概要
中忍試験(ちゅうにんしけん)は、NARUTOに登場する試験。本作における忍者は上から上忍・特別上忍・中忍・下忍という階級制度が存在し、スリーマンセルなどの小隊行動において指揮を担当するのが中忍以上である。中忍は軍で言う所の士官に相当する忍者である。
この中忍を選抜する試験を中忍昇格試験又は中忍試験と呼称し、複数の忍者の里で合同で実施する。表向きには各里の交流のため、とされているが、死亡者が続出する本試験がそんな平和的な目的で開催されるはずも無く、実際は里の新人の実力をぶつけ合うことで戦争の縮図とし、直接的な軍事干渉を回避するというのが名目である。
本試験は3人1組でしか受験できず、受験者は上官である上忍から中忍の推薦があれば受験資格を有する。班単位で受験するのが殆どだが、別々の班のメンバー同士による3人組でも受験可能。
木ノ葉隠れの里で行われたとある中忍試験
原作単行本4巻から16巻までのエピソードで、作中でナルトらが受験した試験。木ノ葉隠れの他に砂隠れ・草隠れ・雨隠れ・滝隠れ・音隠れの里から受験者が出た。
試験科目
第1試験
筆記試験であり、問題は全部で10問ある。しかし難易度が相当高く、忍者学校を首席で卒業したサスケですら歯が立たなかった。もちろん受験者の大半が歯が立たない事は試験官の森乃イビキも重々承知である為、本試験は減点制で採点される事となった。具体的に纏めると以下のようになる。
- 受験者は3人1組で出願しているが、この3人にそれぞれ10点づつ持ち点が配布される。
- 試験終了時に1組の点数が半分以下(15点以下)の班・0点の者が1人でも出た班は失格とする。
- 不正行為は発覚次第1回に付き2点減点とし、5回発覚したら即座に失格となる。
- 10問目は白紙であり、試験開始からある程度時間が経過してからイビキが内容を発表する。
第2試験
サバイバル演習試験で、試験官はみたらしアンコ。直径10キロメートルの演習場で天地二巻の巻物を揃え、中央の塔まで持参すれば合格となる。ただしチームに付き天か地のどちらか1本しか配布されない為、他の班の受験者を打倒して簒奪する必要がある。この試験では、巻物の奪い合いで死亡者が出ても不問とする。
予選
多少余り過ぎた受験者を減少させる為に実施された1対1形式の対決。これ以降は個人戦となり、勝ち残った受験者が本戦に進む。
本戦
トーナメント形式である。ここで良好な成績を見せれば、たとえ1回戦で落ちても中忍になれるが、逆に優勝しても中忍に昇格できるとは限らない。途中で大蛇丸がテロを仕掛けた為打ち切りになった。
結果
中忍試験は中止されたものの、最終的にシカマルのみが合格した。ただし合格理由についてはシカマルの項を参照して欲しい。
木ノ葉隠れと砂隠れによる共同主催で行われた中忍試験
『NARUTO疾風伝』では、ナルトが自来也と旅に出た際に木ノ葉の下忍たちが再び中忍試験を受験するエピソードが描かれている。主催の二者に加え、雨隠れ・滝隠れ・草隠れの忍びも参加。綱手が火影、我愛羅が風影に就任してから初の開催である。
砂隠れとの共同開催となったのは我愛羅の提言によるもので、我愛羅失脚を目論む反乱分子を炙り出すため、風影就任披露という名目で砂隠れでの開催を要請し、最終的に両里の共同開催という形に落ち着く。
試験科目
第1試験
木ノ葉隠れ側で実施。筆記試験であり、問題は全2問。
1問目はスリーマンセルを三つの部屋に分断し、解答用紙を配布。
書かれている三つの問題から一つだけ選んで解答。各問題の配点は30点・40点・50点となっており、スリーマンセルの点数を最終的に合計し、以下の条件に当てはまると失格となる。
- 合計点が100点を超過した場合
- 全体の平均点を下回った場合
- 戦闘行為を行った場合。
2問目はシカマルからの出題され「スリーマンセルで敵に囲まれた。囮を一人残すとしたら、今のチームの中では誰か。なお囮は確実に死ぬものとする」を回答せよ、というもの。
三人の意見が一致しなければそのチームは失格、一致しても囮に選ばれた一人は失格となる。囮の名前を解答用紙の裏に書いて提出する。
足切り試験
ここからは砂隠れが担当。第1試験の合格者が多すぎたために実施。スリーマンセルのチーム戦であり、砂隠れまでの競争を行う。下位30名は失格。
第2試験
前回同様のサバイバル演習試験。ルールも共通だが、砂隠れの難所である「魔の砂漠」での実施となり、「死の森」と比べてもさらに過酷なので2日間にかけて実施。
ここで我愛羅失脚を図ったクーデター事件が発生したため、この後予定されていた第3試験は中止。第2試験までの試験結果を各里に送り、受験者の合否は里長の判断に委ねられる。
結果
ナルトの同期は彼とサスケを除く全員が中忍、日向ネジは上忍に昇格した。
