「そうそう、大事なのはプリンセススターカラーペンだっつーの!」
CV:村川梨衣
概要
ノットレイダーの幹部。組織の科学者。
見た目は小柄なツインテールの少女風だが、その名の通り一つ目で皮膚の色は紫色という奇抜で挑戦的な姿。獣人型の執事・バケニャーンを伴っている。
語尾に「だっつーの!」と付けることが多く、「ケヒャハハハ」という特殊な笑い方をするギャルのような話し方が印象的。
落ち着いた雰囲気のバケニャーンとは対照的に、前のめりで好戦的な姿勢を見せており、バケニャーンからは慎重に行動するようにと忠告されていることもある(実は、これが重要)。
また、科学者ではあるものの、結果オーライな面が強く、成果の暴走やなど意に介さず(惑星レインボーでは、退却できたとはいえ暴発させている)、直情的かつ短慮な性格ゆえに基本的にはノットリガーの力押しの傾向が強い上に作戦や策略を重視せず、更にはノットリガー召喚に用いるプリンセスカラーペンを奪われてプリキュア側が強化されるリスクに頭が回っていないあたり、精神的に未熟と言わざるを得ない。
ノットレイダー随一の頭脳を誇るが、自分の若さを鼻にかけているのか、カッパードを「おじさん」、テンジョウを「おばさん」呼ばわりしたりすることも。
その一方で、中学生女子のプリキュアと同年代に見られるのは不本意らしく、「アタイは子供じゃないっつーの!」と不満を漏らす場面もある。
ひかる一行を「ガキ」「間抜け面」と侮辱したり、つまらないことはつまらないと切り捨てる態度が多いため、彼女たちの怒りを買いやすい敵でもある。
戦闘能力
プリキュアと戦う際には、プリンセススターカラーペンを闇に染めた「ダークペン」を用いて召喚するノットリガーという怪物を使役する。
ノットリガーの素体となるのは地球人や異星人であり、アイワーンはノットリガーの素体となる人間を見つけては彼らのイマジネーションを闇に染める行動に移る。
プリキュアシリーズで怪物を召喚する幹部は多くの場合は後方から指示を出すことが多いが、アイワーンは常にノットリガーに頭の上に載って指示する。そうしないとノットリガーを操れないのかも知れないが、彼女の好戦的な性格の演出という方が大きいだろう。
そして本作のプリキュアたちは歴代と比較しても戦術眼があるタイプなので、ノットリガー本体ではなく頭の上に載ってるアイワーを狙って彼女が持つペンを逆に奪ってしまうことが結構あったりする。
第19話では自らダークペンを使い電撃を放ちキュアミルキーの技を跳ね返し、アイワーン自身もそれなりの実力は持っていることを示した。
本編での動向
バケニャーンとの行動(第4話〜第18話)
第4話で本格的に登場を果たし、プリンセススターカラーペンを探知できるレーダー「ヒットレイダー」をカッパードとテンジョウに渡している。
第6話でガルオウガからの出撃許可を受け、自身が新たに開発した闇に染めたしし座のプリンセススターカラーペン=試作段階のダークペンの性能を調べる為の実地試験を行うために地球へと赴く。
戦闘ではダークペンによって人々のイマジネーションを黒く塗りつぶし、大型のモンスター、ノットリガーを作り出し、操って戦う。
第6話内では空見遼太郎を捕らえ、複数階建ての建造物ほどはあろうかという体躯の望遠鏡型ノットリガーを作り出した。背後から攻撃を試みたキュアセレーネを返り討ちにし、キュアミルキーを遥か遠方へ吹き飛ばすなどプリキュアを追い詰めるが、反撃に転じたプリキュアの連携攻撃により劣勢になり、ミルキーによってダークペンを奪われ、ノットリガーも倒され撤退した。
とはいえ、プリキュアを苦戦させる程の戦闘力を引き出すことには成功しており、ノットリガーの事は「最初の実験にしては十分な成果」と評していた。
第9話では、香久矢まどかと彼女にやたら親しそうに接近している星奈ひかるに嫉妬した姫ノ城桜子を目につけ彼女をモチーフにした巨人型ノットリガーに変えるが、その際に使用したダークペンはキュアセレーネに奪われ、ノットリガーを倒される。この際に姿を消していたバケニャーンからは嫌味を言われる。
第10話では他の幹部同様にダークネストから力を授かり、その後惑星クマリンにてプリンセススターカラ―ペンを採掘する。このペンは奪還されることなく所持し続けているので、初の持ち逃げとなった。
第11話ではとっておきの作戦として幹部3人がノットリガー化することに。バケニャーンが真っ先に拒否したため立案者自ら参加することになるが、なかなかの善戦。しかし何度ぼろくそに言われようと立ち上がるキュアスターの心に呼応して誕生したトゥインクルステッキの力に敗れる。
第12話ではアブラハム監督の撮影現場に乱入し、彼から妖怪と間違われ怒りを見せる(まあデザインモチーフは妖怪だが)
映画を所詮作りものとしてバカにするが、作りものだろうと心を動かす演技を成し遂げようとするプリキュアたちの強い気持ちにノットリガーが押され、撤退。
この時しれっと安全な時だけ姿を見せるバケニャーンを訝しんだ。
第15話ではいて座のプリンセススターカラーペンを追いゼニー星へ参上、ドラムスを素体にしたドラゴン型ノットリガーで一方的な空中戦を繰り広げる。
なぜか初対面のはずのブルーキャットから名前を知られ、また彼女が登場しない第16話では入れ違うように前回お供できなかったバケニャーンが再び側におり……?
