科学と魔術が奪い合う一人の歌姫。
上条当麻と出会うとき、奇蹟が始まる──!!
概要
『とある魔術の禁書目録』の劇場版。
アスキー・メディアワークス創立20周年記念作品の一つで、2013年2月23日に劇場公開された。
物語の時系列では、無印の8巻と9巻の間に起こった事件として位置されている。
来訪者特典として、原作者である鎌池和馬の書き下ろし小説が先着で10万3000人に無料配布されたことが話題となった。(とある魔術の禁書目録-ロードトゥエンデュミオン-)
全国30スクリーンという小規模公開ながら初日2日間で興収1億50万を超え、動員7万近くを記録した。最終興行収入は5億円。円盤の方でも、特装版BDがオリコン週間総合チャートにて1位を獲得している。
月間少年ガンガンにてコミカライズも展開され、2013年の3月~11月まで連載された。単行本は全2巻。作画は朝倉亮介、構成は西野リュウが担当。
内容は劇場版と同じだが、尺の都合などでボツとなった台詞がいくつか採用されている。
2018年にはテレビアニメ3期が放送される事を記念して9月30日午後7時からTOKYOMXで地上波初放送された他、同時にBS11でも放送された(BS11はこれまでにも何度か放送している)。
3期放送記念という事で、放送時のCM内で3期が初登場のキャラクターのCVが発表されるなど界隈は盛り上がりを見せた。
また、2023年2月23日午後5時から同月26日23時59分まで、YouTubeのとあるプロジェクトアカウントにて無料配信が行われた。
(詳細は外部リンク項目のとあるプロジェクト公式によるツイートを参照)
ストーリー
物語が始まる三年前、『オービット・ポータル社』のスペースプレーン『オリオン号』が試験飛行中に墜落する大事故が起きてしまう。誰しもが絶望的な状況を浮かべた中、なんと奇蹟的に不時着に成功して乗員乗客88名が無事生還する。
この出来事は『88の奇蹟』として語り継がれる事になった───
そして三年後の現在。宇宙エレベーター『エンデュミオン』の完成が間近に迫る学園都市で、上条当麻とインデックスは路上ライブを行っていた少女・鳴護アリサと出会う。
意気投合した三人は、彼女のオーディション合格祝いというのも含めて遊びに出掛ける。しかしそこへイギリス清教の魔術師ステイルと神裂火織が現れ、アリサを狙って襲撃してきた。何故アリサを狙うのかを聞く上条に、ステイルはこう答える。
彼女は、魔術サイドと科学サイドの間で戦争を引き起こしかねない存在である事を。
突如介入してきた『黒鴉部隊』という謎の組織に救われ、何とか危機を脱した事に安堵する上条。そんな少年へ、『黒鴉部隊』を率いるリーダー・シャットアウラが一つ警告した。
鳴護アリサに関われば命を落とす、と───
登場人物
※劇場版の人物には「☆」が付いています。
上条当麻サイド
御坂美琴サイド
イギリス清教『必要悪の教会』
三魔女の師匠(?)
