概要
作曲家の上松範康と、ゲームクリエイターの金子彰史がタッグを組んだTVアニメ。
これまでアニメソング作曲、音楽プロデューサーといった形でアニメに関わってきた上松が、初めてアニメの原作に挑んだ作品である。
もともとは上松の考えていたアニメ企画であり、それをゲーム『ワイルドアームズ』シリーズなどで上松と仕事を共にした金子が、上松の考えた世界観を盛り込みつつ全13話に収まるよう再構成した上で制作された。
キャラクターデザイン原案を漫画家・イラストレーターの吉井ダンが、クリーチャー原案をokamaが手がけている。
制作は当初、エンカレッジフィルムズが担当していたが、放送途中で「制作協力」の立場にあったサテライトが制作となり、エンカレッジフィルムズは「アニメーション企画」とクレジットされるようになった。
ミュージカルに似た独特の作風を持つ異色作であり、特に「戦闘中はずっと歌っている」点が大きな特徴。BGMがボーカル付きとかサポート役が歌うとかではなく、戦闘要員たちが文字通り歌いながら戦っており、のみならずアニメとしての収録上でも担当声優達がアフレコ現場でそのまま歌っている。このため、台詞を喋る際はボーカルが途切れる、戦闘(=歌唱)に集中するあまり歌声に力みが入る、体勢を崩したために歌声が跳ねてしまうといったシーンもある(これには出演声優の高山みなみのアイデアが活かされている)。
また物語中に挿入されるキャラクターソングは各々の心境を体現するのみならず、物語の進行とリンクした仕掛けが施されており、聞く耳を楽しませる。
金子彰史作品のお約束であるセルフパロディが多数盛り込まれているのも隠れた特徴と言え、作中の至る所にワイルドアームズシリーズで用いられた要素が散りばめられている(記憶の遺跡、カ・ディンギル、「あったかいものどうぞ」など)。
ストーリー
現代よりも、少し未来。
人を炭化させ死に至らしめる認定特異災害"ノイズ"によって人類は脅かされていた。
唯一ノイズに対抗しうるのは、聖遺物を歌の力によって武装化するシンフォギアシステムのみ。
そしてそれを操るのがアーティストデュオ"ツヴァイウィング"の風鳴翼と天羽奏だった。
ツヴァイウィングのライブ会場でノイズに襲われた立花響は、戦いに巻き込まれ、瀕死の重症を負ってしまう。
響を守るため、天羽奏は"絶唱"し、戦場に散った。「生きることを諦めるな!」という強い言葉を残して。
その二年後。一命を取り留めた響は、風鳴翼のいる私立リディアン音楽院へ入学した。
しかしその街でもノイズが現れ、人も、建物も、すべてを炭に変えていく。
絶体絶命となったとき、響の体内で聖遺物が覚醒した。それこそ奏の置き土産であった。
登場人物
シンフォギア装者
私立リディアン音楽院に通う高校1年生。茶髪のショートカット。
天羽奏に命を救われた際、聖遺物「ガングニール」を身に宿し、シンフォギア適合者となる。
私立リディアン音楽院高等部所属。かつ、人気歌手。
幼いころから戦士としての研鑚を積んできた、シンフォギアシステム1号「天羽々斬」適合者。
二年前に消失した「ネフシュタンの鎧」を纏って現れた謎の少女。
"ツヴァイウィング"の片割れ。赤髪のロングヘア。
「ガングニール」適合者として風鳴翼の相方を務めていたが、二年前に戦死。
特異災害対策機動部二課
特異災害対策機動部二課の司令官。風鳴翼の叔父。
シンフォギアを開発する自称天才考古学者。
完全聖遺物の制御を可能にする"櫻井理論"を提唱する。
特異災害対策機動部二課所属のエージェント。翼のマネージャーでもある。
オペレーター。亭主関白志向が強いが、女性と親密になったことがない。
オペレーター。あったかいもの担当。
私立リディアン音楽院の生徒
立花響の幼馴染で、親友で、同級生。
響や未来のクラスメート。友人を変なニックネームで呼ぶ。
響や未来のクラスメート。お嬢様風の生徒で、グルメ。
響や未来のクラスメート。よくアニメを比喩表現に使う。
その他の登場人物
日本の防衛大臣。特異災害対策機動部の良き理解者であったが、後に米国政府の特務隊に襲撃され殺害される。
イギリスのレコード会社「メトロミュージック」のプロデューサー。響が装者となって間もない頃、翼の歌手としての海外進出展開を持ち掛けている。
