《莠疲弌謌ヲ髫》
「弱い……弱すぎる!!強い奴と戦エバ…俺ハ強クナレルンダァアアア!! モット…モットォオオッ!!」
「強イ奴ハ何処ダァァァァァ!!」
データ
身長/193cm
体重/227kg
スキン/弁髪拳士
むかしむかし/芦田は厳しい修行を重ねて今の自分に転身したんだそうな…。
概要
強さを求める男・芦田の「強い奴と戦ってもっと強くなる」と言う欲望を叶える為に誕生した、五星モデルのヒトツ鬼。
シソツ鬼が、中国風の拳法家を思わせるスキン・“弁髪拳士”を身に纏った姿。
中国風の鎧兜や様々な球を混ぜ合わせた様な姿は主に、孔雀の尾羽に似た形状のパーツが集まって形成された複雑かつ豪奢な頭部と胸鎧が目立ち、頭頂部からは銀の弁髪を垂らし、首元には紫色で大粒の宝玉を繋いだ数珠を掛けている。また顔は「大」の字を逆さにした青いラインが目を引く龍の様な顔立ちで、額には一つ目の意匠が施されている。更によく見るとスキンの全体的なシルエットは五芒星の形に見える。
一方、カラーリングは素体のシソツ鬼に合わせて寒色系で統一され、全体の外見は纏まっている。
描写はなかったが、変貌時には「莠疲弌謌ヲ髫」(五星戦隊)の文字化けと五星戦隊ダイレンジャーのクレストが浮かび上がると思われる。
宿主が強くなるべく鍛錬を重ねているだけはあり、格闘による戦闘能力はかなり高く、適当な銃撃は手で叩き落してしまう上、両手へスパイクの付いた黒いナックルグローブ「鬼険拳(きけんけん)」を嵌めれば拳撃をエネルギー弾として放って遠距離戦にも対応可能。攻守共々隙のない五つ星級の拳法でバッタバタと大連続でターゲットを倒し、戦わず逃げる人間は光球に封じて首の数珠に取り込む能力も有する。
戦う際には「ハイィィィ!!」という掛け声を発する事も。
総じて、宿主の素養とヒトツ鬼の基本特性が上手く噛み合わさり、ドンモモタロウはだけで無くゼンカイザーブラックも加えた2人を相手に正面から互角にやり合える実力を獲得したヒトツ鬼と言える。
但し、欲望の内容的に強くなる事への執念の強さは並み以上にある一方、それを何としても果たそうとする“狂気”の念は然程強くなかった様子。その為か「何としてもタロウに勝つ」との狂おしい情念へ突き動かされる、ドントラボルトには終始圧倒されていた。
活躍
既に芦田は五星鬼に憑依されている状態であり、自分が強くなれる強者を求めるまま様々なジャンルのプロの格闘家に勝負を挑んでは、どんどん打ち倒す事を繰り返していた模様。
そしてとある路地裏でキックボクシングのチャンピオンである唐木に「俺は自分の腕が知りたい。戦え、俺と!!」と決闘を叩き付け、臨戦態勢の唐木をあっと言う間にノックアウトさせたが満足できず、何時まで経っても自分に相応しい強者と戦えない不満から欲望を膨らませていく。
そしてその内に完全に欲望へ支配された事で五星鬼に変貌。人を超えた格闘の鬼と化し、「嘉挧柔道場」を襲撃して柔道家達を薙ぎ倒し、逃げ惑う者がいれば光球に変化させて数珠に取り込んでいくが、そこに「強い奴なら、ここにいる!」と告げながらタロウ/ドンモモタロウが駆けつけ交戦。
元々戦闘に実力があるドンモモの剣戟をいなしては拳法で迎え撃つが、更にタロウが社会勉強の為だと敢えて、幼馴染のルミに良い所を見せたいジロウが率いる『暴次郎戦隊ドラゴンファイヤーズ』のメンバーとして参加させたはるから3人の現状を伝えに来た、介人/ゼンカイザーブラックが乱入。彼のギアトリンガーから放つ光刃を浴びながらもいなし、銃撃を腕で弾き飛ばすが、状況を見て不利を悟ったか脳人レイヤーのマンホールを利用して戦線を離脱した。
暫く後、鬼険拳を両腕に武装しドンモモと再戦。『ドラゴンファイヤーズ』の活動で天狗になったはるか達が変身拒否し、1人でも持ち堪えようとするドンモモを攻め立てるが、『ドラゴンファイヤーズ』の活動の裏でタロウがサポートしてくれていた事を介人から知らされて我に返ったはるから3人が駆け付け、続けて翼/イヌブラザーも参戦し正真正銘のドンブラザーズと対峙。
イヌを拳撃エネルギー弾で吹き飛ばし、突進してきたキジブラザーを殴り飛ばしたりと互角に立ち回るが、サルブラザーとオニシスターに捕まった所をドンモモのハイキックで吹っ飛ばされてしまう。
すると少しして、介人に事の顛末を聞かされてタロウに凄まじい劣等感を抱き、闇ジロウの人格を再覚醒させたジロウが現れ、そのままドントラボルトにアバターチェンジ。ドンモモを倒そうとするも、「今は忙しい、今度にしろ!」と一蹴された結果、「ならば、邪魔者は俺が倒す!」とドンモモから狙いが自身に移ってしまう。サルやシスターを蹴散らしながら向かって来た相手を迎え撃つも、自身を超える執念を持つトラボルトに圧倒されてしまい、最期はそのままトラボルトの「雷神闇駆白虎」を喰らい敗北・爆散した。
