ああ、そうだ。我が骨肉、我が魂こそは、神になり下がった愚者の影法師よ!
プロフィール
概要
『Fate/strange Fake』に登場する2人目のアーチャークラスのサーヴァント。
アーチャーだけでなくアヴェンジャーとしての側面を持つ。
小説版第2巻で初登場。マスターはバズディロット・コーデリオン。
カジノホテルの最上階に居たギルガメッシュとティーネ・チェルク達を強襲した。
真名
ギリシャ神話の大英雄ヘラクレスの幼名、『アルケイデス』。
彼がまだ人として暮らしていた頃の名前。当初"ヘラクレス"としてアーチャークラスで召喚されたが、マスターであるバズディロットにより三画全ての令呪+大量の魔力結晶で「人であったころの自己」「神から課された非道な仕打ちへの憎悪」を増幅させられた所に、彼の保有する聖杯の泥を注ぎ込まれて汚染された。言わば、ヘラクレスオルタ(と思われたが実際は異なるらしい。理由は後述)。
泥の汚染によって自身の人生を翻弄し続けた神々への憎悪が表面化し「決して子どもを傷つけることはない」とされていた性格は歪み外道な行為も意に介さない人物となってしまっている。
真名が「アルケイデス」なのも、"神の栄光"という意味の「ヘラクレス」と言う名前を激しく忌避しているため。憎悪のまま、彼は己を含めた神の血を引くものを蹂躙せんと行動する。
少ない変質する前の描写では紳士的であり、非人道的なバズディロットを窘めるような言動をしていた。また、体格も変質の際にやせ細り、同時に現れた胸の紋様は地の文から生前かけられた呪いが泥と絡み合ったことで表面化したものらしい。
人物
一人称は「私(わたし)」。
身長2mを超す長身で痩せ形の男性。肌は濃い色の染料で染められており、何らかの紋様が白い染料で描かれている。最も特徴的なのは頭から体までを包む柄付きの長布で、顔のパーツは耳周りぐらいしか見ることが出来ず、前述の白い模様も布でその大部分が隠れている。
なお上半身はこの布しか纏っておらず、小説版第2巻の地の分は彼の外見を「一見すると何かのホラーゲームに出てきて主人公を追い回しそうな格好をした男」と述べている。
ギルガメッシュ達を強襲した時に彼のマスターである少女ティーネばかり狙撃したり、これまでの『Fateシリーズ』でほぼ例外なく"強者"として扱われてきた彼のことを「弱い」と評したりと、挑発的な言動を繰り返している。
また、真ライダーに「外道」と評されている様に、前述のティーネ狙撃の様に幼い子どもを手に掛けたり、宝具を万全な状態で使える様に人間を生贄にした魔術結晶の使用を容認したりと、自分の願いの為なら冷酷な振る舞いも厭わない。
もっとも、冷酷にはなれど、卑劣さや陰湿さが目立つような戦法や、軽薄な言動をとる気は殆どないようで、搦め手は精々、相手の宝具奪取や遠距離からの不意打ち程度。時には年端のいかぬ椿や病院の者達を守る為に立ちはだかる『二十八人の怪物』の行動を嘲ったりせず、直接ではないとはいえ“真の英雄”と評するなど、本人なりの敬意を払う描写まで見せる(その御陰で、セイバー・偽アーチャー・『二十八人の怪物』に加え、自身の強弓すら撃ち落とす謎の死徒などが入り乱れる混戦時では、慌てず驕らず見に徹する強かさを見せたかと思えば、意識のない幼子一人を殺すためだけに、正面から10階建ての病院を弓で片っ端から破壊するという、あまりにパワフルかつ身も蓋もない戦法をとることも辞さないスタンスになってる辺り、下手な卑劣漢や悪党よりタチが悪くなっているともいえるが)。
聖杯に懸ける願いは「自分の運命を狂わせ大切な者を奪った神々への復讐」と「自分のもう1つの名前を世界から消し去る事」。
能力
20km以上離れた場所から相手を正確に狙撃したり、1度目の狙撃を防いだギルガメッシュの自動防御宝具を2度目の狙撃で掻い潜るなど、狙撃手として卓越した技量を持つ。また、放つ矢についても音速を超える速度と英霊ですら脳天に直撃したら上半身を吹き飛ばせる程の威力を持つ。
更に、『王の財宝』での数十発の宝具を左手に持った弓を振り回して簡単に凌ぎ、その後の数千発にも及ぶ全方位斉射も宝具で無効化する等、色々と規格外な実力の持ち主。
また、本来なら命のストックを全て使い果たして消滅してしまうヒュドラ毒をバズディロットの手によって手に入れた泥の力である程度押さえ込む等、本来のヘラクレスでは出来ない能力も一部備えている。
しかし、それらと引き換えに神の祝福を失った影響も大きく、『十二の試練』による複数の生命や神性スキルの喪失、魔力消費の激増などの弱点も増えている。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
バズディロット | A | B | A | A | B | A++ |
保有スキル
復讐者(A) | アヴェンジャーのクラス特性。復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。経歴からか、かなり高ランク。 |
