「任務をシミュレーション通りに完遂するんだ!」
「雷電、今すぐにゲーム機の電源を切るんだ!」
「川西能勢口、絹延橋、滝山、鴬の森、鼓滝、多田、平野、一の鳥居、畦野、山下、笹部、光風台、ときわ台、妙見口」
CV:青野武
概要
発狂大佐とは、『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』に登場する『大佐』のプレイヤーからの通称。
前作に登場したロイ・キャンベル大佐と同一人物と思われていたが…?
2009年4月29日に発生した『ビッグ・シェル占拠事件(プラント編)』で、テロリストに占拠された巨大海上除染施設『ビッグ・シェル』に隠密部隊FOXHOUNDの新人隊員である雷電が単独潜入した際に『大佐』として登場、無線で現場の指揮を取っていた。
雷電に様々な指示を与え、作戦を円滑に進める一方、ビッグ・シェル先行突入部隊の生き残り、米海軍特殊部隊Navy SEALsの自称別動隊隊員、イロコィ・プリスキン中尉の協力を扇ごうとする雷電を「あの男は本作戦の要素には入っていない」として頑なに制止。
2年前の『タンカー沈没事件』の犯人が無二の戦友であるソリッド・スネークだと言われているにもかかわらず、彼を庇う言動は疎か「死亡している」と、こちらも頑なに譲らない。
作戦を通して味方や協力者が死亡した際、終始冷淡で無関心に振る舞い、予定調和を思わせる言動や、脅しによって雷電に指示を強要するような態度が目立っていた。
違和感
大佐の言動には妙な部分が多く、ことごとく話が食い違ったり、不信感を抱いてしまう点が散見される。
違和感は言動だけでなく、大佐に関係するものも含まれる
- ローズマリー以外とのナノマシン無線の中継を極端に避ける。
- 作中で一度も、誰からも名前で呼ばれない(通信時の名前タブにも『大佐』としか書かれていない)。
- 『シャドーモセスの真実』をゴシップ扱いする。
嘘
『ビッグ・シェル占拠事件』で、突入前や作戦中に大佐は雷電に嘘の情報を伝えていた。
- テロリストが人質の身代金として現金300億ドルを要求している情報。
- ビッグ・シェル内のC4爆弾除去の報復で人質が殺害された情報。
- 海水殺菌に使用されている塩素系薬物と原油が炎上すると大量の有毒科学物質が発生する情報。
矛盾
- 『シャドー・モセス事件』の後、解体されたはずのFOXHOUND部隊に何の説明も無く復帰している。
- ダンボール箱を被る人物の話題(以下は作戦中の会話を一部抜粋したもの)。
- 「いつものようにそれで敵をあざむくんだ。」(『メタルギアソリッド』)
- 「いくらデッドセルが変人ぞろいでもダンボールはないだろう……。」(『メタルギアソリッド2』)
キャンベル本人ならば、過去の潜入でダンボールを使用したことを知っているため、このような反応をすることはない。
既視感
大佐が誘導する指示は、どれも『シャドー・モセス事件』のデジャブが多く含まれ、言動にもそれが現れている。
- 同一の会話
(以下は作戦中の会話を抜粋したもの)
「状況はどうだ?」
「くれぐれも見つからんようにな。」
「何かあれば――140.85だ。」
「耳小骨を――敵には聞こえない。」
- 似た会話
わざわざ言い直す場合もある。
(以下は作戦中の会話を一部抜粋したもの)
「こちらから連絡があればコールする。」(『メタルギアソリッド』)
「こちらから呼び出す場合、いや連絡があればコールする。」(『メタルギアソリッド2』)
「ええ、うちにあんな隊員はいない…。」(『メタルギアソリッド』)
「我々の仲間ではない。違う……うちにあんな隊員はいない。」(『メタルギアソリッド2』)
「うむ、簡単に妨害されてしまうんだ。」(『メタルギアソリッド』)
「うむ、簡単に妨害されてしまうのだ。」(『メタルギアソリッド2』)
正体
終盤に「大佐」は「愛国者達」の有する代理AI「G.W」と予備AI「J.F.K」(名前は本編未登場)が作り出した偽物であり、雷電の体内ナノマシンを利用して作り出された架空の存在である事がオタコンの調査結果から判明する。(大佐の無線の暗号化コードが、G.Wと同一だったことも決め手となった)
つまり、今まで通信をしていた「大佐」は雷電の脳内にのみ存在し、雷電にしか分からない架空の存在という事になる。
言ってみれば高性能なAIとて本物の考えや心の内、細かな人物描写までは再現できなかったことの証明でもあった。