用語
聖遺物の欠片から作られたFG式回天特機装束。
詳細は個別記事を参照。
- 絶唱
装者がシンフォギアの力を限界以上に解放する歌。
増幅したエネルギーをアームドギアを介して一気に放出する。その力の発現はシンフォギアごとに異なるが、共通して発生するエネルギーは凄まじく、ノイズを始めとするあらゆる存在を一度に殲滅し得る絶大な効果を発揮する。
しかし装者への負荷も生命に危険が及ぶほどに絶大で、反動ダメージは装者の適合係数の高さに伴って軽減されるが、そもそも適合率の高い適合者自体が稀でありLiNKER服用による身体への負担や、追い詰められた状況での使用等も含めていずれにせよ大きなダメージは避けられない。
アームドギアを介さず自身から直接放つことも可能ではあるが、エネルギー運用効率が悪い上に跳ね返る負荷もさらに高くなる、まさに「自爆」用途での手段となる(正規適合者である翼は一度この方法で絶唱を歌ったため、一時期絶対安静の状態にまで追い込まれている)。
- 聖遺物
世界各地の伝説に登場する、超古代の異端技術(ブラックアート)。
遺跡から発掘される物は破損が激しい欠片の状態のものが大半を占めており、従来の力を遺した物はほとんど存在せず、また現在の技術では加工こそ可能だが新規に製造する事は不可能。
一方で、損傷が少なくほぼ完全な姿を保っているものは「完全聖遺物」と呼ばれるものが僅かに存在する。
通常時は力を発揮しない基底状態にあるが、聖遺物の力を引き出す素質を持つ者=適合者による歌によって、『アウフヴァッヘン波形』と呼ばれる固有の波形パターンと共に起動し、励起状態となってその力を解放することが可能となる。
また、完全な姿を保っている『完全聖遺物』は一度起動すれば、適合者の歌を必要とせずとも常時100%の力を発揮する。ただし起動には相応量の『フォニックゲイン』と呼ばれるエネルギーが必要であり、これを満たすには適合者が長期間の努力を試みる必要がある。
人類に仇成す認定特異災害。
詳しい詳細はノイズの項目にて。
- LiNKER
適合者でなくてもシンフォギアとの適合率を上げる特殊な薬品。
ただし、これを投与したとしても適合率は正規の適合者よりも劣り、時間経過による適合率の低下や過剰投与による肉体へのダメージといった様々な欠点を孕む。
ノイズによって家族を殺された復讐を強く望んだ奏はこれを過剰投与する事で後天的な適合者となった。
奏亡き後も米国の聖遺物研究機関F.I.S.に於いて改良が加え続けられ、様々なバリエーションが精製された。
- カ・ディンギル
フィーネが密かに建造していた、塔を模した巨大な荷電粒子砲。
「天を突く魔塔」とも称され、文字通り天にも到達し、一撃で星をも破壊する砲撃を放つことができる。無限にエネルギーを発生するデュランダルを動力とし、連続発射を可能とする。
存在を隠匿するため、リディアンから特異災害対策機動部二課本部をつなぐエレベーターシャフトにカモフラージュして建造されており、フィーネはこれにより「バラルの呪詛」の源である月を破壊することで、世界を統一することを目論んでいた。
しかし、月への砲撃をクリスに阻止された挙句、翼の捨て身の絶唱により二課本部諸共破壊されたが、響達装者とフィーネが複数の聖遺物を用いて激闘を繰り返した末、そのエネルギーが周辺環境に残留し、原子力汚染よろしく生命の生育しない環境と化し、以後同地はエネルギー残滓除去の目処がたつまで、「特別指定封鎖区域」として閉鎖、立入禁止となった。
しかし、この事件が後に新たな事件を引き起こす事になる。
展開情報
テレビシリーズ
2012年1月から3月まで、UHF局系列にて放送・ニコニコ動画で配信。全13話。
2013年7月から9月まで第2期『戦姫絶唱シンフォギアG』が放送された。全13話。
2015年3月15日に第3期『戦姫絶唱シンフォギアGX』が発表。同年7月より放送開始。
なお、第4期及び第5期の放送も決定している。これらは2016年2月27~28日に日本武道館にて行われた「シンフォギアライブ2016」で特報としていち早く発表された。現在では公式サイトでも情報を確認することができる。
