滅ぼされるべくして生まれ、罪ありし竜といっても滅ぼされて当然というものではないのです
——罪と罰とは、本来別のものなのですよ
プロフィール
守勢において力を発揮する英霊。
概要
元々はオンラインゲーム版『Fate/Apocrypha』にて作成されたが、企画が倒れると共にリストラへ。
その後、『Fate/GrandOrder』にて晴れて正式参戦となった。
レアリティは☆2。
メインシナリオでは、第1部一章「邪竜百年戦争オルレアン」にて味方のはぐれサーヴァントとして登場。
抑止力として召喚されて以降フランス市民をワイバーンから守護していた。その後は主人公やジャンヌ達と合流し、ジークフリートにかけられた呪いを解いて主人公達の勝利に大きく貢献した。
真名
一度だけ相手の攻撃を無効化する「ベイヤード」という馬に騎乗する。
イギリスの守護聖人であり、世界中のキリスト教徒から信仰されている。
ゲオルギウスは聖人ではあるものの、その武勇伝は並みの騎士に勝るとも劣らない。生贄を捧げて毒竜の怒りを鎮めていた街に通りがかったゲオルギウスは、槍を投げて竜を退治した。
一説には彼は魔女に育てられたという。
最後はローマ皇帝に捕らえられ、拷問の末に斬首に処された。
だが拷問を以てしてもゲオルギウスは傷つかず、棄教を迫られ神に祈ると彼のいた神殿は倒壊する。
この奇跡を目の当たりにした王妃はキリスト教への改宗を思い起こすも、怒りが頂点に達した皇帝はゲオルギウスの前で見せしめに王妃を惨殺する。
未だ洗礼を受けていなかった王妃に対し、ゲオルギウスは彼女の今わの際の流血を以て洗礼を施すと、王妃は安らかに天国へと旅立った。
彼が斬首されたのはそのあとのことだった。
人物
心優しく弱き人々をいたわり、悪人すら「暴力でしか己を支えられぬ弱き人」として慈悲を以て接する。しかし不当な暴力によって罪無き人が傷つくことは見逃さず、剣を振るうべき時は躊躇わない。
理知的で柔軟、勇敢さと思慮の深さを兼ね備えた理想的な騎士。しかし“王に忠誠を捧げる奉命の騎士”ではなく、“大衆を護り救わんとする正義の騎士”としての色が強い英霊でもある。
竜殺しの英霊ではあるが、その竜にさえ慈悲と憐憫の情を以て退治に赴く、文字通りの聖人君子。
守護者・防衛役サーヴァントの一騎としてマシュにも慕われており、彼女に様々な知識や訓練を手解きしている模様。ただし呼ぶときは「ゲオル先生」と略さず、「ゲオルギウス先生」と呼ぶよう注意してくる。
趣味は旅行で、現界するとカメラがお気に入りとなる。
現界時にプレゼントされたものらしいのだが、すっかりハマってしまい、最初はただ絵に収めることを楽しんでいたが、今では構図を練ったりレンズを新調したり、挙げ句に特異点での異変でもまずはカメラを取り出して撮影に勤しむと半ば本業そっちのけで楽しんでいる。先生何やってんすか。
期間限定イベント「デッドヒート・サマーレース!」でもカメラマンを担当するも、レースクイーン役のエリちゃんの空回りぶりを見て、その写真に「道化師」と命題するかなり辛口な一面も見せている。
こんな感じで結構お茶目な守護聖人だったりする。
ゲオルギウスは世界を救うため、喜んで君に魂を捧げるだろう。
君のために命を躊躇いなく懸ける。
その献身に報いることを望むなら、正しいマスターとしての行動を取るべきだ。
能力
守護聖人と言うだけあり、耐久と幸運がA+と最高ランクを示している。スキルの数は今まで登場したサーヴァントの中では最も多く、その内容は魔術の無効化、精神干渉無効化、防御力上昇、大地の加護による超生命力など、いずれも防御に関連したものになっており、さらに宝具にも攻撃だけでなく防御機能がある。まさに鉄壁の守護聖人である。
……と思ったら、赤ランサーの登場であっさり抜かれてしまった(あちらはスキルが9つと対魔力がAランクに、契約したマスターもサーヴァント最多)。
ステータス
筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|
D | A+ | C++ | D | A+ | C |
保有スキル
対魔力(A) | 魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。サーヴァント自身の意思で弱め、有益な魔術を受けることも可能。Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。 |