バケニャーンことブルーキャットとの決別(第19話〜第21話)
第19話で惑星レインボーにプリキュアたちがいることをつきとめ、早速バケニャーンを連れてやってくる。
惑星レインボーは住人が石化された星なのでノットリガーは生み出せない。それを根拠に「勝ち目はない」とするキュアミルキーだが、アイワーンは銃の火力を上げ高笑いするだけ。
それもそのはずで、石化現象をかつて招いたのは他ならぬアイワーンだったのだ。
プリンセススターカラーペンの反応を捉え来たはいいものの、住人たちの抵抗に遭い当時実験段階だったダークペンを使用したところ暴発し今に至るのだという。
失敗とはいえ邪魔がなくなり、ペンどころか宝物を根こそぎ盗んでオークションに流し研究資金を稼いだとむしろ喜ぶアイワーン。
更にここでフワを捕らえ、ノットリガーにすることを思いつくが、バケニャーンからまさかの裏切りに遭う。実はバケニャーンは宇宙怪盗ブルーキャットが変化(へんげ)した姿であり、プリンセススターカラーペンの情報を入手するために潜り込んでいたスパイだったのだ。当然ながらアイワーンへの忠義心などは全て演技であり、むしろ惑星レインボーを故郷にするブルーキャットにとってアイワーンは憎き敵に過ぎなかった。このことはバケニャーンとアイワーンの間には確かな絆があると信じていた一部の視聴者層に大変なトラウマを与えることになった。→バケニャーンショック
当のアイワーンも、なんだかんだ言いつつも信頼していたバケニャーンが今まで自分を騙していたことにショックを受けていた。さらにブルーキャットが「バケニャーンがいなくなったあなたには何もできない」と上から目線の冷たい態度で挑発したことが引き金になって、アイワーンは怒り狂う。
ダメ元で石化した住人の1人をノットリガー化させることに成功する。
どさくさに紛れブルーキャットが今まで奪い返した宝物も再び詰め込んで逃走。
星のみんなを弄ぶその行いはブルーキャットの怒りを買い、また来てみて初めて「惑星レインボーの滅亡はたかがで済ませられるものではない」と感じたキュアミルキーの反撃に遭う。
そしてプリキュア達によってノットリガーが浄化されたため一旦退却する。こう言うタイミングでいつもダークペンをプリキュアに奪われているアイワーンだったが、今回は何とか死守した。
第20話で、惑星レインボーの片隅でこの屈辱をどうやって晴らすかと思案中に、カッパードが転移ゲートを開いてやってきた。アイワーンがバケニャーン裏切りをすでに連絡していたようでこの事実はノットレイダーでは情報共有されていたのだが、そのうえでガルオウガが「今回の対処はアイワーンでは荷が重い」としてカッパードを派遣したというのだ。
これは「アイワーンはバケニャーンがいないと何もできない」と言うブルーキャットの挑発と同じことをガルオウガが思っていたことでもあり、アイワーンのプライドはズタズタにされる。
そしてカッパードがプリキュアとブルーキャットの討伐のために鉱山跡に乗り込んだ時、アイワーンが割り込み、ダークペンの力で自らノットリガー化する。
自分自身のイマジネーションが黒く塗り潰されて理性は失われ、ただバケニャーン=ブルーキャットを倒すために暴れまくる巨大な怪物と化した。その姿はアイワーンをモチーフにした一つ目で、さながらサイクロプスであった。
なお、彼女が持ってたダークペンはカッパードが拾った。カッパードはアイワーンの覚悟に戦士としての矜持を感じ、干渉はせずに見守ることにしている。
ノットリガーと化したアイワーンはブルーキャットを狙うが、プリキュア達がブルーキャットを守ろうと立ち塞がる。ブルーキャットは自分はプリキュア達も欺いてきたのに守ろうとする彼女達の姿に心がざわめき、プリキュア達が盾になってくれるのをいいことにトンズラすることもできなくなり、この状況を打開する力が欲しいと心から願った時、フワによって新たなスターカラーペンダントが生み出された。ブルーキャットはそれを手にして「なりたい自分」をイメージした時、5人目のプリキュアであるキュアコスモへと覚醒したのである。