しかし、宿主の欲望が暴走して五星鬼ングへと変貌。ドンブラザーズもドンオニタイジンとなって迎え撃つ。
芦田
自分より強い人間を求めている格闘家の男性。
曰く、厳しい修行を重ねて今の自分に転身したとの事だが、強さを求める思いが強くなり過ぎた結果、五星鬼を呼び寄せる事となってしまった。
それだけであればストイックな武辺者を思わせる性格だが、作中序盤ではキックボクシングの世界王者を腹パンで倒し、等身大のバトルでドントラボルト、続く巨大戦でドンブラザーズにそれぞれ打ち負かされた後に元に戻った際には、「うわあーん!なんでだよーっ!!」と駄々っ子の様に喚き暴れながら悔しがる等、その実、格闘家としての矜持やプライド等の精神面に関してはかなり未熟であった事が窺える。
そうした自分の弱さへ負けていた点からも、彼はヒトツ鬼に憑かれてしまう縁を自ら作っていたと言えよう。
余談
- モデルとして使われた戦隊は五星戦隊ダイレンジャー。
- ちなみに彼が劇中で襲撃した嘉挧柔道場はダイレンジャーの司令官ポジションであった嘉挧に由来。更に五星鬼の頭部全体が、シャダム中佐との決闘で嘉挧が装着した鎧の兜を彷彿とさせる。
- ドントラボルトの初陣の相手ではあるが、彼にはキバレンジャーの要素があり、更に言えば作中においてキバレンジャーの変身者はある事が原因で悪堕ちしていた要素があった。
- 予告の時点では、獣拳戦隊ゲキレンジャーをモデルとした獣拳鬼だと思っていた人もいた(実際劇中で、柔道場の門下生が球体型に封印されていたので、そう言う風にも見えなくは無いのだが)。なお、後にドン23話で登場が決定している。
- 宿主は格闘家だが、ダイレンジャーにもボクサーである天重星・将児が登場する。
- 今回のエピソードでは、ジロウが遂に闇落ちしただけで無く、(一時的にドンブラザーズを離れた)タロウとイヌブラザー/翼以外のドンブラザーズメンバーが鼻が伸びて文字通り天狗になったりする場面(因みに翼も特訓に参加するもへばって抜けた)があり、メンバー達の精神面が如何に未熟なのかを証明知らしめる事になった。
- ……更に余談だが、井上曰くこの鼻が伸びるシーンは「そう言う表現」では無く、本当に鼻が伸びているらしい。
関連タグ
シソツ鬼:ベースとなっているヒトツ鬼。本編で登場した個体は卓球での強さを求める為に誕生した。
警察鬼:同じく鬼険棒以外の武器を持っているヒトツ鬼。ベースがシソツ鬼なのも一緒。
高速鬼:将棋での強さを求める為に誕生したヒトツ鬼。こちらもベースがシソツ鬼。
アシュ、クエスター、邪悪竜ターロン:ダイレンジャーをモチーフとした怪人の先輩。 奇しくもボウケンジャーに桃太郎を題材にした回があり、その時に対峙した敵組織がクエスターだった。
レスラーモンガー、バラボクサー、格闘技サイマ獣スパルタン、殺人ボクサー・ボリバル、アサシン星人ジンギ、冥獣グール、臨獣拳アクガタ、幻獣拳、パチャカマック12世、ヌンチャクバンキ、カラテロイド、ドームロイド、デーボ・ナガレボーシ、デスゴン、ボクシングワルド:歴代の格闘家モチーフの戦隊怪人。
五星戦隊アキバレンジャー:タイムパラドックスの影響でキバレンジャーが悪役になってしまった。
青竜刀眼魔:見た目が似ている。
アナザービルド、ヒルリンドウ、ドーラキマイラ、アカネイカ:力を求めアスリート等を狙っていた特撮怪人達。
腑破十臓、筋殻アクマロ:『侍戦隊シンケンジャー』において、一人のスーツアクターに兼演された幹部怪人。後者は退場回で前者の人間態に斬られるシーンが挿入された。
怪獣(グリッドマンユニバース)ダイレンジャーと同期のヒーローのアニメ版のヒーローを歪めた存在。
リュウ(ストリートファイター):「強い奴に会いに行く」で有名な格闘家。
豪鬼(ストリートファイター)/狂オシキ鬼:同じくストファイに登場し、首に数珠を付けた強さに魅入られ戦いの鬼となった男。そもそもダイレンジャー自体が格ゲーブームの影響を受けて作られた。
サイヤ人:戦えば戦う程強くなる種族。ついでに五星鬼と戦ったのはドンドラゴクウ。
オディ・オブライト:登場回の放送日から五日後にリメイク版が発売された『ライブアライブ』の現代編に登場した複数の格闘家を手に掛けた悪役。首元に数珠を掛けているという共通点があるが、彼が血祭りに上げた六人の格闘家とかつて拳を交え、技を見切り、自分の技として習得していったそのエピソードの主人公に倒された。