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100日後に死ぬワニの編集履歴

2021-08-18 07:01:02 バージョン

100日後に死ぬワニ

ひゃくにちごにしぬわに

100日後に死ぬワニとは、きくちゆうきによる4コマ漫画。2019年12月12日からTwitter上で連載された。

誰もが行き着く先、それはワニも同じ。誰にも終わり(死)がある。分かっているのに意識しない日々。ワニが生きる”残り100日間”の当たり前の日々を見て、人々はなにを思うか-


概要

イラストレーター・漫画家のきくちゆうきにより2019年12月12日からTwitter上で連載された。

擬人化されたワニの青年、ワニくんの何気ない日常を4コマにした……と言えばそれだけであるが、4コマ目の下に死まであと○○日という非常に不穏な文章が書かれる。


本作品は1日1話のペースで毎日連載され、2020年3月20日に完結した。


内容

擬人化した動物キャラクターたちによる日常生活が描かれる。物語は概ね主人公のワニくんの視点で進み、彼の何気ない日常を覗き見するような形で展開する。


休日に家でゴロゴロしたり、仕事に忙しく追われたり、友人達と集まって遊んだり、恋愛やキャリアに悩んだりと、青年期の慌しい日々がコミカルかつときに淡々と、ときにシュールに綴られる。


作風など

きくちの前作『SUPERどうぶつーズ』同様擬人化した動物キャラクターによる物語であるが、よりライトでポップな画風・演出となっている。


台詞などのテキストはデジタルフォントを使用せず直筆され、キャラクターは太めの描画線でくっきりと描かれている。また、枠線以外はほぼフリーハンドで、カラーはベタ塗り、陰影の表現は軽いストロークで仕上げられ、シンプルかつ親しみやすい絵となっている。


心の中の声やモノローグなどはなく、キャラクターの表情やセリフの間などで感情が描写される。


主な登場キャラクター

作中ではキャラクターの名前は設定されておらず、以下に紹介するのはいずれも読者による愛称である。

男性キャラクターは「○○くん」、女性キャラクターは「○○さん」(○○にはワニ、ネズミなど種族名が入る)と呼ばれている。

後述のグッズ展開ではキャラクター名が「ワニ」、「ネズミ」、「モグラ」と表記されている。


ワニくん

死ぬなよ

「気を付けないと死んじゃうよ‼︎」

主人公。喫茶店でアルバイトしており、穏やかで優しい性格。両親はみかん農家を経営しているが、現在は疎遠で一人暮らしをしている。実はバイト先のセンパイに惚れている。当初は自身の夢をもっていなかったがゲーム好きが高じて、プロゲーマーを目指すことを決める。


ネズミくん

100日後に死なないで欲しいやつ(左のキャラ)

「人はそんな簡単に死なねーよ」

5日目から登場。ワニくんの友人でバイクの整備士として働いており、たまにワニくんをツーリングに連れ出したりしている。苦悩するワニくんを激励するでもなく、突き放すでもなく友人としてじっと見守る。


センパイ

センパイ

「なんだい?」

12日目から登場。ワニくんと同じ種族であるが違いとして体の緑色がやや薄くまつ毛がある。喫茶店の従業員で優しい笑顔が特徴、恐らくワニくんより年上。ワニくんからのアプローチに困惑していたが……?


モグラくん

数ヶ月後に騙されるモグラ

「やりたいこととかないしだったら就職した方がよくね?」

25日目から登場。ワニくんの知り合いで、リサイクルショップのバイトをしていた。かつてのワニくんと同じく特に夢を持っておらず、とりあえず身を固めるため会社員(営業)として就職している。バイト先で出会ったイヌさんと交際中。


イヌさん

100日間生きたワニ(右端のキャラ)

「好きなら行った方がいいんじゃない?」

53日目から登場。リサイクルショップのバイト。明るい性格で、恋愛にも積極的である。バイト先で出会ったモグラくんと交際しており、恋の先輩としてワニくんを励ます。


作品に対する反応

シンプルで手描きの柔らかさを活かしたほのぼのとした絵柄から、100日後に主人公の死亡が確定しており、「死へのカウントダウン」が行われるというガロ系を彷彿とさせる設定が話題となり、連載開始直後からTwitter上でブームとなった。


ねとらぼなど大手のネットメディアに取り上げられたほか、完結が近づいたタイミングでテレビのニュース番組などで取り上げられるなど、Twitter以外でも大きく注目されたほか、有吉弘行はじめしゃちょー加藤一二三など主にTwitterを利用している著名人からも支持を集め、一時は社会現象とも呼べる勢いともなった。


書籍化への反応

ワニくんの「死の前日」となる2020年3月19日、書籍化が小学館より発表された。0日目や100日目以降の物語など、28ページ分の描き下ろしが収録されることも明かされた。

書籍化について、読者からは発表のタイミングの悪さを指摘する意見が出た一方、「無償で公開してくれているので、書籍化で稼ぐのは作者にとって当然の権利」という意見もあり、賛否両論であった。 

そして翌20日、「ワニくん死なないで」「ワニくんがどんな死を迎えるのか見届けたい」「ワニくん早く死ね」という声が溢れる中、「100日目」が投稿され、完結した。


…ここまでなら、多少の批判を含めたTwitter発のほのぼの漫画であった。


炎上騒動

上記のように一時は社会現象とまで言えるほどに大きな反響を持った漫画であったが、最終回を迎えた瞬間から、一転して巨大な炎上騒動となり、急激にネットユーザーを中心に大きく叩かれるようになった。

ただ、前述したようにメディアへの露出が露骨に増えたことや完結前の書籍化発表など最終回以前から炎上の予兆はあった。


ワニくんの死から動き出した商業展開と吹き出した疑惑

最終回のツイートがなされた直後からタイアップ音楽映画化グッズ販売など各社による商業展開が発表された。


」をテーマとした作品であったこともあり、あまりに唐突な情報発表に「作品完結の余韻を壊された」と感じた一部の読者から批判が起き、炎上状態となってしまう。

一部では「保険金殺人」「葬式会場での物販」などとも揶揄された。


さらに一部Twitterユーザーらが各種情報を掘った結果、完結後に立ち上げられたワニくんの情報を発信するTwitterアカウントの運営会社である「株式会社ベイシカ」の取引先に日本最大の広告代理店である電通がいることや、タイアップ音楽のMV作成に電通の関係者が関わっていることが発覚する。ここから「きくちが個人で始めたものではなく、最初から収益化を目的とした企業ぐるみの企画だったのでは」という疑惑も浮上し、炎上が拡大することとなった。

Twitter上では奇しくも本作の連載開始直前の2019年11月に『アナと雪の女王2』に関して漫画家らの感想ツイートを利用したステマ騒動があり、電通やその関連会社が騒動に関わっていたことも疑惑を深める原因となっている。


炎上の焦点

炎上の原因について、連載終了後のTwitterなどに投稿された読者の意見をまとめたものを紹介する。

憶測に基づいた根拠の無い情報も中には含まれるが、本項自体はそれらの情報の正確性を保証するものではない。

また、この炎上においては基本的に作品の内容自体は批判されていないことをここに明言しておく。


  • 完結後にいきなり商業化の発表をするのはタイミングが悪い。作品完結の余韻が失われる。
    • また100日間の最後に怒涛の商品展開を行ったことにより、まるで作り手がワニくんの死を望んでいたかのような印象を受けた。
    • また素人目に見ても「発表についてもう少しやりようがあったのでは?」という気持ちが芽生え、より商業化に対する不快感が極まった。

  • 「死」を扱った作品を商売に利用するのはどうなのか。
    • またその内容も「追悼POP up SHOP」と銘打たれたグッズ販売など、まるでゆるキャラのような明るく楽しげなもので、「100日後に死ぬ」という枕言葉がなくても成立するものであり、作品の雰囲気にそぐわないと感じた。特にショップのシンボルとして描かれた天使姿のワニくんのイラストはこの作品の空気感にそぐわないものであった。
    • その上グッズ類は、既製品に連載されていたコマの一つを無作為に選んで貼り付けた物が大半を占めており、グッズデザインを手掛けてきた作者とは思えない手抜き感、低質さが目立つ。しかもキャラ物なので本来の既製品よりも割高であるため、「金儲けをしたい下心」「自身の作品やキャラに対する無関心」「ファンや客への侮蔑」が感じられた。
    • そもそも、このように大量のグッズを出されるとありがたみが無くなるので逆に買う気が失せる。商業化以前は小規模な展開しかしてこなかったのだから尚更である。