---|---|
騎乗(B) | 乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。また、英霊の生前には存在しなかった乗り物すらも直感によって乗りこなすことが可能。ゲオルギウスはクラスの恩恵でこのランクになっているが、実状は彼ではなく愛馬・ベイヤードが優秀だと言える。 |
戦闘続行(A) | 名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 |
守護騎士(A+) | 他者を守る時、一時的に防御力を上昇させる。数多くの国や地域の守護者であるゲオルギウスは常に「守ってくれること」を期待される。そしてその期待が、彼に無限の守護の力を与える。 |
殉教者の魂(B+) | 精神面への干渉を無効化する精神防御。ゲオルギウスは幾度となく棄教を迫られ、数え切れないほどの拷問を受けながら、一度としてその責めに屈しなかった。ゲオルギウスは、極めて強靭なる信仰の持ち主である。 |
神性(C) | 聖人として世界全土で崇敬されており、小宗教や古代の神の一部などを凌駕する信仰を誇る。また、ゲオルギウスの由来は中東における豊穣神バールにまで遡る。なお、『FGO』では削除されている。 |
直感(C) | 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。Aランクの第六感はもはや未来予知に近い。また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。ゲオルギウスの直感は防御のためにしか働かず、"相手が戦うべき敵か否か"を即座に判断するために使用する。 |
宝具
力屠る祝福の剣(アスカロン)
- ランク:B
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大補足:一人
これこそがアスカロンの真実。汝は竜、罪ありき!
あらゆる害意と悪意から持ち主を遠ざける無敵の剣。
敵を倒すという意味での「無敵」ではなく、いかなる敵からも守るという意味での「無敵」。
守護の力を反転させることで、あらゆる鎧を貫き通す剣にもなる。
また、別の宝具により竜属性を付与させる。
汝は竜なり(アヴィスス・ドラコーニス)
- ランク:C
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1〜99
- 最大捕捉:1000人
対象を一時的に竜種へと変える対軍宝具。
見た目は赤い十字が描かれたサーコートだが、厳密にはゲオルギウスの堅固なる信仰そのものであり、サーコートは宝具を発動させるための焦点にすぎない。
『Grand Order』ではアスカロンの効果に含まれている。
竜殺し(インテルフェクトゥム・ドラーコーネース)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:1〜10
- 最大捕捉:1人
アスカロンの力と、ゲオルギウスの竜殺しの力を複合して発動させる対人宝具。竜種に対して大ダメージを与える。
近距離では剣の姿で、遠距離では剣の弾いた光が投げ槍の姿を取って敵を討ち貫く。
幻影戦馬(ベイヤード)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:-
- 最大捕捉:1人
『キリスト教圏の七勇士』に登場する、ゲオルギウスを誘拐した魔女が彼に恋をして贈った魔法の白馬。
跨った者を無敵にし、致命傷となる攻撃を受けても一度だけ無効化する。
ゲームでの性能
☆2でHP9,000を超えてくる耐久型であり、低コストサーヴァントにおける盾役の一人。
カードバランスは《Quick:2/Arts:2/Buster:1》で、ライダーの定型。
初期からスキル「守護騎士(A+)」で3ターンの間敵の攻撃を自分に集中させる“ターゲット集中”と防御力をUPさせる事ができ、さらに「殉教者の魂(B+)」で消耗した体力を回復、いざとなれば「戦闘続行(A)」でガッツを付与して復活可能と、低ランクながら大変優秀な盾役として機能する。
同格で同じ盾役となるランサーの武蔵坊弁慶やレオニダス一世とは、この粘り強さで勝ることが出来る。
