとも、陰鬱な空気をリセットするためにこのタイミングでギャグ回をもってきたというのが作り手側の狙いだろう)
この手のカオス回はなぜか1クール(=13放送回)の境目近辺に出てくることが結構多いようだ。今年もそのパターンにはまったといえるかもしれない。
ちなみに前年『ハピプリ』の12話は野球回。2年前の『ドキプリ』は25話にキュアセバスチャン、3年前の『スマプリ』は35話〜38話でマジョリーナ様感謝週間が発生した。
また、『フレッシュ』での伝説のカツラ回も奇しくも12話であった。
夢を叶えた?
『Go!プリ』放送終了からおよそ1年が経過した『キラキラ☆プリキュアアラモード』第2話にて有栖川ひまりが小学校時代の苦い思い出を振り返るシーンがあるのだが、そこでひまりのクラスメイト達がらんこちゃんというアイドルの話題で盛り上がっていた。
字幕では「らん子ちゃん」となっているので恐らく別人と思われるが、それでもらんこが努力と根性の末に夢を叶えてアイドルとして成功を収めたと考えると感慨深いものがある。