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〈大佐〉スネーク、忙しいところすまないがビッグニュースだ!
〈スネーク〉なんだ?また無茶を言うんじゃないだろうな。
〈大佐〉君は『大乱闘スマッシュブラザーズ』を知っているかね?
〈スネーク〉あぁ……あのNINTENDO(ニンテンドー)の。
〈大佐〉実は君に出場の招待状が届いているのだ。
〈大佐〉スネーク、参加してみる気はないか?
〈スネーク〉…………。
〈大佐〉ところで君は今、どこにいるんだね?
〈スネーク〉偵察任務中だ。
〈大佐〉偵察?一体何を?
〈スネーク〉敵を知ることこそ勝利への近道だからな。
スネーク参戦!!
ショウタイムだ。
概要
『大乱闘スマッシュブラザーズX』の初登場映像の最後で参戦が発表。同シリーズのゲスト枠第1号を飾った。
通り名は伝説の傭兵。
小島秀夫監督が『スマブラ』シリーズのファンだったことから参戦が実現した。
他社のキャラクターが参戦すること自体についての任天堂の見解は、「桜井政博に任せる」「滅多にないお祭りなので、より盛り上がって、より広がりが出たほうがいい」ということで難なく纏まったという。
最初のムービーで何の前触れもないサプライズだったが、実は同ムービーのニンテンドッグスが画面にじゃれつくシーンで、戦場上にダンボールが映っていた。
『メタルギアソリッド2』のソリッド・スネークをベースにしつつも、当時の最新作である『メタルギアソリッド3』のネイキッド・スネークと同様の顔立ちや迷彩服、そしてスタミナ回復時のボイスなども取り入れられており、「スネーク」の集合体ともいえるファイターに仕上がっている。
ちなみにそれ以前の『サルゲッチュ』とのコラボミニゲーム『猿蛇合戦』や『サルゲッチュ3』のミニゲーム『メサルギア』のスネークもソリッドであるが外見はネイキッドのモデルを流用していた。
ゲーム開始時の登場演出は『MGS2』タンカー編の序盤のムービーにも登場した、ステージ着地と同時に光学迷彩を壊すものが採用されている(原作と少し違いスマブラでは点滅している)。また、同時に原作でお馴染みの「待たせたな」と言うことがある。
実はファイターの中でスマブラ史上初の招待状が届いたファイターである。これが後のスマブラからの招待状設定として後々続くのだ。
特徴
「リモコンミサイル」や「C4爆弾」などの武器や、体術を使うパワータイプ。
強めの判定と高い攻撃力、そして豊富な飛び道具の存在から相手を足止めしやすく、地上戦では最強クラスのファイター。
反面、元々『メタルギア』自体ジャンプを殆どしないゲームのためか、ジャンプ力は全ファイターの中でも最低レベル。そのため空中制動も悪く、空中攻撃は威力こそ高いものの使いにくいため、総合的に見れば空中戦は苦手である。
体術を使ったワザがかなり凶悪な性能を誇り、場外への距離や相手のダメージによっては弱攻撃だけでも場外にふっとばすことができる。
横強攻撃と上強攻撃はリーチが長い上に攻撃範囲が見た目よりさらに大きい(通称:真空判定)。
一方でスマッシュ攻撃は「ロケットランチャーを目の前に撃ちこむ」「迫撃砲で真上に弾丸を飛ばす」「地雷を埋める」など非常に特殊なものが揃っており、他のキャラと同じ感覚では使えない。特に横スマッシュ攻撃「ロケットランチャー」の出の遅さはデデデと並んで最悪。この点は、状況次第でプレイテクニックで補うほかは無い。
さらにつかみは原作のように相手を拘束し、つかみ打撃で首を絞めるという異色のもの。下投げは「拘束開放」で相手をふっとばさずにその場に寝かせ、前・後ろ投げは目の前に投げ倒し、ふっとばすなど総合的に「MGS3」のCQCを意識したものになっている。
しゃがみがほふくになっており、カービィ並みに姿勢が低い。原作通りしゃがみ歩き(ほふく前進)もできる。
見た目に反してデデデやリザードンより重く、なんと全キャラ中3位の体重を持つ。
熱いリクエストに応えて復活!
