諸葛孔明(Fate)
しょかつこうめい
「私が仕える主は一人だけ。あくまで使える駒の一つと考えておけ」
プロフィール
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
メインシナリオでは、第1部2章『永続狂気帝国 セプテム』にて登場。野良サーヴァントとして若き日の征服王と共に主人公達に敵対した。
期間限定イベント『Fate/Accel Zero Order』や『レディ・ライネスの事件簿』では、カルデアから同行する主要キャラクターとして活躍する。
三国志の知将でお馴染みの中国の英霊、諸葛孔明が時計塔の魔術師ロード・エルメロイⅡ世の肉体を器(依り代)にすることで疑似サーヴァントとして召喚された存在。
霊基再臨第3段階目で姿をはじめボイスやセリフが大幅に変わるという手の込んだ扱いである。
なお彼以外にも疑似サーヴァントとなった存在がいるとプロフィールで示唆されており、1部7章を皮切りに次々と登場する事になる。
真名
中華は三国時代に謳われた天才軍師、『諸葛孔明』。
中国は三国時代に優れた政治家・軍人として広く知られており、弱小国である蜀が長きに渡り大国である魏に抵抗できたのも、彼の力に依るところが大きいと伝えられている。
本来は乗り移られた人間側の人格は英霊のものに上書きされるのだが、「自分の計略を十全に使える者がいるならば自分自身が活躍する必要はない」という極めて合理主義的な孔明の判断により、現代に詳しいエルメロイⅡ世が肉体の主導権を持つことになっている。
孔明自身の詳しい性格は不明だが、数分間会話をしたⅡ世曰く「合理主義の怪物」「史実以上の化け物」「人間と話している気がしなかった」。
諸葛孔明は「カルデアの召喚式では霊基が作りづらい英霊」に該当するものと思われ、英霊そのままではなく人間を依り代とした疑似サーヴァントとして顕現した。
またカルデアだけではなく、抑止力として召喚された特異点においても擬似サーヴァントとして現界しているため、諸葛孔明という英霊は通常の方法では召喚できないらしい。
呂布の真名表記は「呂布奉先」と姓+名(諱)+字という形式になっているが、本作の彼は日本で膾炙した「諸葛亮孔明」ではなく、「姓+字」という本場中国でも一般的な表記となっている。
中華系サーヴァントのこの辺の表記はあまり統一されていない。「姓+字」で呼ばれている例としては項羽がいる(「羽」は字で名は「籍」である)。
人物
諸葛孔明
一人称は「俺」。
上記の通りエルメロイⅡ世に主導権を渡して本人の意識は消滅している……と思われていたのだが、司馬懿(ライネスではない)との会話で彼の人格が一瞬だけ登場。
人を食ったような性格で、エルメロイⅡ世曰く、「人間と話をしている気がしない」とのこと。
ロード・エルメロイⅡ世
一人称は「私(わたし)」。
基本的に他作品と性格は同じ。憑依した孔明の影響で、嫌いな戦闘行為に対し少々前向きである。
なお、このエルメロイⅡ世は(『FGO』世界では起こってすらいない)第四次聖杯戦争を経験していることやセリフから、『stay night』および『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』世界の彼本人であると思われる。
- 『事件簿』完結後に開催されたイベント『復刻版:レディ・ライネスの事件簿』の追加シナリオでのあるセリフにより、ほぼ確定となった。
手持ちサーヴァントとして召喚されるとめんどくさそうに応対するが、育成を進めると態度が軟化していき、絆Lv5になると主人公の部屋(マイルーム)でTVゲームをして入り浸っていることが判明する。先生何やってんすか。
容姿は『Fate/Apocrypha』でも登場した第1段階目の時計塔講師の赤コート姿から始まり、第二段階目では魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)に参加した時と思われるメガネスーツ姿に。
そして、第三段階目ではなんとウェイバー・ベルベット時代の姿に若返る。その肩には征服王のマントが羽織られている。もちろん声や性格もちゃんと若い頃のものになる。
これについては「この姿が(ロード・エルメロイⅡ世という人物を大まかに見ると)彼自身の全盛期だから」、「『Zero』コラボイベントでの影響を間接的に受けたから」といった考案がなされているが、はっきりとした理由は分かっていない。
なお、姿が若返った際に「どこかの喫茶店で相席した女神たち」とゴタゴタがあるのだが……
