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フェリーの編集履歴

2022-06-03 15:05:01 バージョン

フェリー

ふぇりー

貨客船の一種で、日本では車両航送及び旅客航送を行なうカーフェリーを指す。

解説

本来貨物及び人間の航送を行なう船の総称であるが、一般的に旅客航送と同時に乗用車等の運送を行なうカーフェリーのことを指し、客船貨物船、さらには貨客船などを含まないことが多い。


日本における運用

近距離、例えば湾内および近距離の離島をつなぐ渡船で使用されるこの種の船舶もこれに含まれるが、語彙としては長距離カーフェリーに使われることが多い。日本の定期中・長距離航路は東京・竹芝と伊豆諸島及び小笠原諸島、並びに沖縄と大東諸島との航路を除き全てカーフェリーとなっている。

例えばトカラ列島や伊豆諸島と下田を結ぶ貨客船がカーフェリーに置き換えられた際、何れも貨客船時代「としま丸」「あぜりあ丸」と呼んでいたものを「フェリーとしま」「フェリーあぜりあ」とした。このことからも、単純にフェリー=自動車運搬貨客船たるカーフェリー、というのが日本の構図である。


日本における現況

2010年以降、高速道路の1000円通行実施の影響や、対抗交通手段(新幹線高速バス航空機)の追い上げや各種交通インフラの整備により、国内各地でフェリーは減少傾向にあった。

現在は下げ止まっているが、例えば第三セクターであった明石淡路フェリー愛称:たこフェリー経営断念し、沖縄-台湾間を運営していた有村産業倒産し航路も廃止、その他も高速船での運用に切り替えられた航路や、RORO船に置き換え貨物専業化する(マルエーフェリーの東京・大阪航路など)事例も存在するなど、交通手段の変化により往時の勢いまで回復しきれてはいない。

他方、離島支援の見直しもあり、短距離離島航路においてはコミューター航空機を撤退に追い込むなど活躍を見せる。これらの手段では高速船の一種ジェットフォイル( 別名ボーイング929、軍用ミサイル艇をベースにした旅客用水中翼船、川崎重工に全面的に移管され、1995年まで製造、また今後置き換え需要により製造再開予定)などの使用も多い。

トカラ列島、伊豆諸島、八重山諸島では貨客船・高速船などと共に唯一無二の交通手段と化している島も少なくなく、離島にとっては貴重な交通手段である。

また日本では寝台列車および夜行列車などがほぼ壊滅する中、国内便で「寝て乗れる」「一昼夜を過ごせる」手段としても長距離フェリーは貴重な存在である。


サービス

多くのフェリーでは、大食堂・大浴場・ゲームコーナーや売店・展望スペースなどの公室に、シティホテル並みかそれ以上の個室(特別室、スイートまたはロイヤルルーム)>ビジネスホテル並み設備の個室(特等)>個室(一等)>ベッド(2等寝台、一段式半個室と二段ベッドの二階級構成が多い )>雑魚寝部屋(二等)といった等級ランクに分かれた客室、というのが定番であったものの、対立交通機関に対抗するため客室の単一クラス化・食堂サービスをセルフサービスの売店化する船舶が登場するなど省サービス化による運営コスト圧縮が進む傾向にある。

一方で利用客の単価上昇を狙うため、最近では展望風呂・トイレ付で52平米(太平洋フェリー「ロイヤルスイート」)もある部屋を用意したり、二等雑魚寝部屋廃止し全室寝台ないし個室としたり、公室でも露天風呂サウナを装備(新日本海フェリー、商船三井フェリー、阪九フェリーなど)するなどの新しいサービスも見られる。

全体的には客室内のテレビ設置や内風呂の設置・拡張、下位寝台においてもプライベート重視の改善が全社を挙げて進められている。また、公室として展望プロムナードやシアターラウンジなどの設備も見直し、改めて力を入れている例もある。

なお、90年代まで長距離フェリー定番の設備の一つだったプール(冬季はジャグジー)は、現在の船舶では柳井~松山の「おれんじまーきゅりー」を除き国内から消滅した。

また、下関博多から大韓民国釜山へ、大阪神戸から上海へと向かうなどの国際航路も存在する。国際航路の特徴として、雑魚寝部屋が当初より設定されていない船などがある。


特殊なサービス

一部の大型車両はトラックとして特に高額な輸送費用を取ることが多い。とは言え、長距離ドライバーにとっては直接高速を走行するより遥かに楽だし、北海道などフェリー航走が欠かせない航路もある。

フェリー会社にとっても定期的に利用をしてくれ、多額の輸送費用を支払ってくれるトラックドライバーは上得意様であり、誰よりも大切な客と言える。

このため、トラックを載せるドライバーの運賃は一般旅客より安めの費用体系になっていることが多い。また、ドライバー専用の居室が用意され(ドライバーズルーム)、一般の二等寝台よりちょっといい設備、専用の小型サロン、専用の浴室、ごくごく一部には専用の食堂まで用意されていることがある。

基本的に一般人が立ち入らないよう船の下層階後方に集中して作られていることが多い。うっかり足を踏み入れても別に気性の荒いドライバーが襲いかかったりブチギレたり…なんてことはありえないが、ドライバーの洗濯物が手すりに干してあったりと、それ以外の空間とは隔絶されたエリアと化している。一般人が利用出来るものも特にないので、興味本位であんまり立ち入らない方がいいだろう。

ただし、一部のフェリー会社では一人用個室などの名目で余ったドライバーズルームの居室を一般用に販売することがある。ちょうど一等と二等寝台を埋めるカテゴリに入ることが多いため、一人旅なら利用してみるのも手かもしれない(なお、原則ドライバー用の浴室やサロンは利用不可)。


明るい兆し

2000年代~2010年代前半というフェリー冬の時代を乗り越えた後、輸送業界は空前のトラックドライバー不足に喘ぐこととなった。そのため、既存のフェリー路線での航走に出来るだけ切り替え、ドライバー不足による輸送手段の確保を行うようになった。

このことは各地の、特に中長距離フェリーにおいて飛躍的な需要改善をもたらし、そればかりか一部には路線新設の動きまで出ている。長距離ドライバーの劣悪な職業環境は今日明日に始まった話ではなくねこの傾向は暫く続くことになるかもしれない。


主な航路

関連タグ

 客船 商船 連絡船

太平洋フェリー 駿河湾フェリー 南海フェリー 津軽海峡フェリー マルエーフェリー さんふらわあ

宇高国道フェリー

佐渡汽船 山陽商船 両備グループ

韓国フェリー転覆事故 ナッチャンWorld パパたこ

参照

wikipedia:同項目

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