第4作『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』では不参戦となったものの、最新作『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』で待望の復活。
ファイター番号は31、通り名は潜入のスペシャリスト。
当時監督であった小島秀夫が「新作には出ないんじゃないですかね」と公言していたのもあり、復活の可能性があまりにも低いと思われたためか、「E3 2018」のPVでは「全員登場」の文字が彼のところで表示された。
現在はメタルギアシリーズ自体の権利とキャラクターはコナミのIPである為、任天堂側がコナミと再交渉したのは確実である。桜井政博曰く「全ファイター許諾はギリギリで実現が危ういところもあった」とコメントしており、これが『メタルギア』関連の許諾に関しては危うい状態だったと推測されている(特に2015年からコナミでは社内再編が起きていた事実もある)。
また、FOXHOUNDのアイコン(正確にはFOXHOUNDの前身である隠密部隊FOXのものである)は旧小島プロダクションのロゴでもあったためか、シリーズアイコンが原作でもお馴染みの「!」(敵に発見された時のマーク)に変更されている。ちなみに出典は『メタルギアソリッド』である為、参戦当時の時点ではスネークはFOXHOUNDを既に除隊している。
パッと見はビジュアル面に変更点はないが、『X』時代のネイキッドそのものの顔立ちから、ひげの濃さはそのままにある程度ソリッドらしい顔立ちになっている(具体的には髪の色が茶髪から黒髪になっているなど)。
後述の事情や下必殺ワザとの重複からか、下スマッシュ攻撃が地雷を埋設する「マイン」から、前後に蹴る一般的なワザの「ダブルローキック」に変更。特徴的な雄たけびは横スマッシュ攻撃に引き継がれている。
勝利ポーズの一つが「ダンボールから出てくる」ものから「二度蹴りを繰り出し、CQCの構えをとる」ものに変更された。
真空判定や空キャンテクニックは削除され、体重もロボットと同じ値にまで下がり、弱攻撃の異様なふっとばしの強さも落ち着いた。
しかし、『X』の頃の手榴弾を使った待ちや起き攻め、ふっとばしの強い強攻撃・空中攻撃は健在。リモコンミサイルで相手を追いかける復帰阻止や、上スマッシュ攻撃などを駆使したガケでの展開作りなどがさらに強力になったことも合わさり、キャラランクとしては『X』とほぼ同じ立ち位置をキープしている。
必殺ワザ
- 通常必殺ワザ:手榴弾
一定時間後に爆発する手榴弾を投げる。左右入力で軌道を変えられる。
必殺ワザボタンを押しっぱなしにすると手榴弾を持ったまま移動できる。この間に必殺ワザボタンを離すか攻撃ボタンを押すと通常通り投げ、シールドボタンを押すとその場に落とす。
投げた or 落とした手榴弾はとうてきアイテムになり、相手も拾える。
- 横必殺ワザ:リモコンミサイル
軌道を自由に変えられるミサイルを発射。原作では「ニキータ」とも呼ばれる。
直進している時は高速で飛び、方向転換中はスピードが遅くなる。
約4秒経過で燃料切れになるか、スネークから一定距離以上離れる(戦場・終点土台の5/3ほど)と、勢いを失って垂直落下し、攻撃力が半減する。
ミサイルを操作している間はスネークは動けないためスキだらけになってしまうが、シールドボタンでキャンセル可能。この場合もミサイルは垂直に落下する。
『SP』では弾速が上がり、復帰阻止で使いやすくなった。
- 上必殺ワザ:サイファー
実在の偵察用無人機、サイファーにつかまりながら飛ぶ。間違っても普通はこんな使い方はしない。というかできない。
「一定時間経過」「下方向に入力する」「何らかのボタンを押す」のいずれかで手放す。しりもち落下にはならず、続けて行動できる。
使用時に慣性が働くため、使うタイミングによって復帰力が激変する。
『SP』では前方からの攻撃に対してのみ7%まで耐えるアーマーが付き、主に多段系のワザを喰らっても気にすることなく復帰できるようになった。ただし、サイファーだけを破壊されてしまうと新たに取り出すこともできず、そのまま落ちていくので注意。
- 下必殺ワザ:C4爆弾
その場にC4爆弾を置く。長時間経過するか、もう一度入力すると起爆する。
相手や壁に密着しているとそちらに貼り付ける。爆弾を貼り付けられた相手は、誰かに密着すると爆弾をなすりつけられる。
落下中に自爆すると、ダメージと引き換えに再度上必殺ワザが使えるようになる。スネークにとっては重要なテクニックなので覚えておいて損はないが、パワーが高いため自身の蓄積ダメージには要注意。
性能に変化はないが、稀にバタフライ型C3爆弾になる。これは『MGS3』のとある場面が元ネタ。
『SP』ではしゃがみながら設置・起爆ができるようになった。
また、爆弾のデザインが変わり、貼りついた直後にしばらく赤く発光するようになったため見やすくなった。
ヘリコプターから下ろしたなわばしごにつかまり、画面手前からステージに向けてグレネードランチャーを発射する。
