グルスガンマモン
ぐるすがんまもん
プロフィール
ガンマモンの内部に秘められていた悪なる心が解放されて進化した凶暴なデジモン。
周りからの干渉を拒み戦いにしか興味が無く、目に見える相手につかみかかれば息の根が止まるまで攻撃は終わらない。自らの手足が潰れてもお構い無しに攻撃する凶暴性を持った戦いを見せる。
必殺技は手に溜めた闇の炎で敵を握り潰す『ダークパレス』と、その闇の炎の威力を維持させたまま投げる『デスデモーナ』。さらに尻尾の先でピンポイントに急所を突く『デッドエンドスキュアー』で敵を絶命させる。
概要
デジナビにて公開されたデジモンゴーストゲームの主役デジモン『ガンマモン』が成熟期に進化した姿の一つ。
ガンマモンは3種類の進化ルートがあると公表されているが、隠された第4の進化先がこのグルスガンマモンである。
その真っ黒で、進化体の一つであるベテルガンマモンをより邪悪化させたような凶暴極まりない容姿や設定は、歴代の暗黒進化に通じる部分がある。
暗黒進化としては初の成熟期だが、その戦闘力は下手な完全体を凌駕しており、不意をつけば瞬殺も可能。さらに数体の完全体に囲まれてもなお一方的に叩きのめすほど。
英語表記からすると、名前の由来はしし座のα星である「レグルス」+ガンマモンから来ているらしい。
作品での活躍*
「教えてやるよ、俺たちには二択しかねぇ……『食うか食われるか』だ!」(第13話)
CV:沢城みゆき
デジモンアニメシリーズでは、今作が初登場となる。
OPのシルエットや第1話でガンマモンがクロックモンの攻撃を受けた際のヴィジョンなど作中では度々片鱗を見せていたが、第13話にて本格的に登場。
シールズドラモンの攻撃から自身をかばったボコモン先生の死を目の当たりにし、ショックを受けたガンマモンが進化した姿。
他の形態より流暢に喋るが、その性格は普段のガンマモンからは想像できないほど残忍且つ凶悪であり、仲間を含む他のデジモンを手に掛けることに一切躊躇がない。
まるで別人格に乗っ取られたかのようなその変貌ぶりには、一同も「ガンマモンじゃない」と口にする程に動揺していた。
防戦一方を強いていたシールズドラモンをいとも簡単に捉え、「デッドエンドスキュアー」で殺害、その後疑似デジタルワールドから脱出し現実世界で暴れようとしていた。
止めに入ったアンゴラモンとテスラジェリーモンを一蹴し「ダークパレス」で止めを刺そうとするが、宙が止めに入った際に、ボコモン先生の最期の瞬間がフラッシュバックして動揺し攻撃に失敗。
そのままガンマモンに戻った(なお、進化している間の記憶はない)。
例によってパートナーの脳裏に必殺技の名前が浮かぶ際の演出があったが、宙が受け入れられていなかったためか名前が浮かばず、グルスガンマモン自身が技名を宣言している。
一応シールズドラモンを殺す前に何故今回の事件を起こしたのかを問いただしたり、宙に必殺技の宣言を拒絶された際は若干淋しげな素振りを見せたり、止めに入った宙に「どけ!」と言ったりする等、元のガンマモンの面影がなくなったわけでもないようだが…。
そんな経緯から瑠璃や清司郎には案の定危険視されており、第16話では宙へガンマモンの進化系に含めないよう釘を刺したほど。
その後は第21話にて、アルケニモンに襲われた一行が万事休すのピンチに陥った際に再び進化。
相手が油断しきっている上での不意打ちとはいえ、アルケニモンの口の中に「デスデモーナ」を限界以上まで流し込んで容易く瞬殺した。
この時は近づこうとした宙に対して「近寄んな、まだその時じゃねぇんだよ」と忠告し、すぐガンマモンに退化している。
