鳥嶋和彦(1952年10月19日~)
概要
1980年代には『週刊少年ジャンプ』の名物編集者として知られた。
1990年代には『Vジャンプ』、『週刊少年ジャンプ』の編集長を務めた。
来歴
1952年 | |
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逸話
- 鳥山明の出世作『Dr.スランプ』でメタフィクション系のギャグシーンで度々登場しており、鳥山の原稿に容赦なく「ボツ!」と駄目出しをする様は読者に鮮烈な印象を与えた。これが、編集者という本来裏方の立場が一般の漫画読者に意識されるきっかけとなったともされる。
- 『Dr.スランプ』では当初則巻千兵衛を中心としたストーリーの方針だったが、チョイ役のつもりで出した則巻アラレを気に入った鳥嶋の主張により、アラレを主役にするなどの方向性の転換が図られた。
- 鳥山は恋愛描写が苦手なため、ラブコメにもっていきたがる鳥嶋と意見が合わなかった。
- 鳥山のうっぷんを晴らすかのごとく『Dr.スランプ』作中では憎たらしい奴として度々登場させられ、ついにはオリジナルキャラクター「悪の科学者Dr.マシリト」となった。鳥嶋はマシリトが初登場した際の原稿を見て激怒したが、締め切りの関係でやむなくそのまま通した。しかし実際のところそんなに仲が悪いわけではないらしく、まあこのあたりは仲良くケンカしな的なものなのだろう。
- 鳥嶋は1980年代までのジャンプの三原則であった友情・努力・勝利は読者に飽きられていると感じ、彼が影響力を持つにつれジャンプから撤廃していった。熱血が売りだったジャンプを軟派路線に導いた張本人...もとい功労者として漫画史に名を残すことになる。
- ビデオゲーム好きで、WJに「ジャンプ放送局」や「ファミコン神拳」のコーナーを作り、同誌のメディアミックス路線を確立。同コーナーの仕事を通じてさくまあきらや堀井雄二をゲーム業界に導くきっかけを作った。
- キャラデザに鳥山を起用させるなどドラゴンクエストシリーズの今があるのは鳥嶋の貢献を抜きにして語れない……が、30周年のメッセージでは「最近のは知らんのですが」と述べている。
- ファイナルファンタジーシリーズについても、ファイナルファンタジー3を遊んだ後に坂口博信を呼びつけ、延々とゲームを批評したエピソードが語られている。坂口によるとこの出来事が以後のシリーズの舵取りに繋がったとのこと。そしてこの交流が後にクロノトリガーを生み出す切っ掛けともなる。
- 「ボツ!」は漫画作品だけでは無く、ドラゴンボールのゲーム化を手掛けるバンダイに対してゲーム機の性能の進化と共にグラフィックや動き等が向上している故の開発側のクオリティの甘さを見て、「知らないようだから言っておくけど、これを海賊版って言うのよ」とバンダイ側に開発中止を要求し担当者を青ざめさせた。バンダイ側も「既に億単位かかってるんですよ!」と食い下がったが、鳥嶋は「鳥山先生の年収はご存知ですか?それを軽く超えてるんですよ(ドラゴンボールというコンテンツの規模ともたらす利益はそんなものではないという意)」と一蹴した。この徹底したクオリティ要求は「ちょっとでも原作と違うところがあるとユーザーからクレームが来るのはいつも集英社の方である」「プレイする側の視線に立ってない」というのが理由であった。宮本茂のちゃぶ台返しの逸話に近い。
- ジャンプの編集長時代、尾田栄一郎を評価しておらず、ONE PIECEの主人公・ルフィをふざけた奴と評し連載そのものにも反対の立場を取っていた。会議で「賛否両論の方がウケる」との声が出て連載を決め、ONE PIECEは鳥嶋の思惑とは裏腹に第1話からアンケートで1位を獲得。アニメ化もされジャンプを代表する漫画となった。しかし鳥嶋は今もONE PIECEには関わらないスタンスを取り続けている。
- 近年はアニメの製作委員会方式に異を唱えており、権利が分散していて本来の版元である出版社の発言力が弱くなること、大したコンテンツでなくとも安逸にアニメ化されてしまうことを批判的に見ている。集英社が『ケムリクサ』のパートナーシップに参加したのは氏の影響がある。
- ヒット作の編集者を担当し、ゲーム業界にも多大な影響を与えた彼を持ってしても『ポケットモンスター』がヒットした事は驚きであったと語っている。結果的に集英社ではなく、小学館を中心にポケモンのメディアミックスが展開されていくが、近年ではVジャンプでもポケモンのゲーム情報が掲載されるようにもなった。
彼をモデルにしたキャラクター
Dr.マシリトが人気を得たこともあって、その後に彼が担当した漫画家が彼をモデルにしたキャラクターを作中に登場させており、手塚漫画のスターシステムのような扱いになっている。
- 「キン肉マン」トリシマ
- 「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」マトリフ
- 「とっても!ラッキーマン」トリシマン
- 「幕張」嶋鳥和彦(当時の作家陣では鳥山氏以上にえげつない扱いだった)
- 「桃太郎伝説シリーズ」および「桃太郎電鉄シリーズ」あまのじゃく
- 「桃太郎電鉄シリーズ」キングボンビー(その容赦の無さがモデル)
- 「Vジャンプ」読者コーナー 総統マシリト
- 「Drスランプ アラレちゃん」:Drマシリト