概要
1992年12月6日にスーパーファミコン作品として発売され、シリーズ初のダブルミリオンを記録した。1998年にはプレイステーションへ、2006年10月12日には新規ジョブやクリア後のダンジョンも追加したGBAへの移植が行われた。現在はバーチャルコンソール、iOS・Androidへの配信も行われている。
特徴
アビリティ
FF3のジョブチェンジシステムを発展させた「アビリティ」が新たに登場。習得は下記のジョブを選択し、通常の経験値とは別に獲得するアビリティポイント(ABP)を入手することによって行う。
一度覚えると他のジョブでも利用可能となるため、キャラクターのカスタマイズ性が高い。
この戦闘の自由度の高さは、後のシリーズ作品のシステムにも反映されている。
ATB
前作に引き続き採用。コマンド入力までの時間がATBゲージの採用で初めて視覚化された。
ジョブ一覧
初期状態
風のクリスタル
水のクリスタル
火のクリスタル
土のクリスタル
GBA版からの追加ジョブ
様々なやり込み
1. ボスを倒しても経験値が入らないため、経験値取得の回避が容易。
2. 全てのボスにレベル関係なしで倒す方法がある。
という理由のため、低レベル・制限などやり込みに向いている。
次元の狭間
FFシリーズは基本的に各作品の間にストーリー的なつながりがない。
しかし本作には、いろいろな次元や別の世界に繋がっている「次元の狭間」が存在しており、他シリーズでのギルガメッシュは同一人物と思わせる描写がある。
ラスボスを凌ぐ強敵
いわゆるクリア後の隠しダンジョンといったものではなく、道中をうろついている・道中の宝箱に潜んでいるといった形で存在。ちなみに両者共に初見殺しかつ徹底的に準備と対策なしでは全滅確定の猛者。GBA版ではさらに追加ダンジョンに複数存在。
ストーリー
世界は風、水、火、土の4つのクリスタルの力によって構成されており、冒頭で風のクリスタルが砕け散り、隕石が飛来するところから始まる。
登場人物
パーティーメンバー
暁の四戦士
- ドルガン・クラウザー
- ゼザ・マティアス・サーゲイト
- ケルガー・ヴロンデット
その他のキャラクター
モンスター
ザコ敵 | |
---|---|
ボス | |
次元の狭間のボス | |
封印の神殿のボス |
世界
大きく分けて三つのマップが存在する。それぞれの名称はゲーム中は特に言及されないが、公式に発売された攻略本等によれば「第一世界」「第二世界」「第三世界」と表記されている。
第一世界
バッツ、レナ、ファリスの故郷がある。ゲーム本編はここから開始。
- タイクーン城 レナの住む城。訪れる時期によりイベントが発生(計三回)。
- タイクーンの隕石 本編開始後最初に訪れる。オープニングで飛来した隕石の地。
- 海賊のアジト ファリス率いる海賊のアジト。隕石の影響で洞窟と繋がった。
- 風の神殿 風のクリスタルが奉られている。最初のボスモンスターと対戦。
- トゥールの村 内海の西端に位置する村。初心者の館がある。
- トルナ運河 大陸の東西を繋ぐ運河。クリア後の再度進入は不可。
- 船の墓場 世界地図が入手可能。
- カーウェンの町 内海の東端の港町だが、現在船は出ていない。北の山の情報が聞ける。
- 北の山 飛竜の病気や怪我を癒す飛竜草が生えている。
- ウォルスの町 町中に水路の巡った水の町。ガルラという象に似た生き物がいる。
- ウォルス城 ここにも水路の道があり、配水塔では召喚魔法シヴァを入手出来る。
- ウォルスの塔 水のクリスタルが保管されている。
- カルナックの町 クリスタルの力で武器や防具製造の手間を省き、その恩恵で物価が安い町。
- カルナック城 シドと初めて対面。FFシリーズ初の時間制限イベントが発生。
- 火力船 火のクリスタルを動力源とした船。機関室にはモンスターが出現。