ライダークラスなのでスターが集中しやすく、クリティカルヒットで低めの攻撃力やNP効率も補填できる。
宝具は「力屠る祝福の剣」。種別はArts。効果は【敵1体に3ターン〔竜種属性〕を付加+敵1体に超強力な攻撃+自身の防御力UP(大)】。
ダメージはオマケ程度で、本題は防御力の強化による守備固めである。
また、竜種属性の付与は竜殺しであるジークフリートとの噛み合わせがよく、すまないさんになりやすいジーク、更にはもう一人のドラゴンスレイヤーにとっての良き相棒として働いてくれる。
ただ☆2だけにしっかり育て上げないとHP不足で盾として役者不足になる。
また、クリティカルメインのパーティーに編入すると、スター集中率が最大のライダークラスであることが災いしてアタッカーへのクリティカルスター分配を邪魔してしまうため、組み込みたい場合にはより効率的にアタッカーにスターを配分できるような工夫を求められることになる。
盾役の上位にはデオンやマシュがいるので、彼女らとの差別化も意識する必要がある。
聖杯転臨でレベル限界を解放すれば、Lv.100で13,000強という☆5級のHPを獲得する。
Lv.80時点でも11,000弱は固いので、低コストの盾役としては申し分ない性能に化けてくれる。
関連人物
リストラ仲間の皆さん。全員『Grand Order』にて復活を遂げる。
『FGO』第一章にて共闘。同じ竜殺しの逸話を持つ英雄。
ちなみに性能面でもゲオルギウスの竜属性付加の宝具とジークフリートの対竜特攻は相性がいい。
仲良し聖人仲間。ただし内心で悪意なく「私の方が有名」「私の方が強い」とか思ってる。
クレオパトラの幕間1によるとマルタは『聖人会』仲間でもあるそうだが、力を持て余すとシャドーボクシングをやり出すらしい。
ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ、ジャンヌ・オルタ、天草四郎
同じく『聖人会』仲間。しかし全員問題児ばっかりでありゲオルギウスがいないと相当カオスな事になる。
その他
お髭の聖人?
一応、設定上は史実に基づいて髪と同じ赤毛のアゴ髭があるらしいのだが、公式の作画で彼に髭らしきものが描かれたことはない。
その代わり、公式でゲオルギウスのグラフィックが描き起こされるとアゴの先を隠すことが通例となっている。
よって、実は顎の下にちょこっとだけ生やしているのか、それともアゴ髭を生やし出すまえの姿なのかは、マスターごとの想像力に委ねられている。
ただ期間限定イベント『月の女神はお団子の夢を見るか?』が2017年1月に復刻された際、オリオンのセリフにあった「ヒゲのオジサマ」という単語がが「ロン毛のオジサマ」に変えられ、さらに第一特異点のマリーのセリフも髭への言及が変更されるなど、どうも公式からは無かったことにされ始めている節があるようだが……?
魔女に養育された聖人
ゲオルギウス生誕について登場する魔女は、原典『黄金伝説抄』において語られたもの。
名前は「カリブ【Kalyb】」といい、王室執事と英国王女の間に生まれたゲオルギウスを、生誕間もない頃に攫っていった。
カリブは赤子を攫うとある程度育て、自分の眼鏡に適えば囲って養育していた。
目的は良く分かっていないが、16世紀末に書かれたリチャード・ジョンソンの訳本を読んでいくと、どうも「逆光源氏計画」と「逆ハーレム」願望があったような節がみられる。
彼女の目に適って成人した赤子の全員が男で、それぞれが壮絶な殉教やのちのキリスト教教理に影響を及ぼす功績を残し、聖人として崇められている。才能ある青年に囲まれ悦に浸る中で、ゲオルギウスは特筆した寵愛を受けたとされる。
彼女から愛馬ベイヤード、アスカロン、あらゆる武器を撥ね返す「リディアの純鋼の甲冑」、武器庫で最も頑丈なコースレット(胴巻き)、バーゴネット兜を授けられている。
しかしカリブはどうも手当たり次第に誘拐を繰り返していたらしく、気に入らなかった赤子は育児放棄して岩穴に死体を放棄していたことが発覚する。
これを知ったゲオルギウスは、魔女から「銀の魔法の杖」を借りて岩穴を開け放つ。魔女を先導に中を案内させ、頃合いを見て自分は先に岩穴から退出し、魔女ごと岩穴を封印するのだった。
なおアスカロンの名を始め、いくつかの逸話はリチャード・ジョンソンの独創である可能性が指摘されている。