そして2017年3月31日(金)に第4期『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』の情報が解禁。同年7月1日(土)深夜より放送開始。2018年3月3~4日に武蔵の森総合スポーツプラザで行われた「シンフォギアライブ2018」では、2019年4月に第5期『戦姫絶唱シンフォギアXV』が放送されることが発表された。その後、2018年12月10日にXVの放送延期が発表。2019年7月から放送予定となった。
漫画版
『ニュータイプエース』Vol.4(2011年12月)より、吉井ダンによるコミカライズが連載され、単行本も発売された。全3巻。
漫画化に伴って、テレビシリーズとストーリーやキャラデザインの変更が一部存在する他、漫画版第1話ではテレビシリーズの前日譚に当たる物語が取り上げられており、各単行本の巻末には「シンフォギア秘密百科!!」と言うメインキャラクターの解説を行うおまけページが追加されている。
ゲーム作品
スマートフォン向けゲーム作品『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』が2017年06月26日より配信中。
なお、アニメ第3.5期に該当する物語『戦姫絶唱シンフォギア3.5』もこのゲーム内で描かれる(2017年7月14日17時より配信開始予定)。
スタッフ
原作 | 上松範康 / 金子彰史 |
---|---|
監督 | 伊藤達文 |
シリーズ構成・脚本 | 金子彰史 |
キャラクター原案 | 吉井ダン |
キャラクターデザイン・総作画監督 | 小池智史 |
総作画監督 | 藤本さとる |
アクションディレクター | 光田史亮 |
色彩設計 | 斎藤麻由 |
クリーチャーデザイン | okama |
フューチャービジュアル | ロマン・トマ / ブリュネ・スタニスラス / ルガル・ヤン |
美術監督 | 西村隆 |
背景 | アトリエローク07 |
撮影監督 | 尾崎隆晴 |
撮影 | マッドボックス |
編集 | 定松剛 |
音響監督 | 本山哲 |
音楽プロデューサー | 上松範康 |
音楽 | Elements Garden(上松範康・藤田淳平・藤間 仁) |
アニメーション制作 | エンカレッジフィルムズ→サテライト |
アニメーション制作協力 | サテライト(3話まで) |
アニメーション企画 | エンカレッジフィルムズ(3話から) |
製作 | Projectシンフォギア(キングレコード/アニプレックス/ドワンゴ/ブシロード/金羊社/メモリーテック/グッドスマイルカンパニー) |
各話リスト
話数 | サブタイトル | 話数 | サブタイトル |
---|---|---|---|
EPISODE 1 | 覚醒の鼓動 | EPISODE 2 | 雑音と不協和音と |
EPISODE 3 | 夜にすれ違う | EPISODE 4 | 落涙 |
EPISODE 5 | なお昏き深淵の底から | EPISODE 6 | 兆しの行方は |
EPISODE 7 | 撃ちてし止まぬ運命のもとに | EPISODE 8 | 陽だまりに翳りなく |
EPISODE 9 | 防人の歌 | EPISODE 10 | 繋いだ手だけが紡ぐもの |
EPISODE 11 | 月を穿つ | EPISODE 12 | シンフォギア |
EPISODE 13 | 流れ星、堕ちて燃えて尽きて、そして― |
主題歌
オープニングテーマ
作曲・編曲 - 上松範康 / 作詞・歌 - 水樹奈々
エンディングテーマ
作詞 - mavie / 作曲・編曲 - 藤田淳平 / 歌 - 高垣彩陽
楽曲一覧
劇中歌
- 逆光のフリューゲル(1話、13話ED)
作詞・作曲 - 上松範康 / 編曲 - 菊田大介 / 歌 - ツヴァイウィング
- ORBITAL BEAT(1話)※イントロ部分のみ
作詞 - 古屋真 / 作曲・編曲 - 加藤裕介 / 歌 - ツヴァイウィング
- 君ト云ウ 音奏デ 尽キルマデ(1話)
作詞 - 藤林聖子 / 作曲 - 俊龍 / 編曲 - 菊田大介 / 歌 - 天羽奏
- 撃槍・ガングニール(2話~5話)