  • 「死」をモチーフとしたキャラのグッズなんて縁起が悪い。また日常を過ごしていたのにある日突然死を迎えたというバックボーンがあるため、ワニくんを見るたびにいたたまれない気持ちになるので、グッズ等を身近に置くことに抵抗を感じる。
    • またワニくんやその仲間達の日常を切り貼りして商業化する行為に、ワニくんの一生が食い物にされたかのようなえもしれぬ不快感を感じた。

  • この作品がウケたのは「死が確定しているキャラクターの日常をほのぼのと描き、それをSNSでリアルタイムに更新する」というコンセプトの部分であるため、キャラクターだけを推しても効果が薄いのではないか。
    • さらに作品自体以上に、ツイッターでの考察や展開予想などファンサイドの盛り上がりが知名度向上に大きく寄与したのに、マネタイズにおいては無視されキャラクターを全面に押し出した展開がなされたため、熱心なファンほど作品への情熱を横取りされたように感じた。
    • また、『100日後に死ぬワニ』は上記の通り「死が確定しているキャラクターの日常をほのぼのと描き、それをSNSでリアルタイムに更新する」と言う作風上、サスペンスブラックユーモアに近いジャンルのはずなのに、商業化においてはまるで感動を誘う様な作品として扱われていることに不自然さを感じる。

  • そもそも主人公が死んで物語が完結し、ワニくんたちのパーソナリティも特にないので話の広げようがない。キャラクターそのものも「現実に存在する動物の擬人化(しかも元となる動物の特徴が希薄)」という誰でも書けるような者で訴求力など生まれようがない。商業展開そのものが悪手だったのでは?
    • おまけに(作品の重要な要素である)死」の要素を排除した「100ワニ」という愛称をつけることは作品のテーマとそれに賛同した読者を侮辱する行為ではないのか?
    • また作り手は「読者がワニくんを失った悲しみにくれない様に各種グッズ展開を行った」と発言しているが、その行為は「今ある生は死によって永遠に失われるため、今日を生きよう」という作品のテーマと真逆では無いのだろうか。

    • 上記のように商業化において絶対的な欠陥をいくつも抱え、失敗は妥当と言っても過言ではないのに、商業展開の失敗において公式側はまるで自分達が被害者のように振る舞うかの行為に無責任さと卑劣さが垣間見える。

  • 個人で始めた企画だったと思っていたのに、その裏に企業がいたと思うと騙されたような感じがする。
    • また、無料で配布されていた素材だと思っていたのに明確な著作物だと明言されると、これまでの2次創作など当作を元とした公布に突然権利侵害のリスクが発生することになり、非常にやりづらくなる。
    • また、「Twitterというインスタント的な土壌で100日間リアルタイムで更新することにより読者とキャラの視点を共有する」という創作において革新的なシステムをこのような形で台無しにされたことにやるせない気持ちを抑えきれない。

  • 流行り方が不自然。大手広告代理店が手掛けたことから、工作用アカウントを使ってRT・いいねの数の水増しや、各種リプライ、感想ツイートを偽造したり、メディアへの取材や著名人へのコメントを依頼したりと言ったステマが行われたのではないか。

商業化という理由だけで炎上したと思われがちだが、実際は商業化すること自体が批判対象になることは少ない。事実、100日目直前に発表された書籍化自体への批判は殆ど無かった。問題となったのはマーケティングの手法やタイミングそのものとする意見が大半であり、商業化やその展開は先述の通り「無料で公開していた作品を、作者本人が書籍化・商業展開して利益を得ることは当然の権利である」という意見が多い。以前より、個人サイト等の無料公開から幅広い商業展開へ漕ぎ着けたコンテンツには、ワンパンマンWORKING!!中国嫁日記など多数が存在している。WEB漫画の項目も参照。


しかし、炎上直後の擁護意見の大半は「商業化を発表するタイミングは連載終了直後しかなかった」「作者が自分の作品で儲けてはいけないのか」「企業ぐるみだったとして何が悪い」などに代表される言い訳や開き直りとも取れる的外れなものであったために余計に炎上を加速させ、熱心なファンの心を離れさせることになる。


関係者による証言とデマの否定

3月21日に、きくちとタイアップ音楽を手掛けたいきものがかり水野良樹がTwitter上で生放送を行った。

その中で水野は本作への電通の関与を否定し、

  • 「MVに電通の一部社員が携わりはしたが、電通は関わっていない」
  • 「現場が盛り上がって早く仕事をし過ぎ、曲が早くできたため、逆に疑われた」
  • 「弱小ベンチャー(株式会社ベイシカのこと)だけで運営したから炎上した」

と発言している。


またきくちは22日にTwitterで作品完結の感想をツイートし、その中で「自分の経験したことや、後悔、伝えた方がいいと思うことを漫画として表現しました。1人で始めたことです。そこにいろんな人が声を掛けてくれて、熱意を感じて受け入れました。正直、まだ完結もさせてないのに、そんなこと言ってこの人たち大丈夫??と思いました。」と述べている。


また悪質なフェイクニュースを流すことによりインフルエンサーアフィリエイトを狙った者、作品を全く見ていないのに面白半分で炎上に加担した者、まるで電通の関与やステマが確定事項であるかのような発言を行う者、関係者の発言を藁人形論法でバッシングする者、証拠を捏造する者もいたことにより、作者や関係者からは電通の関与(ステルスマーケティングを含む)を完全に否定されている。

しかし、ベイシカの取引先に電通グループ傘下の電通東日本がある点は事実であり、本作以前は決してメジャーな作家であったとは言えないきくちと、会社としては新しく規模の小さい(水野曰く「弱小ベンチャー」である)ベイシカがやったにしては、メディア展開の規模が大きすぎるため電通の関与という疑惑が完全に払拭されたわけではない。

公式的に電通が関わっていないというアナウンスがなされ、騒動から半年以上が経った現在でも当作のメディア展開には電通が噛んでいるのではないかと見ている人間は少なくない。


これ以降、公式自ら炎上の話題に触れる際はこれらの状況を根拠にして電通案件ではないと主張することが多い。ただし上記の理由はあくまで一意見(その上あまりにも正当性に乏しい)にもかかわらず、公式は反論の主眼を「陰謀論の否定」や「嫌儲精神への批判」に何故か限定している。この理由は、炎上意見の大多数である「商業展開のタイミングの悪さ」「死を軽率に商売にする姿勢」「商品そのものの低クオリティ」に関しては言い訳の目処が立たないばかりか「非が自分達にある」という結論で話が終わってしまう。しかし自身達が被害者面をすれば商売の失敗に関与する全責任を有耶無耶にできるばかりか、「世間の無理解」という風潮に擦り寄ることで無理矢理話題を作り、コンテンツを引き延ばせるためだと思われる。

(その上、仮にもマネジメントを請け負ったベイシカが商業化において関連企業へのアプローチを行わなかったとは考えづらいのに、これらについて一切触れないと言うことは「死を扱ったキャラをビジネスに使ったとしれたら心情が悪くなるので、向こうから話が来たことにしよう」と責任転嫁していることに他ならず、自身の商業に対する姿勢に正当性が無いことを完全に自覚しているため公式側の主張には何の大義も生まれえないのである。

仮にオファーが来たという話が本当だとしても、その場合は依頼を選定せず軽率に許可を出し、結果全ての企画を潰したというベイシカの企業能力そのものに疑問符を抱かざるをえないという問題が生まれるのだが。)


また仮に疑惑がデマであったとしても、ベイシカが当作の連載中にマネジメントを持ちかけたことや編集者を用意し作品に関与させていたこと、作者が知り得ないはずはないその情報を連載終了まで隠匿し続けていたことは紛れもない事実である。連載中の『100日後に死ぬワニ』はすでに広告としての側面を有していたことは否定しがたく、これらを読者に公表しなかったことはステルスマーケティングと言っても過言ではない。


疑惑に対する反証

  • 無名の素人に商業企画が舞い込むなんておかしい!

