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編集者:ゼイニク王子
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グレムリン

ぐれむりん

ヨーロッパの伝承などに登場する妖精の一種。またはファンタジー物の小説やゲームなどに登場する架空の種族のこと。

ヨーロッパの伝承などに登場する妖精の一種。またはファンタジー物の小説ゲームなどに登場する架空の種族のこと。

元々は人間サポートしてくれる優しい存在だったが、人間が感謝を忘れたので悪戯をするようになったという。

機械自動車航空機などに悪戯をするとされ、特に長らく第二次世界大戦中の航空兵の間で信じられていた。その後、1984年に映画『グレムリン(Gremlins)』が製作公開されると、専らその中に登場するモンスターの事を指すようになった。

映画のグレムリン

『グレムリン(Gremlins)』は1984年製作のアメリカ映画

プロデューサーはスティーヴン・スピルバーグが担当し、監督はジョー・ダンテ。1990年にはスピンオフ作品の『グレムリン2 新・種・誕・生(Gremlins 2 The New Batch)』が制作された。

あらすじ

発明家の父親、ランダルはチャイナタウンの骨董店で見たこともない生物『モグワイ』(下記参照)を発見し、息子、ビリーにクリスマスのプレゼントとして贈ることにする。

愛嬌のあるモグワイとビリーはすぐに仲良くなるのだが、飼育、共存するためには守らなければならないルールがあり、それを破ったとき、恐ろしい事態が待ち受けていたのだった。

モグワイ

作中の最初はグレムリンではなく、モグワイと呼ばれる生物として登場する。このモグワイ(通称「ギズモ」)は体長30cm程度で非常に人懐っこく、また性格も大人しく音楽好きという特長を持つ。

モグワイを飼育するに当っては、守られねばならない“3つのルール”が存在する。

>ルール1:光に当ててはいけない!

モグワイは光が苦手で、できるだけ暗い場所で飼わなければならない。カメラフラッシュなど瞬間的なものでもパニックを起こすが、特に太陽光には弱く、長い間当たると体が溶けて死んでしまう。

>ルール2:水に濡らしてはいけない!

モグワイは体に少しでも水が付着すると、激しい痙攣を起こして、やがて背中からピンポン球の様になった毛玉が飛び出し(「発射される」と言っても問題ないくらいに結構勢いがある)、その毛玉から新しいモグワイが生まれる

お風呂などの水中にどっぷりと浸かるのはもちろんの事、スポイトなどで1~2滴水を垂らしただけでも分裂が起きる。当然、直に水を飲むのも厳禁。

>ルール3:真夜中過ぎたら、決して食べ物を与えてはいけない!

最も重要なルールである。

深夜0時を過ぎてからモグワイに食べ物を与えると、その日の内に繭を作って変態を行い、やがて中から全く別の生物へと豹変した“グレムリン”となって現れる!

グレムリン

前述の様に元々はグレムリンは存在せず、モグワイが深夜0時を過ぎてから食べ物を摂取する事によってのみ、グレムリンは誕生する。優しい性格のモグワイと違い、一旦グレムリン化した物は凶暴な性格となる。単に悪戯好きというレベルを超えて、明らかに人に危害を加えたり、場合によっては殺人なども平気で犯す(その場が楽しければ、仲間同士でも殺し合いのゲームなどに興じる)。

モグワイの時は体長30cm程度で、小型の哺乳類リスザル)の様な愛らしい外見をしているが、グレムリン化すると体長は倍の70cmにもなり、外見も鱗で覆われた爬虫類っぽい感じとなる。また爪や歯も鋭く尖り、非常に残忍な性格となって、自堕落に暴飲暴食を楽しむ生態になる。体が大型化するので力なども強くなるが、反面知性はやや劣る。

この様にグレムリンとモグワイは見た目も性格も全く別の生物と言って良いほど違うが、前段にある「3つのルール」は基本的にそのまま適用される。即ち、光に当たれば死んでしまい、水に触れれば増殖する(この場合はグレムリンが増える)。ただし3番目の「真夜中過ぎの飲食」は、既に変身しているので変化は起きない。

しかしグレムリン化も恐ろしいことではあるのだが、それ以外でも母親がグレムリンを倒す為にミキサーや電子レンジの使用も辞さないシーン始め、登場人物内にやたらと容赦がない武闘派な者が居る点や、地味に死者も発生する点、ヒロインがクリスマスを嫌いになってしまった理由など、クリスマスの映画としても推されることがある本作は多くの者にトラウマを残している。本格的CG化前夜の時代の特撮独特の生々しさもこの傾向に拍車をかけている。

妖精としてのグレムリン

英語表記では“Gremlin”と書き、元々は自動車やミシンなどの身の回りの機械類に悪戯をして、故障させたり動かなくさせたりする妖精の事を指す。同じ様に人間の身近に住んで悪戯をする妖精としては、「レプラコーン」や「ピクシー」などがあるが、彼らが昔話伝説に登場するのに比べて、グレムリンの場合は前述の様に人間界に「機械類が登場してからの存在」であるため。その歴史はまだ150年ちょっとの歴史の浅い妖精である。

