概要
『仮面ライダーJ』に登場する女帝にして母艦でもある「フォッグ・マザー」と、彼女が生み出した怪人から成る宇宙からの侵略者集団。
千年周期に訪れる『大孵化』と呼ばれる「フォッグ・マザー」の産卵期で生まれてくる怪人たちの餌場を求めて宇宙を彷徨っており、産まれて間もない無数の怪人の子供たちは、食欲本能のみで餌を求め、産卵場所に選ばれた惑星の生命体を食い尽くしてしまう。
そのため、千年に一度訪れる『大孵化』の度に様々な星を巡り、数多くの惑星を滅ぼしており、その存在を知る者たちからは全宇宙に恐怖と絶望をもたらす「死神」「霧の侵略者」などの異名で恐れられていた。約6,600万年前の昔、地球に襲来し恐竜を滅ぼしたのも彼らである。
その正体は劇中では語られなかったが小説「仮面ライダーJ」によれば一億年前に存在したケンタウルス座の「ハニビー」という惑星に住まう地球の蜜蜂に酷似した生命体が核戦争で突然変異し高度な知能を身に着け、焦土と化した母星から脱出するために機械と融合し誕生した存在らしい。
そして、久々に銀河系を訪れ、気紛れで地球へ赴いた際、かつて滅ぼしたと思っていた地球が恐竜に代わって人類が反映し、良い餌場となっていたと知る。たまたま「大孵化」の時期が訪れていたこともあり、再び『大孵化』を執り行い、そのまま地球に自分たちの千年王国を建設しようと企み、地球へ侵攻を開始した。
体内の孵化室と呼ばれる場所には千年かけて産み落とした無数の怪物の卵があり、孵化させる時は祈りと生贄の儀式を執り行う(おそらく、産まれてきた怪人たちにその星の生物の味を覚えさせるための行為だと思われる)など宗教的な部分を持っている。
劇中では「木村加那」を生贄にして『大孵化』を実行しようと目論むが、地球に近づく未曾有の大災厄であるフォッグの進行を察知した「地空人」たちや彼らの協力で生き返り「仮面ライダーJ」へと生まれ変わった「瀬川耕司」の活躍により、フォッグの幹部を皆殺しにされた挙句『大孵化』も加那を取り戻され失敗。さらにJパワーの余波で産まれてきた怪人の子供たちは全て死滅し、子供たちをすべて殺された怒りと憎しみに支配され、Jを道連れにしようと襲い掛かって来た「フォッグ・マザー」もJの前に敗れたことにより、フォッグは壊滅した。
小説版では単なる破壊活動ではなく、人間を洗脳し戦争を勃発させてフォッグに都合良く環境破壊を行うことにより地球制覇を目論む霧の帝国作戦を実行した。その標的に選ばれたのが日本であり、作中では洗脳教育やサブリミナル映像を使ってフォッグの影響力を強めたり外国から来た武器商人や軍事関係者にフォッグ・ミサイルやフォッグ・ガスを売り込むなど大規模な活動を行った。
構成員
女帝(首領)
フォッグの支配者にして、全ての怪人の母であり、また彼らの本拠地でもある巨大機械生命体。その正体は上記のとおり、一億年前「ハニビー」という惑星に住まう地球の蜜蜂に酷似した生命体が核戦争で突然変異し高度な知能を身につけ、機械と融合した成れの果ての姿である。
自分が産み落とした子供たちには慈悲深い(母性的)がその他の存在に対しては無慈悲。また、体からは強力な磁場を発しているため、近づくだけで惑星の重力に影響を与え、様々な天変地異を発生させる。まさに存在そのものが災厄そのものである。
なお、巨大な姿には似合わず、その本体はとても小さな姿をしており、普段は心臓部の奥深くに存在しており、滅多に姿を現すことは無い。
小説版ではリゾート地スカイ・ワールドに聳え立つ黄金のパゴタに偽装して活動していた。
3幹部(構成員)
フォッグの祭事を司る三幹部の1人でリーダー格でもあるフォッグの第1王子。フォッグをフォグと独特のイントネーションで話す。
