ゴ・バダー・バ
ばだーあにき
データ
身長/206cm
体重/176kg
登場話…EPISODE 21「暗躍」~EPISODE 33「連携」
解説
バッタの能力を持ったグロンギ怪人。ゴ集団に属する。未確認生命体第41号、人間体はB郡8号。ゴ集団の中でも最も早く姿を現した。
以前登場したズ・バヅー・バの双子の兄。怪人体も人間体もそっくり。違いは怪人体での体色とマフラーの色で、バヅーは体が黄土色、マフラーがベージュでバダーは体が緑、マフラーが赤である。自らを脅威のライダーと称している。
人間体は薄緑のジャケットに赤いマフラーをなびかせるモジャモジャ頭の男。よくコイントスをしている(弟のバヅーも硬貨に興味を示していた)。
高い跳躍力などのバッタ特有の身体能力を持つだけでなく、驚異的なバイクの操縦テクニックを誇る。
彼が使う武器はバイク。ゴ集団の集合時にもバイクに乗って現れていた。そのバイクにトゲのような装飾品を突き刺す事で専用バイク・バギブソンに変化させる。
その実力は最強3人衆に次ぐものと思われ、ゴ集団でも(ラのドルドにも)一目置かれている存在である。性格はゴ集団の中でも取り分け自信家で好戦的であり、常に挑発的な言動を崩さず、グロンギの王たるダグバに対しても「次はあんたを殺す、楽しみだ」と堂々と宣戦布告している。弟のバヅーに関しても作中では全く言及せず、彼の死を気にしている様子もないなど、グロンギ特有の冷淡さも持つ。
その言動に恥じぬだけの実力も有しており、作中で彼が自身のゲゲルを難無く攻略していく姿を見せた際には、あのガドルを初めとした他のゴ集団の面子すら焦りを見せており(ジャラジに至ってはクウガが勝つ事を望むような発言までしていた)、バルバからも「ザギバス・ゲゲルに進むのはバダーか」と言わしめている。
弟の件もあってか同じくバイクを武器として使っている為か、クウガに対してかねてから対抗心を持っていたようで、クウガとの初戦では現代のクウガの事を「悪くない」と評して自分達に相応しい獲物として認めたらしく、以降は自身のゲゲル以外でも度々クウガの前に現れては、戦闘をしかけている。
自身のゲゲル時にはクウガを最後の獲物として定めて狙っていた。数少ない明確にクウガの命を狙ったグロンギ怪人であるが、ダグバとは違って彼の場合は、クウガの事もあくまで獲物として狩ろうとしていただけであり、そこは他の大多数のグロンギ(特にゴ集団)と何も変わらない。
ゲゲルの移行
ガルメのゲゲル時に、クウガとゴオマが戦っている最中に乱入する形で初登場する。
この時は顔見せ程度の登場だったが、ベミウのゲゲル時に現場へ向かおうとするクウガの前に立ちふさがった際に、初めて怪人態を見せて戦闘を行う。
こうして、グロンギのライダー、クウガのライバル怪人としての印象を残していく。
次々とゴ集団の猛者が倒されていく中、ついにバダーがゲリザギバス・ゲゲルに挑戦。
作中では、7時間でバイクに乗っているライダーを99人引きずり落として殺害するというゲゲルを行った。その機動力の高さで警察を翻弄し、まさに狩りを楽しむハンターのごとくライダーを追い回しながら次々と轢き殺していく。
ちなみにターゲットに定めた瞬間にバイクに乗っていればそれだけで良いらしく、物置に逃げ込んだライダーを物置ごと体当たりしてバラバラに吹っ飛ばしたり、地面に倒れて動けなくなっている女性ライダーを容赦なく轢き殺したりしていた(作中で行われたゲゲルの中でも、この辺りの描写はトラウマもののえげつなさである)。
クウガとのバイクチェイスでも、抜群のバイクテクを駆使してクウガを圧倒した上に、一時的にトライチェイサー2000を強奪してクウガに迫る。しかしゴウラムとの合体による金属疲労によりトライチェイサーは自壊。
ここで改めて「お前を殺すのは、一番最後だ」と言い放ち、殺さずにその場を去った。
その後も順調に警察の白バイ隊員なども含めてゲゲルの犠牲者を稼いでいき、ライジングペガサスでのゴウラムによる空中射撃をも避けきってしまい、ゲリザギバス・ゲゲル成功まであと一人となった。
しかし、ここでクウガと警察の初の共同作戦に遭ってしまう。