歴史が浅いため何かの有名な歴史的文献などに記述が有る~と言う事は無い。その存在は専ら口伝によって伝えられ、少しずつ広まっていった。やがて第一次世界大戦(1914年~1918年)を契機に世間に自動車や飛行機が広まり始めると、その普及と共にグレムリンの存在も広まっていった。

航空機に取り憑くグレムリン

当初は各家庭に1匹ずつ住み着き、夜中の内に機械を壊したり、調子を悪くしたりすると信じられていた。

やがて20世紀に入って航空機が発達し始めると、飛行機のパイロット達の間で原因不明のエンジントラブルを引き起こす原因と考えられる様になり、その姿形や所業などがパイロット達の間に広まっていった。特に第二次世界大戦中(1939年~1945年)は、戦闘中のエンジントラブルは即撃墜に繋がるため、戦闘機乗りの間では死を招き寄せる存在としてグレムリンは忌み嫌われた。

これは当時はまだ戦闘機のエンジン性能が高くなく、飛行中に突然止まってしまう事も良くあったことも一因である。しかしこの原因を仲間である整備兵に責任転嫁する事は、隊全体の士気などにも大きく影響するため、この様な“グレムリンの仕業”という方便が信じられる様になっていったと思われる。

上記の考え方は大戦後も広く信じられる様になり、元々は機械類全般に悪さをする存在だったグレムリンは、いつしか飛行機に取り憑いて墜落させる悪い妖精(小鬼)~と言う風に存在が変化していった。ちなみにグレムリン自身には羽根や翼のような物は無く、自力では空を飛ぶ事が出来ないので、雲の上にある様な高山に住み付近を通りかかる航空機に飛び移って来るか、工場や格納庫内の航空機にこっそりと忍び込み、飛び立ってから行動すると信じられている。

後者の場合、飴玉があればそれに気をとられ航空機に潜り損ねると考えられたため、当時の航空機工場には完成した航空機を納入する際、彼らの気を逸らせる為に飴玉を一緒に納入する風習があった。現在でもその名残として航空会社でのサービスで、旅客に機内サービスで飴玉などのお菓子を配る習慣が残っている。

さまざまなグレムリン

第二次世界大戦中にイギリス空軍パイロットであった、作家のロアルド・ダールが戦場で見聞きした話を元に、児童文学として『The Gremlins』を発表している。この作品はディズニーによって映像化が検討されたが中止となっている。

それによるとグレムリンには様々な種類がおり、一般的なものの他にパイロットをくすぐって照準を外させる女性型のフィフィネラ(Fifinella)、男の子ウィジェット(Widget)、女の子フリバティジベット(Flibbertigibbet)などがいるとしている。

また高度3,000mより上の雲の中に住み、パイロットに冷気を吹きかけ凍えさせるスパンデュール(Spandule)や、カナダ軍婦人師団内で話題になった内輪のおしゃべりを拡声器でばらしたり、デート中に他の男の写真をバッグから落とさせるというディングベル(Dingbel)という亜種も伝わっている。

機械に故障を起こすだけではなく、パイロットに対しては体に風穴がある個体は音でスピードを誤認させ、魅了の力を持つクイーンと呼ばれる個体は集中力を奪うともされる。

さらに文明の発達のともに成層圏、宇宙にまで生息域を広め、ロケット打ち上げの失敗や人工衛星などの不調も彼らの仕業であるといわれる。

電子的な存在に進化しコンピュータバグにも関わっているとの説もある。

ファンタジーの中のグレムリン

前述の通り、グレムリンはファンタジー界の住人としてはまだ歴史が浅いため、それほど多くの作品にはまだ登場していない。そのため一般には多くの人が、「グレムリン」という言葉を聞いた時には、前段の映画の『グレムリン』の事を連想する場合が多い。ただしこの場合、本当の“グレムリン”の方ではなく、変身前の“モグワイ”の方をグレムリンと混同している場合も多い。

1985年以降に製作発表されたコンピュータRPGの中には、登場するモンスターの中にグレムリン、もしくはグレムリンをベースに創作されたと思われるキャラクターが登場する作品も幾つか見られるが、あまり多くは無い。ファンタジー作品では頻出のオークゴブリンと比べたら、やはりまだまだマイナーな存在と言わざるを得ない。

関連タグ

TRPG RPG ファンタジー 妖精 モンスター クリーチャー ギズモ

オーク ゴブリン コボルド トロール 映画 クリスマス

  • トワイライトゾーン(1959年に放映されたアメリカの怪奇ドラマ。「2万フィートの戦慄」という旅客機を襲う恐怖のエピソードで初めて雪男のような姿で映像化され、1983年に公開されたリメイク映画である『超次元の体験』ではジョージ・ミラー監督によって、クリーチャーとして描写された。)

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