また今作の事件そのものがS3計画の為の演習であり、新生FOXHOUNDという部隊自体も最初から存在せずテロもなにもかも仕組まれたものだった。
ちなみに・・・『大乱闘スマッシュブラザーズX』と『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』のシャドーモセス島でのスマッシュアピールで聞ける無線でも、ある人物についての会話で登場する。
アーセナルギア内部に侵入した時に大佐に無線でコールすると、エマ・エメリッヒが作り出したG.Wを破壊するコンピューターウイルス『ワームクラスター』に感染した大佐がおかしな迷言を連発する。
前世の記憶、メタ発言、メイ・リンの物真似、外伝に出てくる連続通信機ドラマ、能勢電鉄、極めつけはらりるれろ!。
中には意味不明なセリフも存在し、「巻き舌宇宙で有名な紫ミミズの剥製はハラキリ岩の上で音叉が生まばたきするといいらしいぞ。要ハサミだ、61!」や、「そういえばこの前、グパヤマに会ったぞ。シポムニギでな。君によろしくと言っていた。」というのもある。
なお、「任務は失敗に終わった!今すぐ電源を切れっ!」のパターンはこれを知らない世代には引っかかった者もいた・・・らしい。
MGS4でも隠し要素でとしてとある場所で一部を聞く事ができる。
『G.W』がワームクラスターで完全に破壊された後は、演習の記録は『J.F.K』が引き継ぎ、雷電にソリダスを倒すように迫る。
余談
- 作中で名前は呼ばれないものの、通信中の大佐のネームタグには名前がかかれている。SNAKE TALESでは本人が登場している。(草案では、ダニエル・クインとなっていた)
- 『メタルギアソリッド2』時代は軍を退役した筈なのだが、直接繋がるかは考えられていないものの『メタルギアソリッド』の後の話であるドラマCDではキャンベルはシャドーモセスの件をきっかけに現役復帰して国連軍のオブザーバーとなっており、更にFOXHOUNDも存続して新規隊員の選抜を行っていた為、この点に関しては気付き辛い部分もある
- 本人ではない事が実は本編ではないところにヒントとして書かれている。『メタルギアソリッド2』に収録されているシャドーモセス事件での作戦に関わったジャーナリストことナスターシャ・ロマネンコによる暴露本『シャドーモセスの真実』において、シャドーモセス事件のその後におけるキャンベルの動向で「軍から離れ、悠々自適な生活を送っている」と記されているのである。
- 本編中においても実は非常にわかりやすいヒントが存在する、それは喋り方である。聞き比べるとすぐにわかるレベルでキャンベルとは別人な喋り方をしており、抑揚がない文字通り機械のような喋り方をする。聞き比べるとすぐにわかるレベルなのだが、逆に本物と思っているとそれ気付かない絶妙なレベルの演じ分けを、青野氏が行っている所がポイント。
- バンドデシネでは、ロイ・キャンベルと名乗っていて雷電もキャンベル大佐と言っていた。しかし、アーセナルギア内部でスネークが本物のキャンベルのシャドーモセス島事件後の動向についても説明している。
- 後に『メタルギアソリッド3 スネークイーター』のオマケゲーム「猿蛇合戦」や『サルゲッチュ3』の「メサルギアソリッド」、『大乱闘スマッシュブラザーズX』のスネーク参戦初報の無線会話でこの大佐のポリゴンモデルが流用されている。ちなみにこれらは紛れもなくロイ・キャンベル本人である。また、このポリゴンモデルはいわゆる胸像のように肩から下は無い。「ザ・ドキュメント・オブ・メタルギアソリッド2」でこのポリゴンモデルを見る事かできる。
- MGRではLQ-84iとの無線で大佐の迷言が取り上げられており、雷電にグパヤマについて問われたLQ-84iは「ヤマといえば日本語で山(マウンテン)の意味」と解説し、大佐は “グパヤマと会った” と言っていた、多分山じゃない」と返すと、「それならスモウレスラー(関取)のリングネーム(四股名)にはヤマを関したものが多い、もしかしたらグパヤマは関取なのかもしれない」と答えているが、「では、"シポムニギ"は…」と問われた際には思い当たるものがなく、2人して押し黙るしかなく、シポムニギについては何も分からなかった。
- 発狂時の無線会話の中には不思議な体験をしたと話すパターンがあるのだが、これは映画『宇宙人誘拐事件』のパロディらしい。どういうわけか『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』にも似たセリフが出てくる。