能力
エルメロイⅡ世と諸葛孔明、両者の力が混ざり合い本来ではない力を発揮している。
Ⅱ世に起因するスキル「鑑識眼」の他、諸葛孔明の計略を十全に扱う。
諸葛孔明らしきアイテムは羽毛扇ぐらいしか見当たらないが、リヨ版のイラストにおいては一目で孔明とわかる帽子を被っている。
またコラボイベントなどで、依り代側が主導権を握っているタイプの疑似サーヴァントとしても数少ない「サーヴァントの霊基をオプションとして考える」立ち回りを行っていることも特徴。「自身の戦闘不能時に、特異点にいた過去の自分に霊基を上乗せして戦力化」「孔明の霊基を自分の死体に偽装して黒幕の目から逃れる」等、趨勢をひっくり返すほどの成果を上げている。
モーション中では、前方や周囲に展開した八卦炉から魔力弾を放つ。その他、敵の足元から火柱を巻き起こしたり、頭上から大岩を落としたり、羽毛扇から突風を巻き起こしたりも可能。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | E | E | D | A | B+ | A+ |
保有スキル
陣地作成(A) | キャスターのクラススキル。魔術師として、自身に有利な陣地を作り上げる。彼の場合は、『工房』を上回る『石兵八陣』を形成する事が可能となる。 |
---|---|
道具作成(B) | キャスターのクラススキル。魔力を帯びた器具を作成できる。彼の場合は、諸葛孔明の力を借りる事で、連弩など伝説に残る様々な武具や道具を作成出来る。ただし、生前の孔明も果たし得なかった不死だけは再現する事が出来ない。 |
鑑識眼(A) | 『人間観察』を更に狭くした技術。対象となる人間が将来的にどのような形で有用性を獲得するかの目利きに極めて優れている。ただし、その為にはある程度の会話や様子を見る事で、その人間の得手不得手などを理解する必要がある。他の固有スキルとは違い、諸葛孔明ではなく、エルメロイⅡ世に起因する能力。 |
軍師の忠言(A+) | 軍師系サーヴァントに与えられるスキル。状況を把握、分析する事により味方側に正しい助言を与える事が出来る。ランクが上がれば上がるほどその助言の正しい確率は上昇し、A+ランクであればあらゆる不測の事態を含めても、100%的中する。これに対抗するには、あらゆる分析を打破するレベルの幸運、或いはスキルを持つ事が求められる。 |
軍師の指揮(A+) | 軍師系のサーヴァントに与えられるスキル。自己を含めた軍としての力を最大限に引き出す。A+ランクであれば、死を覚悟し命尽きるまで戦う死兵に等しい力を持つ。 |
石兵八陣(かえらずのじん)
- ランク:C−→C
- 種別:対軍宝具
- レンジ:50
- 最大補足:500人
「物理で殴るだけが戦いじゃない……」
「これぞ大軍師の究極陣地、『石兵八陣(かえらずのじん)』!!……破って見せるがいい。」
「全てはボクの思うがまま、ってね!」
「これぞ大軍師の究極陣地、『石兵八陣(かえらずのじん)』!!」
諸葛孔明の十八番「奇門遁甲」を利用した、地理把握・地形利用・情報処理・天候予測・人心掌握の五重操作からなる、まさに軍略の奥義にして最終形態というべき閉鎖空間。
地の理を把握し進軍・撤退の有利を読み、地形を利用して敵軍の進軍・撤退を阻み、現在・過去・未来の三点をつぶさに予測し次なる手を打ち出し、風と雲の流れを読んで天候を予測して利用し、人間の思考と心理に精通してその心と考えを操作する。
諸葛孔明という軍師が恐れられた最大の所以は、その莫大な知識を適切な判断能力に反映させた頭脳にある。
詳細は該当記事を参照。
出師表(すいしのひょう)
- ランク:EX
- 種別:対軍宝具(自軍)
- レンジ:0
- 最大補足:100人
諸葛孔明が敵国への討伐軍を編成した際にまだ若い皇帝に向かって残した上奏文。忠を尽くす心構えを熱烈に綴った文で、後年においても名文中の名文として讃えられた。
宝具としての効果は長らく不明だったが、イベント『レディ・ライネスの事件簿』にて判明。
効果は『かの英霊の伝説に沿って、必要な能力を相手に与えるもの』つまるところ、能力分配の効果である。
同イベントでは人理の危機や特異点というイレギュラーが作用した結果、エルメロイⅡ世に縁のある人物たちをサーヴァントとして召喚してしまうという驚きの効果を発揮した。
余談だが、『三国志演義』においてその上奏文を聞いた皇帝は涙したが、翌日、それを忘れたかのように遊び呆けており、諸葛孔明は頭を抱えるしか無かったという話がある。