↪︎きくちは当作以前にも創作活動を行っており、全くの素人というわけでもない。きくち氏は『100日後に死ぬワニ』以前から『SUPERどうぶつーズ』のWeb連載及び出版デザインフェスタvol.50への出展を行っており、商業に対するそれなりのノウハウはあったものと思われる。また、当作のグッズ化に関わった企業には以前からきくちと関わっていた企業もある(例えば、“100日後に死ぬワニ ラバーマスコット”を製作したQualiaなど。このリンク先の動画を参照。)


  • わずか数日で企業がつくなんて、会議をする時間もないのに明らかにおかしい!

↪︎その時点ではあくまでも話を持ちかけられただけで、商業化は決定していない。営業担当が話を取ってきて、そこから会議が行われたと考えた方が合理的である(会議を行なってから作者の許可を取る方式だと、他企業に出し抜かれる恐れがあるなど現実的ではない)。

また、きくちは後に『14日目に「僕らが窓口を請け負いますって人も来てくれた。『これから大変になりますよ』って。でも疑ったんですよ。ただ確かにいろんな話が来て1人で対応してて、(大変なので)思い切って任せようと思って』発言しており、 このプロジェクトを仕切った株式会社ベイシカ(創立2年の小さなベンチャー)の「スタッフがワニに注目し始めたのは連載開始12~3話目のタイミングで、打ち合わせできくちさんに初めて会ったのは昨年の12月29日、グッズの企画を始動したのは今年の1月7日」という言い分とほぼ一致する。


  • 連載中に一年近くかかる商標登録がされていたから出願したのは連載前!

↪︎出願しただけで申請中であり、この時点で登録はされていない。連載終了後に発売されたLINEスタンプは株式会社ベイシカ名義となっているのを根拠に「個人名義ではなく会社名義なのは、きくちは企業の依頼で『100ワニ』を執筆したため本作に対する権利を持っていないから。これは企業ぐるみであることの動かぬ証拠」と主張する者もいるが、実際にはきくち氏と株式会社ベイシカとの共同出願となっており、関連する商品がベイシカ名義であることに不思議はない。


  • 作者が電通研究所の最寄駅に行ったから連載前から電通が噛んでいる!

↪︎2019年12月4日に「打ち合わせに訪れた」とツイートをした箱根ヶ崎駅の近隣に「電通研究所」は確かに存在するが、広告代理店の「電通」と電子部品製造にかかわる「電通研究所」は無関係の企業であり、明確にデマであると証明されている。参考

なお、打ち合わせに関しては後日きくち氏がジョイフル本田 瑞穂店でのライブペイントの打ち合わせであったことを明かしている。


  • ランサーズに自作自演で記事を依頼した!

↪︎クラウドソーシング会社であるランサーズに当作の感想などを募集する求人広告が掲載されていたが、無関係の第三者(詳細は不明だが、他の依頼記事をふまえるとアフィブロガーの様である)であることが判明した。


  • ツイッターに同じ定形分が何度も投稿されている、ツイートを水増しし人気があるように見せかけた!

↪︎そのすべてが「ノマドライフの秘密LINEで教えます」という文言に同じLINEのリンクを載せているアカウントなので、情報商材系のスパム業者が話題に乗っかってワニのことをつぶやいただけの模様(ちなみに、このツイートは現在削除されている)。またこのツイート群が投稿されたのは95日目という終盤であり、その時点で今更人気を演出する必要があるのかという疑問もある。


  • PVにメジャーバンドであるいきものがかりを用意出来るのはスケジュール的にありえない。PVに電通関係者が関わっているため、いきものがかりをPRするための仕込みだったのだ!

↪︎いきものがかりは12月25日の時点でSNSなどを通じて現在の所属事務所から独立することを発表しており、3月末に完成したPVなどが企業や所属事務所からの案件とは考えにくい。いきものががりは2020年4月2日から新会社を立ち上げる予定であるため、『100ワニ』ブームに便乗する形で当作に関わった可能性が高い。ちなみにPVであるが、いきものがかり水野が電通大石タケシ(電通のCMプランナー)に相談し、大石が人集めをしてPV製作。そのPVスタッフの中には電通パブリックリレーションズの根本など電通系の人も確かに在籍しているが、博報堂出身の小杉がアートディレクターでいるなど、業界から広く人集めをしている。そのため電通は人集めとコーディネートくらいしか関わっていない可能性がある。


  • いきものががりの担当したPV『生きる』がアップされてるyoutubeの高評価と再生数が合ってない、工作だ!

↪︎トランザクションデータ(企業の情報システムなどが扱うデータの種類の一つで、業務に伴って発生した出来事の詳細を記録したデータのこと。この場合は動画の再生数)をリアルタイムで集計する行為は予想以上にデータベースへの負荷が大きく、このような数値は準リアルタイムで反映される。そのため遅延は十二分に起こりうる。


  • 完結の翌日である21日から新宿LOFTで開催された「追悼POP up SHOP」には多数の関連グッズが並んでいた。連載開始からの100日間で企画を通したり販路を整えたりする準備ができるわけがない!

↪︎商業企画において重要なのは販路の確保や大衆及びスポンサーへの認知であり、これに伴い一から企画を煮詰めるのならば長期化するであろうが、すでに公表されている作品をベースとするなら知名度の問題はクリアされる。販路の確保については詳細は不明ながら当作が映画化を視野に入れていた以上、製作委員会が組織されておりそこに参入した企業が当作を優先的に卸していた可能性もある。(実際、100ワニのグッズ展開などで良くも悪くも話題になっていた店舗はしまむらロフトドン・キホーテなど偏っている)。


  • 2020年は1月末から新型コロナウイルスが流行した影響で生産、物流ラインの確保が物理的に困難であった(特に中国のラインは絶望的であった)ため、そのような状況下でグッズ生産を間に合わせるのは2019年中、それも比較的早い時期に発注をかけていないと無理だ!

↪︎中国の日系企業の業務停止は2月の頭で43%。その43%も2月中頃から徐々に事業再開するところが出てきたという。それにプリントで済む系グッズは中国製製品をどこの国でプリントしようがそれはmade in chinaとなるだろう。事実、同人系グッズは既製品にプリントをしたものが多くストアに並べられた商品を見てもプリント類が大半を占めており、そう考えた方が自然である。

ぬいぐるみについては不明だが、ポップアップストアの案内では数量限定となっておりそこまで在庫を作っていなかったのかもしれない。

また、グッズ類には日本製のものも存在する。


また、itmediaは以下の記事を作成している。

『20日の関連書き込み約115万件のうち、「疑惑系反響」はわずか約3000件。ステマ疑惑がピークに達した翌21日ですら、全約44万件のうち疑惑系は9分の1程度にとどまった。Twitterユーザーの大半は、炎上という“祭り”に参加するより、「普通の感想を述べ合っていた」と言えそうだ。書き込み内容を細かく分析した武田氏も「ステマの話題を受けて『ファンだったのに裏切られた』と本気で語っているユーザーはあまり多くない印象。もともとアンチだったり、電通などに嫌悪感を持っている人、“ネットリンチ”(八つ当たり)したいような層が、炎上したことで一気に飛びついたのでは」とみる。一方で「データ上の2%という割合はそうでもない量。ただ、こうした情報量自体は炎上したかどうかの物差しにはならないと(個人的には)考える。一般の人が(Twitterの)画面から接触する情報がネガティブだと、新規の読者もネガティブな心理に寄っていきがちだ」とも指摘する。』(記事本文のリンク)