- 古代図書館 半分が欠けた謎の本や、悪意をもつ書に対応するイフリートが待つ。
- ジャコールの町 特にイベントは無いが、古代ロンカ人の血を引く人々が暮らしている。
- ジャコールの洞窟 町の北に位置する洞窟。ナッツイーターとその色違いが出現。
- クレセントの町 三日月の形をした島にある町。よく地震に見舞われる。
- 黒チョコボの森 町の南にある森。名前の通り黒チョコボが棲息。
- イストリーの村 北西の最果ての村。たくさんの羊が飼われている。
- イストリーの滝 付近の森にラムウが出現。
- リックスの村 バッツの生まれ故郷。専用のBGMやイベントが用意されている。
- 滅びの町ゴーン 500年前滅亡した古代ロンカ文明時代の町。流砂の砂漠の南方に位置。
- 流砂の砂漠 シド、ミドの協力を得ることで進入が可能となる。
- カタパルト ロンカ文明の史跡の一つ。手紙の指示に従っていくと……。
- ピラミッド 砂漠の巨大な建造物。入り口は固く閉ざされている。
- 孤島の神殿 世界地図のほぼ中心に位置するが、周辺を山に囲まれている。
- ロンカ遺跡 土のクリスタルの力で浮上した遺跡。クルル、エクスデスと初めて対面。
第二世界
ガラフ、クルルの故郷がある。第一世界と比べて平原が少なく、唯一沼地のフィールドが存在。
- 無人島 何もない小さな島。テントを落とすモンスターが出現。
- バル城 地下に開かずの扉がある。この人みたいな店での割引サービスは無い。
- ギルの洞窟 バル城の東にある洞窟。 条件付きで巨額のギルが拾える。
- ビッグブリッジ ギルガメッシュと対決。なおBGMの曲名は『ビッグブリッヂの死闘』
- ルゴルの村 この人の父親(ネタバレ注意)の出身地。地酒はまったりとした味わい。
- 封印城クーザー 無人の城。1000年前の勇者たちが用いた12の武器が封じられている。
- モーグリの村 モーグリたちの村。上空から見た森の形もモーグリの顔(村は鼻の部分)。
- モーグリの森 封印城クーザーの東の沼地を越えた地点にある。
- 地下大河 モーグリイーターが出現。
- ケルブの村 ウェアウルフたちが暮らす。自慢の料理を堪能する度に羊が一匹減る。
- 飛竜の谷 ケルブの村を通り抜けた北にある。
- サーゲイト城 暁の四戦士の一人、ゼザが治める。船団を率いてエクスデス軍と対峙する。
- ゼザの船団 ギルガメッシュが襲来。あおーい空とひろーい海をバックに再戦。
- 北の湖の森 サーゲイト城の北にある森。雌のチョコボやカトブレパスが出現。
- ギードのほこら 700年を生きる賢者ギードのほこら。エクスデスについて聞ける。
- ムーアの大森林 広葉樹の繁る独特のマップ。進入には特定のアイテムが必要。
- ムーアの村 大森林の西に位置する。村はずれの小屋にはカギがかかっている。
- エクスデス城 エクスデスの居城。道中には何故かぽつんと一つ宝箱の置かれた部屋が。
- バリアの塔 エクスデス城のバリアを司る塔。
第三世界
大陸が陸続きになっており、チョコボでの世界一周が可能。(徒歩では川に阻まれる)
- デスバレー 下に落ちるとアントリオンに襲われる。この人のロープさばきは必見。
- フォークタワー 二手に分かれて左右の塔を同時攻略する。
- モアイ像 フォークタワー南西の海底に佇む。SFC版での設置意図は不明だったが、
- GBA版ではEXダンジョン「封印の神殿」と行き来する乗り物の役割が与えられた。
- モアイ像 フォークタワー南西の海底に佇む。SFC版での設置意図は不明だったが、
- 大海溝(書籍によっては『ゴール海溝』) 奥で5人のドワーフが王国を築く。
- 蜃気楼の町 ドワーフの一人が掘るトンネルの真上に出現。1000年前の姿を保つ町。
- 海底のほこら 宝箱回収率や戦闘回数を教える「もの知りじいさん」に会える。
- フェニックスの塔 地上30階。固定敵にマジックポットが出現。
