「忍者のお命 頂戴いたしやす!!」
プロフィール
概要
『忍者と極道』に登場する極道。歌舞伎町に居を構える暴力団「竹本組」2代目組長。
裏組長にして破壊の八極道の長である輝村極道(以下キワミ)の側近。
趣味はEテレを見ること。戦いにおける冷静な洞察力も、テレビの教育番組で得た知識の活用による。見た目に反してクレバーなのだ。
10代の頃に歌舞伎町で初代組長・竹本に拾われ、研鑽を摘む。後輩であるきわみの器に惚れ込み、恐らく年下であるきわみを尊敬して敬語を使う。きわみも夢澤を一番の部下だと認識し、その死を愚弄したガムテに苛立っている。
古き良き時代の極道を愛しており、軽佻浮薄な現在の歌舞伎町を嫌悪している。
作中に登場する極道の中では割と常識的であり、部下思いでお菓子作りが好き。忍者に親を殺された恵介、仏茶、高志の忍災孤児を育てており、彼らに対しては成人するまで殺人を行わせないなどのルールを課している。
しかし、敵に対しては一切の容赦がなく、反目する半グレや組員を笑顔で虐殺するなど、その辺はやっぱり極道。オレオレ詐欺などにも加担している。
能力
生身で人間の首をブドウのように千切るほどの怪力を有する、見た目通りのパワーファイター。しかし、フィジカルで明らかに彼を上回ると思しき連中が他にもいる(4巻カバー下参照)ことに加え、見た目通り「戦闘技術」がお世辞にも高いとは言えず、自他共に認める「破壊の八極道」最弱。
武器は普通のオートマチック式拳銃と、きわみから誕生日に貰った関の短刀(ドス)。
極道技巧【進撃の極道電車道】<しんげきのヤクザライナー>はダメージをものともせずに突っ込んでいってただぶっ飛ばすだけ、という非常にシンプルなものであるが、その分厚い筋肉の鎧は「地獄の回数券」無しのシラフの状態でも拳銃の直撃すら受け止めてしまう(もちろん出血くらいはするが、本人曰く「松阪牛食えば治る」)ほど。人知を超えた強さの帝都八忍であっても銃弾が当たれば普通にケガすることを考えれば、これは凄いことである。
その単純明快にして強力な極道技巧は、きわみも幻術使いの舞踏鳥相手に使用するほどの有用性を披露している。
活躍
赤坂大爆発を生き延びた後、キワミに忍者狩りの「餌」を作ることを命じられ、歌舞伎町地下施設(通称カブチカ)にてきわみに反目するヤクザや半グレを拉致し、大量虐殺を行う。
それを受けて帝都八忍が一角・祭下陽日が潜入したことにいち早く気付き、存在しないスポーツドリンクを調達してくるように嘘をつき、忍災孤児の三人を逃がした。そしてすぐさま「地獄の回数券」を服用して陽日に立ち向かうも、彼の能力により一瞬にして舎弟たちは火に包まれ全滅、なすすべなく自分も腹を貫かれて火だるまになる。
しかし偶然処刑した半グレどもの血だまりに突っ込んだことで消火に成功し、自ら腹に刃を突き立て痛みで気付けを行う。そして死に損なった舎弟たち全員の命を踏み台にして【進撃の極道電車道】を放ち、陽日の胸を貫く。
だが、それと同時に自身も陽日の暗刃で首を刎ねられ、死亡。今際の折、恩人である先代組長や、結局死んでしまった孤児たち、共に散っていった舎弟たちと再会。
先代「よう でっけえ野良犬だな」
先代「いや…野良犬じゃねえ 立派な"侠(おとこ)"の死に様だぜぇ 恒星」
冷たく温かい「男」は、本当の家族と涙ながらに再会を喜びながら、地獄の炎の中に焼かれていった。
余談
作者の近藤信輔氏には『烈!!!伊達先パイ』の時代からのアシスタントとして「湯沢光生(ゆざわこうせい)」という友人がおり、同人物が夢澤の名前の由来と思われる。