炎上後の経緯

その商品展開の手法から炎上してしまった本作だが、(ネットコンテンツは忘れ去られるのが早いと言われることを考慮したとしても)凄まじい速度で人気は急落していった。


炎上自体も当初は長引くものと見られたが、完結した後から日本国内での新型コロナウイルスの流行が急速に深刻化。志村けんの急逝や緊急事態宣言の発令と言った急転直下の動きもあり、話題をとって変わられる形で自然鎮火し、話題にあげられることすらなくなってしまった


一連の騒動できくちは「死んだ友人を金儲けに利用したのでは」と言われたり、過去の暴言ツイートを掘られたり、(ワニくんのイラストを描いてと発言したユーザーに)「ワニの話はもう終わったよ」とツイートするなどした結果、かなりのマイナスイメージがついてしまった。それに加えて連載が終了したことによって大規模なフォロワー離れが起きており、作品が完結した3月20日時点できくちには約250万のフォロワーがいたが、4月に入って200万を割り込み、一年後の4月頃には116万程度に落ち込んでしまっている。


公式Twitterなどではコンテンツを盛り上げようと、定期的にコンテンツの告知や宣伝など話題を提供したものの、そのほとんどが話題になることはなかった。

また、時折話題になっても、どちらかといえばネガティブな話題が目立つため、一部のインターネットユーザーからは「もうワニくんを静かに眠らせてあげて」「ことある毎に墓を掘り返されるワニ」「ワニくんの死体で遊ぶな」「100日後に死体蹴りされるワニ」と痛烈に皮肉られた。


また、SNSでやり取りされた予想や考察が知名度向上に大きく寄与した本作だが、100日後の話題は炎上一色になってしまい、その中には作品を追いかけていただけのファンをまるで犯罪の片棒を担いだかの如く罵り嘲る者や、世間で流行している『100日後に死ぬワニ』とは無関係のコンテンツをもステマとレッテル貼りし、バッシングするような者まで居た

また擁護する者達の中にも、(公式側のマーケティング失敗を棚上げし)商業化に難色を示すファンをまるで守銭奴薄情者の如き扱いをする者や、『100日後に死ぬワニ』とは無関係のコンテンツを引き合いに出して炎上の矛先を逸らそうとする者も出始め、わずかに残ったファン達は発言権を失っていった。

さらに(当然の権利行使だが)『虐待されるワニ』への出版社によるDMCA削除申請きくち氏が誹謗中傷に対しての法的措置を示唆するかのようなツイートが行われた。


炎上の渦中にいたSNSユーザーの暴走やそれに対する公式側の過剰な制裁は、今後SNSはおろかあらゆるメディアにおいて『100日後に死ぬワニ』へ言及すること自体に多大なリスクが生じうることを意味する行為であった。これにより『100日後に死ぬワニ』のブームは完全に止めをさされ、ファンサイドからコンテンツが発展する可能性や後世に作品が語り継がれることによって『100日後に死ぬワニ』が改めて評価される機会は永劫に失われた。


グッズ販売

完結の翌日から新宿ロフトで行われた「追悼POP up SHOP」は初日こそ盛況だったがメルカリなどのフリマアプリ、ネットオークションサイトには買い手がつかない転売品が並び、2日目は初日から一転して人が集まらない閑散とした様子であったという報告がなされている。

だが、『平日昼間、そして連日の新型コロナウイルス騒動にもかかわらず、狭い物販スペースは約40人の客で込み合い、売り切れるグッズも出始めていた。』(参考)という証言があったり、『コロナウイルスの影響が出始めた難しい時期であったにもかかわらず、スタートの1週間で売上は2200万円。100話目を迎えたタイミングでグッズを求める人が多くいた、ということが数字にあらわれています。』(参考)とベイシカの担当が語っている。

その一方でネット上では売れ残ったグッズが在庫処分のような扱われ方をしているという報告もあり、本当に売れたかどうかは不明である。

参考1参考2


また7月24日からは東京駅一番街で物販を行なっているのだが、こちらもガラガラであるという報告がTwitter上では多数上がっている。参考

余談にはなるが、この企画の前後に星のカービィ(プププトレイン)とハイキュー!!(ハイキューショップ)が開催されており、こちらは年数の差もあるがコロナウイルスの影響など関係の無いような盛況ぶりであった。


『100日後に死ぬワニ』ランキング投票

3月21日からアニメグッズや土産品の販売を主に行う株式会社Comsが、『100日後に死ぬワニ』の人気投票を行った。しかしこの人気投票は、

  • 期間があまりにも長すぎる(来年の2021年3月20日まで)。ここまで長期間にわたって行われた人気投票は前例がない。投票結果一覧も同票なのに上位下位に分けられるなどやる気のないものである。
  • ランキングに名称の記載がなく、パッと見で誰が何位だか分かりにくい。ワニくんに至っては複数の投票先があるなど何を基準に候補を選定したか全く不明である。
  • 同会社のミルククランチを買わないと投票ができない(投票券のQRコードが同商品内に内封されているため)。ちなみにこのミルククランチ、税抜400円なのに内容量は小型のものが2個のみ、ステッカーが一つとあまりにも貧相な代物である。ただし、このクランチの仕様はグラブルのチョコレートクランチと内容物・特典が同一である。
  • 明らかに悪ノリや受け狙いの投票先が存在する。あれこれを狙ったと思われるが、仮に投票したとしても第一位に対してすら特にサプライズはないので、わざわざ投票する旨みを感じさせない。
  • それでいてミルククランチを買わないと投票自体が行えないため、こうしたネット投票でありがちな工作ができないので、そうした悪ノリ的な盛り上がりが起こる余地すらない。

というあんまりなものであった。それを念頭に置いての商法であったと推察されるが、あまりにも阿漕な代物であることや『100日後に死ぬワニ』のイメージに全くそぐわないことから、この人気投票を白眼視するものも多い。


「Selected by ワニ:好きな曲」

3月23日よりAWAに生前ワニくんが聞いていたという名目で下記20曲がまとめられたプレイリストが公開された。

  • 笑顔 / いきものがかり
  • さよならプリズナー / yonige
  • だから僕は音楽を辞めた / ヨルシカ
  • Happiness / 嵐
  • 恋 / 星野源
  • ひまわりの約束 / 秦基博
  • マリーゴールド / あいみょん
  • 恋のメガラバ / コロナナモレモモ
  • アンパンマンのマーチ / ドリーミング
  • 結晶星 / KANA-BOON
  • ナンダカンダ / 藤井隆
  • Believe / Folder 5
  • 遠く遠く / 槇原敬之
  • 道 / GReeeeN
  • 大切なもの / ロードオブメジャー
  • 夢番地 / RADWIMPS
  • こいのうた / GO!GO!7188
  • 365日の紙飛行機 / AKB48
  • 卒業の歌 友達の歌 / 19
  • あ~よかった(setagaya-mix) / 花*花
  • Believe in yourself / 阿部真央
  • 生きる / いきものがかり

ファン達はこのプレイリストに対し、

  • 何を基準として選ばれたのか全く不明だ。
  • いきものがかりKANA-BOONAKB48など露骨にタイアップや製作側の趣味が感じられる曲が入っている。
  • 現実世界の曲やバンドを出されたら当作の世界観を損ねる。
  • ワニくんはプロのゲーマーを志していたはずなのになぜゲームに関する曲が一つもないのか。
  • そもそも作中において、ワニくんが音楽を聴く描写が一切存在しないのにどうしてこんなものを作ったのか。

と多くの批判を浴びせている。


コラボカフェ

4月1日から池袋でコラボカフェが期間限定で開店したが、予約開始時から予約が入った形跡がほとんどなく、開始後に書かれた2つのレポート記事には共に「客は私一人だった」と書かれてしまうほどであった。参考1 参考2

さらには新型コロナウイルスの流行の深刻化によって4月4日から臨時休業、延期することになったが、 実質的に予約者がゼロ(取材に来た記者など、純粋な客とは言えない者ばかり)であった為に大赤字での閉店を疑う声も存在している。本来ならば4月24日から大阪でもカフェが開店する予定であったが、こちらも延期となっている。


