「来たか。待っていたぞ!」
「間もなく地上に破壊を訪れる。とだけ言っておいてやる。」
「もうすぐだ。この石が生贄共の血で染まった時、巨大な暗闇獣が現れる!」
「人間共のつまらぬ命、破壊の役に立ててやるだけでも、ありがたく思え。」
CV:大友龍三郎
概要
「闇」の属性を持つ闇地獄の支配者にして大魔女グランディーヌの息子。災魔兄弟の本当の長男で、冥王ジルフィーザの兄にあたる。
人物
容姿
両耳と両肩の先端に髑髏の意匠を施し、側頭部に二本の山羊のような角を生やし、右胸から左下腹部にかけて鎖をつけ、背中にボロボロの翼を生やした禍々しい悪魔のような外見をしている。また闇の亡者と呼ばれる戦闘員を引き連れており全身に幾つもの痛々しい傷跡がある(傷が闇地獄に落ちてからできたものなのか、虐待でできたものなのかは不明)。
性格
目的のためなら幼い子供をも巻き添えにしたり、人命を「つまらぬ命」と吐き捨てる等極めて傲岸不遜かつ冷酷非道、残忍な性格をしている。
グランディーヌ以外で彼を認知しているのは呪士ピエールと彼に接触した龍皇子サラマンデスの二人のみで、コボルダとディーナスは存在すら知らなかった(一番上の弟であるジルフィーザがギルの存在を認知していたかは不明)。
能力
武器である剣から緑色の破壊光線を放ち、口から緑色の雷を放つ。他には上空から隕石のような火の玉を落とすことも可能。
戦闘力は驚異的でゴーゴーファイブとギンガマンを圧倒するほどで、かつて世話をしていたピエールも「恐ろしいお子でした」と震え上がるほど凄まじい力の持ち主(実際ゴーゴーファイブ全員とギンガレッド、ギンガブルー、ギンガイエローを変身解除に追いやっている)。なお当のギルは自らの体内に流れる災魔の血を「呪わしき血」と呼んで忌み嫌っている。
経歴
赤ん坊の身で母であるグランディーヌの命を狙う謀反を起こし、その結果ピエールによって頭陀袋の中に詰め込まれ、無数の闇の亡者がいる闇地獄の中へと突き落とされた。
しかし、それで死亡するどころか闇の亡者の頂点に君臨し、闇地獄の王となって復活。
サラマンデスからは「地上を焼き尽くした暁には地上の王にする」と契約を交わし(当然、サラマンデスに約束を守る気などなく、事が済み次第グランディーヌの力で闇地獄へ強制送還する手筈となっており、コボルダやディーナスも謀反人である彼を兄などとは思わなかった)、暗闇獣と呼ばれる巨大怪獣を復活させるため、とあるホテルの一室をアジトに、そこを訪れた客を生贄として血液を収集し、ピラミッド型の装置の中に集めていた。
ギンガマンのアース技以外の攻撃を受けても無限に再生する亡者を無数に連れているため、ギンガマンと合流する前のゴーゴーファイブをも苦戦させた。
ゴーゴーファイブとギンガマンが合流した後も上述の能力と剣、驚異的な戦闘力で苦しめたが、生贄の血があと一人分足りず、ゴーレッドが放ったVモードパンチで大ダメージを追う。
その後、剣で自らの体を貫き付着した血を最後の生贄分とし暗闇獣に捧げて滅び去った。
余談
彼の起こした謀反が切っ掛けでグランディーヌは非情な毒親と化し、忠誠を誓う弟、妹達の運命を大きく狂わせる元凶となった(なぜ彼がグランディーヌに謀反を起こしたのかは不明だが一部のファンの間ではグランディーヌの外道と非情さを見抜いて謀反を起こしたとの推測がある)。
スーパー戦隊VSシリーズでは初めて前年度の戦隊敵勢力に関わる敵キャラが登場しなかった本作だが、それに加えてグランディーヌの人格形成、ひいては本編終盤の展開に影響を及ぼした災魔兄弟の真の長男であるギルがメインの敵を張っている点から、本作は「災魔一族側の第0話」とも言うべき側面も担っていると言えよう。
声を担当した大友龍三郎氏は昨年の『星獣戦隊ギンガマン』にて怒涛武者の声を担当しており、スーパー戦隊シリーズへの出演は3年連続となる。また、翌年の『未来戦隊タイムレンジャー』にてドン・ドルネロの声でレギュラー出演した。
さらにVSシリーズのゲスト怪人繋がりでいえば、「デカレンジャーVSアバレンジャー」にてギンジフ星人カザックの声も担当した。
関連タグ
災魔一族 闇属性 悪魔 残忍 黒幕 ラスボス 全ての元凶 悪のカリスマ
愛さえ知らずに育ったモンスター:グランディーヌの外道と非情さを見抜いて謀反を起こしたという推測が事実なら該当する。
キン肉アタル、ラディッツ:主人公が存在を知らなかった兄つながり。奇しくも、両者とも中の人が同じ。
飛影:生まれてすぐ捨てられた兄つながり。
城ヶ崎賢志:ギルと同じく体中に痛々しい傷跡がある悪役にして悪魔繋がり。彼は公式からも毒親(城ヶ崎は父が毒親だった)から虐待を受けたと明かされている。
ガディウス(リメイク版):中の人繋がりのラスボス兼黒幕。肩書が闇の王、自分以外の存在に憎悪を抱いている、最後はもう一体のラスボスを復活させるために自らを生贄にした等の共通点がある。
煌闇帝オプス・キュリテ:肩書が似ている闇属性の悪魔。二次創作作品では父親となっている(親子関係は至って良好)。
戦隊VSシリーズ敵キャラリンク
獣魔王ゴルモア←闇王ギル/暗闇獣→殺人ボクサー・ボリバル/囚人親族
バッカス・ギル:『特命戦隊ゴーバスターズVSゴーカイジャー』に登場する、本編に登場した首領&幹部親子(こちらは前年度の作品)の血縁者にして、名前に「ギル」を含む繋がりの戦隊怪人の後輩。こちらの登場作品も小林靖子が脚本を担当している。