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単独行動(C) | アーチャーのクラス特性。マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。Cランクでは、マスターを失っても一日程度現界し続けることが可能。 |
対魔力(A) | アーチャーのクラス特性。魔術に対する抵抗力。Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。 |
歪曲(A) | 本来呼び出したクラスが強制的に歪められ、別のクラスの特性を付与された証。その引き替えとして、元のクラス別スキルのいずれかのランクが低下する。アルケイデスの場合は『単独行動』スキルが低下してCランクとなっている。 |
心眼(真)(B) | 修行と鍛錬に基づく戦場での洞察力を表したスキル。アルケイデスの場合、神から与えられた本能は捨てたために人として積み上げた技術による発現となる。 |
勇猛(E) | 幻惑や混乱と言った精神干渉をはねのけ、格闘能力を上げるスキル。令呪により身に宿る神の呪いを引き出された影響で、本来の値と比べ著しく弱まっている。 |
戦闘続行(A+) | 瀕死の傷を負ってもなお戦い続けることができる、戦場で生き足掻く強さを表した能力。アルケイデスの場合は『往生際の悪さ』よりも『生還能力』である。 |
宝具
十二の栄光(キングス・オーダー)
- ランク:C~A++
- 種別:−
- レンジ:−
- 最大補足:不明
『十二の試練』と引き替えに手にした『試練をねじ伏せた証』の数々。『生前成し遂げた偉業の象徴』を宝具として具現化させ、己が武器として“使い潰す”事ができる。ただし、聖杯の理そのものをねじ伏せて使っている状態なので、魔力の消費が通常の数倍に及ぶ。
神獣の裘 | 文明の利器ならばどんな刃も貫くことが叶わなかったと言われる、ネメアの化け獅子の毛皮。生前鎧代わりに愛用したことでも知られ、人の手による道具によるダメージの一切を遮断するチート防御。英雄王の『王の財宝』にとって天敵ともいえる性能で、攻撃を通すにはかつての大英雄相手にステゴロもしくは神造兵装等で挑みかからなければならない。ただし道具を無効化するのは毛皮だけなので覆ってない部分を狙うことで無視することは一応可能。 |
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戦神の軍帯 | 生前殺めたアマゾネスの女王が持っていた、纏えば戦神アレスの神気を身に宿すことが出来る帯。怨敵由来の力なので、神気は引き出しても体に取り込むまではしていない。 |
ステュムパリデスの怪鳥 | アレスのペットが害獣化した、青銅の体を持つ人食い鳥。射掛けた矢を触媒に具現化させ、ホーミングミサイルの様に敵に殺到させる。 |
冥府の魔犬 | 成獣の象にも匹敵する巨躯の三頭犬を召喚してけしかける。なお、基本的にアルケイデスの支配下にあるが、ハデスの系統であるために、ペイルライダーによる干渉を受けると、その限りではなくなるうえ、時には元の持ち主ですら危惧する程厄介な相乗効果を起こしてしまう事も。 |
ヒュドラの毒 | 通常攻撃や宝具発動時に矢尻に塗って使用する。 |
ディオメデスの妖馬 | トラキア王ディオメデスから奪った4頭の人食い馬。 |
ケイローンの不死性 | 「エリュマントスの猪」にて得た能力。『十二の試練』の代替として一度だけ使えるが、ケイローンだけでなく自身もが生前味わったヒュドラ毒に永続的に蝕まれ、霊基が徐々に摩耗していく欠点がある。 |
後述の『射殺す百頭』同様に、何故か巻末マテリアルには「最大捕捉」の記載がない。
射殺す百頭(ナインライブス)
- ランク:C~A+
- 種別:不明(マテリアルに記載が無い訳ではなく、『不明』という分類)
- レンジ:臨機応変
- 最大補足:不明
手にした武具、あるいは徒手空拳により様々な武を行使する。言わば『流派:射殺す百頭』という技能そのものが宝具化したもの。武具の力を最大限に引き出し、対人から対軍、城攻めに至るまで状況に合わせて様々な形を見せる。『Fake』では弓によるこの宝具を披露し、毒矢9本がヒュドラのごとく相手に襲い掛かるものとなっている。
先述の『十二の栄光』同様に、何故か巻末マテリアルには「最大捕捉」の記載がない。
天つ風の簒奪者(リインカーネーション・パンドーラ)
- ランク:EX
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
アヴェンジャークラスに歪まされたアルケイデスが有する第三宝具。