延期から半年以上が経っても再開のアナウンスがない上、10月現在このコラボカフェでは『邪神ちゃんドロップキック'× プリンセスカフェ』が開催されており、コラボカフェは事実上打ち切りになったものと思われる。


書籍版

書籍版は発売日と新型コロナウイルス流行による国の緊急事態宣言の発令が被るという不運こそあったものの、予定通り4月8日に無事発売された。


しかし書籍版の売りであり帯にも明記されている「書き下ろし漫画28P」について、その中で書き下ろし「漫画」はわずか6Pで、残りはイラストや小さな挿絵、かつ書き下ろしページを全て合わせても28ページに満たない可能性があるというものであったため、「優良誤認ではないか」と問題視され、現役の弁護士も「優良誤認にあたる可能性が高い」との見解を示している(具体的なページ数を提示し、それが「書き下ろし漫画である」と思わせるような表記をしているため。「書き下ろし28P」か「書き下ろし漫画6P」なら問題は無かったと言われている)。


また当の書き下ろし漫画についても、生前ワニくんと中の良かった者たちがまるでワニくんなぞ最初からいなかったかのように日常を謳歌するという代物であり、ワニくんの死がまるで茶番であったかのような印象を読者に与えた。


また書籍版発売と同時期に、あるTwitterユーザーが本編の画像をコラージュして作成していたパロディ作品である『虐待されるワニ』に対して小学館がDMCA申請を行なっている


5月22日ゲッサン公式Twitterが「書籍版が累計35万部に到達した」したとツイートしている。

ただしなんの数字かは明かされてない上、ネット上を見る限りでは増刷がかかった形跡が無い点は考慮すべきだろう。

また、日本出版販売が運営するWEBメディア「ほんのひきだし」では「2020年春(4〜6月)に一番売れたコミックス第1巻」として、本作の書籍版を紹介している。このランキングは期間内に「第1巻」が発売された漫画に限り集計されており、なおかつ「既存作品のスピンオフやコミカライズ」・本作のような「一巻完結」の作品も同じようにカウントされているため注意が必要である。


ちなみに書き下ろしページについてであるが、とある個人サイトに全てのページが無許可で貼られており、現在もなお削除される様子がない。


絵本版

6月19日には絵本版として「絵本版100にちごにしぬワニ 1にちめから30にちめまでの13にちかん」が発売された。これは1〜100日目までを三冊に分冊する形で刊行された。

しかし、その販売手法は

  • 全32ページながら、1200円+税という書籍版より高い強気な値段設定(書籍版は1000円+税)
  • 3冊分冊で初刊には30日目までしか収録されていないのだが、30日のうち13日分しか内容がない
  • 絵はすべて連載分からの使い回し。しかも4コマ中1コマしか使われていない

と手抜きと言われても仕方ないほどの出来で、炎上収束後としては一番大きな批判を受けている。

その上、残り2冊については2021年5月18日にようやく発売されたが、コマの中の吹き出しを消さないという手抜きぶりであった。


余談になるがきくちのフォロワー数が急落したせいで絵本の帯が複数回下方修正されていることが確認され、一部で話題になった。


100日後に死ぬワニを改めて語り尽くす60分

8月2日にTwitter上で「100日後に死ぬワニを改めて語り尽くす60分」という配信が行われた。

配信には人気タレントやテレビなどで活躍する「文化人」的人物が多数参加しており、彼らのファンからも大いに注目されていた。


開始当初は約3万人が閲覧していたのだが、本来期待されていた作品そのものの話題はそこそこに切り上げ、途中からはステマの否定(内容は前述のものとほぼ同じ)と批判者への反論をし、最後はいきものがかりのライブで締めるという内容であった。

目新しい情報がなかったこともあって、閲覧者は配信中に開始当初の1/10となる約3000人まで減ってしまった。


こんな時だからこそ「100ワニ」といっしょにKEEP SMILE!

こんな時だからこそ「100ワニ」といっしょにKEEP SMILE!」というクラウドファンディング企画が行われたが、目標金額20万円に対し集めた金額は15万6000円と目標達成にはならかった。

ただし、このプロジェクトは目標金額に達していなくても支援者に返礼品を送るAll in型となっておりお金を集めて何をしたいかも不明瞭であったため、「クラウドファンディングの皮を被ったグッズ販売なのでは」とも言われている。

だが、このプロジェクトの反響の低さは炎上騒動に足を引っ張られたことを表していると言っても良いだろう。


『100日後に死ぬワニ』 ドン・キホーテ限定アパレルコラボ

『100ワニ』ブームも冷え切った10月23日、唐突にドン・キホーテ限定のアパレルコラボが発表されたが、内容は冬物のパーカーが3種類とお粗末な代物であった。

ドン・キホーテは商品を卸す際、処分品を捨て値で買い叩くことがあるため「不良在庫を押し付けられたのではないか」と揶揄する声もある。


中国進出?

11月17日、Twitterの片隅にてなんと上海にてコラボカフェ及びグッズ販売が行われることが告知された

告知ポスターを見る限り、グッズは日本国内で販売されたものそのままだと思われるため、「国内で売り損ねたグッズをどうにか捌こうとしているのではないか」と卑下する声もある。

また、書籍版は中国語版が発売されており、上海国際児童書フェアにも出展されている本国でさえ話題にならないあたり、新規客層の確保及びそこからのコンテンツの発展は期待できないであろう。

何らかの勢力が中国で当作を広めたいのだろうか…あるいは国内での販促が不可能になり、グッズの在庫が不良債権に化けた為どんな手段に訴えても元手を取ろうとしているのだろうか…?

中国語版は一応重版がかかる程度には売れているようであるが


『100日後に死ぬワニ』紀伊國屋書店特設コーナー

21年1月31日まで「紀伊國屋書店 西武渋谷店」に『100日後に死ぬワニ』の特設コーナーが設置されたが、「グッズを手に取る人はいなかった」との書き込みがある。「紀伊國屋書店 国分寺店」などでも特設コーナーが21年2月21日17時まで展開されたが、こちらもグッズの購入報告は上がっていない。


映画「100日間生きたワニ」

2021年2月17日、一時は頓挫したのかとも思われていた劇場版の情報がついに解禁された。

劇場版の公開に至った経緯については映画の制作資金に文化芸術復興費補助金を使用したため、焦げ付いた場合詐欺に問われるためと思われる。


しかし劇場版タイトルは『100日間生きたワニ』に変更されてしまった。

2021年5月28日公開の予定。監督、脚本にはカメラを止めるな!上田慎一郎とその妻であるふくだみゆき、キャストには神木隆之介中村倫也木村昴新木優子ら、スタッフにも湖川友謙亀田誠治らが名を連ねるという錚々たる面子を揃えており、主題歌は引き続きいきものがかりが担当する。


監督を務めることになった経緯について、上田は自身のTwitterで「僕個人が企画書を作って「これを映画化したいです!」と提案したのが映画化の出発です。タイトルの変更も自分から提案しました。」と語っている。


これを聞き、「友人の死を受けて描いた作品なのに、タイトルの変更を受け入れるのは愛着がないのではないか?」「タイトルのインパクトが最大の売りなのに、この期に及んでかなぐり捨てるのか?」「突然やってくる死について考えさせる、という建前さえ放棄するのか?」ときくちのスタンスを猜疑する声が上がっている。


これに関して公式は「コロナ渦で“死”が日常化したため、配慮する形となった」と言及しているが前述の炎上騒動を踏まえて「サジェストが汚染されたから、タイトルを変えて炎上をなかったことにしようとしているのでは」と邪推するものもいる。

フジテレビのTV番組「ワイドナショー」内でこの話題が取り上げられた時もサッカー元日本代表MFの前園真聖「なんか内容が入ってこない」ダウンタウン松本人志「絶対に変えなくていい。インパクトがめちゃくちゃ弱まる」と指摘。MCの東野幸治「こういうタイトルの変え方はどうなのかなと思います」と苦言を呈している。

