「痩セタイ……痩セタイ…ダイエット…ダイエット…!オ前、痩セテンナァ~!」
「祥子ちゃん!!帰ッテキテクレェ〜ッ!!」
データ
身長/195cm
体重/238kg
スキン/天使像ヘッダー
概要
大食漢の男の「ダイエットしたい」という欲望を叶える為に誕生したが出来なくなり、新たに売れないミュージシャン・乾龍二の「祥子ちゃんに帰ってきてほしい」という欲望を叶える為に改めて誕生した、天装モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、大鬼と同型の黄色い冠を被った石像を思わせる顔に、鳥人鬼の物と類似した天使の羽で形成された胸鎧を身に着けたスキン・“天使像ヘッダー”を身に纏った姿。
胸鎧の真っ白い羽根は煌びやかかつ、石像風の顔は厳かだが、遠目から見るとミスマッチ感が大きいシュールさのある外見でもある。
変貌時には「螟ゥ陬?姶髫」(天装戦隊)の文字化けと、天装戦隊ゴセイジャーのクレストが浮かび上がる。
空・陸・海を司ったミラクル術をガチャガチャ転送して敵に攻勢する。更に背中の羽を展開して自在に飛行出来る等、理性的に動けない事を差し引いても多彩な技で縦横無尽に立ち回れる厄介な相手。
また、一度実体化しながらも宿主が欲望を失った事で自主的に宿主から離れ、別の欲望を持った人物を新たな宿主にして再実体化する生態をつぶさに見せた初のヒトツ鬼でもあり(※実体化寸前の鳥人鬼が、宿主乗り換えのプロセスを省略した形で見せたのが前例。奇しくもこちらも翼と大きく関わったヒトツ鬼である)、そこから偶然にも翼/イヌブラザーを主軸にした仮面劇の一端を担う事になった。
尚、乾が変貌した際には自分と頭部と同型の黄金の顔面像のオーラを召喚して「ガッチャ」と放つ緑の光線や、腕から熱線を放つ攻撃が新たに備わっている。
活躍
喫茶どんぶらにて嗅覚が優れるジロウは匂いから翼=イヌブラザーでは?との発言を受けたドンブラザーズの面々がイヌブラザーの正体暴きに動き出す中、出現。
既に男の欲望から誕生・実体化を果たし、人を超えたダイエットの鬼となって是が非でも痩せるべく豪雨の中一般人に襲い掛かっているとドンブラザーズが参上。タロウ/ドンモモタロウがイヌに「喫茶どんぶらに来い」と約束を取り付けた上で交戦を開始するも、戦況が不利だと悟った天装鬼は海のミラクル術で発動した水飛沫に紛れて逃亡した。
その後も暴れ回っていたが、今度はイヌに縄をかけて捕縛しようとした隙に陸のミラクル術でドンブラザーズに反撃。吹き飛ばされたイヌは売れないミュージシャンの乾龍二と激突、すぐに翼は意識を取り戻して立ち去るもサングラスをその場に落としてしまい、そばで気絶してた乾がイヌブラザーとして迎え入れられてしまう。
事情もわからず再び現れたヒトツ鬼との戦いに参加することになり、結局は空のミラクル術を用いた天装鬼の逃走を許してしまうも、それを目撃した翼は事態を察しこれ幸いにと(犬塚の懸賞金とし100万円がかけられてしまい、先の正体調べの挙動不審な行動から仲間からも懸賞金で狙われていると勘違いしており)彼にイヌブラザーの座を譲る。
「ハァ…ハァ…助カッタ…。チョットダケ痩セタカモシレナイ……ン?カツ丼!?大盛り、無料…!」
なんとか逃げおおせた天装鬼だったが、通りかかった定食でカツ丼の無料販売を行っているのを見て変身を解除。そのまま入店して大量のカツ丼を平らげている店員との雑談で悩みを漏らしたら「私はいっぱい食べてくれる人が好き」と今までの人生で初めての返答に心が満たされた事で、宿主と分離する事態が発生。ハプニングに実体を保てなくなった天装鬼は欲望に支配された新たな人間を探すためにその場を後にした。
その頃、ドンブラザーズの仲間となった乾だったが、かつて唯一のファンであり元カノ「祥子ちゃん」とつよしの妻みほを勘違いしてあわや決闘になりかける。そこにみほが到着、彼に夫婦仲を見せつけるべくその場で膝枕耳かきを開始する。
だがその悔しさと元カノを求める感情から暴走、新たな依代を見つけた天装鬼が取り憑き今度は乾がヒトツ鬼化。人を超えたシャウトの鬼となって祥子への思いどんどん叫びつつ、区別がつかないまま目に入った女性に次々と襲い掛かる。
そして元カノを探す中で駆けつけたドンブラザーズと交戦するも、新たな憑依者である乾の欲望(=恋人への未練)への執着心がより強かった為か、以前の憑依者の時には見せなかった技を打ち出すなど戦闘能力が格段に向上した事に加え、仲間(と誤解している人物)がヒトツ鬼化したとして戸惑って戦えない。