端的に言えば相手の宝具を奪う宝具だが、ランスロットの『騎士は徒手にて死せず』が手にしたあらゆる武器を宝具へと染め上げたり敵の武器の宝具を奪略したのに対して、こちらは逸話由来の宝具を奪うことが可能。これによって敵の別の何かに変貌するような系統の宝具を奪うことで敵からそれを簒奪して己自身を変貌させたりすることができる。
正確にはランク以外のステータスが一切不明の宝具である。
関連人物
生前
アムピトリュオン
義理の父親だが、「人間の父親」と見做しており、名乗りの際に自分の父親として述べている。
アルクメネ
実の母親。現時点で抱いている感情は不明。
実の父親に当たる主神。
神であるが為に復讐対象の1人と見なしており、父親としても認めていない。
ゼウスの正妻。
生前に自身に災厄を与え続けた一番の怨敵とも言える存在。
ヘラクレスとしての自身を「化物」と呼びながらも友として見てくれた人物。ボロクソに語っているが自分の友であり軽々しく語れば殺す旨を、パス接続でアルゴー船の過去を垣間見てイアソンを侮辱したバズディロットに語っている。曰く『最も人間らしい人間』。
よりにもよってヒュドラの毒矢で誤射してしまい、死に追いやってしまった恩師。
反転してもその件をかなり引きずっている。
本来なら正真正銘の神なので彼も復讐対象となるのだが、生前の恩師であり、上記の件もあるので言及された際に露骨に話題を変えようとしたりと、流石にアルケイデスも心のどこかでケイローンだけは例外中の例外と思っているのかもしれない。
ボレアズ
アルゴノーツの仲間だったカライスとゼーテースの兄弟。
自身を置き去りにしようとしたからか「鳥羽根共」と辛辣である。
敵対するサーヴァントであり生前の知己。
正々堂々を身上とする彼女と、非情な今の自身との関係は険悪。
Fate/strange Fake
契約したマスター。
自分を召喚してその在り方を歪め、現在の自分にした張本人。一応「マスター」呼び。
歪められる前から関係は最悪だったが、現在もあまり良好な関係とは言えず、あくまで互いの目的の為に利用し合う関係で、利用価値が無くなったら殺害すると変質直後に彼に告げている。
敵対するサーヴァント。彼を襲撃した際には彼の幼いマスターばかり狙っており、奇しくも第五次の時とは立場が逆転している。
「最も強き王であり弱き戦士」、「弱い」と挑発的な言葉を投げかけたりしたが、一応その強さについては「強いな」、「全力を出しても半日では決着は付けられない」と認めており、挑発に関しても実力を図るために意図的に行ったものである。
敵対するサーヴァントの一人。
自身に思わぬ痛撃を与えた彼にはアルケイデスなりの敬意を持っており、『天つ風の簒奪者』で彼の『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』を奪い取った。
サーヴァントに飛び膝蹴りをかましてきたトンデモ警察官。
ある理由から、彼をギルガメッシュ以上の脅威として警戒する。
余談
その成り立ちからヘラクレスのオルタと考えられていたが、作者の成田氏曰く「正確にはオルタでもリリィでもない」らしい。
『stay night』劇中でも黒化したヘラクレスは登場したが、ただ泥の浸食を受け操られていただけのあちらとは違い、こちらは身も心も完全に反転してしまっている。
また、同作に登場するペイルライダー は作者が「第五次聖杯戦争のサーヴァントに相性の関係上で圧倒できる可能性がある者がいる」と公言しているのだが、ヘラクレスは生前、アルケスティスとの逸話の中で死神と素手で戦って勝利するという逸話がある。
タロットカードの『死神』のモデルになったとされる地獄の黙示録に登場する四騎士の内、第四の騎士は疫病を象徴するとされており、ペイルライダーを圧倒できる者では?と推測することもできる。
また、アルケイデス自身も同じく第五次聖杯戦争の内のあるサーヴァントには手も足も出ず負ける可能性がある事も言及されており、宝具で神獣の裘の防御を突破出来るセイバーや同じく宝具で弱点を突けるランサーなどが候補としてよく挙げられる。
なお、『strange Fake』の作者の成田良悟氏はクー・フーリン・オルタの実装を知らされていなかったらしく、『奈須きのこ氏から第5次サーヴァントオルタ化許可が下りる→成田氏喜び勇んで執筆→オルタニキ実装アナウンス→成田氏悶死』という惨劇が小説版第3巻あとがきにてどっかのSF漫画調で語られている。
直後にデュマネタも被ってしまっているあたり、狙ってたんじゃねえのかこの菌糸類(しかし、成田氏は「完結するまでコラボは(『FGO』さんサイド的にも)難しいだろうなー」との発言をしていたため、仮にそれが本当ならば成田氏側にも落ち度はある)。
アルケイデスの射程が20㎞以上とあるが、半径20キロとして円で表すと東京23区を円で覆える射程範囲。エミヤは、隣街までは流石に見えないと言っているので、エミヤでも視認出来ない距離である。