また発表当日に公式アカウントで企画された『100ワニ100日企画』も大して盛り上がりを見せることはなかったが、82日目の5月10日、急に映画公開の延期が発表された。これまで『100日後に死ぬワニ』の企画において延期したものが再開した事例はないため不安の声が広がったが、その後7月9日に無事公開された。


……のだが、8月5日を以て多くの映画館で上映終了となった事を監督である上田のTwitterで報告された。


連載終了1周年記念配信

2021年3月20日、連載終了から1年が経ったこの日、映画出演者である神木隆之介、中村倫也、木村昴の3名と上田慎一郎、ふくだみゆき両監督を呼びLineLiveにて「連載終了1周年記念「100日間生きたワニ」生配信特番」と銘打ち、生配信を行う予定だったのだが、同日に発生した宮城県地震の影響を鑑みるという理由で急遽中止になった

そのため、配信は中止になったという告知が書かれた一枚絵が映されるだけだったのだが、なんと配信開始直後から閲覧者が集まりだし、コメント、投げ銭までが行われた

最終的にはなんと文字通り中身のない配信に約35000人の閲覧者が集まるというおかしな事態になった。

元々この配信はTwitter上ではほとんど話題になっていなかったこともあり、サクラ用のスクリプトを仕込んでいたが、中止の情報が伝達されず、スクリプトだけが予定通り実行されたのではと見られている。

のちに当日録画されたものが期間限定で配信されたが、(当配信内で地震の余震と津波注意報が出てたのを懸念して生放送を中止した旨を伝えている)ワニの話をする視聴者コメントはほぼ無く(「映画館で〇〇さんの声が聴けるなんて!」というような出演する役者さんへの声援が殆ど)ワニの映画の話は10分もなかった(役者さんに100日間何を続けたい?みたいな質問を答えさせるコーナーが大半)という映画に対する期待が持てない代物であった。


そして…

と、本作の商業展開は尽く失敗しており人気回復には至っておらず、むしろ何かをする度にイメージが悪化するという最悪の状態になっている。

リリースすることが発表されていたゲームアプリに関する続報は未だに発表されておらず、こちらについては完全に頓挫してしまったことが示唆されている。


一時は200万越えのフォロワーを有しておきながら流行語大賞にノミネートされることさえなく、イメージソングを担当したいきものがかりも紅白歌合戦に選抜されなかったことから、世間やマスメディアも『100日後に死ぬワニ』をなかったことにしようとしている可能性がある。


書籍版やグッズ類は当初それなりに売れていたが炎上の悪化に伴い先述の通り現在は全く売れなくなってしまい、一部では福袋の傘増しや他のクレーンゲームの景品を傷つけないためのクッションに使われているという報告が上がっている。かつて『100日後に死ぬワニ』に注目していたユーザーたちも、「存在を忘れていた」「内容を思い出せない」「もうどうでもいい」と作品に対する情動を完全に失っており、この先『100日後に死ぬワニ』がいかなるアプローチを行おうが、収益化はおろか資金回収さえできないと言い切っていいだろう。


また、このような惨状を省みた者達は一斉に「結局ライブ感とオチへの期待が全てであり、作品そのものは大したものじゃなかった」という見解を述べており、再び『100日後に死ぬワニ』がブームを巻き起こす可能性は絶無と言わざるを得ない。


一部では作者であるきくちゆうきに再びTwitter上での活躍と次回作の成功を望む声もあるが、きくちが自身のTwitter上に再掲した作品『何かを掴んでないとどこかに飛んで行っちゃうアザラシ』の反響はいいねこそ4桁代を記録する一方でリツイートはどんなに多い日でも500に乗らないという具合で伸び悩んでいる。


その上きくちの主な活動場所であるTwitter上で大規模な炎上が起き多くのSNSユーザーに反感を買ったこと、今回の騒動によってきくち氏が被った汚名やマイナスイメージはこれまで無名であったきくちにはとても拭いきれるものではないこと、当作に関わった関係各所が大なり小なり損失や風評被害を被り二度と作者に近寄らないであろうこと、炎上の顛末やきくちの暴言などがデジタルタトゥーとしてWeb上に半永久的に残り続けること、そして『100日後に死ぬワニ』の連載中ですらきくちの他の著作が全く話題に上らなかったことを踏まえるとこの後、きくちが世間での脚光を浴びることは二度と無いという意見が大多数を占めている。


きくちゆうきの起訴とその判決

2021年6月3日、ブラフかと思われていたきくちゆうき氏の訴訟に対する判決が下った。


きくちが代理人とした福永活也氏が当裁判を担当したが、判決は敗訴。Twitter上での名誉毀損に当たる投稿の発信者情報開示を求め倉敷CATVを訴えた一審判決で、(代理人である福永活也氏の案件に詳しい山口三尊氏の取材によると)「死ぬワニとの関連以外の投稿根拠がない」「投稿が繰り返されてない」等として請求は棄却され、裁判費用は原告が負担するという判決が下された。

要約すると「原告が死をテーマとした作品を作った以上、『死ねばいいのに』という感想だけでは作者と作品のどちらに向けられたものかわからない」という事である。

きくちは同代理人による起訴を後2件残しているようだが、この有り様ではそれらの裁判も期待できそうにない。


これを受けSNS上では「名誉毀損ではなく、(ステマ疑惑やそれに関するデマの流布等の)『信用毀損』や(ファンや作品を侮辱することで商品価値を著しく貶めた者への)『威力業務妨害』で攻めた方が良かったのでは?」「本人へのリプライはおろかハッシュタグさえついてないのに何故このツイートを選んだのだろうか、もっと露骨で悪質なものはあったのではないか?」「起訴を起こすことによって、きくちに対し世論からの評価がより悪化する事態にならないだろうか?」と大きな波乱を呼んでいる。


『100日後に死ぬワニ』が炎上に至った経緯

当作の失敗の原因がどこにあるかと分析すれば、主に5つに体分される。


①売り手側と読者との語弊

まず受け手は日常の中にある死といった作品のテーマやコンセプト部分に惹かれていたのだが、当作のマーケティングはその真逆を行ったのである。

実際「内容はそんなに面白くはないが結末は気になる」と言った感想も多く、受け手にとってキャラや細かな内容は単なるマクガフィンに過ぎず、売手側がそれを見抜けなかったのは致命的であり、マクガフィンで商売をしてももうまく行かないのは当然だろうという話である

結局のところ当作及びきくちは内容やキャラではなく、「100日後に死ぬ」という要素でしか人を集められなかったと言っても過言ではなく当作にインスパイアされた『100日後にタヒぬワイ』などきくちよりも実力、知名度ではるかに劣る者達であってもそのフォーマットさえあればそれなりの作品を作れたことがこれを暗示していると言える。

そして当作は「死」をテーマにした作品であり、「死」を扱っている以上商業化するなら見た者の心情に最大限配慮をし、情緒を何よりも重視してマーケティングをする必要があった

しかし作者達はそんなのお構いなしとばかりにワニくんの死の直後に全力で企画及び商品の宣伝をしてコンテンツ全体に金の臭いを充満させてしまった。

それに加えて当作は日常生活とその延長戦上にある「死」をテーマにしているが故にいわゆる「ケ(日常的な雰囲気)」の色合いが強かったのだが、発表された各種企画は明らかに「ハレ(祭りなどの特別な雰囲気)」の色合いのほうが強く、コンテンツのカラーとは正反対の売り方をしたとなれば、それは批判されて当然と言える