第42話ではオボロモン達のリーダーを決めるための狩りに宙が巻き込まれて狩られ、それだけの為に宙を巻き込んだことに怒ったガンマモンが再び暗黒進化して姿を現す。この際は首元の青いスカーフがまるで翼のような形に変形していた。
デッドエンドスキュアーでリーダーとなった赤のオボロモンを容易く殺害し、他のオボロモン達からもエナジーを奪い取る。
宙に静止された際にシンクロを拒んでいることを指摘するも、それでも歩み寄ろうと1歩進んだ彼に対して成長を認めたのか、嬉しそうに少し口元を緩めて『兄貴』と呼んでガンマモンに戻った。
何とか生き残ったオボロモン達は、そんなグルスガンマモンを「漆黒の覇王」と呼んだ。後に登場したウィッチモンもガンマモンに面影を感じて問いかけていたり、バステモンもガンマモンを見て一瞬グルスガンマモンかと考えたりしたところからどうやらデジタルワールドでは知られた存在らしいが…。
第59話では清司郎を取り込んでしまったトノサマゲコモンとの戦いにて、痛めつけられたガンマモンがすぐに暗黒進化。あっさり相手を叩きのめし「シンクロしたら清司郎を引き剥がしてやる」と宙に取引を持ちかける。
宙はこれを拒否し、命乞いしたゲコモンが人々を解放したために失敗に終わるが、「時はすぐそこに来ている」と意味深な言葉を残して進化を解いた。
衝撃の真実(ネタバレ注意)
実はガンマモンとは完全に別人格。スカルグレイモンやメギドラモンと違って本来の個体からの派生ではない。
ゴーストゲームのタイトル通りガンマモンに取り憑いていたのだ。
備考
バイタルゲージがMAXになることで起こっていた同作の進化と異なり、MAXになりかけたゲージが0に急逆行して進化しており、今作における暗黒進化というべき存在である。
しかし、専用の進化バンクが存在し、明確な意思と高い知性を持つといった点で、これまでの作品における暗黒進化とは一線を画している。
現状、パートナーの宙ではなくガンマモン自身の怒りや防衛本能がキーになっており、第42話に至っては「宙を助けたい」一心で凶暴性を昂らせ進化していた(前作のアドコロもケースとしては近い)。
黒い白眼にピンクの燐光を放つ黒目はかなりのインパクトがある人相だが、これをつぶらな瞳と捉えこわかわいいとする声もある。
アニメのメインビジュアル上部にこのデジモンの顔が描かれていたり、OPや劇中描写で存在が示唆される等、ストーリーにおいても重要な立ち位置である事が予想される。
これまでの暗黒進化も、「デジモンやパートナーが我に返って自分を見つめ直し、新たな力を手に入れる」ための前段階である事が多く、ストーリー上完全に無意味だった事はほぼないが。
上述した通り、成熟期でありながら究極体クラスの力を持つデジモンとして描写されており、成熟期ではまるで相手にならず、完全体さえ瞬殺、それどころか相手が複数体であっても「こんな雑魚」呼ばわりし手玉に取っていた程。
さらに暗黒進化枠としては初の追加進化も内定しているなど、色々な意味で"規格外"なデジモンである。
なお、元のガンマモンが同じウィルス種な事もあり「この姿こそが本来のもので、正当な進化なのでは」と推測されたりもしている。
実際、必殺技を以前使ったことがあるような言動をしたり、そもそも進化前のガンマモンが「記憶は無いわけではないが曖昧」だったり、過去にタイムスリップしてガンマモンを消そうとしたピッコロモンがボロボロにされて戻ってきたり(それがどれ位の時期かは明確にされていない)と、不穏な要素は未だ多い。
更に第13話ではブラックアグモン、第21話ではブラックガルゴモン、第42話ではブラックグラウモン、第59話ではブラックガルゴモンとブラックグラウモンと、グルスガンマモンが出る度に事態終息後に様子を見ている黒いデジモンの姿が意味ありげに映されているが、彼らは一体何者なのだろうか?