概要
特別職国家公務員としての身分を持つ。
16の階級にわかれ、3尉以上の8階級を幹部自衛官と呼ぶ。
自衛官の階級
自衛官は建前上軍人ではないので、諸外国の軍や旧日本軍の階級ではなく、自衛隊独自の階級を使っている。
序列 | 階級 | 旧日本軍 |
---|---|---|
1 | ○○幕僚長たる○将 | 大将 |
2 | ○将 | 中将 |
3 | ○将補 | 少将 |
4 | 1等○佐 | 大佐 |
5 | 2等○佐 | 中佐 |
6 | 3等○佐 | 少佐 |
7 | 1等○尉 | 大尉 |
8 | 2等○尉 | 中尉 |
9 | 3等○尉 | 少尉 |
10 | 准○尉 | 准尉 |
11 | ○曹長 | 上級曹長 |
12 | 1等○曹 | 曹長 |
13 | 2等○曹 | 軍曹 |
14 | 3等○曹 | 伍長 |
15 | ○士長 | 上等兵 |
16 | 1等○士 | 一等兵 |
17 | 2等○士 | 二等兵 |
備考
・○○には、統合・陸上・海上・航空が入り、○には所属している陸・海・空が入る。
・元帥の階級は自衛隊にはない。
・略称は、等級の数字に階級の一文字(例:3等○曹=3曹)
・必ずしも旧日本軍や海外の軍の階級と一致しているわけではない。
自衛官になるには様々な道があるが、ポピュラーなコースは以下のものがある。
- 任期制自衛官
陸上自衛隊は1年9か月、海上・航空自衛隊は2年9か月という、短い年数のみ就任するコースで士からのスタート。
18歳以上27歳未満、男性は年何度か募集しているが、女性は年1回のみの募集である。
3ヶ月間「教育隊」で訓練を受け、その後各部隊に配属される。
試験を受け昇進して自衛隊に残る者もいるが、多くはそのまま退官し一般企業などに転職する。
- 一般曹候補生
18歳以上27歳未満が応募可能な、所謂下士官に相当する曹を養成するコース。
幹部自衛官を養成する、高校卒業後に受験可能な学校。
自衛隊所属の医療職につきたい人のためのコース。かつては中央看護学院でなされていた看護師の養成も現在はこちら。
中卒で入学し、高等学校卒業資格も同時に取得する。こちらは男子のみ。在学時は正確には「自衛官」の身分ではない。
防衛大学校、防衛医科大学卒業後や、一般大学卒後などに入学。
自衛官の中から選抜される他、オリンピックを狙えるクラスのスポーツ選手がスカウトを受けて所属する場合もある。
他にも様々な道がある。
予備自衛官
常勤の自衛官の他に、予備要員として登録されている人員もいる。
任期が終了するなどして退職、一般企業に勤務している者がなるケースも多い。
即応予備自衛官、予備自衛官、予備自衛官補の区分があり、いずれも手当とそれぞれに決められた日数、定期的に訓練を受ける必要がある。
一般の自衛官とは違い、普段は民間企業に勤務したり家庭の主婦などをしていたりするが、有事の際常勤の自衛官の人手が足りない事態になると招集される。
東日本大震災では被災者の支援や復旧活動のため、初の招集が行われた。
「自衛隊員」と「自衛官」
一般的には同じ意味として使われる「自衛隊員」と「自衛官」であるが、実は明確な違いがある。
「自衛隊員」は、防衛省の事務官も含めた自衛隊関係者であり、「自衛官」はその中でも制服を着て任務に従事する、いわゆる「自衛隊の人」を指す。
関係者の間では、事務官を「背広組」、自衛官を「制服組」と呼び分けている。
自衛官の職歴を持つ有名人
- 小川和久(軍事評論家)
- 佐藤正久(政治家)
- 田母神俊雄(評論家)
- 板垣恵介(漫画家)
- 藤原さとし(漫画家)
- 武論尊(史村翔)(漫画原作者)
- 浅田次郎(小説家)
- 今井雅之 (俳優)
- しのざき嶺(成人向け漫画家)
- 小西ゆかり(射撃選手)
- 杉浦貴(プロレスラー)
- 本田多聞(プロレスラー)
- B×Bハルク(プロレスラー)
- 青木篤志(プロレスラー)
- 谷口周平(マイバッハ谷口)(プロレスラー)
- 畠山麦 (俳優)
- KO-SHIN(ギタリスト、WANIMA)
- 7代目桂才賀(落語家)
- 坂田信弘(プロゴルファー・漫画原作者。)
- 小原日登美☆(レスリング選手・ロンドンオリンピック金メダリスト。旧姓・坂本)
- 江原騎士☆(競泳選手・リオデジャネイロオリンピック銅メダリスト)
☆:2019年現在、現役自衛官。
自衛官を題材にしたフィクション作品
自衛官設定のフィクションキャラクター
※自衛隊をメインテーマとした作品以外