②売り手側の作品に対する理解の無さ

またきくちを含めた売り手側は誰も当作のどこがウケて流行したのかを、本当の意味ではわかっていなかった可能性がある

これを裏付ける証拠として、売り手側が当作の長所を潰し、読者の感情を逆撫でするようなマーケティングを行っていたことが挙げられる。

  • 『100日後に死ぬ』というキャラの運命を綴ることにより生まれた臨場感。

↪︎100日を迎えたことで消滅、再び見直してもあれほどの熱は生まれず読者は次第に興味をなくしていった。

  • ワニくんが『死』を迎える100日目を刮目することで作品の完結を体感する極致感

↪︎当日に商業化の告知を行ったことで、読者は盛大に冷や水を浴びせられた。

  • ワニくんはどうやって死ぬのか、その答えを探すため作中の伏線を探すワクワク感。

↪︎死の瞬間を描写せず、作中に散見された不自然な点もただのミスであり考察班を呆れさせた。

  • ワニくんを2次創作でパロディ化したり、当作をリツイートすることで埋もれた名作を世間へ伝えなければならないという使命感。

↪︎前述の通りの大規模な商業化と炎上が起こり、悪い意味で有名になった本作で活動する意味を見失った。

  • 「無料で読める作品で死と生について啓蒙する」という素朴で善良な作者に賛同することで善行を積んだかのような気分になれる優越感。

↪︎きくちが色々な意味でアレな人であることが露見し、それまで賛同していた者たちは恥ずかしくなると同時に、きくちと同一視される事を恐れ早急に見放した。


③作品のイコンの消滅

当作は「読者に死について考えさせる」という体で執筆したと説明されているため、この作品の主人公であるワニくんがキャラとしての特性がないのも「主人公はいわゆる読者自身であるため、感情移入しやすいように登場人物に明確な設定はない」との暗黙の了解があった。しかし商業化によって「テーマを伝えるべきイコンはそのキャラとしての特性がなかったために作者の拝金主義のみが面に出てきてしまい「金儲けの道具」となってしまう。また単純にマネタイズの道具として見てもキャラの個性が非常に希薄であり商品に適さないというどっちつかずの代物になってしまった。おまけにワニくんに自分を投影していた読者たちは自分自身を食いものにされたように感じてしまい、きくちや商業化により強い不快感を示すようになった。


④唐突な商業化の発表で崩壊した作者と読者のバランス

当作はTwitterという作者が簡単に意見を発信できる場所で、読者は無料で提供されるコンテンツを受納する立場にあり、読者は当作の感想を呟きその存在を他者に広める事で作者に還元するという「ギブ・アンド・テイク」の立場にあった。そこには一切の金銭管理はなかったが、きくちが露骨に金銭を要求しなかった以上、金銭以外の方法で作者に報恩するという暗黙の了解が読者に出来あがっていた。また当作はお世辞にも漫画としてレベルの高いものではなかったが、当作は無償で観覧できる立場であったため「内容についての糾弾は野暮」とその弱点は黙認されていた。

しかしきくちが大規模な収益化を行ったことで作者と読者の間に「店と客」という明確な営利関係が発生、読者は自身の感情を金銭に換金され「君達の行為はこの程度の価値」と一方的に断裁されたような不快感を受けたことは想像に難くない。さらに急速に商業化に舵を切った結果、それまで読み手の中にあった「100日間無償で自分たちを楽しませてくれた作者に恩返しとしてお金を落とそう」と言う感情が消え失せてしまい、逆に「この作品には金を払う価値があるのか」というシビアな目で改めて作品を批評された結果、本作の弱点である内容の弱さという部分が余計に強調され、完結以前は言いたくても言える空気になかった内容に関する批判が噴き出してしまった

それに加えて当作を商業化した者たちは口々に「当作に感銘を受けた」と言及することで、読者達は「自分達も当作に感銘を受けたのに、きくちが営利目的で水面下でふるいにかけ、金の匂いがしない自分達を見捨てた」ときくちへの献身を無碍にされたと思い込み憤慨することとなったのである。


⑤商業化への及び腰と投げ槍さ

当作を元とした商品やサービスは(当作がお世辞にもクオリティが高い代物とは言えないことを考慮したとしても)あまりにも低クオリティな代物であった。それにも関わらず、きくちらは連載後のインタビューにおいて、(要約すると)「読者は一週間もあればこの作品を忘れてしまう。この作品が100日後以降も続くことを、読者の熱が冷めないうちに伝えるべく連載終了直後に商業化の発表という形をとった」とも取れる発言を行なっており、ファンの熱意を受けコンテンツに心血を注ぎ込みクオリティを磨くことや公式側からなんらかのアプローチをしてコンテンツを盛り上げる気は毛頭なかったと推測される。つまり売り手側はコンテンツにそこまでのパワーがないのを自覚しているにも関わらずコンテンツそのものにすがり付くという矛盾の塊のようなマネタイズを行なったのである。

なぜこのような考えを抱いたのかについては当作のブームの要因を分析できなかったにも関わらず「権利は自分達にあるのだからしっかりと儲けをふんだくらなくては」という虫の良さと近視眼的思考が極まった末と思われる。またマネタイズに対する節操の無さも「当作に対して賞賛しか寄せられていないのだから何をしても多めに見てもらえるだろう」という甘い考えに基づいたものであったのだろうが、当作に少なからず存在した批判意見は、連載中に纏われた人気や熱気を盾に半ばファンから黙殺されていた状態となっており実は批判が無い訳ではなかった。証拠として前述のバランス崩壊によりファンが霧散した際突如批判意見が噴出した事がその事実を裏付けている。


『100日後に死ぬワニ』の作品としての真価

これらの発言を踏まえて、「炎上がなければ『100日後に死ぬワニ』は名作たり得たのか」という感想を抱いたものもいるだろう。

しかし下記の根拠を元にそれらの未来を否定せざるを得ないことをここに明文化しておく。


①作品そのものの力不足

ここまででも散々指摘されているが、当作のクオリティの低さも炎上及び商業展開における失敗の大きな原因の一つだろう

世の中の人気作にはステマ疑惑をかけられたり、大きな炎上を起こしたものも多い。しかし、それらはそのようなマイナスイメージを跳ね除け人気作としての地位を維持し続けるもののほうが圧倒的に多く、一つの炎上やステマのレッテル貼りで瓦解するほうが珍しい

その違いはどこにあるのかと言うとやはり、

  • コンテンツが育んできた歴史
  • コンテンツ自体のクオリティの高さ
  • コンテンツそのものへの今後に対する期待

によるところが大きく、多少の炎上があってもそこまでで育て上げた固定ファンがグラつくことは少ない。

翻って当作はどうだったのかというと、(絵柄やキャラデザには個人の裁量や作風に左右されるため除外したとしても)やはり作品自体の中身の無さが致命的であり、厳しいとしか言えない。

元来日常系というジャンルは中身が薄くなりやすく、商業作品では薄い中身を萌えやコメディなどの要素で補い、それで他作品との差別化や作品の売りとしているのだが、当作は「登場人物が100日後に死ぬ」というギミック自体に極振りしてしまった。そのため、中身はただただキャラたちの日常シーンを垂れ流すだけの非常に薄いものになってしまい、100日目を迎えた時点でコンテンツとしての峠を迎えることは避けられなかった。おまけに炎上騒動により作者のクリエイターとしての適性の無さが浮き彫りになってしまい、作者の今後に対する期待が微塵に吹き飛んでしまったことも追い討ちをかける事となり、ファンの流出を後押しする一因となってしまう。

極端な話、当作は初日の「死ぬまであと99日」でオチてしまっており、後は中身のない日常4コマを死ぬまでの98日間続けていただけである。本当に人気作になりたいのであればその98日間で面白い展開を作る必要があったのだが、人気が高まっていた連載中ですら「ワニくんの死に方は気になるけど話自体はつまらない」「展開がだるい」「最終回だけ見る」などのネガティブな感想は散見されており、炎上時には作品の中身についてはほとんど言及されず、擁護も批判もほとんど無かった点がその証左と言えるだろう。

また連載中から「この内容でこの人気は異常なのではないか」という疑問を持つ層は一定数おり、連載終了後に浮上した広告代理店の関与及びステマ疑惑が図らずもその疑問に対する解になってしまったことも炎上を拡大させる大きな要因になった。

この辺は真に推す価値のある魅力を持った作品作りができなかったきくちの実力不足としか言いようがない。


②死への解釈違い

もっとも、この内容の薄さも「迫りくる“死”に付随する日常には、元来布石やドラマなぞ有り様がないため、突然の死を演出するためには仕方がなかった」と擁護できないこともない。