翼「乾…すぐに元に戻してやるぜ!」
そこに翼が駆けつけ再びイヌブラザーへと変身。事情を知らない故にイヌブラザーが二人になったと困惑する面々をよそにドンドラゴクウが参戦、人間大虎龍攻神へと変身する。他の面々も負けじと人間大ドンオニタイジンへと合体、天装鬼は手から熱戦を放って負けじと対抗するも各々の武器で空中へと投げ飛ばされ、空高く伸びた刀身が自らを貫通。
これが致命傷となり、「祥子チャン…祥子チャァァ〜ン!!」と断末魔をあげて爆散・敗北。まだヒトツ鬼化して時間が経っていなかったのか、ヒトツ鬼ングにはならなかった。
これによって人間に戻ったと同時に、乾も誤解が解け元の路上ミュージシャンへと戻る。そこにかつての恋人である外国人女性・祥子と再会。
翼〈良かったな。お前には彼女がいる、夢がある。……でも、俺は…一人…。そして、ずっと迷子だ……〉
それを見届けた犬塚は一人寂しく立ち去るのであった…。
また、撃破された際にゴセイジャーギアをドロップした様子。
大食漢の男
カツ丼を何十杯も平らげる程食の太い男性。しかし食の節制が出来ない事は当人も前々から悩んでいたらしく、ヒトツ鬼に取り憑かれる程ダイエットへの執着が募っていた模様。
しかし、たまたま見付けて元の姿に戻ってから立ち寄った定食屋の女性から、その気持ちのいい食べっぷりを褒められてダイエットへの強迫観念から解放された(もしかしたら「大食漢だから人に嫌われる」という思い込みの方が欲望の本質だったのかもしれない)。
余談
- モデルとして使われた戦隊は『天装戦隊ゴセイジャー』。スキンの天使像ヘッダーはおそらくゴセイジャーのアイテム『ゴセイヘッダー』と考えられる。
- また天装鬼が登場したことで2010年代の戦隊のヒトツ鬼が全て揃う事となった。
- 史上初となる2人の男が同じ怪人へ変貌及び侍鬼以来のヒトツ鬼ングにならず等身大ロボ(虎龍攻神は初)に倒された個体となった。
- 頭部は大鬼の、ボディは鳥人鬼のリペイント。また、鳥人鬼は宿主を元々宿っていた人物から別の人物に切り替えた点が共通している。そしてこの2体を合わせた点から頭部は変身アイテム『テンソウダーや主であるマスターヘッド、ボディはゴセイジャーの宿敵『救星主のブラジラ』と言う善と悪2つの天使要素も見事合わせている。
- 宿主は2人ともパートナーを見つけたのだが、原点にはパートナーを失ったメンバーがいる。
- 大食漢の男役の西氏は『仮面ライダーフォーゼ』に合唱部員(作中では「グリークラブ」と呼ばれている3人組)の片桐平役で出演していた。
- 宿主の乾がミュージシャンの理由はゴセイマイクから、大食漢の理由は「ほら、美味しいもの食べると天にも昇る心地になるじゃないですか……」とのこと。
- pixivでは登場以前にオリジナル怪人として天装鬼が投稿されていた。
- また、天装鬼ングも投稿されている。
関連タグ
もしかして→五星鬼
救星主のブラジラ:原典におけるゴセイジャーを歪めた存在とも言える、ラスボスにして陰の主役でもあった宿敵。声を演じた飛田展男氏は当役以降戦隊シリーズの常連声優の一人になっており、ドンブラザーズでも元老院の一人役で出演している。
紫色の雨~La pluie violette~:空気中の水を転送させるアイテム。こちらはゴセイジャーの武器がモチーフとなっている。
激走鬼、侍鬼:2体ともヒトツ鬼ングとならず倒されたヒトツ鬼。この3体は偶然にも素体はベニツ鬼、変身者は歴代ドンブラザーズ変身者と皮肉にも現代のキジ(激走鬼)→過去のサル(侍鬼)→未来のイヌ(天装鬼)を裏付けるヒトツ鬼がそろい踏みした。
アナザー龍騎、アナザーリュウガ、アナザーブレイド、アナザーディケイド:ニチアサにおけるカードを用いたヒーローを歪めた存在。特にアナザーディケイドは、元となったヒーローが使うカードが変身アイテムやアーケードゲームと連動している点も共通する。
アナザーW:ゴセイジャーと同期のヒーローを歪めたアナザーヒーロー。また、同年に元となった作品の続編がアニメ化された。
バード・ドーパント、アルコール・ドーパント:前述の同期のヒーローと続編アニメに登場するライダー怪人で、2体とも複数の人間が1体の個体に変わる共通点を持っている。
エンジェル・ロイミュード、ミカエル(人造人間ハカイダー):天使モチーフの特撮怪人繋がり。
ダークプリキュア:W、ゴセイジャーとの同期の闇キュア。また、同年になったプリキュアと11年後のプリキュアが去年の映画で共演した。