作詞 - 上松範康 / 作曲・編曲 - 藤田淳平 / 歌 - 立花響
- 私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ(6話~8話、10話)
作詞 - 藤林聖子 / 作曲 - 俊龍 / 編曲 - 菊田大介 / 歌 - 立花響
※「君ト云ウ 音奏デ 尽キルマデ」と同メロディだが、歌詞は異なる。
- 絶刀・天羽々斬(1話~4話、7話、12話)
作詞 - 上松範康 / 作曲・編曲 - 藤間仁 / 歌 - 風鳴翼
- 恋の桶狭間(9話)
作詞・作曲・編曲 - 上松範康 / 歌 - 風鳴翼
- FLIGHT FEATHERS(9話)
作詞 - 上松範康 / 作曲・編曲 - 菊田大介 / 歌 - 風鳴翼
- 魔弓・イチイバル(7話、8話、10話、11話)
作詞・作曲 - 上松範康 / 編曲 - 岩橋星実 / 歌 - 雪音クリス
- 繋いだ手だけが紡ぐもの(10話)
作詞・作曲 - 上松範康 / 編曲 - 藤田淳平 / 歌 - 雪音クリス
- FIRST LOVE SONG(13話)
作詞・作曲 - 上松範康 / 編曲 - 藤間仁 / 歌 - 立花響、風鳴翼、雪音クリス
- 私立リディアン音楽院校歌(1話、3話、10話、12話)
作詞・作曲・編曲 - 上松範康 / 歌 - 私立リディアン音楽院生徒一同
イメージソング
- 陽だまりメモリア
作詞 - 上松範康 / 作曲 - 中山真斗 / 歌 - 小日向未来
関連イラスト
外部リンク
戦姫絶唱シンフォギア (SYMPHOGEAR) - Twitter
戦姫絶唱シンフォギアとは (センキゼッショウシンフォギアとは) - ニコニコ大百科
戦姫絶唱シンフォギアYouTube Official Channel
関連項目
評価タグ
シンフォギア100users入り シンフォギア500users入り シンフォギア1000users入り
シンフォギア小説50users入り シンフォギア小説100users入り
シリーズ
第1期:戦姫絶唱シンフォギア
第2期:戦姫絶唱シンフォギアG
第3期:戦姫絶唱シンフォギアGX
第4期:戦姫絶唱シンフォギアAXZ
第5期:戦姫絶唱シンフォギアXV
未放送エピソード
関連動画
カップリング
二人組
他のカップリング
- ひびみく - 響と未来の王道カップリング。もちろん公式が最大手。
- おがつば - 翼と緒川さんの歌手&マネージャーカップリング。
- みくクリ - 未来とクリスのカップリング。響の存在が色々な意味で手強い。
- かなひび - 奏と響のカップリング。同じ趣旨で「ひびかな」もあるが、他作品のタグと言う意味合いが強い。ガングニール姉妹も参照。
- かなつば - 奏と翼のカップリング。ツヴァイウィングと同義。
関連作品
- ワイルドアームズ - 先述のように金子と上松の手がけるゲーム。共通項多し
- ハートキャッチプリキュア - ツヴァイウィングの両名は、翼=キュアブロッサム 奏=ダークプリキュアである。又、『ハートキャッチ』でキャラクターデザインを担当した馬越嘉彦が、『シンフォギア』では原画の仕事に携わっている。
- スイートプリキュア - 同じく音楽をテーマとし、百合っぽい女の子が戦うアニメ。響と奏の名前が被り、なおかつ敵の名が「ノイズ」。シンフォキュアも参照。
- 仮面ライダーキバ - 鎧を身に着けて怪物と戦い、シンフォギアと同様音楽や人の繋がりがテーマに絡む。元々金子氏が特撮好きが影響か不明だがシンフォギアの設定や扱い、登場人物の立ち位置や境遇が続編の戦姫絶唱シンフォギアG含め共通する部分が多い。
- 魔法少女リリカルなのはシリーズ - 主題歌が水樹奈々。かつて戦った敵が後に共通の目的を通して協力関係になるなどシンフォギアと似たような要素も持つ。
- 超ヒロイン戦記(スーパーヒロインクロニクル)-このゲームに本作が参戦し、PVでは響が戦闘しているシーンが見られた。
- BeatStream - オープニングテーマであるSynchrogazerがオープニングムービー込みで収録された。ムービーに関しては一部箇所で修正が入っている。(カバーと言う事であれば、別の機種でも収録されているのだが…)