しかしその方便が通じるのはこのままメディア展開を行わず作品を畳んだ場合の話であり、商品としては致命的な欠陥でしかなかったと言えるだろう。

この作品の他にも「死」をテーマとした作品は少なくなくその中には高い評価を受けているものもあるが、それらは「死に至るまでに何があったか」「死を覚悟した主人公がどう動くか」「残された者たちはどう考えるか」が念入りに描写されているものがほとんどである。

しかしこの作品は「唐突な死を書くため伏線を張れない」「主人公が唐突な死を迎えるため、主人公に死を伝える事ができない」「100日目で物語が終わってしまうため、登場人物のその後を書くことができない」という死を商材にするにあたって根本的な問題をいくつも抱えていた。

また「確定した死を神の視点で見る」という行為は「死因は何か」「本当に死ぬのか」「死ぬ時にどんな反応を示すか」という人の負の好奇心を誘引することになり、上記の欠陥と合わせて読者の作品に対するスタンスはコロシアム人体実験公開処刑に近いものだったのではと推測される。それにも関わらず商材として用意されたテーマは「感動」や「仲間たちの友情」という全く対極に位置するものであり、読者は自身の負の感情を炙り出されたような不快感を受けることになってしまった。これらの語弊が作者が作品を手掛けるにあたって掲げたという「友人の死を受けてこの作品を執筆した」というテーゼを欺瞞に溢れたものにしたことは間違いないだろう。


③きくちの作品に対するスタンス

そもそも論としてきくちは真面目に作品作りを行っていなかったのかもしれない。

きくちは自身のブログにおいて「連載中に書籍化が決まりました!とか言っちゃうと、ストーリーの先が読めてきちゃうし、、少なくともとんでもない展開にはならないだろうと読めてきちゃうわけで。(原文ママ)」と発言しており、まるで読者がワニくんの死を娯楽にしていたかのような発言をしている。これは商業化のコンセプトである「ワニくんの不幸な死」とも作者の建前である「生と死への啓蒙」にも当てはまらず、きくちは自分が何を描いているのかさえわかっていなかった可能性がある。

もっともきくちは本来ナンセンスギャグを得意とする作風であるため読者がワニくんの死に体を望んでいると判断したとしてもおかしな話ではないが、本来この作品が商業化を視野に入れたものであったなら企画に対するコンセプトに対し、建前でも筋を通すべきであったのだ。

また上記の発言はまるで作品に第三者が横槍を入れてしまい作品がつまらなくなるかのような発言にとれビジネスパートナーであるベイシカ及び小学館の編集者に対する侮蔑が感じられる。きくちは作品の手柄を独り占めにするために彼らの存在を隠匿したのであろう。


『100日後に死ぬワニ』の真理

ここで、『100日後に死ぬワニ』の最大の語弊を記しておく。

本来『100日後に死ぬワニ』は従来の4コマ漫画のように一つの話を100回連載したものではない。

詳細を述べると、本来4コマ漫画は起承転結を念頭に置いて書かれているものが普通であるのだが、この作品の場合「ワニくんの日常=起」「死へのカウントダウン=承」「ワニくんの死=転」「読者の反応=結」という、3次元的な漫画だったのである。そのため読者は作品の価値ではなく、「ワニくんの死を経て自身はどんな行動をとるか?」という結末のため作品を追いかけており、いわば「作品外の100日間とそれ以降の幾日」も作品の一部と捉えていたのだ。

しかしきくちには「4コマ漫画を100回連載した」という認識しかなく、「ワニくんの死によってこの作品はお終い」と解釈してしまい最終回直後に怒涛の商品展開を告知し自身の利益に走ってしまった。このような形で水を注された事によりワニくんの死を弔えなかった読者達は抱いた結末への期待を失い、行く場所の無い読者の怨嗟は広告代理店の関与やステマ疑惑と言った「自身のゴールを奪った者達」へ向かった。このため炎上は作者の制御できる範囲を軽く飛び越え大規模なものとなったのである。


なぜこのような顛末に至ったか?

最大の理由は『100日後に死ぬワニ』に関わった者達がみな自分の力でコンテンツを成長させたと思い込んでいたからではないかと思われる。

作品の人気について、作者は自分の才覚が世間に認められたからと思い込み、広告代理店は自分達のマーケティングが成功したからだとみなし、ファンは自分の活動がこの作品を祭り上げたと解釈した。このすれ違いがファンと売り手及び作者側に大きな溝を生み、やがてはマーケティングの失敗に繋がったのではないかという見地である。


さらに当作はその性質上、連載直後から商業展開をしたいのであれば100日間という短い期間で多く固定ファンを作る必要があり、その分作品に要求されるクオリティは極めて高いものになるという難儀な問題を潜在的に抱えていた。

しかし、それを知ってか知らずかきくちが出したものは必要なクオリティに到底満たないものであり、ベイシカも一度期間をおいてファンを増やすための期間を伸ばすなどの営業努力を怠った。

この時点で本作の商業的な失敗は決定されたとみてほぼ間違いないだろう


これらを踏まえても、きくちには社会現象級のムーブメントの中心に立つにはあらゆる意味で器が足らず、ベイシカには流行を分析し、適切なマーケティングを行う能力が欠けていたといわざるを得ない。もしも作者なり企業側なりが少しでもファンの熱意に応える対応を心がけていれば、ファンをうまくコントロールできずとも、少なくとも現状よりはましな未来が待っていたはずだ。


もしくは本当にステマで作られた流行なのでわざわざファンの感情を調整する必要はなかったと売り手側が判断したのか、きくちのクリエイターとしての実力を過大評価し本気でこのキャラ一本で商売ができると過信していたのか、最初から『100日後に死ぬワニ』の人気を換金してしゃぶり尽くすことしか頭になくファンの存在など最初から眼中になかったのか、そのあたりは関係者の話が出ない限りは部外者にとって知りようもないことだが……。





それでもなおファンの中には当作を全力で考察したり、ワニくんの死やキャラ達との別れを心から嘆き悲しんだ者もいた。彼らが抱いた喪失感やワニくんへの情動は紛れもなく本物であり、決して汚されるものではない。

作者やベイシカがとったスタンスは非難こそすれ、ワニくんやその仲間達と読者の過ごした100日間は確かにかげがえのないものであったのだ。

それでも尚、いやだからこそコンテンツがこのような末路を迎えたことにただただ悲しみしか生まれえない。




…そして『100日後に死ぬワニ』の顛末を見たワニくんは今、天国で何を思っているのであろうか…


余談

実は『100日後に死ぬワニ』についてある奇説がある。

曰く「100日後に死ぬワニというが、1日目の100日後は101日目になるはずだから、100日後に死ぬワニが100日目に死ぬことはありえない。つまり『100日後に死ぬワニ』に100日後に死ぬワニは登場しない」というものだ。

ただしこれはあくまで“言葉のあや”というものでそこまで目くじらを立てるものでもないだろう。

(『100日に死ぬワニ』であれば矛盾が生まれないという意見もある)

これを受けてかは不明だが、単行本化においては「0日目」が追加され、そこからカウントすればきっちり100日後になるように調整された。


関連イラスト

100日後に死ぬワニ(IF)自らの運命を知った100日後に死ぬワニ100日後に死ぬワニのamiiboカード転生したらスライムだった鰐ワニくん


関連タグ

きくちゆうき 漫画 運命 Twitter発のネタの一覧


メメント・モリ:ラテン語で「死を忘れることなかれ」という警句。「(いつ死ぬかは誰にもわからないのだから)今を楽しんで生きよう」という意味を持っており、冒頭などに挙げた本作のテーマに近い思想であるといえる。


いきものがかりKANA-BOON:公式コラボを行ったアーティスト。


外部リンク

きくちゆうき氏のTwitterアカウント


100日後に死ぬワニ公式Twitterアカウント


100日後に死ぬワニ完結記念サイト


いきものがかりとのコラボムービー


映画『100日間生きたワニ』公式Twitterアカウント


ねとらぼ - 100日後に振り返る「100日後に死ぬワニ」 作者・きくちゆうきインタビュー

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