- 次元の狭間 次元城、及びラストフロアへと繋がる。
クリア後
- 封印の神殿 EXダンジョン。封印されし12の武器を全て回収するとモアイ像=ロビーへ入れるようになり、新ジョブのクリスタルが手に入る。
- ロビーから先へ進むには、次元の狭間をクリアする必要がある。
- 一度クリアすると、ロビーから亡者の巣窟へ入れるようになる。
- 亡者の巣窟 EXダンジョン。これまでのボスからピックアップした何体かと連続バトルをする場所。
余談
今作から会話時のフォントが大型になり、漢字も使われるようになったので前作よりも読みやすくなった。
注意点としてオリジナル版は飛空挺の着陸する場所によって結果的に進行不能になる不具合がある。飛空挺で洞窟の入り口に重なるように着陸すると二度と飛空挺に乗れなくなるので、そうなった場合は絶対にセーブしない事。
GBA版からは新規のオープニングデモが用意されている。FF4とは異なり、SFC版のタイトル画面とそこから始まるオープニングデモもきちんと入っており、表示されるスタッフ名は変更されているが再現されている。
モアイ像はSFC版当時に都市伝説が流れた事でも有名。GBA版からその都市伝説の元となったモアイ像で新規ダンジョンに行けるイベントが用意された。
実はFF初のマルチエンディングである。と、言っても道中にそれのフラグ関係があるわけではないがラスボスを倒した時点のパーティの状態でエピローグに変化が起きる。全部で16通りのパターンがある。次元の狭間に巻き込まれて1年ほど行方不明になる影響か、ギルガメッシュほどではないが、バッツ達も他のFF世界に迷い込んでいる。
例:バッツ・・・DFF・DDFF・WOFFに登場。ファリス・・・WOFFに登場。
オープニング・ファイルセレクトでお馴染みのプレリュードが流れない初めてのナンバリング作品。ただし、GBA版とiOS・Android版は流れる。また、キャラクターの名前変更はバッツしかできない。
ある場所でエンカウントする事で入れる「蜃気楼の町」はオリジナル版だと通常の戦闘エンカウントと同じエフェクトである為、エンカウントしてからでないと判別できなかったが、GBA版はエンカウントのエフェクトが変更されたのと、蜃気楼の町のエンカウントエフェクトがオリジナル版と同じになっているので町に入ったかの判別が簡単になっている。
戦闘中のみ1P・2Pに分かれて協力プレイできたのはこれが最後である。
冒頭で流れる「希望は大地に恵みを与え、勇気は炎をともらせ、いたわりは水を命の源とし、風は英知をのせる」という文言はミンウ・セネスティス著『リュミナステア・プロペリダ・ヴェリトラーダ』の引用らしい。タイトルの意味や同名の人物との関係は不明。(最もこの作品自体、1000年前に封じられた12の武器や蜃気楼の町、500年前のロンカ滅亡について作中では深く語られていない)
特殊アイテム「魔法のランプ」は使うだけで召喚獣を呼び出せるのだが、使う毎に必ず上位の召喚獣から順番に召喚されていき、最終的にはチョコボ等の初歩的なものしか呼び出せなくなる為にランプの力をある所で補充しないといけない。
なお、この「魔法のランプ」はランプの力が無いのにしつこく使いまくると・・・なんとエッグマンが出てくる。ちなみに姿はなく「エッグチョップ」を繰り出すが効果無しの原作同様の残念な召喚獣である。早い話、「魔法のランプ」は半熟英雄のエッグ召喚システムのパロディ(?)だと言うことに・・・。
GBA版では出す予定があったのか、モンスターの没グラフィックにエッグマンが存在する。
PS版はディスクである為読み込みがあるのとBGMの再現性が低い。GBA版もハードが異なる為BGMの再現性が異なる。
関連イラスト
関連作品
- OVA『ファイナルファンタジー』(1994)
本作の200年後設定のアニメ。
FF5のジョブチェンジシステムをベースに発展させたシステムの作品。