概要
『ポケットモンスター』シリーズに登場する天候のうちの1つに「あめ」があり、その天候の時に有利になる要素を中心に組んだパーティのことを差す。
「あめ」は『金・銀』で登場した技「あまごい」や、『ルビー・サファイア』で登場した特性「あめふらし」で発生させることができる。
『ポケモン剣盾』ではみずタイプのダイマックス技「ダイストリーム」が決まることでも発生させることができる。
また、『オメガルビー・アルファサファイア』で登場した特性「はじまりのうみ」は、上記の特性の上位版となり、効果も強くなっている。
「あめふらし」による天候変化は登場当時永続だったが、『XY』以降5ターンまでとなった。
この天候時に起きる効果は「あまごい」の項を参照のこと。
主にみずタイプを中心に構成され、「あめふらし」の特性を持つニョロトノやペリッパーで雨を降らせ、天候「あめ」で「すばやさ」が2倍になる特性「すいすい」を利用し圧倒的な機動力と技の威力で相手を制圧するのが中心となる。
有名なところではキングドラ、ルンパッパ、ニョロボン、メガラグラージがよく使用される。
また、技「かみなり」「ぼうふう」が必中攻撃になる効果もあるため、でんきタイプやひこうタイプも入り込むことがある。また、雨下ではほのおタイプの攻撃技で受けるダメージが半減する事から、ハッサムのような炎に弱いポケモンも入り込みやすい。
火力と機動力の両方で攻める戦術が強力なことから、ダブルバトルを中心に昔から人気の戦術の1つであった……のだが(後述)。
ただしどの天候にも言えることだが、世代を経るにつれて他の天候に書き換えられることが増えてきたため、6匹全てで天候の恩恵を受けようとはせず、他天候の対策要員を何匹か入れておく方が戦いやすい。
第4世代までは特性「あめふらし」が禁止級のカイオーガのみであり、通常ルールではユキノオーの霰パやバンギラス、カバルドンの砂パとは違って「あまごい」で降らせなければならず、技による天候変化である関係上ターン制限もあった(これは晴れパも同様だったが)。一方で禁止級解禁ルールにおいては、カイオーガを中心としてルンパッパやドクロッグ等を組み込んだ構築が結果を残している。
『BW』でニョロトノが「あめふらし」を獲得した為、パーティが非常に組みやすくなった。特に、ニョロトノとキングドラの並びは当時の対戦環境で猛威を振るった。
第6世代で天候変化特性の効果は5ターンまでという下方修正がかかったものの、『ORAS』でゲンシカイオーガが「はじまりのうみ」を引っ提げて登場し、脚光を浴びた。
第7世代では新たにペリッパーが「あめふらし」を獲得したことで、再び注目が集まった。
だが4天候中唯一、メガシンカポケモンでの所有者がいない。尤も、雨パのメガシンカ枠には既にエースアタッカーのメガラグラージが存在するのでそれほど問題ではないが。
そして第8世代では特性「すいすい」が天候を変化させた瞬間に発動するようになったことで、ダブルでは交代でペリッパーなどを出すことで1ターンのうちに奇襲をかけることができるようになった……のだが、冠の雪原の環境においては、
- 雨パのエースたるキングドラが、カプ・レヒレのトップメタ君臨によって機能不全に陥る(通常のフェアリータイプ相手なら「ラスターカノン」を覚えさせる事で対処できるが、レヒレはみずタイプ複合なのでラスターカノンも通り辛く、対みずとなるくさタイプやでんきタイプの技も覚えないため)
- 同じくエースとして活用されていたルンパッパやニョロボンが「ダイジェット」の飛び交う環境においては使用が困難に
- 草を生やすゴリラが先制で草地を滑り始めたせいで「すいすい」の優位性が薄れる
- すばやさ種族値200のでんきタイプの登場で「すいすい」でも先制できず縛られる事例多発
と、かつてないほどの逆風に晒される事態に。
それでも全く戦えないというわけではない。ランキング上位に名を残す実績を出した雨パもあり、あくまで今までよりは戦い辛いというだけである。