警官隊のガス弾で周囲の被害が最小限に抑え込めるポイントに誘導され、再びクウガとのバイクチェイスになる。
ビートチェイサー2000を得たクウガにスピードで圧倒され、先回りしてBTCSから降りたクウガを轢き殺そうと突撃したところに、ライジングマイティキックを受けてバギブソンから蹴り落とされてしまい、ゲブロンに封印のエネルギーが達した事で大爆発して死亡した。
この戦いはクウガと警察が正式に協力し、共同で作戦に当たった初めてのケースであり、以降は両者の間で明確な協力体制が築かれる事となった。
「以前のゲゲルでは―― 馬を駆り リントを狩った……」
「だが! 今は! お前が俺の愛馬だ! バギブソン!」
メ・ガリマ・バが殺戮を嫌い草木や人間を愛する温厚な性格になった影響を受けたのか、原作のガリマが持っていた辻斬り属性も付与されさらに禍々しくなった。バギブソンの車輪に仕込まれた刃が追加されただけでなく自らも大きな刃を振るい殺戮を行う。
ズ・ゴオマ・グがグロンギから離反したガリマに返り討ちにされた後に登場。ラ・バルバ・デにクウガとガリマは殺すことに成功するとそれぞれ27人分としてカウントされるという提案をして了承されゲゲルを開始する。
そして警察がガリマを危険な未確認生命体と見なして捕獲しようとする場面に乱入し、雄介を守ろうとする彼女に“グロンギの誇りを捨てた裏切り者の処刑に来た”ことを告げ警官を殺戮しながらの戦闘を開始。ガリマは雄介を護るために変身し彼女のことを信じていた雄介もクウガに変身して加勢するも力の差は覆せず撤退。
その後45人まで殺戮したところでいったん止めて二人を倒すことでフィニッシュしようと待ち構えていたところで、互いの境遇を語り合って改めて絆を結んだ二人が凶行を止めるべく再戦。水の中もものともせずに二人を追い詰めるも、ガリマが身体を張って造り出した一瞬のスキをついて爆風を利用したライダーキックを受けて敗北。
最期はともに戦場を駆け巡ってきたバギブソンに寄り添いながら爆散消滅した。
「! バギブソン…… そうか…… お前も一緒に 逝くと言うのか…」
「よし 来い……」
本作のグロンギは原典に比べて全体的に人間臭くなっている事が特徴だが、彼もまたバイクの「バギブソン」に対して愛馬として並々なるぬ愛着を抱く等、かなり人間臭いキャラに変わっていた。
余談
自らをライダーと自称し、高いバイクテクニックを持ち、バッタ怪人、赤いマフラー、そしてクウガと初めて対峙した際にはわざわざクウガと同じ変身ポーズ(もとい元となった初代のポーズ)を取って人間態から怪人態へ変身するなど、随所に仮面ライダー1号を髣髴とさせる要素を持つ。
専用バイクの名も1号ライダーの愛車「サイクロン」を連想させる。
ただし、「バギブソン」を直接グロンギ語から翻訳しても「ナイクロン」となる為、単純にサイクロンからもじったのか、グロンギ語での語感の良さを優先したのかは不明。
また、「サイクロン」をグロンギ語に翻訳すると「ガギブソン」となる。
この呼び名がガンギブソンを連想するため一文字変えた、という説もある模様。
また、第33話におけるラ・バルバ・デとの会話では、ザギバスゲゲルに進むと意気込んだ後「ツギパ、ボソギゾガンダ……ダボギジザ」(次は、あんたを殺す……楽しみだ)と発言するシーンがあり、熱心なグロンギ語解読勢は「バルバ=第0号」というミスリードをされる事になった(実際は、バルバの背後の闇の中にいた真の第0号であるン・ダグバ・ゼバへの宣戦布告であり、バルバへの殺害宣言ではない)。
ガメゴのゲゲルの際は、ドルドに進捗具合を尋ねるなど仲が良いようである。
本編に登場しなかったが、ズ・ネズマ・ダとズ・ネズモ・ダという同じネズミ種のグロンギが二体存在する(本編6話と7話の間にゲゲルを行った)。この二体もバヅー、バダーのような血縁関係者だった可能性がある。
バヅーと兼任で声・人間態を演じた小川信行氏は、後に『ウルトラマンマックス』にてコバ・ケンジロウ隊員役を演じているが、こちらでもバイクを駆った事がある。また、ある回ではバダーを思わせる赤いマフラーをつけていた事も。
ちなみに、第27話の予告ではベミウと共闘し、クウガにキックを見舞っているが、作中でベミウと共闘する事はなかった。