続く21話では事態を把握したダークネストにより、バケニャーンを恨む気持ちすら抱けないまでに心を塗りつぶされかける。
ノットリガー内にいる彼女が苦しんでいるから助けようとキュアスターが判断、キュアコスモも「お節介」と思いながらも「ダークネストのやり方はアイワーン以上に許せない」として共闘することに。
レインボーパフュームの力で浄化されたあと、自分を助けてくれた新しいプリキュアがバケニャーンもといユニと気づき動揺、結局許せないからと腹いせに彼女の宇宙船を奪って逃走するのだった。
なおこの際、カッパードが転移ゲートを開いてアイワーンに「帰還するぞ」と呼びかけたのだが、アイワーンは「あたいの立場はないっつーの!」と吐き捨ててそのゲートをくぐらずに奪った宇宙船で飛び去っている。
そしてこれに続いて描写されたノットレイダーのアジトのシーンでは、ダークネストが肉体を持ってついに復活し、幹部から下っ端まで皆ひざまづく様子が描かれているのだが、ここにアイワーンの姿がない。
そしてこの21話以降、アイワーンは本編中で全く姿を現さなくなった。
このことから、2年前の似たような負け方をした子と同じような感じで、今更どんな顔して組織に戻ればいいかわからずプチ家出している可能性がとりざされていたのだが、下記に示すように実際はもっと深刻なことになっていた…
復讐鬼アイワーン(第22話〜)
第27話で満を持して再登場。
バケニャーンを招いたことでノットレイダーに居られなくなり、全てを失った彼女はキュアコスモ打倒のみを目的として付け狙う復讐鬼と化していた(キュアスターに「プリンセススターカラーペンもフワも渡さない!」と言われても、「そんなものに興味は無い」と返している)。
今まで登場しなかったのは、ユニから奪った宇宙ジェットを改造して新たな兵器に仕立て上げる実験に時間がかかっていたようだ。
なお、第26話からのキュアコスモが加わったオープニング映像ではパーカーを着用しており、これから先に何か変化もありそうだ。
余談
モチーフと名前の由来
外見から見てモチーフ妖怪は「一つ目小僧」と思われる。プリキュアシリーズでは何気に初となる単眼キャラだったりする。pixivに少なからず存在する単眼フェチの皆さんの嗜好には、どストライクだった模様。
一つ目と言うことで、こちらのあれを連想した人も多いかと思われる。
名前の由来は英語で目を意味する「アイ(eye)」と、同じく英語で1つを意味する「ワン(one)」から来ていると思われる。
ララとの共通点?
一部の視聴者からは、アイワーンに羽衣ララと似た要素が目に付くという指摘がある。
- 頭から二本の触覚のようなものが生えている。さらにリングのようなものがついているのはキュアミルキーと同じ
- 耳がとんがり耳
- 地球人の外見的にはローティーンだが、子供ではないと主張する
- スカートがキュアミルキーと同じ形状
ララ個人というよりサマーン人の特徴に一致しているという見方もできるかもしれないが…?
中の人
演じる村川梨衣は、プリキュアシリーズ初登場。ベテランではないプリキュア役の声優と年が近い人による悪役は珍しい上、本作のプリキュア役と同じく歌手活動を行っている声優でもある。
村川は今回のアイワーン役の起用に関して「いつかプリキュアとしても戦えるように夢を追い続けながらも、今はアイワーンを大切に演じてさせて頂きたいという一心です」とコメントしている(もし今後のシリーズで起用されたらキュアアイワーンなるタグが作られる事は免れないであろう)。
関連イラスト
関連タグ
テンジョウ:同じ組織の女幹部。中の人同士が放送時期が被っていた作品で共演していた(いわゆるプリキュアウォッチ)。
目玉おやじ:言わずと知れた一つ目キャラの大御所。6期鬼太郎で目玉おやじを演じる野沢雅子は、雪城さなえ、ラウンド、ムタ、悪夢獣などで、プリキュアシリーズではおなじみ。
ダークマター(カービィ):単眼の宇宙人悪役。まほプリ劇場版で同名の悪役が登場。
フゥミン:妖怪ウォッチに登場する、紫の肌に一つ目の女性妖怪。
カタリナ・T・アディソン:中の人&マッドサイエンティスト繋がり。但しこちらはプレイアブルキャラクター。