「命」を「物」としか考えておらず、「死」のことを「壊れる」と表現するなどその性格は冷酷そのものである。
普段は金のメッシュが入った髪の白いスーツの青年の姿を取っているが、戦闘時は右耳のイヤリングを弾いて本来の姿のコブラ男とも呼ばれる怪人態へと変身する。
『大孵化』の祭事の全てを取り仕切っており、マザーの命令には忠実だが、自身とマザー以外にはさしたる興味を示さないのか、「仮面ライダーJ」の致命傷を受けながらも最後の力を振り絞り、「J」をマザーの体内へと連れてきた「ズー」に対しても「フン、壊れたか」と冷たく言い放つだけであった。
小説版ではセイント・霧野という小説家に化け、著書「バラ色の日本列島」を使って霧の帝国作戦を進めていた。
なぜか平成ライダーの映画での客演率が高く、『オールライダー対大ショッカー』『仮面ライダーディケイド完結編』『レッツゴー仮面ライダー』に連続して登場している。MOVIE大戦2010で仮面ライダーカブトのライダーキックを受けて死亡し、『仮面ライダー大戦』ではバダンの戦士として地獄から蘇っていた。
フォッグの三幹部の1人で女性神官。地球に襲来した際に加那に目を付け、『大孵化』の儀式に必要な生贄として相応しいと見出した人物でもある。
普段は白い服装の女性(或いは少女)の姿を取っているが戦闘時には本来の姿であるハチ女とも呼ばれる怪人形体へと変身する。
三幹部の中では一番非力だが、白い霧を発生させて幻覚を見せ相手を翻弄し、奇襲する戦法を得意としている。またハチの怪人だけあり、飛行能力をも有する。
エロティックな造形から元祖蜂女共々人気が高い。
また、劇中では明言されていないが、小説「仮面ライダーJ」によればフォッグの第1王子である「ガライ」に思いを寄せていたようだ。またその小説では耕司のガールフレンドである林美佐子に化けていた。
遊撃隊長の役割を担うフォッグの三幹部の1人。普段は老紳士の姿を取っているが、戦闘時は本来の姿であるトカゲ男と呼ばれる怪人態へと変身する。また、体の一部だけを怪人へと変身させることも可能。
人間態の姿からは想像もつかないが、性格はきわめて粗暴かつ直情的であり、物語の冒頭で、自分達の目撃者である耕司を崖下から転落させ殺害した張本人でもある。
「地空人」たちにより蘇生、改造人間として復活した「瀬川耕司」=「仮面ライダーJ」の気配を察知するや否や真っ先に抹殺に向かう程、自分の役割たる遊撃隊長の役割という立場を全うする人物でもある。
因みに名前は似ているが仮面ライダーアギトとは全く関係ないのであしからず。
小説「仮面ライダーJ」では銀河グループの総裁赤松大造に化け暗躍している。
フォッグの怪人たち
「フォッグ・マザー」の産卵室である孵化室に安置された卵から孵ったばかりの怪人たちの幼体。その姿は人のような人面の芋虫を思わせるような姿から、怪物じみた芋虫の姿など、多数の姿があり、グロテスクそのもの。
全て「フォッグ・マザー」の子供であり、その旺盛な食欲で生贄を喰らった後、マザーの体内から外へと進出し、惑星の生命体の殆ど全て喰らい尽くす。
最後は「仮面ライダーJ」が「木村加那」を救出した時にJパワーの余波を受け全て死滅してしまった。
なお、成体へと成長した後の怪人たちがどうなるのかは不明。おそらくこの中で一番優秀な存在が幹部へと抜擢され、残りの怪人たちを総べる存在へとなると思われるが詳細は不明である。
関連タグ
ワーム(仮面ライダーカブト)・・・同じく仮面ライダーシリーズにおいて異星人である敵勢力。
デーボス軍・・・同じく首領が宇宙をさまよい、星を滅ぼして来たという点では共通している。
ブラッド族・・・・・似たような種族
メガヘクス・・・同じく仮面ライダーの敵で機械と融合した宇宙からの侵略者。
レギオン・・・・似たような者