……まぁ偉大すぎる父親と比較されるのが嫌なのは分からなくもないが。
ゲーム上での性能
ステータスは耐久タイプ。
ちなみに、後に実装された同格の玉藻の前と差はほぼ無い。
カードバランスは《Quick:1/Arts:3/Buster:1》とキャスタークラスの典型。
スキルは、味方単体にクリティカル威力アップを付与する「鑑識眼(A)」、味方全体に防御力アップと被ダメージカットを付与する「軍師の忠言(A+)」、味方全体に攻撃力アップと与ダメージプラス状態を付与する「軍師の指揮(A+)」いずれもサポート系のスキルで効果は3ターン継続する。
しかし実装当初はクリティカルを活用できる環境が整っていなかった為「鑑識眼」を活かすのは困難であり、「軍師の忠言」は補正が弱く、「軍師の指揮」に至っては習得に必要な素材が恒常クエストでは手に入らないというありさまであった。
一応「鑑識眼」「軍師の指揮」は当時の同種サポートスキルとの比較では最上級だったのだが、孔明に必要なスキル育成素材も同様に恒常クエストでは手に入らない状態だったため、完全に機能不全を起こしていた。
更に後述の宝具も当時の性能とゲームの仕様ではボス戦で使うと逆に不利になる代物だった。
挙句、当時難易度が高かった1章では敵がワイバーンを始めクラス相性で不利なライダー属性が多かったため、★5など1枚入れるのが精一杯だった低レベルの窮屈な編成コストも相まって、激レアなのにハズレ扱いという不遇を託っていた。
しかし2015年11月に修正が入り、全保有スキルにNP獲得効果が追加された。
内わけは、「鑑識眼」は単体に+NP30、「軍師の忠言」と「軍師の指揮」はそれぞれ味方全体に+NP10で、これにより概念礼装やマスタースキル、NP上昇スキルとの組み合わせ次第で速攻で宝具解放が可能になった。さらにスキルレベルに関わず固定値の為スキルを上げなくても可能という利点もある。
さらにバフの補正にも見直しが入り、
「鑑識眼」はLv10なら味方一体のクリティカル威力を50%上昇。
「軍師の指揮」はLv1の時点で類似効果の「カリスマ(A)」Lv10と同等の倍率。
「軍師の忠言」の補正値もLv1の時点で以前のLv10以上の性能。
と本来の効果であるバフ自体も非常に高性能に変貌。
更にクリティカルを活かせるサーヴァントが増えた事で「鑑識眼」が目を覚まし、「軍師の指揮」の習得やスキル育成に使う素材も本格的に実装された。
これらの強化により「どんな編成に入れても困らないサポーター」としての地位を築き上げた。
宝具は『石兵八陣(かえらずのじん)』で、こちらも完全なサポート型。
効果は【敵全体にチャージ減少+1ターン石化(スタン効果)+3ターン呪い状態付加&防御力低下】で、幕間の物語クリアで呪いが6ターンに延長され、防御低下の効果が上昇する。
また、スキル強化と同時に宝具性能も強化されており、チャージ減少効果が確定になっている。これにより使用する事で敵の宝具タイミングに時間差が生まれて逆に対処困難になる事が無くなった。加えて2015年11月末にゲームシステムの仕様が変更され、エネミーの一部が行動不能になった時に残るエネミーがその分行動する事が無くなり、孔明の宝具を使う事で耐性の無い雑魚エネミーだけが行動不能になりボスエネミーの行動回数が倍増する惨事も起きなくなった。これらの改善を経て、ダメージこそ与えられないものの使い勝手の良い優秀な宝具に進化を遂げている。
総括すると「スキルを主力とし、Artsチェインで1枚だけ介入し、後方で支援に徹して味方をサポートする」タイプのサーヴァントであり、Artsチェインでゲージを稼ぎ続け前線で身体を張るキャス狐とは好対照の戦法に秀でる。もっとも、スキル主力である以上玉藻の宝具によるCT短縮とのシナジーがとても強いため、同時起用も視野に入る。
現在はサポーターも数と幅を増やしているが、彼は主体とするカードの種類を問わない汎用性の高さを売りとしてる。一方でこれは「特定パーティーの必須にならない」という難点にもなっており、昔に比べると起用率は減っている。そのため、現在はボス戦や高難易度クエストにおける後ろ備えとしての利用が主となるか。
関連人物
諸葛孔明関連
自らを見出し、配下においた蜀漢の初代皇帝。孔明を登用するため、3度も住処に訪れ嘆願したエピソードは「三顧の礼」の故事成語として知られる。
「天下三分の計」の実現のため、曹操率いる魏との決戦をためらう呉の高官を説き伏せ呉との協力関係を取り付けるなどを筆頭に、劉備陣営後期の頭脳として活躍した。