アジサイを含む雨隠れの三人組も合格となったが、アジサイは直後の任務で戦死しており、その死体は畜生道の後任として補填されることになる。草隠れのフウは帰還途中に暁の角都と飛段に襲撃されている(この時重明を引き抜かれて死亡したと推定される)。
第一回五里共同開催中忍試験
第四次忍界大戦から15年以上が経過した『BORUTO』の時代では、それまで対立していた五大国の隠れ里が初めて中忍試験を共同開催する運びになった。劇場版、漫画版の第1巻から第3巻、テレビアニメ版の第51話から第66話はこの試験が物語の軸となっている。試験会場は全編木ノ葉隠れとなっている。
代理戦争という名目に変わりはないが、各国が平和路線を進めている世情から試験内容は危険度が下がったものとなっている。
この時代には本人の実力以上の忍術が繰り出せる「科学忍具」が開発されているが、本試験では使用禁止。
テレビアニメ版は劇場版・漫画版から肉付けされ、試験の模様ががより詳細に描かれている。
試験科目
第1試験
「○×クイズ」。「不正解の方は真っ黒になる」という条件を提示された上で出題され、○と×のいずれかを選ぶ。
しかしクイズの内容は出鱈目であり、○と×のどちらを選んでもその下に掘られた穴に落下する仕掛けとなっている。穴の底には墨汁のプールがあり、「墨汁のプールに落ちて真っ黒になったら失格、落ちなければ合格」、すなわち追い込まれた状況での判断能力を試す内容だった。
アニメ版では試験説明の場所から問題が出題される試験会場までのレースが追加されており、1時間以内に辿り着けなかったり、途中のトラップで行動不能になったりしたら即失格となる。また、説明中からストップウォッチが動いていることにも注意する必要があり、説明を全て聞いていたら制限時間に間に合わないようになっている。
また、水影・雷影・土影は揃ってモニター越しに試験を拝観していた。
第2試験
チーム戦での旗の取り合い。自分達の陣地の旗を守りつつ敵陣地へ攻める攻防戦。先に相手チームの旗を取った方が勝利。
ボルトは第2試験から科学忍具を使用するが、ここでは不正はバレなかった。
本選
個人でのトーナメント戦。史上初めて五影が一堂に会して観戦する。
映画版・漫画版では第2回戦のボルトVSシカダイ戦でボルトの不正発覚、大筒木モモシキ・大筒木キンシキ襲来により試験が中止となるが、テレビアニメ版はそれらが決勝戦後に変更されている。テレビアニメ版での決勝戦は最後まで勝ち残った3人による三つ巴バトルロイヤル。
結果
映画版・漫画版では合格者は無しだったが、テレビアニメ版では中忍試験の後、岩隠れで起きたクーデター事件を経てから合格判定が行われた。
候補者としてサラダ・ミツキ・スミレ・シカダイの4人が候補に挙がるが、岩隠れの事件の中心人物だったミツキ、その事件でボルトと共に里抜けしたサラダは除外され、最終的にはシカダイが中忍に昇格した(シカダイの合格理由は彼の記事を参照)。
木ノ葉隠れで行われた中忍再試験
テレビアニメ版『BORUTO』第221話から第226話にかけて描かれた中忍試験。
五里共同中忍試験の合格者は選定済みだったが、試験自体は流れたままだったことに加え、謎の組織・「殻」の暗躍や大筒木イッシキの襲撃もあり、里の防衛体制の見直しと隊長クラスの中忍の増員のためナルトが改めて試験の開催を提案した。他の里でもそれぞれ同様の試験が開催された模様。
今回は必ずしも3人組で申し込む必要はなく、欠員が出ても受験可能(モエギ班は中忍に昇格済みのシカダイを除く2名で受験)。
試験科目
第1試験
筆記試験。合格基準は平均点が70点を超えた班のみで、班員の合計得点が3名の班なら210点、2名の班なら140点が合格ラインとなる。カンニング行為も黙認されるが、カンニングが発覚した時点で即失格となる。
第2試験
久方ぶりに「死の森」で開催される。一次試験と異なり個人戦。
隊長としての素質をはかる実戦を想定したテストで、敵地と仮定した「死の森」に部下が10名取り残されたため、受験者は隊長として部下を全員救出し、試験開始から45分以内にスタート地点まで戻ってくることが試験内容。
森には敵役に扮した中忍も待ち構えている。
最終試験
1対1の個人戦。従来の試験のようなトーナメント形式ではなく、各試合で勝利した受験者全員が中忍に昇格となる。
前回の試験後に科学忍具の意義が見直されており、今回は科学忍具の使用が認められている。
結果
最終試験で勝利したうちはサラダ、雷門デンキ、伊豆野ワサビ、竹取ホウキが中忍に昇格した。
ちなみに最終試験で予定されていたボルトVSミツキ戦については、両者がアマド誘拐事件に巻き込まれ試合時間に間に合わなかったため、両者ともに失格となり実施されなかった。
関連項目
ハンター試験:形式が似ている。