| 規格外の『聖人』
| PN.人生と書いて妹と読む
|
---|---|---|
風の魔女 ☆
| 土の魔女 ☆
| 水の魔女 ☆
|
最大主教
| ||
オービット・ポータル社
『黒鴉部隊』
とある高校
常盤台中学
一方通行サイド
その他
劇中の設定・用語
エンデュミオン
オービット・ポータル社が建設した、世界初となる宇宙エレベーター。
三年前のオリオン号の事故でスペースプレーン計悪が凍結された事で本格的に建設が始まったそれは、安価、確実、迅速、大量に資材を宇宙に送れるというメリットがあり、次期主力宇宙輸送機関として期待されている。軌道上兵器としての軍用的価値も極めて高く、実際劇中や『とある科学の超電磁砲S』では外周部からアンチデブリミサイルを発射している。
オービット・ポータル社
宇宙エレベーター・エンデュミオンを建設した会社。社長はレディリー=タングルロード。私設治安維持部隊として、シャットアウラ率いる『黒鴉部隊』を雇っている。
三年前のオリオン号の事故を起こした会社であるため一時は倒産状態となったのだが、直後にレディリーが買収した事で奇跡の復活を遂げた。『88の奇蹟』で命脈を保っていた事もあり、『奇蹟』を最大の売り物にしている。
バリスティック・スライダー
次期主力宇宙輸送機関のコンペでエンデュミオンに破れた新型のシャトルシステム。
劇中では、エンデュミオンへ辿り着く手段として土御門が手配し、上条達を宇宙まで運んだ。
制作スタッフ
原作・ストーリー原案・構成 | 鎌池和馬 |
---|---|
キャラクター原案 | はいむらきよたか |
監 督 | 錦織博 |
脚 本 | 吉野弘幸 |
キャラクターデザイン・総監督 | 田中雄一 |
メカニックデザイン | 明貴美加 |
ゲストキャラクター原案 | 星野リリィ |
衣装デザイン協力 | はいむらきよたか、いとうのいぢ、ゆーげん、凪良 |
美術監督 | 黒田友範 |
色彩設定 | 安藤智美 |
撮影監督 | 福世晋吾 |
CGラインディレクター | 田中臥竜 |
編 集 | 西山茂 |
音響監督 | 明田川仁 |
音 楽 | 井内舞子 / I've sound / IMAGINE(井内啓二、岩崎文紀、松尾早人) |
アニメーション制作 | J.C.STAFF |
制 作 | PROJECT-INDEX MOVIE |
配 給 | ワーナー・ブラザース映画 |
主題歌・挿入歌
エンディングテーマ
「FIXED STAR」
作詞・歌:川田まみ / 作曲:中沢伴行 / 編曲:中沢伴行、尾崎武士
劇中歌
「telepath~光の塔~」
作詞:川田まみ / 作曲・編曲:井内舞子 / 歌:三澤紗千香
「アタリマエの距離」
作詞・作曲・編曲:fu_mou / 歌:三澤紗千香
「Brand New Bright Step」
作詞・作曲・編曲:fu_mou / 歌:三澤紗千香
「グローリア」
作詞・作曲・編曲:井内舞子 / 歌:三澤紗千香
「明日、晴れるかな」
作詞:IKU / 作曲・編曲:中沢伴行 / 歌:三澤紗千香
「OVER」
作詞:六ツ見純代 / 作曲:井内舞子 / 編曲:井内啓二 / 歌:三澤紗千香、日笠陽子
イメージソング
「Shining Star -☆- LOVE Letter」
作詞:KOTOKO / 作曲・編曲:八木沼悟志 / 歌:井口裕香
特徴
時系列を考慮した上での「オールスター総出演のお祭りイベント」を意識して作られたのもあって、登場人物のほとんどは見慣れたメンツが占めている。
特に主要キャラはその大体が活躍するので、ファンなら間違いなく楽しめる内容になっている。
今回の魔術テーマは、とにかくギリシャ神話の用語が多く見られる。物語の舞台や副題にもなっているエンデュミオン、スペースプレーンのオリオン号、そして漫画版の方で判明したアンブロシアの実など。
もしかしたら、ギリシャ神話を勉強していれば、他にも新しい発見があるかもしれない。
余談
今作は原作者の鎌池和馬も勿論参加しており、原案という形で関わっている。
この時点で、鎌池和馬の噂やら伝説やらを耳にした事のある人は察したと思うが、案の定その原案が物凄い分量だったらしい(監督の錦織博氏曰く「TVシリーズなら2クールくらい作れてしまうほどのボリューム」)
それほどの情報量を約90分のアニメとして映像化するには当然尺が足りないので、劇中の絵に盛り込んでみる等の方法で何とか決められた尺の範囲に収めたとの事。
ただ、それでも説明し切れていない部分は存在するため、いつか何かしらの形で明かされる事を祈ろう。
関連イラスト
関連項目
とある魔術の禁書目録(アニメ) とある魔術の禁書目録Ⅱ とある科学の超電磁砲(アニメ)
奇跡 歌 軌道エレベーター ギリシャ神話 エンディミオン 多摩センター駅
とある魔術と科学の群奏活劇……本作の前日譚となるアドベンチャーゲーム。御坂美琴と鳴護アリサの出会いが収録されている。
外部リンク
「劇場版 とある魔術の禁書目録 -エンデュミオンの奇蹟-」大ヒット記念特集! 錦織博監督インタビュー