上記の宝具のエピソードにもある蜀漢2代皇帝。劉備の子。
宦官の害を放置したり、幼名が「アホ」の語源と言われたりなど、暗愚としてあまりにも有名。当時から「劉禅は暗愚で過ちを知らない」と言われるなど、問題の多い人物だったようだ。
一方で、孔明の存命中は彼に全幅の信頼をもって重用し、彼や魏延など有能な者を誹謗する者や、臣下の妻を寝取った疑惑の上に理不尽な理由でその臣下を処刑しているものの、猜疑心で有能な配下を処断するという亡国一直線な事をすることはなかった。
魏から引き抜いた、「自らの後継者に」と期待した逸材。
「思慮精密で用兵に秀でている」と孔明は高く評価していたが、孔明の死後は度重なる魏への侵攻により国力を疲弊させ、蜀滅亡のきっかけの一つとなってしまっている。
「鑑識眼」のスキルが孔明由来ではないのはこの事などの他、自身を引き抜いた劉備の鑑識眼の良さをⅡ世に重ね合わせた結果なのかも知れない。
北伐に際して何度も対峙した魏の軍師。宿命のライバルといえる人物。
『FGO』ではイベントストーリーでの宝具行使がきっかけで、依代と縁の深い人物との疑似サーヴァントとして現界した。そして、あちらの幕間では遂に対面する。
同じく三国志の軍師。
彼から内政面に関して怪物とも称されているが、同時に「戦場に恵まれただけの軍師で人を見る目はなく、弟子にも恵まれなかった」と辛辣な評価もされている。
尚、依り代のエルメロイⅡ世に対してはどう思っているか、今の所不明。ただし二世は「弟子を才能を見抜いて大成させる」という点では破格であり、意図的なものかはともかくこの問題点を見事に依り代でカバーできている形になる。
依代関連
かつて、自身が参戦した聖杯戦争で組んだ征服王。
「自分が使える主はただ一人だけ」「あの征服馬鹿以外に仕える気は毛頭ない」と豪語するほど、彼への忠誠心は未だに強い。一方でイスカンダル側は、カルデアで再会したとしても目にかけはするが特別視はしない……とされている。ただしこれは、数多ある盟友や臣下との出会いの一つに過ぎないからであり、正体を一切知らないコラボイベントの時には「ぜひとも制覇せねば気が済まぬ猛者である」と評価したほど。
征服王の幼き日の姿。その関係性は師匠と弟子、先生と生徒、といったもの。
第二特異点では連合帝国の将と軍師として共に行動していた。
契約したマスター。
教師と生徒のような関係だが、イベントでも何かと絡む機会が多く、『Fate/Zero』とのコラボイベントではお互いの信念やあり方を理解し合っていた。
かつての自分自身。『Fate/Zero』とのコラボイベントで遭遇した際には普段の冷静さからは想像もつかないほどイラつくという、どこかで見たコンビっぷりを見せる。
曰く、未熟だった頃の過去はまともに見ていられないらしい。
また、同イベントではその特殊な第三段階を逆手に取り、戦闘不能になったⅡ世の代わりに孔明の依り代ととして最後の切り札になるという、原作とはまた違った形での大一番も。
宝具『出師表』の影響でサーヴァントとなった内弟子。
場所や能力は変わっても、二人の関係性と絆は変わらない。
余談
あまりにも引っ張りだこである事から気付くと絆レベル10(MAX)になっている人も多く、公式イベントで絆礼装取得ユーザー数がトップであると明言されてしまった。
そのため、絆レベルの上限を開放するアイテム「カルデアの夢灯」が実装された際も「これで心置きなく酷使できる」と言われたほどである。
さらに、2020年4月末『2000万DL突破キャンペーン』にて恒常☆5サーヴァントの配布が行われ、非所持のマスター達が目を光らせていたが、案の定ぶっちぎりの1位だった模様。
2021年8月からは無期限で期間限定以外の☆5サーヴァントの配布が行われているため、誰でも序盤から彼を連れていける。
もちろん、フレンド枠での借り入れに対しても大人気であるため、本作における過労死枠とも言われ、『Fate/Grand Carnival』でもネタにされている。元の世界はおろかここでもですか……
なお、本物の諸葛孔明も晩年は過労に追われていたため、ある意味では原典通りである。
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の原作者である三田誠氏が中々召喚できず、ピックアップされるたびに挑戦しては敗北していたが、『Fate/Accel Zero Order -LAP 2-』の際にようやく召喚に成功したらしい。