ボタンを押すごとに発射し、リロードを挟んで最大12発。狙って打つよりも乱発した方が効果が大きい。
- 最後の切りふだ(SP):援護射撃
フレアグレネードを投げ援護を要請、画面手前からミサイルを数発飛ばす。
グレネードを投げた直後は照準を動かすことができ、ファイターを5回までロックオンできる。
フレアグレネードやミサイルのデザインは『MGSV』、照準は『MGS』『MGS2』のスティンガー使用時のもの、左上のゲージは『MGS3』の体力・スタミナゲージにそれぞれ似ている。
その他
アピール
ダンボールに対する拘りが凄まじく、入り方が違うだけで3種全てダンボールに入るアピールを披露する徹底ぶり。
また、アピール中に他キャラに段ボールを取られて捨てられたり、その段ボールに攻撃判定があったりとシステム的にもひと味違う仕様になっている。
また、ステージ「シャドーモセス島」でスマッシュアピールをすると、オタコン、メイ・リン、大佐(+ゲスト)が相手ファイターについて解説してくれる。この時にスネークがミスになると原作のゲームオーバー時のように叫ぶ。
「大佐!大佐!」「大佐ーッ!!(エコー付き)」
『SP』でも続投したが、ある事情で新録は叶わず、『X』時代に参戦していたファイターのみ対応している。
当然、内容にも変更がないため、クッパは当時から機動力が強化されたにもかかわらず「鈍重」だと言われていたりと、ファイターの解説に矛盾が出てしまっている。また、カラーバリエーションの『暁の女神』版アイクやピクミン&アルフにも対応していない(リンクのみ「クローショット」を使わない『ブレス オブ ザ ワイルド』版であることから、その部分がカットされている)。
勝ちあがり乱闘 「装備あれば憂い無し」
武器及び爆発物を持ったファイターが登場。アイテムも爆発物、銃系のみに固定されている。
BOSSのガレオムは大型兵器「メタルギア」を意識している。
余談
銃や刃物などの現代兵器を使わず、爆発物や重火器に絞っている点においてCERO対策や銃が簡易に入手できてしまう国への配慮なのは間違いないのだが、基本的にメタルギアシリーズは初代から『メタルギアソリッド』までは装備や武器は現地調達の丸腰が基本であり、潜入任務という事で戦闘をなるべく避ける傾向であるので、スマブラのスネークが徒手空拳や爆発物を駆使するのは、実はそこまでおかしい事ではない。
刃物に関してもソリッドは「刃物は趣味ではない」と発言する場面があり、実際CQCやナイフは「MGS4」までは使用していなかった。
なお、ゲーム中のスネークのビジュアルをよく見ると、右大腿にホルスターがあり、拳銃のグリップ部分が出ていることが確認できるため、使っていないだけで一応装備品としてはピストルも持っていることになる。原作のシチュエーションから、持っているのはM9を改造した麻酔銃だろうか?
『X』での下スマッシュ攻撃『マイン』は発売前のスクリーンショットではリアルな見た目だったのだが、後に玩具のようなデザインに差し変わっている。しかし、後者のデザインは「メタルギア」「メタルギア2」に登場する地雷を意識しているものであり、結果的にこちらの方が原作に近い。
『SP』では現実に起こっている地雷の不発弾による事故に配慮してか、ワザそのものが差し変わった。性能面で考えても「SPのスネークにこれがあったら崖上がりが詰みかねないので逆になくてよかった」という意見もある。
スマブラ以前に、『ドリームミックスTVワールドファイターズ』というスマブラとよく似た多人数対戦ゲームにスネークは出演していた。そちらでも銃や刃物は使わず、格闘攻撃やC4を使った攻撃のみを使用する。また、色変えで『MGS2』『MGS1』のスニーキングスーツの他、タキシードやイロコィ・プリスキンの衣装もある。
ソリッドではなくネイキッドを主人公とした『メタルギアソリッド スネークイーター 3D』ではヨッシーがゲスト出演しているのだが、何故かネイキッドが「既視感を感じる」「ヨッシーと戦った事がある気がする」と述べる無線会話がある。
コナミの50周年記念イラストでは新旧問わずあらゆるコナミキャラが集合しており、その中には当然スネークの姿もあるのだが、よく見ると『スマブラ』のデザインになっている。
「メタルギア」シリーズは、元々任天堂ハードでの展開はあまりされておらず、FC版「メタルギア」「ゴーストバベル」、海外限定で「Snake's Revenge」といった外伝作品や「ツインスネークス」「スネークイーター3D」などのリメイク作品に留まっていた(いずれも小島は制作に関わっていない)。
しかし、2023年にMGS1、2、3のリマスターを含めた「Metal Gear Solid: Master Collection Vol. 1」がSwitchを含めた各ハード向けに発売されることが発表された。
これによりスネークはクラウド、ジョーカー、ソラに次いで「「スマブラ」に参戦したあとに出典となった作品がSwitchで遊べるようになった」ファイターとなった。